ノマド起業家の僕がスタートアップ失敗に学んだ5つの教訓

海外スタートアップの最新情報サイトkillerstartups.comをご存じの方もいるかと思います。運営者の筆者は、これまで5カ国に住みながら過去に複数の起業にチャレンジしてきたノマド起業家なのだそうです。今回はそんな筆者が彼の過去の失敗に学んだスタートアップ起業の教訓について語って記事を。– SEO Japan

エディターズ・ノート: これは、Gonzo Arzuagaによるゲスト投稿である。Gonzoは、1996年からオンラインでビジネスをしている情熱的なインターネット起業家だ。彼は5か国に住んだ経験があり、5か国語を話し、これまでに5冊の本を出版した。彼の目標は、やる気にさせることがうまい話し手になることだ。格言、書くこと、読むことを愛する。2007年には、スタートアップサービスの情報サイトKillerStartups.comを始めた。

私たちは、数年前にStartups.comというドメイン名を取得し、起業家とスタートアップのためのQ&Aサイトを試みたが、それはうまくいかなかった。そこで去年、Startup.comをウェブ起業家のためのデイリーディールサイト(註:いわゆるGroupon型のクーポンサイト)としてローンチすることにした。1年後、私たちは撤退しなければならなかった。

この記事は、何が間違っていたのかについての私の個人的な内省だ。ペンキはまだ乾いていないし、自分の肩に失敗の痛みは少し残っているが、それは私の起業家生活で初めての失敗ではない。私はそれを乗り越え、自分が本当に情熱を持っていることに焦点を合わせている。

前チェス王者Garry Kasparovが、“私は常に負けた試合から何かを学び、それが次の試合での勝利に役立った”というようなことを言った。私は、Startups.comの何が間違っていたのかに関してこの内省をすることによって、その態度を採用しようとしているのだ。そして、それが他の起業家の役に立つことを願っている。

レッスン1  自分の好きなようにする

お金は情熱についてくるが、その反対はない。あることに対してあなたが情熱を持っていなかったら、それに対する優れたビジョンを持つことはほぼ不可能だ。しかし、サム・ウォルトン(註:ウォルマートの創業者)が簡潔に言ったように、“資金は乏しくない、ビジョンが乏しいのだ。”

自分の好きなようにして、他の人(や物)にあなたの道を邪魔させないこと。Grouponがスゴイとか、Instagramがどうやって一晩で成功したかという話を繰り返し読んでいるだけでは何もできない。

誘惑はそこら中にある。しかし、私は気が付いたのだ。誘惑は、あなたが自分のことをしていない時にのみ誘惑するのだと。もしそれが本当にあなたの好きなことで、情熱を持っていることなら、どんなことでも、あなたがすでにしていることよりもあなたをワクワクさせることはできないのだ。

明らかに、コマースは私たちのやりたいことではない。パブリッシングが私たちのやりたいことだ。それは、ウェブ起業家がもっと成功するのを手助けするために魅力的で想像をかき立てるコンテンツを発行することだ。私たちは、商取引でウェブ起業家を助けることもできると考えていた。誤審だ。パブリッシングとコマースは全く異なる別のことなのだ。それは、年中無休のカスタマーサービス、リードジェネレーション、ファネル、マーチャント、リファンド、その他多くのことに関与する。

自分の情熱に従い、自分独自のことをして、気持ちをそらせることやより大きなチャンスのように見えるかもしれないことにあなたの邪魔をさせないこと。もしあなたが邪魔をされるのなら、それはあなたがまだ自分のやりたいことを見つけていなかったということだ…でもそれでも大丈夫。探し続ければいい。

ここから学ぶ重要な教訓:その場その場の流行を追い求めないこと。なぜなら、セス・ゴーディンが“How To Make Money Online”という素晴らしい記事の中で議論したように、それは間違いなく“過去のオンラインブーム”になるからだ。

教訓その1: 自分独自のことをし、身をひそめ、頑張る。

レッスン2  近道はない

遠くから見ると、隣の家の芝生は青く見える。創設される最新のスタートアップや今週の最大の買収について読むとき、ここThe Next Webでも同じことが起こる。

あなたは、あなたの隣人ではない。自分自身であること。そして、どんなに時間がかかろうともそれにこだわること。あなたは、最新で、最高のこと全てをしていたい。だって、遠くからは何も難しそうには見えないから。しかし、ここでも、実行が肝心で、それが最終的に違いを生むのだ。

Startups.comでは、ちょっとした近道をすることに決めた。デイリーディールサイトのためのスクリプトを購入したのだ。私たちは早く進みたかったし、できる限り全ての場所で近道をしたかった。後から考えると、それは正しい決断ではなかったようだ。私たちは、自分たちがなりたかった場所に到達するまで5か月かかったのだ。

ある日、私は突然思い付いた。もし私たちが最初からそれを作っていたら、3か月で終わらせていただろうし、私たち独自の素晴らしい飛び切りの光り輝く製品になっていただろう、と。その代わりに、私たちはフランケンシュタインを作ることになってしまったのだ。獣を所有する人はいなかったし、それは私たちが思ったほどうまく機能しなかった。

