コンテンツによるSEO(コンテンツSEO)は、ユーザーが直接目にするコンテンツそのものを充実させ、ユーザーの役に立つコンテンツを提供することで、ユーザーと検索エンジンどちらからも高い評価を得るための方法です。 「コンテンツSEO」は近年のSEOの主流として注目を集めている一方で、具体的対策方法がわかりにくいのもコンテンツSEOの特徴です。 そこで今回は、コンテンツSEOの基本となる考え方や背景に加えて、コンテンツSEOを実施するための具体的な7つの手順についてもご紹介します。
コンテンツSEOとは?そのメリットと検索キーワードに応えられるコンテンツとは?
コンテンツSEOとは、検索エンジンからの流入を獲得するためのSEO手法の一つであり、近年、特に注目を集めています。 Webサイトのコンテンツは、Webサイトに掲載された文章やタイトル、画像、動画、図表などユーザーが直接目にする内容のことを言います。
コンテンツSEOが注目される理由は?検索エンジンの評価方法の変化
コンテンツSEOが注目を集めている背景には、検索エンジンの評価方法が変化してきたことがあります。
コンテンツSEOのメリットはSNSと連携が取りやすく集客効果が持続する可能性があること
コンテンツSEOの重要度が高まってきた理由として、普及の著しいSNSとの相性のよさも挙げられます。 SNSユーザーは、一般的に良い情報の発信や拡散に対して積極的です。 「この情報すごく役に立つ」「おもしろい!」など、ユーザー自身がその内容に満足できるコンテンツに出合った場合、FacebookやTwitterを使って「自身の満足感」を伝えます。 コンテンツの紹介や口コミが自然に発生するのです。
一方的に情報を押しつけることがないように、連携の方法には十分に注意した上で活用しましょう。
質の良いコンテンツ作りとは?SEO施策効果があるコンテンツの作り方
コンテンツSEOの根幹をなす「質の良いコンテンツ」とは、主に以下の条件を満たしていると考えられます。
- ユーザーの役に立つコンテンツであること
- 内容が正しいコンテンツであること
- 情報源として信頼できるコンテンツであること
- 関連した情報の網羅性が高いコンテンツであること
ユーザーの役に立つというのは、知りたかった情報を得ることで仕事や生活、趣味などにプラスに働くということを意味します。 そのためには、コンテンツの内容は正しくなければいけません。 インターネット上には、捏造された情報や歪曲された情報、デマなどもあふれかえっているので、内容の正しさをユーザーが客観的に確認しやすいことも重要です。 個人的な検索行動に加えて、SNSを通じて得た情報を拡散することも増加していますので、情報源としての信頼性がより求められるようになってきています。
良いコンテンツには「検索クエリ」に対する情報と信頼性・オリジナリティが大切
検索ユーザーの役に立つためには、何を求めて検索しているのかという検索意図(インテント)に対して適切な情報を返すこと、さらにその情報に信頼性とオリジナリティがあることが求められます。
検索クエリに対する適切な回答とは?
ユーザーの検索意図にあわせて、検索キーワードには下記の3タイプの検索クエリが存在します。
- ナビゲーショナルクエリ(Goクエリ)
そのサイトに行きたいという案内型のクエリ - トランザクションクエリ(Doクエリ)
何かをしたいという取引型のクエリ - インフォメーショナルクエリ(Knowクエリ)
何かを知りたいという情報型のクエリ
たとえば、「京都 観光」という検索キーワードの場合、見所やイベントなどの観光情報を知りたいインフォメーショナルクエリであることが考えられます。 これが「京都 旅行」である場合、単に知りたいだけではなく、実際に旅行に行く計画を立てたり宿の予約などを行ったりしたいトランザクションクエリである可能性が高くなるでしょう。 一見すると似ているようで、実はユーザーの検索意図が異なるケースは多々あります。 この意図を読み間違えてしまうと、ユーザーにとって役に立たないコンテンツになってしまうので、検索意図を正確に読み取り、適切な回答ができるように心がけましょう。
コンテンツの信頼性とオリジナリティ
ユーザーは複数のサイトから自分の欲しい情報を得るので、既存コンテンツの焼き直しやコピーしか掲載されていなければ、価値のないコンテンツと言えます。 独自の調査に基づいた記事や専門家による執筆など、他のサイトにはない情報源や専門知識を活用した高い信頼性などのオリジナリティを持つことが重要です。
ペナルティを受けやすいコンテンツもある?コンテンツSEOにおける注意事項
