私達が愛したInstagramが買収された日のレクイエム

公開日:2012/04/10

最終更新日:2024/03/11

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FacebookがInstagramを買収という分かりやすい「大手がベンチャーを吸収」の一報に「これでInstagramも終わりか。。」と何となく思ってしまったヘビーユーザーも多いことでしょう。もちろん過去の買収劇の結末を見るにそう感じる気持ちは分からなくはないですが、その内幕を知ればそんな単純な話じゃないことは感じることができるかもしれません。 — SEO Japan

あなたはなぜ、Facebook上のとあるブランドに“いいね!”をするのか?

あなたはなぜ、とあるアプリをダウンロードするように友達に言うのか?

あなたはなぜ、お気に入りのコーヒーを注文するたびに癒される感じがするのだろうか?

それは、あなたが相性するアプリやブランド、ソーシャルサービスへの純粋な愛なのか?それとも、その特定のブランドが私たちの在り方について何か言うのが好きだから?いろいろな意味で、私たちはブランドを連想し、もっと重要なことには、ソーシャルネットワークを私たち自身のアイデンティティと結びつける。

ソーシャルネットワークに関して巧妙な現実は、これらの会社が利益を得ることを目的に人によって作られ経営されているということを私たちが忘れてしまうことが多いということだ。あなたは、あなたのFacebookページでもなければ、あなたのInstagramのフィードでもなければ、あなたのTwitterハンドルでもない。しかし、時々少しそんな風に感じるのは確かなのではないだろうか?

今日、FacebookがInstagramを買収した(日本語)。その価格は、キャッシュと株を合わせておよそ10億ドルになる。単純にショックを受けたInstagramユーザーとインターネット中に広まっている反感は、私には意地悪な13歳の少女のやり方を思いおこさせる。“えー、彼女ってあのデブの子とつるんでるの?もう彼女は終わってるわね”みたいなかんじだ。ユーザーはInstagramの売却についてそんな風にぐちぐちと言い、InstagramのCEOであるKevin Systomが、自分たちの全てのデータ、つまり写真や思い出や友達の繋がりを手放してしまったのだと考えているのだ。

Systromはこのアプリが変わることはないときちんとした言葉で言ったにもかかわらず、人々は聞く耳を持たない。なぜか?それは、Facebookのブランドアイデンティティが、完全に彼らを寄せ付けないものになっているからだ。“僕はお気に入りのネットワークの1つを失ってしまった。だって、僕が大嫌いなネットワークに買収されてしまったんだから。最悪だよ。”と、TNWのエディターであるBrad McCaryは言った。つまり、私たちは、アプリの機能を失うことよりも、この2つのブランド―1つは私たちが好きなブランド、もう一方はそうでもないブランド―が同じ会社になることに対して憤慨しているようである。

先日、私の母はそれをとても美しく説明した。“Facebookは、人々がお知らせや広告を右に左に放り投げる一つの大きな掲示板のように感じるから、もう好きじゃないのよ。私は、自分と一緒にダンスをしてくれるようなプラットフォームが欲しいの”と彼女は言ったのだ。

Instagramは最高のワルツを踊る。このアプリは、美しく、誰かの人生―流動的な瞬間―を細部まで伝えてくれる。あなたは自分の世界を写真に撮って共有することができ、たくさんの関心といっぱいのフィードバックを楽しみに待つのだ。そして、それが起きる時、それは脳へのオキシトシンの衝撃のような感じなのだ。

ついにAndroid版がローンチした数日後、ウェブアプリが出る前に、それは売却された。なぜなのか?それは、Instagramが最高のダンスを踊るからだ。そして、私たちが撮影しツイートした全ての写真が、彼らを買収に近づけたのだ。実際、Instagramは10億ドルで売られた―それは、私たちがそのプラットフォームにアップロードした全ての写真に対するお金なのだ。

うさんくさいサービスが10億ドルで売られることはめったにない。熱狂的な中毒的なファンのいるサービスなら話は別だ。私たちは、自分たちをブランドやアプリやソーシャルネットワークと結びつける時には注意する必要がある。私たちはそれを個人的な話と受け取ることはできないのだ。結局のところ、これはビジネスなのだから。