勘違いしないで欲しいが、WordpressやMySQLやPHPのようなオープンソースには賛成だ。私は、ここでわざわざ一からやり直すことについて話しているのではない…

私は蝶の話が好きだ。心優しい男が、蝶が繭から出ようと苦戦しているのを見て、“蝶が簡単に外に出られるように”そっとハサミを入れて繭を切って開けた。確かに彼は好意からそれをしたのだが、実際には、蝶は飛ぶための力をつけるために繭を壊す苦労をする必要があるのだ。

あなたが自分のスタートアップで経験する困難について考えよう。いつも簡単な道を選んではいけない。なぜなら、あなたは広く成功するためのスキルを開発しているからだ。Amazon、Apple、Google、Facebookなどの大手企業について考えてみるのだ。あなたには、彼らが近道の結果のように見えるだろうか?いや、決してそうではない。

教訓その2: 誰が何と言おうと、成功への道のりは長い。もしあなたがそれに耐えられないのなら、代わりのことを考えるのだ:“普通の”仕事を手に入れること。そうすれば、成功への道のりは・・・永遠になるが。

レッスン3  1つのことをする

市場は厳しい。そして、デイリーディールサイトはさらに厳しい。デイリーディールサイトについてまだ決断は下されていない:それは単なるブームなのか、それとも、ウェブメールやアプリのように長い間存在するのか?

遠くから見ると、デイリーディールのチャンスはとても簡単そうだが、実際はそうではない。

どんな市場でも、あなたは方程式の両側を同時に築かなければならない:購入者と販売者だ。販売者がいなければ、サイトに来る購入者は、買う物がないと分かってすぐに立ち去る。購入者がいなければ、そもそも販売者は自分たちの商品を売ることができないため、ボールはそこでストップしてしまう:彼らはそれを自分の友人に宣伝しないし、他の製品を提供するために戻ってくることはない。

通常、市場は、Etsyが少し前にそうなったように、主流になるまでに長い時間がかかる。

会社では、Startups.comを運営する以外に、KillerStartups.comや恥ずかしすぎてここでは共有できないたくさんの他の構想を運営していた。そこから期待できることは何か?複数の成功?とんでもない。私たちはみんな限られたリソース、予算、人、エネルギーに直面する…一つのことだけをすべきだと、認めざるを得ない。そして、それにおいて抜きん出るのだ。世界は今、とても競争が激しい。自分のしていることに全力を尽くさなければ、きっとあなたはどこにも到達しないだろう。

起業家が私のアドバイスを求めてくる時にはいつも、私が8歳の小さな少年だった時の話をする。学校では虫眼鏡を使って紙に火をつける方法を教えてくれた。虫眼鏡に太陽光を通すと、ほら、火がつく!でも、現実には、それはそんなに簡単なことではない。だって、重要な要因は、その小さな紙切れに火がつくまで長い間手を離さないでいることなのだ。

そこで8歳の少年は何をしようとしたか?同時に4枚の小さな紙を燃やすことだ。虫眼鏡をそれぞれの紙に少しずつ当てた。それでどうなったかって?何も起きなかった。後で気付いたのだが、もし4枚の紙を燃やしたいのなら、最初の紙に火がつくまでそこから離れないでいる必要があるのだ。その後で、残りの3枚に火をつけるためにその紙を使うことができる。シンプルだが、最初の1枚を長い間手放さないでいることは常に簡単ではない。

教訓その3: どんなに小さなことでも、1つのことをする。それを燃やすことができたなら、後からそれをより大きく、早く、強くすることができる。

レッスン4  いつテントをしまって家に帰るべきかを知る

それは大変難しい。それに、残念ながら勝利のレシピは存在しない。自分が正しいことをしたのか、タオルを投げ入れるまで完全に失敗したのか、確信することは決してないのだ。やめることが最良の選択かどうか確信するための簡単な方法があれば良いのだが。実際には、あるのかもしれない。もしあなたが、自分の時間、エネルギー、限られたリソースを自分が本当に信じていることに注ぐために、あるプロジェクトをやめるのなら、それは正しい道にいるということだ。

“インターネットスタートアップの流行にある問題は、あまりにも多くの人が会社を始めていることではない。あまりにも多くの人がそれをやり抜いていないことなのだ”という、スティーブ・ジョブスの言葉を読むとそれはさらに難しくなる。

なんてこった!痛い。意思決定プロセスにさらにストレスを追加することは言うまでもなく、あなたに夜も眠らず考えさせる。それでも、あなたは前に進む必要があり、自分がどこにも進んでいないと感じるのなら、撤退することが最良のことなのかもしれない。もしくは、同じプロジェクトをピボットするか。

しかし、時にあなたは生まれてくる新しい命に部屋を与えるために古い命を殺す必要がある。時に、正しいソリューションは、OdeoがTwitterに争点を定め直した時にした(註:Twitterは元々Odeoというウェブサービスの創業者メンバーのサイドプロジェクトして始まりました)ように、ピボットすることなのだ。もしくは、キャサリン・フェイクがFlickrでしたことのように。

