SEOだけじゃない詐欺師とスパマーと業界基準の複雑な関係

SEO BookからSEO業界というかビジネスに携われるものとして色々考えさせられる記事を。前半はアーロン・ウォールが受け取ったとある「クレームサイトからのSEOスパムを批判するメール(でも実は営業メール)」からSEO業界のスパムや詐欺の状況について、そして後半は確立されない業界標準とそれがSEO業界に限った話ではないという話に拡大展開します。SEO Bookファン向け。 — SEO Japan

優しく警告

先日、“小規模な事業のSEO詐欺”と言う件名のeメールが届いた。

ライアンと申します。私は中小企業の支援団体 コンシューマーアフェアーズ.comを運営しています。

最近、私達は中小規模の事業主の方から、仕事を依頼した違法のSEOコンサルティング企業に関するクレームが数多く寄せられています。

このような事業主の方々は数百ドルを支払って(数千ドルを支払ったケースもありました)、コンシューマーアフェアーズ.comからネガティブなコメントを削除する作業を依頼しました。

しかし、彼らは詐欺にあっただけでした – コンシューマーアフェアーズはこのSEO業者とは提携を結んでいるわけではなく、私達のサイトから事業に関するコメント/レビューを削除することは出来ないのです。

コンシューマーアフェアーズは、小規模な企業がこのようなSEO業者に欺かれる事態を重く見ており、あなたのサイトのような事業のリソースのブログを通して、警告を広めようとしているのです。

この詐欺をご存知かどうかは分かりませんが、この情報を広める上で手を貸して頂けると助かります。ブログで取り上げて頂けるなら幸いです。コンシューマーアフェアーズは先日この詐欺に関するエントリを投稿しました。この件の詳細に関心があるようでしたら、「consumeraffairs.com/news04/2011/04/bogus-complaint-removal-sites-prey-on-small-businesses.html」に目を通して下さい。

また、このクレームに対応するため、私達はコンシューマーアフェアーズ.com 認定プログラムを立ち上げました。このプログラムの下、私達は消費者がレビュー/クレームを投稿した際に事業主の方に伝え、消費者に対応する権利が企業に与えられます。

コンシューマーアフェアーズは、大半のSEO業者は中小規模の会社に大きく貢献している点は理解しており、この類の業者を全てのSEO業者と同一視しているわけではありません。

質問があるようでしたら、遠慮なく尋ねて頂ければと思います。

ライアン

クレームサイトの問題点

コンシューマーアフェアーズ.comは世の中のユーザーの不平不満を集めた一種のクレームサイトであり、このようなサイトは多数存在するが、クレームサイトには大きな問題がある。それは結果的に投稿されるレビューの大半は業界の良い面に全く触れずに、悪いところばかりを取り上げているということである。上記の協力を依頼するeメールでも、SEO業者の大半は素晴らしい仕事をしていることは理解していると書いていたが、実際にサイト上で調べる限りは、ほぼクレームの嵐である。

例えば上記で提供されているようなクレームサイトのプログラムに参加し、一種の信頼マークを貰ってカスタマーサービスを中抜きしたいなら、登録料として100ドルを支払い、その後毎月10ドルずつ支払えばいい。これはある種「満足されなければ、とんでもないことになる」と脅しているようなものだ。まっとうな事業を行っている人達にとってさらに事態を悪化させているのが、メディアが消費者に有料制を非難するよう教え込み & インターネット上では、顧客ではない人達も料金を無料に設定しなければ、ブランドをこき下ろしてもいいと感じている点だ。そして、多くのクレームサイトは半匿名制を採用しているため、競合者に中傷合戦を行わせている。

信じて下さい

「信頼マークで解決する」方針の問題は、このようなプログラムに多くの人々が疑いをもっている点である。なぜなら、信頼マークを持つサイトの多くは、その種のプログラムに参加していないサイトよりも信頼感に欠けるからだ。詐欺師は積極的な営業トークを最大限に活かし、*意識的*な恐れを拭い去る。連邦取引委員会が偽のニュースサイトで包まれた詐欺に断固たる措置を取る必要があった理由がここにある。

