Webサイトにおいて、各ページに対しては、どのようなSEO対策を施すのが効果的なのでしょうか。
この記事では、SEO対策に効果的なページの作り方をテーマに、複数ページの作成がもたらす効果や、検索エンジンで上位表示されやすいページの特徴について紹介します。
そもそもなぜページが必要なのか?
ページへのSEO対策を考えるにあたって、まずはページの必要性をあらためて確認します。
「なぜ、サイトに複数のページが必要なのか」「なぜ、トップページや少数のページに情報を詰め込んではいけないのか」を、検索エンジンの評価の仕組みなどとあわせて見ていきましょう。
さまざまな検索意図に対応する必要がある
検索をする際、ユーザーが求めるものは、決して同じではありません。
事業者が提供するひとつの製品・サービスに対しても、ユーザーごとに多様な検索意図が存在します。
例えば「掃除機」というキーワードひとつでも、人によっては掃除機の購入をするための店舗を探しているかもしれませんし、廃棄を考えているのかもしれません。
検索エンジンでは、こうした多様な検索意図に応え、多くのユーザーにも満足してもらいたいという思惑があります。
したがって、多様な検索意図に応えられるサイトが高く評価され、上位表示されやすい傾向にあります。
サジェストキーワードに幅広く応えるためのページが必要
検索エンジンでは、多くのユーザーによるさまざまな検索意図のうち、重要かつユーザーに求められていると判断されるものを「サジェストキーワード」として検索入力欄に表示します。
たとえば、「パソコン」と検索エンジンに入力すると、自動で「パソコン 教室」「パソコン デスク」など、ユーザーが検索したいのではないかと推測したワードを提示してくれますが、それがサジェストキーワードです。
そして、そのサジェストキーワードに対応するページを作ることが、SEO対策では重要となります。
トップページしか作らず、単一のビッグキーワードしか対象に設定していなければ、さまざまなサジェストキーワードには対応できません。
当然ながら、複数のユーザーの多様なニーズに応えているとは判断されず、結果として上位表示も難しいものとなるでしょう。
なお、1ページで対応する検索意図(インテント)はひとつに絞るのが鉄則であり、テーマの明確さやユーザーにとってのわかりやすさという点からも、1ページ1検索意図であることが望まれます。
つまり、ひとつのサイトで複数のサジェストキーワードを持つためには、複数のページが必要となるわけです。
実は下層ページほどアクセスを得やすい
サイトに複数のページが必要なもうひとつの理由が、下層ページほどアクセスを獲得しやすいという点です。
トップページでは、一般的にビッグキーワードを狙うことが多くなります。ビッグキーワードで上位表示されるようになれば、確かにSEO的な効果は大きいでしょう。
しかし、ビッグキーワードは競合度も高く、順位が上がるまでに時間がかかるのも事実です。
ロングテールキーワードとは「旅行 長野県 子ども連れ」のような複数の単語を組み合わせた、より具体的で専門性のあるキーワードです。
「旅行」のようなビッグキーワードよりも対象がよりニッチである分、検索エンジンで上位に表示がされやすくなります。
複数の言葉を組み合わせたロングテールキーワードは、それだけユーザーのニーズも絞り込まれているため、ビッグキーワードに比べて興味を惹きやすくなります。
そのニーズに応えられる下層ページがあれば、より早く、より多くのアクセスを得られるようになるでしょう。
サイトへの集客はトップも下層ページも同じ価値
トップページは入口としての印象が強いことから、ついトップページからの集客を考えがちかもしれません。
しかし、必ずしもサイトへの集客がトップページである必要性はありません。下層ページからのアクセスも同じ価値を持ちます。
むしろ、多様な検索意図に対応した、それぞれのユーザーに適した入口をたくさん用意する方が、より高い集客効果を発揮できます。
売り上げアップなどの具体的な目的を考える場合も、ビッグキーワードでの集客にこだわるよりも、実際に売り上げにつながりやすいキーワードを選んで下層ページを作成し、そこからアクセスを得る方が効率的です。
ページごとにリンクをもらえると評価もアップ
Googleは200を超えるランキング要素のうち、リンクとコンテンツをもっとも重要な要素と位置づけています。
リンクとは、外部からの被リンクのことであり、インターネット上で外部から高い評価を得ているかどうかの指標となります。
良質な外部リンクをより多く受けることで、検索結果で上位表示することにつながりやすくなるため、外部リンクの受け皿を用意する意味を考えても、サイト内に複数のページを用意することは欠かせません。
ただし、外部リンクを受けられるかどうかは、検索ユーザーの満足度にかかっています。
いくらページを用意しても、それがユーザーの検索ニーズに応え、ユーザーの役に立たなければ何の意味もありません。
良質な外部リンクを受けているページが多いほど、良い評価を受けることにつながります。
SEOの外部対策とは?外部リンク(被リンク)やメンション、指名検索を増やす方法
上位表示のためのページ作成方法(テクニカルSEO)
では、どのような点に気を付ければ、検索結果における上位表示を目指せるのでしょうか。
まずは、検索エンジンにサイトの内容と価値を適切に伝えるために重要なテクニカルSEOについて説明します。