“この購入は、FacebookがIPO前にしたのも当然の賢い動きだった。Facebookのユーザー数は頭打ちになっていたし、写真共有はこのプラットフォームでは最大のエンゲージメントの誘引なのだ”と元Flickrのプロダクトマネージャーで現在はABCニュースのシニア・プロダクト・マネージャーであるMaya Baratz は言う。“今、Facebookの評判とユーザーエンゲージメントが衰えている中、Instagramは爆発的な成長を見せている―15か月前にローンチされて以来、ひと月に100万人のメンバーを追加しているのだ。”そしてもちろん、InstagramがAndroidでローンチした5日前は、たったの24時間で100万回ダウンロードされている。InstagramとそのAPIとそれが使用するその他すべてのアプリへのつながりを買うことによって、Facebookは潜在的な脅威をノックアウトし、世界で最も人気のある写真ホスティングプラットフォームになろうとしているのだ。

今日、私は、Instagram友達でもあるニューヨークシティの起業家とのランチをしていたところだった。私は自分の携帯をのぞき込んで、“なんてこった!FacebookがInstagramを買ったって。”と言った。私たちはしばらくの間お互いの顔を見合わせて、半分冗談にこう言った。“なんだか、今日、何かがほんの少し死んだように感じるよ。”

私は、今ではFacebookがInstagramを所有していると知って、コカ・コーラがOdwallaジュースを所有していることや、Tom’s MaineがColgate-Palmoliveの所有物であることや、Clorox CompanyがBurt’s Beesを購入したことを知った時に残念だったのと同じように、心から残念に思っている。結局のところ、残念であると思うのも妄想にすぎない。私はこれらのブランドに注意を払っているかもしれないが、彼らは私が誰か知らないのだ。これは完全なビジネスなのだ。

だから、Instagramの反発がウェブに広まっているが(Instagramの代替物には8つの素晴らしい選択肢がある。Instagramは写真版のYouTubeにすぎない。Facebookに自分のデータをこれ以上所有してほしくない?それなら、自分のInstagramをダウンロードして削除する方法がここに書いてある。)、あなたの愛とアップロードとクリックがInstagramが今ある場所にたどり着く手助けをしたのだと言うことを忘れないことだ。もしあなたがわずかに不快に思っているのなら、これらが最初の世界の問題であることを覚えておくのだ。Instagramのストーリーは、多く愛された製品のために一生懸命に働いた素晴らしい創設者についての良いストーリーとして記憶されるべきなのだ。

4億ドルを持ってSystromは立ち去り、10%の株を所有する共同創設者のMike Kriegerthが1億ドルほどの利益を得るだろう。今日幸せな気持ちで去っていくのは創設者たちとチームメンバーだけではない。Instagramの最近の投資家たちは2日間で自分たちのお金を2倍にした。Facebookの動きからくるファイナンシャルと、それが両企業にもたらす意味についてもっと詳しいことを知りたい人は、この買収に関するAlex Wilhelmの見解をチェックしよう。


この記事は、The Next Webに掲載された「Every time you love a service, it gets closer to being acquired」を翻訳した内容です。

特にInstagramのユーザー層であれば、なんとなく反感を覚えてしまう人も多そうな今回の買収劇ですが。。。ここはとりあえず「多く愛された製品のために一生懸命に働いた素晴らしい創設者についての良いストーリーとして記憶」しておいても良いのではないでしょうか?後半で紹介されている別記事によるとFacebookにとってInstagramのiOSとの深い関係で今後の展開において相当重要でありそれが買収の決め手の一つにもなったそうですが、、、さてさて今後どうなることやら。

当面は現行のサービスを維持するということですが、買収したからにはかつてのマイクロソフトじゃないですけど「敵になりそうなサービスを買収して死滅させる」のようなことにはなってほしくないですね。Yahoo!はともかくあのGoogleでさえ買収したは良いけれど結局形にできず廃止またはリビングデッド状態にしてしまったウェブサービスも多数あるわけですし。今回は金額も違いますし、これまで余り買収を行ってこなかったFacebookだけに今後の展開が注目されます。エゴレベルではIT業界にも誰にも負けない創立者のマーク・ザッカーバーグに有能なCOOのシェリル・サンダーバーグ。Instagramの志高くも多分一癖も二癖もある面々とどう付き合っていくのか今後が注目です。 — SEO Japan

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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