BtoBのローカルビジネスにおける、ローカルSEO完全ガイド。

公開日:2022/08/25

最終更新日:2022/08/25

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「ローカルSEO」という言葉も一般的になり、特にスモールビジネスにおいては、非常に有力なWebマーケティングの施策と言えます。「ローカルSEO」と聞いてパッと思いつくことは、レストランや小売店などのBtoCビジネス。しかし、BtoBのビジネスにおいても、ローカルSEOは強力な施策となり得ます。今回は、ローカルSEOの中でも、BtoBに焦点をあてた、Search Engine Journalの記事を紹介します。

SEOを改善することにより、本当の価値を顧客に提供する、活動的で、信頼できるコミュニティの参加者としてのあなたのビジネスを確立するためには、何をすべきだろう?

ローカルSEOという言葉を聞くと、ローカルの小売店やBtoCのビジネスが、オンラインでの露出を最適化し、自身の店舗に足を運んでもらうようにする、戦略や戦術を思い浮かべることだろう。

しかし、BtoBのビジネスの中には、商業用の不動産業者のように、明確なローケーションで事業を行ってる場合も、そうでない場合もある。

こうしたビジネスの場合、自然検索によって顧客に発見され、エンゲージしてもらうことに、(BtoCのビジネスと同様ではあるが、わずかに異なる)課題を抱えていることもある。

BtoBのビジネスにおける、ローカルSEOの包括的な目標は、(BtoCのビジネスと同様に)特定の商圏内で、製品やサービスに関連するあらゆるトピックについて、最も信頼のある権威としての存在を確立することである。

そのため、そうしたビジネスは活動的で、信頼できるコミュニティの参加者であることが求められ、顧客や地域全体に本当の価値を提供しなければならない。

ローカルSEOを活用することで、ローカルマップパックと自然検索における露出を改善することが可能だ。

この記事では、BtoBのビジネスに特化した、いくつかのベストプラクティスを紹介したいと思う。

基本から始める

ローカルに注力しているか否かに関わらず、あらゆるSEOのプロジェクトは、きちんとした基礎から始めるべきだ。

新規のビジネスであろうと、老舗の企業であろうと、Web上でのプレゼンスにおける徹底した監査やSWOT分析を行い、オンサイトとオフサイトの最適化箇所を特定することが必要である。

包括的な戦略には、下記の項目が含まれる。

  • インテントと話題性を考慮したキーワード調査を行い、顧客がどのように検索しているかを知る
  • 「近くの”キーワード”」や「”地域名”の”キーワード”」といった検索を行い、顧客の典型的な検索行動を把握する
  • Webサイトとページの構造とパフォーマンスに注力した、技術的な監査を行う
  • ページタイトル、見出し、メタディスクリプションなどの主要な項目に、ローカルを意識したキーワードを含める
  • 内部リンクと外部リンクを確認し、どのようにして検索エンジンが検索者を正しい答えに導くのか、どのリンクがオンライン上の権威性に影響を与えているのかを把握する
  • 詳細な競合分析を行い、競い合う相手が誰なのかを理解し、彼ら以上の存在になるためにどのくらいの労力が必要なのかを把握する

これらの作業の結果は、各項目ごとに分類され、優先度をつけるべきである。これらが、基本的な最適化の作業の土台となる。

スキーマを活用する

ローカルSEOの戦術で重要なものとして、検索エンジンに好まれる情報の構造を整備するために、ローカルビジネスのスキーマやHTMLのマークアップを活用することが挙げられる。

スキーマの利用法を統括するschema.orgは、下記のように述べている。

「オンページのマークアップにより、検索エンジンがWeb上の情報を理解することができ、ユーザーが関連する情報をより簡単に発見できるよう、よりリッチな検索結果を提供できるようになる。」

ビジネス関連のスキーマは、住所、営業時間、部署、レビューなどを構造化することに使用でき、自然検索結果やマップの検索結果において、構造化された表示に落とし込むことができる。

ローカルビジネスの住所などの情報を構造化した場合の例を挙げてみよう。

「commercial real estate Barrie」というキーワードでのGoogleの検索結果のスクリーンショット(2022年4月)

別のスキーマの活用法としては、FAQのセクション内で質問と答えをタグ付けし、その商圏における専門性を強調することが挙げられる。

タグ付けされた質問と回答は、検索結果画面でリッチテキストとして表示される可能性がある。

「what is commercial real estate」というキーワードでのGoogleの検索結果のスクリーンショット(2022年4月)

