誤った情報である場合、その情報を取得したユーザーの生命や生活に大きな影響を与えるような領域。いわゆるYMYLという領域ですが、この領域の場合、E-A-Tが非常に重要な役割を果たします。SEOに関わっている方にすれば、目新しい言葉ではないはずですが、具体的にYMYLと呼ばれる領域はどのようなものか?E-A-Tを改善するために何すべきか?といったテーマはなかなか答えが出しにくいはずです。記事内でも言及されている通り、その方法は1つではありませんが、Googleの品質評価ガイドラインを読むことで手掛かりを得ることは可能です。今回はYMYLの領域とE-A-Tの改善にテーマを絞った、Search Engine Landの記事を紹介します。Googleが「Your Money or Your Life」と考えるコンテンツの種類はどのようなものか?また、これらのページに対して、専門性・権威性・信頼性を向上させるために、SEOのどの箇所に注力すべきか?この記事を読むことで、学んでいこう。 不正確な情報が提供された場合、ユーザーの将来の幸福、健康、経済的な安定性や安全などに影響を与えうるトピックやページを指すさい、Googleは「Your Money or Your Life (YMYL)」というフレーズを用いる。 こうした種類のコンテンツは、リスクをはらんでいる。そのため、Googleのアルゴリズムはこうしたページを、より高い基準で選定している。 自身が扱うトピックが、YMYLに該当するかどうかを知っておく必要がある。また、YMYL領域のトピックを公開する場合、Googleが専門性・権威性・信頼性(E-A-T:Expertise、Authoritativeness、Trustworthiness)において、何を評価しているかについても、注意を払うべきだ。 この記事では、Googleがどのような種類のコンテンツをYMYLとみなしているか、また、こうしたページのE-A-Tを改善するために、あなたが何に注力すべきかを判断する目的で、こうした情報を使う方法についても解説する。
目次
評価者がどのようにして優良なコンテンツの評価をしているかを理解できれば、自身のコンテンツの改善に役立つかもしれない。その結果、検索結果でのより良い成果をあげられる可能性がある。
特に、我々が言うところのE-A-Tをそのコンテンツが保持しているかどうかを理解するための訓練を評価者は受けている。E-A-Tとは、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)を表している。ガイドラインを読むことで、E-A-Tの観点から自身のコンテンツを評価し、改善方法を検討する手助けとなるかもしれない。
この5年間で、私と私のチームのメンバーは、品質評価ガイドラインとGoogleがE-A-Tについて言及したすべてを徹底的に研究してきた。E-A-Tを改善する方法についての完全な議論は、この記事の範囲ではない。それについては、こちらの記事で多くを書いている。
私は、SEO担当者の全てが、品質ガイドラインを読み、記載されている具体例を確認することをお勧めする。それらがあなたのビジネスに適用できるかどうか、自身に尋ねてみよう。こうした質問に答えることで、E-A-Tを改善するための戦略を立て始めることができるはずだ。
リンクのないメンションでさえも、Googleがあなたのエンティティについての情報を発見する手助けとなる。また、その情報は、あなたのビジネスについての情報を知るための手助けとなる。
時には、権威のある情報ソースへのリンクを追加することで、そのコンテンツがYMYLに関連するクエリへの答えとなることの手助けとなり、信頼性の改善にもつながる。別のWebサイトにとっては、E-A-Tをベースとした戦略が、Googleがあなたのコンテンツ内のエンティティと、それらがどのように関係しているかを理解するための手助けとして、スキーママークアップから始まることもある。
つまり、E-A-Tを改善する方法は、多く存在するのだ。
品質ガイドラインから引用した上記のパラグラフを見てみよう。このパラグラフをベースとし、クライアントのページの品質の向上に寄与する可能性のある、E-A-Tに関連するいくつかのアドバイスを挙げてみよう。
品質評価ガイドラインに記載されている具体例の多くを確認することで、GoogleがあなたのページをYMYLとみなしているか、そうでないかを判断することができるようになるだろう。もし、あなたのページをGoogleがYMYLとみなしているのであれば、E-A-Tには細心の注意を払うべきだ。
E-A-Tは、YMYLでないページにも必要ではあるが、YMYLであるページほど重要ではないだろう。また、E-A-Tについての異なる要素が重要となるはずだ。医療系のトピックの場合、専門家によって書かれていることが、E-A-Tが高いと判断される理由かもしれない。エンターテインメント系のページやレシピサイトの場合は、人気や認知度、ユーザーのエンゲージメントやレビューなどによって、事態を改善することができるかもしれない。
ECサイトの場合、専門家である著者を追加するよりも、過去の顧客から有益なレビューを多く得ることが、より改善に役立つだろう。