Startups.comでは、私たちは6か月経ってうまくいっていないことに気が付いた。それを機能させることができなかったのだ。私たちの情熱は販売することではなく、発行することだった。Maximマガジン(欧米で人気のメンズ雑誌)の創設者フェリックス・デニスは、Maximがカタログビジネスに着手しようとした時に、同じようにそれに気が付いた。それは、彼らにとっても機能しなかったのだ。彼らは、“あなたはセールスカタログを作っているのではない、ただマガジンをしているのだ。”と単刀直入に言ったコンサルタントを呼び寄せた。そして、彼らのパブリッシングの経験が、悪いいたずらをしていたのだと、気が付く。

私たちは簡単にあきらめる人ではないため、6か月後に私たちの全てをそれに捧げることに決め、その6カ月後に自分たちがいた場所を見ている。今振り返ってみると、それは長すぎる6か月だった。リソースを無駄にし、時間を無駄にした。悪い兆しだった。しかし、私たちは、間違った方向にやり抜くことを決め、もっと多くのお金とリソースと他のことをするチャンスを失った。私たちはさらに6か月間間違った方向に進み続けるよりも6か月前にたたむべきだったのだ。個人的に大きなレッスンになったが、とても厳しく辛いレッスンだった。そしてそれはあなた自身が終わりを決断しなくてはならないことでもある。

人生はまた次の1日を生きるために進んでいく。そして、また別のプロジェクトが登場して、あなたに火をつけ、あなたはそれに全力を注ぐ。それが、私たち起業家がすることなのだ。

教訓その4: うまくいっていない時にプロジェクトの終わりの時期を決めるのはとても難しい。プロジェクトがうまくいっているかどうかどうやって知るのだろう?簡単だ:あなたがハッピーであること(そう、終わりのないチャレンジにもかかわらず)。それくらいシンプルなことだ。

レッスン5  焦点、実行、詳細

つまらない?確かに。しかし、これら3つは、圧倒的に、起業家にとって難しいことだと私が思うことだ。本当に。私たちはアイディアにあふれ、世界を変えたいとずっと思っている。どこを見ても、チャンスを目にする。たくさんのチャンスを。そして、多くの場合、それらは、私たちが忙しくこなしているものよりも、より良い外観で、より大きく、もっと面白く、魅力的で、エキサイティングなのだ。

‘アイディアの段階’では、全てのことが可能であるように思えるため、無制限に考えることは素晴らしい。それは、実際に実行する面倒のない冒険物語だ。しかし、肝心なとき、物事が難しくなり、冒険物語がトイレに行く。電話で怒った客が、サイトが突然ひどく遅くなったと言う。取引に関してPayPal上で警告を受ける。重要な従業員が病気になる。大量の未返信のEメール。がっかりするような売上。Eメールサーバーに問題があり、購読者にメールを送信することができない。それが共同創設者の耳に入り、物事がうまくいくように話し合いをするかわりに、喧嘩を始める。

ほら、分かってもらえたらどうか…私はあなたの会社について話していたのではない。私は自分が体験したことをいくつか共有し愚痴っていたのだ。

私たち独自のパーソナリティは、時に私たちの最悪の敵になる。私たちは、毎日毎日、継続してそれと戦い続ける必要がある。

Startups.comでは、私たちはデイリーディールというアイディアに夢中になったが、実行やその怪物全体の詳細については情熱的ではなかった。他の人たちの方がが私たちよりもずっとうまくやった。当然、彼らは、それを機能させ、詳細に飛び込むための、専門知識、ビジョン、情熱、意思を持っていた。私たちはそうではなかった。そして、それが全てを物語っていた。

教訓その5: 詳細の中に愛を見つけるまで、自分のことに取り組み続けること。よく言われるように、悪魔は細部に宿る。(そして、成功も)

最後の一言:私は、AppSumoのノア・カーガンにメールをした時、インターネット起業家ジェイソン・カラカニスの言った言葉を引用した:“あなたの勝ち。私たちは負けた。次だ。” あなたが“私にできることがまだある”と考えるのをやめる日、あなたは死んでいるかもしれない。そして、絶対に私たちはそうではない。フルスピードで進み、それを可能にしよう。

画像クレジット: .martin


この記事は、The Next Webに掲載された「5 lessons I learned the hard way with Startups.com」を翻訳した内容です。

個人的な体験を振り返った話だけにリアリティ溢れる内容でした。私も今の会社の前に複数の起業で失敗、また今の会社でも複数の新規事業に失敗と、成功より失敗が多いタイプの人間ですが、どれも納得できるものでした。アイデア次第で無限のチャンスがあるように見えるインターネット業界ですが、意外と簡単な成功ってないですし、近道もないんですよね。。。最近は自分が信じた道を5年間頑張れるかが大きく成長できるかどうかの鍵な気もしています。

もちろん、無理に頑張り続けるのではなく撤退の判断も大事なわけですが、スティーブ・ジョブスがいうように、「インターネットスタートアップの流行にある問題は、あまりにも多くの人が会社を始めていることではない。あまりにも多くの人がそれをやり抜いていないこと」なのもまた事実かもしれません。しかしこんな名言残していたとは知りませんでした! — SEO Japan [G+]


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