スキーマは、検索結果でのビジネスの露出を高めるために使える強力なツールであるが、よく見過ごされるツールでもある。

Googleビジネス プロフィールを最適化する

Googleビジネス プロフィール(GBP:Google Business Profile)は、かつてはGoogle マイビジネスと呼ばれていたが、ローカルSEOにとって重要な存在である。これにより、Googleが、その商圏におけるビジネスの存在を確認することができるのだ。

該当のビジネスが、自身のビジネスが行われる場所を主張し、認証することができる。また、その住所で正式に行われていなくとも、物理的な住所であることが必要だ。

Googleビジネス プロフィールでは、営業時間、Webサイトへのリンク、カテゴリー、製品、サービス、ロゴ、画像、動画など、関連する詳細な情報を提供することができる。

プロフィールの項目は、可能な限り、すべて埋めるべきだ。

Googleは、全てのビジネスが特定の場所で行われているわけではないことを理解しており、そうしたビジネスのために、いくつかのBtoB用のカテゴリーを用意している。

「ommercial real estate Barrie」というキーワードでのGoogleの検索結果のスクリーンショット(2022年4月)

Googleビジネス プロフィールは、顧客がレビューを提供できる場所にもなっている。レビューの重要性については後ほど説明しよう。Googleビジネス プロフィールは、ローカルの顧客との関わりを持つためのチャネルにもなるのだ。

理想的には、少なくとも週に1回は、関連するコンテンツを投稿したい。

Googleは積極的に活動するビジネスを好むようになるため、イベント、プロモーション、一般的な情報を定期的に投稿することで、ローカル検索における露出を高めることができるはずだ。

NAPデータを怠らない

NAPはName(名前)、Address(住所)、Phone Number(電話番号)の略である。各ビジネスの固有情報を表し、ローカルSEOの観点からも重要である。

特に、コーポーレートサイト、Googleビジネス プロフィール、ローカルのディレクトリサービス、あなたのWebサイトについて言及している他のWebサイトなど、インターネット上のあらゆる場所で正確なNAPデータを記載するよう、注意を払うべきだ。

Googleや他の検索エンジンは、NAPデータを相互に参照しており、正確で一貫したプロフィールを持つビジネスを評価するのだ。

上級者向けのアドバイス:NAPデータを迅速に、無料で管理する方法は、会社名を検索し、検索結果に表示されるあなたのビジネスとNAPデータを全て確認することである。

ローカルリスティングを管理する

ビジネスの地域性における重要なシグナルとして、関連するローカルリスティングのWebサイトでの掲載が挙げられる。

無料または有料の、ローカルビジネスに注力したディレクトリ系のWebsサイトは、数多く存在する。

ここでも、NAPデータに一貫性を持たすことが重要となる。

しかし、多くのディレクトリ系のWebsサイトでは、商品やサービスの情報、画像、プロモーション、リードを発生させる他の特徴を記載する、拡張型のリスティングが可能である。

Googleビジネス プロフィールと同様、こうしたWebサイトでも、詳細で完璧なリスティングにすることが重要である。

このようなディレクトリ系のWebsサイトの多くで、消費者はレビューを投稿できるため、可能な限りの監視が必要とされる。

前述した上級者向けのアドバイス活用し、ディレクトリを特定しよう。自動的にあなたのビジネスのリスティングを発見し、アップデートしてくれる有料の管理サービスも存在する。こうしたサービスを利用すれば、継続した監視と管理が可能となる。

より深い分析として、関連するディレクトリを対象とした、検索エンジンに表示されるターゲットキーワードの調査が挙げられる。

上位に表示されているものは、検索エンジンから関連性と権威性が高いと判断されているため、特に注目すべきと言える。

レビューを依頼し、迅速に対応する

オンラインでのレビューは、現代のBtoBのバイヤージャーニーにおいて標準となっており、高く信頼されるものとなっている。

調査にもよるが、消費者は購入を決断する前に、70%〜95%の確率で、レビューを参照しているとのことである。

プライベートとビジネスの両面において、我々が皆、普通に行っている行動であろう。

こうしたレビューは、ローカル検索とマップパックでの露出に対し、大きな影響を与えている

そのため、各プラットフォームにて、レビューを顧客に促すことは非常に重要である、また、Googleでのランキングという観点では非常に大きなウェイトを占めるため、Googleビジネス プロフィールへ誘導することができれば、より良いだろう。

