Bingの売却を検討するマイクロソフトの次期CEO候補

マイクロソフトCEOであるスティーブ・バルマーが引退この夏発表してから、その後継者争いが米国では大きな話題となっていました。最近になって、ようやく何人かの最終候補に絞り込まれ、その結果次第でBingの将来にも影響があるかもしれない?ということで、米国の検索シェアを追っている人には特に気になるマイクロソフトの後継者レースに関する微妙に気になる記事を。ダニー・サリバンのコメント付き。 — SEO Japan

Bing logoマイクロソフトの次期CEOを巡る争いが激化している。今週の始めにお伝えしたように、現在、フォードでCEOを務めるアラン・ムラーリー氏、そして、元ノキアのCEO、スティーブン・エロップ氏(デバイス部門の責任者として、マイクロソフトに復帰)を含む数名が、最終選考に駒を進めている。その中で、エロップ氏は、次期CEOレース争いを有利に進める可能性を秘めた大胆なアイデアを持っているようだ。しかし、反対派によって、不適格と見なされる危うさも持ち合わせている。

ビジネスウィーク誌によると、マイクロソフトのCEOとして「エロップ氏は、恐らく、「オフィス製品」を使って、PCおよびモバイルデバイスにおいて、同社を代表する製品であるウィンドウズ OSの需要を高める戦略から距離を置こうとしている」ようだ。それよりも、エロップ氏は、ノキアの地図プラットフォーム「Here」で試みたように、様々なデバイスやプラットフォーム間で「オフィス」の売り上げと利用者を最大限に増やす取り組みを行う可能性がある。

また、ビジネスウィークは、匿名の情報源の話として、エロップ氏が、ビジネスの焦点を絞るため、メジャーな事業を閉鎖、または、売却することを覚悟していると伝えている。その結果、「検索エンジンのビングを用いたグーグルとの覇権争いは、コストが高いため、打ち切り、また、Xbox等の好調なビジネスも売却する」ことになると見られている。

多くの金融のアナリストも、Xboxがマイクロソフトの他のビジネスから切り離されると推測している。また、一部の専門家は、検索の取り組みに関して、ビングが、グーグルからマーケットシェアを奪えないことは明白であり、投資を続けるのは、コストがかかり過ぎると考えている。

どうやら、マイクロソフトの創設者の一人、ポール・アレン氏もまたXboxとビングを断念するべきだと考えているようだ。広報を通じて、アレン氏は、より多くの利益が期待できるビジネスに焦点を絞る上で、ビングとXboxが邪魔になっていると示唆したことがある。

このような考えが、その他のCEO候補にどの程度浸透しているのかは不明である。しかし、金融アナリストや機関投資家からのプレッシャーを受け続ければ、エロップ氏がCEOに任命されるかどうかに関わらず、同じような決断が下される可能性はある。

エロップ氏が、次期CEOに選ばれ、ビングの売却を真剣に考えると仮定する。その場合、どこの会社に、幾らで売ろうと試みるだろうか?また、ヤフー!との契約は、どうなるのだろうか?売却により、ヤフー!との契約は自動的に破棄されるのだろうか?それとも、ヤフー!は、ビングの買い手と引き続き提携関係を維持するのだろうか?

マイクロソフトは、実際にフェイスブックにビングを売却しようと試みたものの、フェイスブックが断ったと言われている。しかし、これは、グラフ検索が導入される前の話である。フェイスブックは、現在、ビングの売却として、最も可能性が高く、オファーがあれば、もっと真剣に検討するだろう。また、フェイスブックが、数十億ドル規模になると見込まれる買収を行う上で、必要な資金を持っている点も注目に値する。

マリッサ・メイヤー率いるヤフー!は、買い手の資格を持っているだろうか?非常に高い買い物になるが — マイクロソフトから検索を買い戻すことが出来れば、大きな勝利だと言えるだろう。ヤフー!が持つアリババの株は、200億ドル以上の価値を持つ。この株を換金すれば、ヤフー!がビングを買うことは不可能ではなくなる。

その他にも買い手はいるだろうか?ヨーロッパの企業、アジアの企業はどうだろうか? ビングにとって、最高の会社、そして、最高に合う場所はどこだろうか?コメント欄で、是非、意見を聞かせてもらいたい。

ダニー・サリバンのコメント: マイクロソフトが、あっさりとビングを放棄することが出来ると考えているなら、現実を見てもらいたい。マイクロソフトにとって、検索は欠かすことの出来ないサービスである。検索は、ウィンドウズフォン、ウィンドウズ OSのプラットフォームに深く統合されている。つまり、マイクロソフトのあらゆる製品に検索が用いられており、その検索を動かしているのは、ビングなのだ。