コンテンツSEOの鉄則は、ユーザーの検索ニーズに応えて役に立つコンテンツを提供することです。 検索エンジンもこれができるコンテンツを高く評価します。 逆に、ユーザーに対して誠実に向き合わず、ただ検索上位のみを目指すコンテンツは、検索エンジンからの評価が下がるどころかペナルティを受けることもあるので注意しましょう。 たとえば、
- コピーコンテンツばかりを掲載している
- サイト内で重複する、または重複に近いバージョンを持っている
- ユーザーにとって意味のないキーワードを大量に詰め込んでいる
- 隠しテキストや隠しリンクを持っている
など、ブラックハットSEOに分類されるコンテンツは、掲載順位だけを上げようとする不適切なコンテンツと判断されてしまいます。 あくまでも「ユーザーに向けた適切なコンテンツ」を満たすコンテンツを作るようにしましょう。
コンテンツSEOの全手順!順位を上げるには記事制作前の準備が大事
続いては、実際にコンテンツSEOを実施するにあたっての具体的な手順をご紹介します。
手順①キーワード選定:サイトにマッチするキーワードの選び方
ユーザーの検索ニーズに応え、検索結果でも上位に表示されるコンテンツを作るためには、Webサイトにマッチしたキーワードを選ぶことが大切です。 キーワードを選ぶ際には、Googleキーワードプランナーなどのツールを用いますが、このときに単純に検索回数だけで判断しないようにしましょう。
手順②競合調査:競合を抑えて上位表示を目指すための考え方
良いコンテンツを作っても、検索結果の上位に表示されなければ意味がありません。
手順③記事の骨子作成:骨子の質で上位表示するかどうかが決まる
検索キーワードを決めたら、コンテンツの骨子作成を行います。 骨子とは、全体の骨組み、要点を指します。
手順④ライティング:検索意図に沿って論理的にユーザーが知りたいことを伝える
骨子が固まったら、ライティングに取りかかります。 主にテキストによって必要な情報を提供するため、ライティングの質もSEO施策には大きく影響します。 重要なのは、ユーザーが満足できるだけの「説得力」を持ったコンテンツにすることです。
手順⑤編集:ユーザーにとって読みやすいように校正・校閲を行う
ライティングが完了しても、コンテンツは世に出せるレベルではありません。 完成した文章に対しての校正・校閲を行います。 校正・校閲が行われていない文章には、文法の間違いや漢字の変換ミス、誤字・脱字などが残ってしまいます。 こうしたミスのある文章は、ユーザーにとって読みにくいだけでなく、信頼できる情報ソースとしての引用や紹介をためらうことにつながります。 検索エンジンからの評価も低くなってしまうので注意が必要です。 さらに心配なのは、表現上のミスにより意図していない間違った情報を提供し、ユーザーの役に立つどころかマイナスの影響を与えるコンテンツになってしまうことです。 読みやすさだけでなく、信頼性や正確性のためにも校正・校閲は必須のプロセスです。 手間を惜しまず、なるべく複数の目を通じてチェックを行うことが望ましいでしょう。
手順⑥画像作成:イラストを適宜挿入し、ユーザーをおもてなしすることで離脱を防ぐ
テキストが完成したら、よりわかりやすくユーザーに伝えるための画像を作成します。 検索エンジンのクローラーは画像を認識しないため、コンテンツの中核はテキストで構成します。 しかし、長文を読むという行為はそれなりに労力がかかり、テキストだけではわかりにくいと感じる人も多いでしょう。
手順⑦コーディング:大事な情報を検索エンジンに伝えるためのタグ付け
ここまでの手順を重ねることで、ユーザーの役に立つ良質なコンテンツが作れたことでしょう。 しかし、クローラーにその内容が伝わらなければ上位表示は期待できません。 ユーザーと違い、クローラーはソースコードを機械的に読んでいるので、適切なコーディングによるテクニカルSEOが重要になってきます。 たとえば、見出しタグはテキストを大きくすることでユーザーに重要な情報であると気づかせて、クローラーには見出しタグの数字によって情報の階層構造および重要度について伝えることができます。 見出し部分以外でテキストを強調したいときには、emタグやstrongタグを用いることでクローラーに重要性を伝えることができます。 ユーザーは見た目の表示結果で意図や重要性を判断できる一方、クローラーは設定されたタグによって意味を判断します。 コンテンツの意図を正確に伝えるためには注意してタグを付けるようにしましょう。
コンテンツSEOのFAQ
コンテンツ内の文字数は長文の方が評価される?