<>そして、偽のニュースサイトを宣伝していたのはどこの誰だっただろうか?大手のメディアだ(SEOのような詐欺の回避に関する記事で詐欺を売り込んでいた)。

安っぽい偏った報道機関が投稿したSEOへの憎しみを煽る記事に対抗して、私は上述した点を指摘し、「あるトピックについてくだらない話をして、嘘をつき、消費者を誤解させると、その分野の心理的な価値の一部を破壊してしまう。恐らく私の方が一生懸命仕事に取り組み、多くの人を助けているのだろう。私は丹精込めて仕事に取り組んでおり、低俗な輩の集団が偏りのある誤った情報をメガホンで言いふらし、私の商売を潰そうとするのを見過ごすことなど到底出来ない」と綴り、激しく批判した。

詐欺師はどこのどいつだ?

この記事の冒頭でお伝えした評判管理のSEO詐欺に話を戻そう。小規模な事業のオーナーが数百ドル払って悪い評判を直すことが出来ると考え & うまくいかなかった場合、本当にこれは詐欺に当たるのだろうか?本当はもっとずっと低い価格で市場を操作しようとしていたのではなかったのだろうか?サービスに対して十分な料金を支払わない場合、詐欺に遭うのが当然なのではないだろうか?

また、詐欺に関する情報を消費者に広めようとしていた上記のクレームサイトは、奇妙にもコンテンツと広告の境界がよく分からないほどインラインのアドセンス広告を大量に埋め込んでいた。

アドセンスの広告はグーグルの広告なので、背景とは関連性があり、「詐欺X」に関する記事は、警告の対象と思われるサービスを宣伝するコピーを含む広告を頻繁に掲載している。グーグルアドセンスには“手っ取り早くお金儲けする”のカテゴリがあるので、驚くことではない。

消費者を“保護”するサービスが、なぜ、コンテンツ内にこのような広告を掲載し、“このサイトの広告は外部の広告ネットワークによって掲載され、管理されています。コンシューマーアフェアーズドットコムは、宣伝されている製品およびサービスを評価または認めているわけではなりません”をフッターに掲載するだけで済ますことが出来るのだろうか?消費者を守りたいなら、劣悪な広告を報告するためのリンクを提供し、フィードバックを求め、責任を認めるか、ページのコンテンツの領域に広告を大量に混ぜるのをやめるべきではないだろうか?

よくある質問の内容

サイトで批判されている企業の広告が掲載されています。これはどういうことですか?

私達はサイトに表示される広告を管理しているわけではありません。外部の業者が掲載しているのです。広告が表示されたからと言って、その製品を認めているわけではありません。新聞の広告にも同じことが言えます。テレビやラジオにおいても同じです。

それはおかしいですね。認めてもいない製品を宣伝するために料金を受け取れるものでしょうか?

アメリカは自由の国です。企業、そして、私達があまり好きではない企業でさえ、私達が配信する権利を多く持っているように、そして、その企業に関する否定的なコメントを投稿する権利を皆さんが持つように、彼らも宣伝する権利を持っているのです。

「小さな字を使え」ルールはまさに強引な情報マーケッターの手口である

大手メディアの詐欺行為

第三者との関係を公開しない場合、一部の人々に蔑まされるが、メディアは収益化に対して「見ざる、聞かざる」のアプローチを続けることが出来るのはなぜだろうか?エリック・ジャスゼン氏は、先日、これが偶然ではない点を強調していた:

人間性の法則が効力を発し、力を持ち、政界とのパイプを持つ業界が危機を迎えているとき、真実は伝わってこない。事実、タバコの健康のリスクがスポットライトを浴びるまで、数十年間を要した。メディアは、タバコ業界がダウン寸前まで追い詰められるまで何もしなかった。タバコの広告が広く禁止され、広告収益が枯渇すると、ようやくメディアは、大勢の人々を死に追い込んだこの製品の明らかな危険性を取り上げることが出来るようになった。この時になってようやくメディアは消費者サイドに加わったのだ。

基準は役に立つのか?