E-A-Tに取り組むべきかどうかを判断できない場合でも、品質評価ガイドラインに記載されている具体例を確認すれば、Googleが専門性・権威性・信頼性を理解する際に考慮に入れているであろう事柄を理解する手助けとなるはずだ。
この記事は、オフィスでの服用について書かれている。医療系のYMYLのクエリのように、ユーザーの安全性や生活に強く影響を与えるコンテンツではない。ある程度、E-A-Tは重要となりうるが、正式な訓練を経て得られる専門知識は、それほど重要ではないだろう。
ファッションにおいて世界的な権威である著者に執筆を依頼することはないはずだ。しかし、このクエリでの検索結果を見てみると、一定の専門性のレベルが価値のあるものと、Googleによって判断されているようだ。
品質評価ガイドラインでYMYLとラベル付けされている、「健康のためにショウガを使う」というクエリとは大違いである。このクエリでは、上位に表示されているページの全てが、権威のある医療の専門家によって書かれている。
下記の「Cleveland Clinic」のページには、著者名が記載されていない。つまり、そのビジネスの権威が広く認識されている場合、著者名(と、その資格名)を記載することが上位表示に必要となるわけではない。多くの場合、YMYLの領域で上位表示を狙うのであれば、そのページが専門家によって作成されている、少なくとも、事実確認はされている、ということを読み手に確信させることが絶対に必要である。
ECサイトにおけるE-A-Tの重要性も、また異なったものである。
下記は、品質評価ガイドラインでYMYLとラベル付けされているページの例である。
YMYLの領域の場合、E-A-Tが重要となる。しかし、ここでも、この領域における専門家が著者であることを示す以上に、権威性と信頼性(全国的に有名なブランドであること)が重要であるようだ。
このWebサイトと競い合う場合、こども用のリュックサックの専門家を集め、著者の経歴を作成し、その専門性を示す記事を書くことが役に立つだろうか?おそらく、そうではないはずだ。それは、ユーザーがこうしたページに期待するものではないからである。
ECサイトにおけるE-A-Tの改善方法は、医療系の情報サイトにおけるE-A-Tの改善方法とは異なるだろう。品質評価ガイドラインを読むことは、あなたの業界において何が重要であるかを理解する手助けとなるはずだ。
下記に、品質評価者が、そのページを高品質なページにしていると述べている要素である。
まず、このページはYMYLである。つまり、このようなページと競合することができれば、優れたE-A-Tを持つということになる。
このページは、複数の選択肢を提供し、ユーザーレビューも記載しているため、ユーザーの意図を満たしている。複数の製品を記載することは検索者にとって有益であるということを示す手掛かりであると言える。また、有益なユーザーレビューを追加することは、ユーザーがそのECサイトの製品ページを信頼し、品質を向上させることに役立つ可能性も示している。
重要なことは、Targetという店そのものが有名であるということだ。このページと競い合うには、権威性は非常に重要となるだろう。
あなたのブランドがリュックサックを販売するブランドとして比較的無名である場合、こうしたページよりも上位に表示されることは、非常に難しいだろう。あなたのブランドのこども用のリュックサックが非常に素晴らしいリュックサックであると、世界中で話題になるほどのPR活動をしない限り、リンク構築によってあなたのブランドをTarget以上に権威のあるブランドにすることは難しいはずだ。
また、カスタマーサービスについての詳細な情報が重要であることも述べられている。品質評価ガイドラインのセクション2.5.3には、評価者がどのようにカスタマーサービスを評価し、ユーザーがカスタマーサービスに何を期待しているかについて、詳細な情報が記載されている。
こうした項目が、Googleのアルゴリズムにどの程度反映されているか、また、そもそも反映されているかについて、我々が知る術はない。しかし、品質評価ガイドラインはGoogleがアルゴリズムを向かわせたい方向を表しているのであれば、品質評価者が行うようにクライアントのWebサイトを評価し、改善の可能性のある個所について議論を行い、優先順位をつけることは、有益な作業と言えるはずだ。
YMYLにしろ、E-A-Tにしろ、一昔前のSEOでは広く普及していなかった概念ですが、今ではSEOにおいて不可欠な概念となっております。自身のWebサイトがYMYLの領域を扱っている場合は特にですが、そうでなくとも、品質評価ガイドラインを読むことはSEO担当者にとって非常に有益となるはずです。初めて公開されてから、大きなものも小さなものも含め、何回かの更新も行っております。数年前に読んで以来、品質評価ガイドラインを読み返していないという方がいらっしゃいましたら、これを機会にもう一度読み進めていただくのもよいかもしれません。この記事は、Search Engine Land に掲載された「How to improve E-A-T for YMYL pages」を翻訳した内容です。
4月26日(火)に「『このSEO施策って、効果ありますか?』セカンドオピニオンセミナー」を開催します。
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