また、特にネガティブな内容の場合、各レビューに迅速に対応することも重要である。

こうした対応の速度は、そのビジネスの組織力、カスタマーサービス、一般的なビジネスとしての強み、などを反映している。

消費者は、問題に対して効果的に対応するビジネスを信頼し、ともに働きたいと考える傾向があるとする調査結果も存在している。

ローカルのエキスパートになる

「コンテンツ イズ キング」というフレーズを聞いたことがある方も多いと思うが、BtoBのSEOにおいては、そのまま当てはまるだろう。前述の通り、特定の商圏において、あなたのビジネスがその業界における権威であると、Googleに認識させることが大きな目標である。

Googleは、権威のあるWebサイトを自然検索結果での露出を高めるが、これはコンテンツマーケティングの大きな目標の1つである。

簡単なことではないが、ローカルのレベルでは、購買サイクルの各ステージにいる顧客ニーズに応える、高品質で関連性の高いコンテンツを作成し続けることで、その分野のエキスパートになれるチャンスがある。

Webサイトやブログ、または、解説動画やプロモーション動画などを作成し、あなたの商圏内の顧客が抱える疑問の解決策を提供できる存在になろう。

そのため、コンテンツ内で使用するキーワードは、「”地域名”の商業用不動産の動向」や「”地域名”の賃貸オフィス」のように、特定の地域名を含めるようにしよう。

また、こうしたコンテンツには、主要な製品ページやサービスページへのリンクを設置し、Webサイト全体の権威性を高める工夫をしよう。

あらゆるコンテンツが相互に活用しあい、初回の検索からソリューションの購入まで、ユーザーを導くようにしよう。

コミュニティとの関わりを持つ

その地域や商圏における権威性を高めるための方法として、積極的な参加者となることが挙げられる。

企業がコミュニティとの関わりを持つ方法をいくつか紹介しよう。

  • 商工会やその他のローカルビジネスの組織のメンバーになる
  • ローカルのサービスグループに参加する
  • ローカルのイベントや慈善団体を後援する
  • ローカルのイベントを主催、もしくは、参加する
  • 同じ目的を持つ他のビジネスと共同してマーケティング活動を行う

いずれの場合も、自社のWebサイトやソーシャルメディアにて、こうした活動の参加について公表しよう。

可能であれば、パートナーのWebサイトからあなたのWebサイトへのリンクを貼ることができる機会を探そう。

こうしたリンクは、ローカルでの露出を高める手助けとなり、検索エンジンに対する重要なシグナルとなるのだ。

競合サイトを認識する

競合サイトを分析する前に、競合サイトを適切に特定する必要がある。オンラインでの競合の場合、それは啓発的なものになりうる。

ターゲットキーワードを設定したら、どのようなWebサイトが表示されるかを把握しよう。特に、あなたのWebサイトよりも上位に表示されるWebサイトは、注視すべきだ。

こうしたWebサイトの技術的な監査やコンテンツの監査を行い、あなたよりも上位に表示されている理由を探ろう。

また、競合サイトのバックリンクの調査を行い、あなたが獲得していない、関連性があり権威性の高いWebサイトからのリンクがあるかどうかを探そう。

最後に、コンテンツの内容と更新頻度に着目し、自社のマーケティングに活かせる点を把握しよう。

前述の通り、その地域でのエキスパートになることが大きな目標であるが、他のWebサイトも同じ目的を持っている場合、より多くの労力が必要とされるかもしれない。

BtoBには、HtoH(Human to Human)が求められる

ローカルの権威性における最後の分析は、検索、訪問、消費、共有、レビューなどをからの、顧客の認識である。

最終的な責任は、あなたとあなたのビジネスにある。コンテンツ、答え、製品、サービスなどを顧客に提供し、彼らが再びあなたのビジネスを利用してくれたり、彼らの友人や同僚にあなたのビジネスについて語ってもらうようにするのである。

検索エンジンが高く評価するのは、素晴らしい体験を提供し、忠実で信頼できるオーディエンスを抱えているビジネスなのである。

自然検索と同様、ローカル検索も競争は高まるばかりであり、あらゆる工夫や施策が必要とされることでしょう。こうした状況からも、できる限りの施策を早めに取り組み、実績を積むことが必要かもしれません。今回の記事で紹介された施策の中でも、すぐに行える施策があれば、早めに対応していくことが理想的だと思いました。こうした取り組みを継続することで、地域内の信頼できるエキスパートとしての存在を確率していきたいものです。

この記事は、Search Engine Journalに掲載された「Local B2B SEO: The Complete Guide For Local Businesses」を翻訳した内容です。

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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