メディア産業の活動方針は奇妙だが(欲にくらんで人々を裏切っているとして無知呼ばわりし、勝てる相手にとことん喧嘩を挑む)、SEO業界の現状に懸念を持つ一部の人達は、業界基準が役に立つと考えているようだ。しかし、業界基準がこの問題を解決するわけではない:

  • このような団体を運営する人達の多くは、セルフプロモーションに走りがちになる(SEMPOが5000ドルで加入を認めていたものの、特定の人達には無料で招待していた件を覚えているのだろうか?)
  • このようなセルフプロモーションは、事業の偏見と協調している(初期のこの手の団体の“リサーチ”は有料検索を積極的に売り込んでいた一方で、SEOを落選者扱いしていた)
  • 詐欺師は基準には従わない。しかし、それでもロゴを手に入れるだろう(随分前に私に会う前の妻を騙した業者は、サイトにTopSEOとSEMPOのロゴを掲載していた
  • 自暴自棄になった人達は「何でもする」ので、業界基準に従うはずがない。顧客ではない人から受信した“親愛なる仲間へ”で始まるこのeメールを検証してみよう

    情けない内容だが(自分達はSEOの知識がないものの、SEOの顧客を獲得してしまい、よって私に仕事を依頼しようとしている)、よく見ると実際にはさらに問題が大きいことが分かる。私に手に入れてもらいたいアンカーテキストはSEOに関するキーワードであり、“プロフェッショナル”なSEOサービスを売り物にしているSEO業者が、第三世界の貧しい人達に任せて大儲けし、しかも、その人物にSEOのサイトを最適化させているのだ。自分のサイトに対するサービスがここまで低レベルな状態で、顧客にどんなことをしているのかを考えるとぞっとする
  • この業界は既に一連の基準を持っている(グーグルのガイドラインに記載されている)。しかし、効力があるのは一部であり、さらに基準を追加したところで、悪徳業者の抑止に役立つとは思えない
  • プロジェクトによっては潜在的なリスクと見返りが異なる
  • 基準は時代遅れであり、パンダのような現象から身を守る術を提供しているわけではない。因みにパンダが原因で、絶体絶命のピンチを迎え、破産に向かって突き進む中、小規模な事業が多くの従業員を解雇しなければならなくなった
  • 枠組みは既に特定のタイプのサイト傾いている。全体的な恣意に富む基準に同意するなら、マーケットシェアをこの選ばれた一部の人達に譲ることになる。マット・カッツ氏は次のように述べている: 「グーグルは実は次のような分類子を考案しました。例えば、国税庁やウィキペディアやニューヨークタイムズはこっちで、質の低いサイトはあっちに振り分けるのです。一部の検索結果は、トップのブランドが3つのアドワーズ広告、そして、上位3つのオーガニックな結果を表示するような状態になっています。
  • SEOの標準化が行われたとしたら、さらに仕事がアウトソースされるようになり & 賃金の抑制が行われるだろう
  • この類の標準化は、“大き過ぎてつぶせない”場合は見逃す一方、小規模なプレイヤーにさらなる制限を求める。グーグルがブロガーは情報を公開するべきだと主張した件を覚えているのだろうか?同社は、グーグル自身が自動の有料リンクの作成に投資している事実には目をつぶっていた。さらに、グーグルファイナンスですら、広告の記載がない広告が堂々と掲載されていた。

詐欺師は金儲けが出来るならば姿を現す

ニュースを見ていれば、次のようなストーリーを目にしない日はないだろう:

中国中央部で、300人近くの市民が、違法な添加物が混入されていると見られる肉を食べた後、食中毒を患った。中国政府は食品安全基準の違反者を厳重に取り締まると約束する中、後を絶たない食肉汚染問題が新たに発生した。

国営新聞社の中華日報は、豚に投与される、筋肉の成長を早めるものの、人間が摂取すると頭痛、吐き気、そして、不整脈を起こす物質 クレンブテロールを原因に挙げていた。

しばらくの間は中国で肉を食べる際には注意する必要があるかもしれないが、このニュースのストーリーを読んでも、“二度と豚を食べたくない”と言うリアクションは起きない。しかし、インターネット上に存在する詐欺の多くは(グーグルによる投資を受けているものも、そして、SEOとは直接関係のないものの)、SEO詐欺と都合よく表現されている。

製薬会社が元々の記載された内容よりも薬の効果が少なかったことを示す調査を隠匿した際、製薬詐欺と呼ばれていただろうか?