SEOの内部対策とは?クローラーに適切に評価してもらうためのサイト内部最適化
サイト構造の重要性
個別のページへの対策を考える前に、まずはサイト全体の構造をはっきりと定める必要があります。
サイト全体の構造が重要
情報を伝える際には、全体の構造が適切に組まれていないと、意図したとおりに伝わりません。
全体の構成がわかりにくい場合、テーマがぼやけてしまい、ユーザーに情報が伝わりにくくなってしまいます。
1ページ1検索意図で設計
サイト全体の構成を考えるにあたっては、ページごとのキーワードが重複しないようにする必要があります。
その際、1ページでひとつの検索意図(インテント)に応えるようにページを作ることがSEO対策の鉄則です。
もちろん、各ページが孤立していては、サイト全体の構造を設計する意味がなくなってしまうため、「ページごとのキーワードがどう関連するか」のキーワードマッピングも行うようにしましょう。
ページのタイトルタグの設定方法
サイト全体の構成とページごとのキーワードが決定したら、それぞれのページにタイトルを付けます。
タイトルはタイトルタグを用いて設定しましょう。タイトルタグは、HTMLのヘッダ情報を記述する要素の中に、titleタグで記述して指定します。
タイトルそのものは、コンテンツの表示部分に他の内容と一緒に表示されることはありません。
しかし、タイトルタグの中身は、検索結果画面(SERPs)においてページタイトルとして表示され、検索ユーザーはそのタイトルを見てクリックするかどうかを判断します。また、検索エンジンも主にページのタイトルからコンテンツ内容を判断します。
ユーザーにとっても、検索エンジンにとっても、最初に目に付く重要な判断材料となるのがページタイトルなのです。
タイトルタグを設定する際は、
- ページで取り上げるキーワードをタイトルにも入れる
- ページの内容を適切に伝えるタイトルにする
- サイト内で他のページとタイトルを重複させない
- 35文字を目安に設定し、重要キーワードは前半に配置する
などの点に注意しましょう。
SEO対策で重要なタイトルタグ最適化の方法!すぐに役立つ実践的ノウハウを紹介
metaタグの書き方
メタタグとは、タイトルタグ同様にHTMLのhead要素の中に記述するものです。コンテンツとして表示されないものの、サイトの情報を適切に検索エンジンへと伝えるためには重要です。
ページの概要を記述するmeta descriptionの他、文字コードを指定するmeta charset、クロールやインデックスを制御するmeta robots(nofollowやnoindexを指定)など、さまざまなメタタグが利用できます。なお、Googleの検索エンジンにおいては、公式にサポートされているメタタグ 以外は無視されるので注意が必要です。
メタタグの中でも、テクニカルSEOにおいて特に重要なのがmeta descriptionです。
タイトルとあわせて、ユーザーがSERPsでクリックするかどうかの重要な判断材料となるため、よく考えて記述するようにしましょう。
モバイル対応
近年のモバイル環境の普及、とくにスマホの普及は著しいものがあり、日本国内における個人のスマホ所有率が2011年から2016年で約4倍に増えています 。
こうしたモバイルユーザーの増加を受けて、Googleもモバイルを重視する方向へと舵を切り、2015年には「モバイルフレンドリーアップデート」が行われ、2018年には「MFI(モバイルファーストインデックス)」が開始されました。モバイルユーザーに対しては、モバイル対応して見やすいサイトが上位に表示されやすくなるというものです。
ユーザーの大半がモバイルからの利用となっていくことを考えれば、サイトを提供する側としても、モバイル対応は絶対に外せない要素と言えます。
具体的に必要となる対策としては、「レスポンシブデザインを導入する」「AMP(Accelerated Mobile Pages)に対応する」などです。
【スマホ・モバイルのSEO対策】Googleで検索順位を上げる方法
AMP(Accelerated Mobile Pages)とは?その仕組みとSEOへの影響について
上位表示のためのページ作成方法(コンテンツSEO)
上位表示を目指すページを作るためには、テクニカルSEOだけでなく、コンテンツSEOも重要になってきます。
ユーザーが知りたい・欲しいと思う情報を適切に提供できるページを用意し、上位表示を狙うのがコンテンツSEOの考え方です。
コンテンツでSEO対策!プロが教えるユーザーからも検索エンジンからも評価される高品質コンテンツの作り方
トピックの網羅性
コンテンツSEOにおいて重要な考え方のひとつが、トピック(話題)の網羅性を高めるというものです。
あるトピックについて、「関連する情報をいかに幅広くカバーしているか」、また、「そのためのページを用意できているか」が、サイト全体での評価に大きく影響してきます。なぜならばユーザーの検索する理由が多様だからです。
ある特定のトピックに対して、ユーザーはその時々の興味やライフスタイルの違い、事前知識の差異などから、異なるキーワードで検索します。
そんな多様な検索意図のうち、重要かつユーザーに必要とされているものを検索エンジンはサジェストキーワードとして取り上げます。
幅広いサジェストキーワードに応えられるサイトであること、すなわちトピックに関する網羅性が高いサイトであることは、ユーザーの意図を満たしやすいサイトと推測されるため、検索エンジンでの評価も高くなります。
