インハウスSEOになる前に知っておきたいこと

フリーランスのSEO専門家として活躍していた筆者が、某スタートアップのインハウスSEOとして仕事を始めた経験を元に、インハウスSEOとして考慮すべき点や成功の秘訣をまとめた記事を紹介します。インハウスSEOの重要性がかつてない程認められ、その存在感が増している今日、SEO会社から転職する人も増えているように感じますが、事前に読んでおくとヒントになる点が多いかも。 — SEO Japan

物事には順序がある。それでは背景から説明していこう – 1年前に誰かにインハウスのSEOとして働いていると言われたら、私なら笑って、もっと自分を大切にした方がいいと助言していただろう。

そして、現在、私はインハウスSEOとして働いている。しかも、今まで思いもしなかったこと、つまり「他の誰かのために働こう」と言うこの決断にこれ以上ないぐらい満足しているのだ。

Clicker.com - In House SEO & Audience Development

遡ること1年弱、私がメキシコでのサーフトリップから帰宅中に国境を越えようとしている時だった。電話を通じて私はeメールを受信した。アスクドットコムの元CEO、ジム・ランゾーン氏からのメールであった。ランゾーン氏は同氏が運営するスタートアップ Clicker.com(クリッカードットコム)の情報を簡潔に伝え、近所に来ているので会って話をしたいと望んでいた。しめしめ、これで仕事がまた一つ増えたぞ。私はそう思った。

私は一度話を聞くまでは断らないと言うポリシーを持っており、そして、当時黒字の事業を運営していたため、単なるネットワークの良い機会として位置づけていた。

仕事が必要だったわけでもなければ、お金が必要だったわけでもなかった。 また、私は5年もの間、他の誰にも恨まれていなかった。自分のライフスタイルを気に入っていたし、自分自身に満足もしていた。しかし、その数カ月後、ジム・ランゾーン氏は徐々に私の考えを変え、もし試していなかったら、絶対に後悔するような機会を私に与えてくれた。

私の好奇心を引き寄せたのは給料ではなかった(スタートアップそのものが魅力的だったのだ)。これは、大きな成功を収めると思ったビジネスに参加し、関与するチャンスだったのだ。私を鍛え上げ、スキルを磨き上げてくれる重役の人達と毎日連絡を取り合うためには、私にはキャリアの次のステージに進む必要があった。ベンチャー投資家や経営陣と話しをして、自分の才能を分かってもらう必要がった。

また、私はクリッカーが優れたアイデアであり、ポテンシャルを引き出すことが出来れば、夢のような大金が転がり込んでくる可能性もあると期待している。

インハウスSEOとして想定するべきこと

インハウスSEOが想定することは、企業によって異なる。私は面倒なことは苦手であり、そして、自分の知っていることのみを綴る主義なので、自分の経験を思い返していこうと思う。これは私がたまに考えることであり、真実でもあるのだが、私のライフスタイルは基本的にほとんど変わっていない。

これは働く場所が大きく関連していると思うが、クリッカーは業績ベースの企業であり、毎日出勤するタイプの企業ではない。私はたとえ一時間だけであっても毎日のように今でもサーフィン(ネットサーフィンではなく、波に乗るサーフィン)を楽しんでおり、平常心を保つ自由を謳歌している。

私は別の場所から自分のチームに指示を出し、オフィスに行くのは月に数回である。この環境は、私が業績を上げ、期待を上回っている限り変わらないだろう。

大きな違いは皆さんが想像しているよりも目立たないが、それでも様々な角度で見ると違いがある点は疑いようもない。

まず、他の人に指示および答えを委ねなければならない。運が悪ければ、数人に対して答えを提供しなければならない可能性もある。自分一人で仕事をしたことがあるなら、これは辛いと感じるだろう。

上司を尊敬し、上司と同じ目標を達成することが出来ると信じること、または達成したいと願うことが重要である。それでも、小声で文句を言いたくなるときはやって来るはずだ。

次に、責任が重くなり、焦点を完全に一つのプロジェクトに絞ることになる。 これは良いとも悪いとも言える。私のように注意力が欠けているなら、退屈であり、飽きてしまうこともある。クライアントと仕事をする場合、クライアントは一人ではなく、複数のプロジェクトに同時に取り組めるため、新鮮な気持ちで挑める点は、クライアントと仕事をする上でのメリットと言えるだろう。

もちろん良い点もたくさんある。毎月、同じような“確認”の声を聞かなくても済む。新しいビジネスのために四六時中慌ただしく動き回る必要はない。事務作業はなく、使えるリソースも多い。