マイクロソフトが降参し、タオルをリングに投げ入れるとしたら、どのような選択肢がマイクロソフトには与えられるのだろうか?グーグルと手を結ぶことは出来ない。 マイクロソフトが、(アップルのように)敵を受け入れたと仮定しても、連邦取引委員会(FTC)が、ヤフー!とグーグルの提携に待ったをかけた点を考慮すると、同じような規制の問題が、マイクロソフトがグーグルにビングを譲渡する際にも発生するだろう。

マイクロソフトは、グーグル + ヤフー!の提携を遅らせるためにFTCに協力した。しかし、今度は、グーグルとの提携を推し進めるマイクロソフトに対して、FTCが牙をむく構図が生まれる。

グーグルがダメなら、ビングの買い手が現れ、新たなオーナーと提携を組み、ライセンス契約を結ぶしか選択肢はなくなる。この方が可能性は高い。私もグレッグと同じように、フェイスブックが候補に挙がると思う。しかし、ヤフー!の方が魅力は上である。マイクロソフトと同じように検索の名残があり、検索を熟知するマリッサ・メイヤーCEOが率いているためだ。

格安の価格なら、メイヤーCEOは、マイクロソフトからビングを買う可能性はある。もう一つの可能性としては、アップルが、グーグルとの完全な決別を望み、マイクロソフトが運営するビングよりも、ヤフー!が運営するビングに魅力を感じるケースである。

マイクロソフトが、この検索エンジンに用いたコストの内訳を明らかにしていない点を考慮すると(その多くは、過剰なマーケティングに費やされている可能性がある)、ビングの売却が経済的な面で難航すると言わざるを得ない。しかし、ここで思い出してもらいたい点が一つある。ヤフー!の投資家は、「検索をアウトソースして、節約」する取り組みを既に行ったものの、収益が増えるわけではなく、ただ検索のシェアを失っただけであった。

ビングを放棄するだけで、突然、収益が増えるとは考えにくい。しかも、マイクロソフトが抱える、最も革新的な製品の一つを諦めることになる。しかし、ソフトウェアの販売への投資を増やし、ハードウェアの販売に対する新しい方針が、マイクロソフトに明るい未来をもたらすと考えているなら、ビングを手放す決断は、理に叶っているのかもしれない。

グレッグ・スターリングによるコメント: マイクロソフトは、「ビングを放棄」することは出来ないと私も思う。また、ダニー・サリバンが説明してくれたように、検索を必要としているはずである。売却の反対派は、マイクロソフトが、戦略として、検索を製品へ統合している点を挙げるだろう。

しかし、売却先から、マイクロソフトに有利な条件でライセンス契約を結び、ビングを戻すことも不可能ではない。また、ダニー・サリバンも指摘していたように、売却相手として、最もフィットするのはヤフー!だと思う(役割が逆転する)。また、アップルも魅力的な候補であるが、最終的に、検索エンジンを自分で管理するよりも、提携を結ぶ方針をマイクロソフトは望むだろう。

ビングが売りに出される場合、バイドゥやアリババ等のアジアの企業も候補になる可能性がある。また、可能性はゼロに近いものの、ロシアの検索エンジン、ヤンデックスも控えている。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Potential Microsoft CEO Elop Would Consider Selling Bing」を翻訳した内容です。

後継者レースに関してはまだまだ様々な可能性があるようですが、サリバンのコメント読むに誰がなっても簡単には売られないだろう、という話でした。デバイスの多様化、OSの多様化、コンピュータの利用シーンの多様化、、、検索サービスの重要性はユーザーにとってもプラットフォーマーにとっても増していると思いますし、私自身も簡単には巨額の投資を続けてここまでどうにか育て上げた検索サービスを簡単には手放さない気もするのですが。そんなことを考えてしまうのは常人の思考レベルであって、次期マイクロソフトCEOの頭にはもっと壮大で先見性のある考えがあるのかもしれませんが。Bingがマイクロソフトに残るにしろ他社に売却されるにしろ、Googleの圧倒的シェアは脅かすような存在に育ってくれるとそれはそれで検索マニアの傍観者としても、検索マーケティングに関わる実務者としてもよりエキサイティングな話ではありますし、良い形で継続・進化していってくれることを願うばかりです。 — SEO Japan [G+]
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