ユーザーが読みやすい文章を意識
次に考えるべきは、コンテンツそのものの質の高さです。
質の高いコンテンツを作成するためには、以下のようなポイントに注意して進めるようにしましょう。
- ユーザーに対して趣旨をわかりやすく伝えること
- 結論、過程、背景、理由、考察などの要素をロジカルに展開すること
- 難しい言葉をかみ砕きストレスが少なく読めること
- 誤字脱字などがなく、表現もわかりやすいこと
- 必要であれば図表なども利用すること
ある程度の慣れは必要になりますが、上のような点を意識することで、ユーザーが読みやすい文章に仕上げやすくなります。
ユーザーが行動を起こしやすいページ構成
一口に検索意図に応えると言っても、必ずしも情報を提供するページだけが求められているわけではありません。
ユーザーの検索するキーワード(クエリ)には、
- トランザクションクエリ(何かをしたいという取引型のクエリ)
- ナビゲーショナルクエリ(そのサイトに行きたいという案内型のクエリ)
- インフォメーショナルクエリ(何かを知りたいという情報型のクエリ)
の3つがあります。
このうち具体的に何かをしたいという取引型クエリの場合、購入や申し込みという取引までつながるページが用意されている方が、ユーザーの満足度は高くなります。
それに伴って、検索エンジンの評価も高くなることでしょう。事業者の立場としても、コンバージョンおよび売り上げのアップにつながるクエリは見逃せません。
検索ユーザーのニーズを的確に拾い上げ、コンバージョンにつなげるためには、購入や申し込みなどの行動への導線がわかりやすく、ユーザーが行動を起こしやすいページ設計にすることが重要です。
たとえば、ユーザーが行動を起こしやすい位置にボタンを配置したり、次のステップへと移行する妨げになるような要素(取引上の不明点や不安など)を払拭する情報を掲載したりするなど、さまざまな対策が考えられます。
ユーザー行動の促進に最適なページは、必ずしも最初から作れるわけではありません。アクセス解析などからユーザーの行動を読み解き、ページに改善を施していくことが必要です。
ページの評価をトップページへ反映させる方法について
ページへのSEO対策においては、各ページの順位を上げて評価を得ることに加え、その評価をトップページに反映させることも重要です。
ここでは、サイト内のページからトップページへと評価を反映させる方法をご紹介します。
ページからトップページへ内部リンク
サイト内の下層ページで専門的なコンテンツを提供し、ユーザーおよび検索エンジンから高い評価を得られるようになっても、それぞれのページが孤立した状態ではサイト全体の評価につながりません。また、せっかく構成したサイト全体の情報構造も無駄になります。
せっかく行った施策の効果が薄くなる事態を避け、各ページへの評価を連携させるためには、ページ同士をつなげる内部リンクの存在が不可欠です。
特に重要なのが、各ページを必ずトップページとリンクさせ、その評価をトップページへと反映させることです。
トップページへの内部リンクの方法としては、
- 本文中からのリンク
- パンくずリストによるリンク
- ヘッダー部分のリンク
- サイドバーやフッターメニューからのリンク
などがあります。
ユーザーにとっての利便性とわかりやすさ、クリック促進の効果などを考慮すると、一般的にはページ上部や文中からの内部リンクがおすすめです。
また、文中から内部リンクを設定する場合は、トップページで検索順位を上げたいビッグキーワードをアンカーテキストに含めることも効果があります。
SEOの内部対策とは?クローラーに適切に評価してもらうためのサイト内部最適化
外部評価をトップページへ反映させることも重要
トップページへ内部リンクを設定する際は、そこに外部からの評価を反映させるという考え方も重要です。
たとえば、外部からのリンクを受けた場合、その外部リンクはコンテンツの内容に満足した結果として得られたものだと検索エンジンは判断します。
高評価を受けているページから、サイト内のトップページやその他の重要なページへと内部リンクを設定することで、互いのページの関連性が高いとみなされ、外部リンクによって得られた高い評価を、他のページへと反映させることができます。
他のページの評価を地道に上げていくためにも、内部リンクによる評価の反映は欠かさないようにしましょう。
SEOの外部対策とは?外部リンク(被リンク)やメンション、指名検索を増やす方法
まとめ
Webサイトに複数のページを用意してSEO対策を施すことは
- さまざまな検索意図に対応する必要がある
- ページからアクセスが得られる
- ページにリンクをもらえる
という3つの理由から非常に重要です。
そして、実際に上位表示を目指すページを作るためには、テクニカルSEOとコンテンツSEO、両方でのSEO対策が欠かせません。
検索エンジンにサイトの内容と価値を適切に伝える「テクニカルSEO」と、ユーザーの検索ニーズに応えたコンテンツを作る「コンテンツSEO」、その両方をバランス良く行うことで、ページの価値は上がっていきます。
また、サイト内のページの評価が高くなれば、その評価を他のページに反映させることもできます。順位向上のためにも、適切なページへの対策を行うようにしましょう。
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