自分よりも大きな何かの一翼を担うことになる。自分の戦略を実施するためだけのSEOに特化したチームを持つことが出来る。また、新しく、貴重なスキルを身につけることも出来る。そして、仕事の後片付けが遥かに簡単である。それでも、高い波が来る予報が出ている際に中部に向かうのは気が重い。有給休暇と言われる制度もあるが、ちょっとずつしか使えない。

さて、突然、自分の人気が高まることもある。まるで背中に的を背負っているかのような勢いである。私がクリッカーで働き始めたことを公表してから依頼される仕事の量が10倍以上に増したのだ。良いか悪いかは状況によって異なる。私は自分の勤務先に満足しているし、去るつもりはない。

インハウスSEOになる前に考えておきたいこと

クレイグズリストで初めて見つけた仕事にいきなり応募するのはよくない。インハウスSEOとして成功したいなら、自分の優先事項が加わる会社と一致していることを確かめる必要がある。

私は大企業とは生活が大きく異なるスタートアップに参加した。その点を肝に銘じておいてもらいたい。条件が合わなかったら、自分の仕事を手放すことはなかった。以下に、一大決心をする前に使ってもらいたいチェックリストを用意した。

SEOに対する賛同

CEOおよびその他の重役陣がSEOの効果を疑問視しているなら、諦めた方がいい。上司に自分のアイデアを信じてもらい、賛同を得るために全力を注がなくてはならないなら、インハウスSEOとしての生活はあまり楽しいものにはならないだろう。SEOが優先されておらず、また、リスペクトされていないなら、他の会社を探すべきである。

確固たる信頼

勤務を始めてから数週の間、CEOが私を脇に連れ出し、経営陣に対してもっと断固たる態度を取ってもいいと言われた。当時、私はその他の重役に命令を出す前に自分自身の力を証明する必要がある気がすると答えたのであった。

これは私にとっては新しいテリトリーであり、そっと進むようにしたのだ。するとCEOは「もう充分力を証明しているよ。だから雇ったんだ」と言ってくれた。これが転機となり、自分の専門知識が100%信頼されていることが分かり、私は嬉しかった。

CEOと自分の間の壁は少ない方が良い

重役がSEOに賛同しているからと言って、会社全体が賛同しているとは限らない。なかなか計画を実行することが出来ないときがある。エンジニアが何かを変える意図を理解していないこともあれば、最高財務責任者(CFO)が成功するために必要な予算を拒むことも考えられる。CEOと直接話すことが出来れば、このような障害を容易に乗り越えることが出来るだろう。主要な意思決定者が近くにいてくれるほど心強いことはない。

自分の運営スタイルに合う強力なチーム

人が違えば、運営のスタイルも異なる。そして、既にチームが用意されていても、または新たに雇用するにしても、作業を実行する際の自分のスタイルに合わせておきたいところだ。私は無干渉主義であり、人の行動を細かく管理するのは嫌いだ。

また、賢く、自発的で、事細かい指示を必要とせず、自分で行動を起こせる人物と働くことを望む。私はオフィスで働くわけではないので、何も連絡してこない時は必要な作業を行っていると信じたい。実際に、私のチームは称賛に値する。

順調に仕事を行うために使えるリソース & ツール

この点については細かく説明する必要はないだろう。仕事を行うには、そして、効率よく行うためには、必要なものがある。事前に交渉を済ませておき、何を期待するべきか分かっている必要がある。

自分に何が期待されているのかを把握している必要があるように、会社側も自分が何を期待しているのかを理解しているべきである。雇ってもらったものの、これからの仕事を否定されてしまうことだけは絶対に避けたい。これは印象が悪い。

インハウスSEOとしての仕事はすべての人に向いているわけではないが、クライアントと仕事をする際や自分のウェブサイトを運営する際には見出せないメリットを多く含む新鮮な方向性を味わうことが出来る。

私は皆さんにインハウスSEOになろうと諭しているのではない。しかし、考えているなら、そして、まだ行動を起こしていないなら、いっそのこと試してみてはどうだろうか。期待以上の経験を味わうことが出来る可能性がある。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Making The Jump To In-House SEO」を翻訳した内容です。

極めて全うな考察で、インハウスSEOを検討している人には、というより、インハウスSEOとして働くべき企業であるべきかを見極めるにも、参考になる記事でした。全てが理想的な環境は少ないと思いますが、こういったことを意識することがインハウスSEOとして活躍するためにも大事ですね。ちなみに筆者が勤めたClicker.com、ドメインが既に無かったので一瞬あせりましたが、無事に大手テレビ局に買収されたようです。 — SEO Japan [G+]
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