コンテンツを作る上で気になる点の一つに、どれくらいの文字数が適切なのかという点が挙げられます。 この疑問に対してGoogleは、「文字数は、コンテンツを評価する際の直接的な指標にはしていない」と公式に発言しています。 関連記事:「文字数が多いページはグーグルで上位表示されやすい」はSEO都市伝説 などSEO記事まとめ10+2本
コンテンツSEOで使えるツールを教えてほしい
コンテンツSEOの実施には、Googleの提供する各種ツールを活用することで、より便利にSEO施策を進めることができます。
- Google Search Console(以下サーチコンソール。 旧ウェブマスターツール)
サーチコンソールでは自サイトに対するGoogleの情報を得ることができます。 - キーワードプランナー
Google AdWords内で提供されるキーワードプランナーでは、キーワードの検索数や競合性を簡単に把握することができます。
キーワードの幅を広げるのにも役立つでしょう。 - Google Analytics
解析ツールであるアナリティクスを用いれば、ユーザーがどのようなキーワードやリンクによりサイトを訪問したのか、サイト内でどのような行動を取ったかなどの情報が得られます。
また、これらのツールとあわせて、Googleが発信する各種情報サイトも活用するとよいでしょう。
有能なライターの選び方は?
コンテンツSEOにおいては、テキストによるコンテンツ内容が重要になるため、ライター選びも慎重に行う必要があります。 ライターを選ぶ際の基準としてはさまざまな要素が考えられますが、「文章力が高い」という大前提に加えて、ここでは3つのスキルを挙げてみます。
1)論理的なコンテンツ構築スキル
骨子の作成やライティングにおいて、文章を論理的に展開してコンテンツに説得力を持たせるスキルが不可欠です。
2)ユーザー目線に立ったコンテンツ提案スキル
企業側の目線や考え方は、必ずしもユーザーの欲しい情報と一致するとは限りません。 製品やサービスの専門性が高いほど、このギャップは大きくなる傾向にあります。 コンテンツSEOのライターには、そのギャップを埋めて、ユーザー目線に立ったコンテンツを提案できる能力があることが望まれます。 企業とユーザーの間に立って情報を翻訳するスキルともいえるでしょう。
3)コミュニケーションスキル
優秀であっても、思い込みで独走するようなライターは有能とは呼べません。 コンテンツ内容に対する認識にズレが生じないように、発注元と適切にコミュニケーションができるスキルも不可欠です。 自社で直接契約する場合でも、SEO会社などを通じて作成してもらう場合でも、ライターにこれらのスキルがあるかどうかは必ず確認するようにしましょう。
重複コンテンツの対処方法を教えてほしい
ブラックハットSEOのような手法に対して検索エンジンは厳格に対処しています。 その中で特に注意したいのが、意図せずに発生してしまう重複コンテンツの存在です。
- リダイレクトにより正規のURLに誘導する
- canonicalを付けることでどれが優先されるURLなのかを明確にする
といった対応が必要です。
URLを正規化することで、悪質なコピーと判断されないように対処しましょう。 関連記事:Google Search Console ヘルプ|重複するコンテンツ
コンテンツSEOの事例紹介
旅行会社で実施したSEO施策事例
旅行会社の海外予約サイトでは、ビッグキーワードによる流入数の少なさが課題となっていました。 そこで、主に下記の3つの要素に注目してコンテンツSEOを実施しました。
- トピカルオーソリティとして権威性と信頼性を築く
- ユーザーに寄り添ったコンテンツとして読みやすさにも留意する
- 構造面を見直す
具体的には、
- ユーザーが本質的に求めている情報を提供する
- トピックに関連する情報を網羅する
- 正確な情報をわかりやすく伝える
- トンマナ(トーン&マナー)を整えて表現やデザインに一貫性を持たせる
- 意図のある内部リンクを設計する
- ユーザーが欲しい情報にたどり着きやすくする
などの施策を実施することで、トピカルオーソリティの地位および検索上位の獲得を実現しました。 本事例の詳細については、下記リンクからご確認いただけます。 関連記事:【コンテンツSEO事例】海外旅行予約サイトでビッグキーワード1位を獲得し集客増を実現した施策|SEO Japan
まとめ
コンテンツSEOとは、良質なコンテンツを提供することでユーザーの検索ニーズに応え、ユーザーからも検索エンジンからも高い評価を得て上位表示を目指すSEO手法です。 質の高いコンテンツを作るためには、
- キーワード選定
- 競合調査
- 骨子作成
- ライティング
- 編集(校正・校閲)
- 画像作成
- コーディング
の7つの手順を適切に実施することが重要です。 SEO Japanを運営するアイオイクスでは、コンテンツSEOの具体的な施策をはじめとして、お客さまのサイトや事業における課題・状況に応じて効果的なSEO施策のコンサルティングを行っております。 コンテンツSEOによる上位表示を目指すための、サイトの本質的な価値向上についてもご支援いたします。 SEO・サイト運用・コンテンツマーケティングでのお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。 →アイオイクスのコンテンツSEOサービス