先日、ファイザーに代わってPRを行う企業からeメールをもらった。この企業は増え続ける偽の薬の問題に関する“ドキュメンタリー”を作りたがっていた。皆さんは、ファイザーが、他の誰かが利益を得ている際は違法性と消費者の安全を気にするものの、以前は繰り返し無視していた事実をご存知だろうか?同社は認可されていない用途で薬を売り込んでいた:

ニューヨークを拠点に営業するファイザー社は、罰金および民事制裁金として4億3,000万ドルを支払うことに同意し、同社の弁護士は、ラオクス氏と3人の検事に、同社および構成会社は、認可されていない目的に対して薬品を宣伝することは二度とないと断言した。現在ボストンで連邦検事を務めるラオクス氏は、ファイザーの経営者達が、誓約書のインクがかわかないうちから、所謂オフラインマーケティングを実行するため、この約束を破っていた事実を数年が経過するまで気づかなかった。

2009年9月2日の朝、別のファイザーの関係会社のファルマシア & アップジョン社が、全く同じ犯罪で有罪を認めた。今回、ファイザー社の重役は、関節炎および生理痛の軽減する目的のみで認可されたベクストラと言う薬品を、あらゆる類の急な痛みの治療用として宣伝するよう100名を超える営業社員に指示していた。

製薬会社は現在罰金を事業を行うための推定されるコストと考えている。改善される傾向が全く見られないため、政府は現在企業の犯罪の責任を経営陣に追わせることも検討している。

製薬業界は、過去10年間で、数十億ドルもの民事および刑事の罰金を支払ってきたが、政府は抑止効果がほとんど期待できないと考えている。

先月、議会証言で保健社会福祉省の主任顧問を務めるルー・モリス氏は、「追放する戦略を用いることで、企業の重役が用いる費用対効果の計算を変えることになるだろう」と述べた。

詐欺師は金儲けが出来るならどこにでも姿を現す。そして、出来る限りの悪行を尽くしつつ、基準に従っていると主張するだろう。しかし、大手メディアに利益を与えるために必要な利鞘とスケールに欠けているビジネスモデルを採用しているからと言う理由で、同じマーケットの全ての企業が詐欺を働いているわけではないのだ。


この記事は、SEO Bookに掲載された「Scammers, Spammers & Industry Standards」を翻訳した内容です。

詐欺やスパムはどこにでも存在するけど同時に良い会社やサービスも存在する、でも何故かSEOに限っては全て詐欺やスパムで業界毎まとめて一緒にされがち、、、というSEO業界で生きる筆者にとっても少し悲しい嘆きの文章でした。

結論のないエッセイのような感じですが、途中で出てきた外部リンクにあったパンダアップデートの結果、トラフィックが半分落ちて17人の社員の3/2を解雇せざるえなかったECサイトの話が悲劇でしたね。。。日本のパンダでこんな悲劇が語られることになるんでしょうか。これまでSEO Japanでも何度も語ってきましたが低品質のコンテンツファームかどうか、スパム手法に手を染めているか、広告を掲載しすぎているかどうか、など単純な話でパンダのアルゴリズム改編は語りきれませんし、正直、何が起こるか分からない側面もありますからねぇ。。。私の会社でもGoogleのトラフィックにかなり依存したビジネスを幾つかやっているだけに気になります。

最後の「グーグル自身が自動の有料リンクの作成に投資している」という話にも思わず笑ってしまいました。Googleの投資部門Google Venturesが通常のリンクをアフィリエイトリンクとして取り扱う技術を提供している会社に投資していることをさらされた話ですが、ホント良く気づくなという感じで。Google Venturesも有料リンクを認める意図でやっているのではないでしょうが、確かに矛盾した動きといえば動きです。そういうサービス、日本でもありますしね。弊社も営業力がないので止めてしまいましたが、以前提供していましたし。SEO的な効果が今でもあるかは不明ですけど。と、SEO Bookさながら、ダラダラとしたコメントになってしまいました m(_ _)m — SEO Japan

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