1,801のユーザー行動を分析した結果わかった、ユーザーがGoogleを使う際の12の真実

公開日:2020/09/10

最終更新日:2024/03/01

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変化し続けるユーザーニーズに対し最大限対応していくことは、あらゆるWebサイトにとっての命題と言えます。SEOに直接関係があるにせよ、ないにせよ、ユーザーを満足させることができなければ上位表示も難しいでしょう。

ユーザーニーズの把握は非常に難しいトピックですが、ユーザー行動を把握することでそのヒントを得られるかもしれません。

今回は、Backlinkoによる、ユーザーの検索行動を調査した記事を紹介いたします。

最新のGoogleの検索結果に対し、人々がどのように関わっているかをより良く理解するため、我々は1,801のユーザー行動のセッションを分析した。

特に我々が調査した項目は以下のとおりだ。

  • 広告と自然検索結果のクリック数の比較
  • ローカル、動画、Googleショッピングのクリックの割合
  • 検索セッションの平均時間
  • 1ページ目の下部まで閲覧するユーザー数
  • その他

では、我々が得た調査結果を紹介していこう。

※編集部注:
情報をわかりやすくするため、オリジナルの画像に日本語を注釈として加えている箇所があります。あらかじめご了承ください。

この調査で得た重要な発見

1.Google検索の利用者は、23%の割合で、オートコンプリートのサジェストを使用する。コマーシャルクエリで検索するユーザーと比べ、インフォメーショナルクエリとローカル検索のほうが、オートコンプリートのサジェストをクリックする傾向がある。

2.Google検索の利用者の50%は、9秒以内に検索結果をクリックする。検索結果のいずれかをクリックするまでにかかる平均の時間は、14.6秒。

3.Google検索の利用者のうち、たったの9%しか、検索結果の1ページ目の最下部まで閲覧しない。

4.15%のユーザーが、最初に使用した検索キーワードを変更する。これは、Googleが関連性の高い検索結果を提供していることを指し示している。もしくは、Google検索の利用者は、最初の検索で正しいキーワードを選択できることを意味している。

5.検索結果をクリックした後、たったの17%のユーザーしか、再び検索結果画面に戻らない。同じクエリで複数回直帰するユーザーは、たったの5%。

6.Google検索の利用者の大半(59%)は、検索セッションの間、1つのページのみを訪れる。入力したクエリの答えを得るために、4ページ以上訪れるユーザーは、たったの6%。

7.65%の検索者は、検索セッションの間、伝統的な「10個の青いリンク」の検索結果をクリックする。

8.クエリによって大きく異なるが、検索者の19%が、広告をクリックする。

9.ローカルクエリの場合、42%の検索者が、マップパック内の検索結果をクリックする。

10.商品を検索しているユーザーの19%が、Googleショッピングの結果をクリックしている。

11.平均で、検索者の3%しか、”People Also Ask”を使用していない。しかし、この行動はクエリによって大きく異る。例えば、サプリメントを検索しているユーザーの場合、13.6%が、”People Also Ask”をクリックしている。

12.検索結果の2ページ目に行く検索者は、たったの0.44%。

13.検索セッションが完了するまでの平均時間は76秒。また、全検索セッションの半分が、53秒以内に完了する。

調査方法

今回の調査を行うにあたり、我々は454人の米国在住のユーザーにGoogle検索を使用した一連のタスクを行うよう依頼した。

異なるクエリでの広範囲なセットにすべく、被験者に依頼したタスクは下記のとおりである。

  • コマーシャル(物理的な商品):$20以下のFord F-150用のスマートフォンホルダーを探す。
  • コマーシャル(サービス):新規会員の初年度で、少なくとも20,000マイルをプレゼントする航空会社系のクレジットカードを探す。
  • コマーシャル#2(サービス):金利が25%より低く、年会費のかからないスモールビジネス用のクレジットカードを探す。
  • ローカル:自身の地域で交通事故を担当できる弁護士を探す。
  • インフォメーショナル(ノウハウ):自分で髪の毛を切る方法を紹介している動画の中で一番良いものを探す。
  • インフォメーショナル(方法):自身の地域内で、送料が追加されないオンラインで食料品を買うための最適な方法を探す。
  • トランザクショナル:腰の痛みに作用するサプリメントを探す。

それぞれのセッション中、被験者の画面は全て記録してある。

一例を下記に挙げよう。
※クリックすると、元の記事へと遷移します。

How People Use Google Search (New User Behavior Study)

今回の調査で指示した内容が行われているか各動画を確認し、トータルで259人のユーザー(1,801の検索セッション)という結果となった。録画した動画のトータルの長さは2,226分(38時間)となった。

最後に、動画のデータに注釈をつけ、それぞれのデータポイントをスプレッドシートにまとめ、結果を分析した。

では、それぞれの分析結果を見ていこう。

検索ユーザーはGoogleのオートコンプリートのサジェストを、セッションの23%で使用する

Googleのオートコンプリートは、検索履歴、地理的条件、およびこれまでに入力した内容に基づき、検索中に複数のキーワードを提示する。
※クリックすると、元の記事へと遷移します。

How People Use Google Search (New User Behavior Study)

我々の調査によると、かなりの数の検索者がこの機能を使用しているようだ。全ての検索のうち、約1/4がオートコンプリートのサジェストの中の1つを選ぶことがわかった。

しかし、オートコンプリートをどの程度使用するかについては、クエリに依存する。

特に、コマーシャルとトランザクショナルのキーワードで検索する場合が最もオートコンプリートのサジェストを使用するようである。

ここで得られる知見

Googleのオートコンプリートは検索行動に大きな影響を与えているようだ。特に、トランザクショナルとコマーシャルのクエリにおいては。

検索ユーザーの半分が、検索後の9秒以内にクリックする

次に、「最初のクリックまでにかかる時間」を調査した。

言い換えれば、どこをクリックするかを決定するために、ユーザーは検索結果画面をどのくらいの時間見るのかを調査したのだ。

我々は、多くのユーザーが最初の結果を直感的にクリックするものの、Googleが現在使用している複数の検索結果の機能(動画カルーセル、people also ask、トップストーリーなど)によって、ユーザー行動は変化しているだろうと仮定していた。

言うまでもなく、検索結果画面のレイアウトは、検索結果によって大きく異なる。

この組み合わせによって、ユーザーが自然検索の最初の結果をすぐに選択することを難しくしている。クエリによっては、最初の検索結果がファーストビューになることもある。

また、それより下部に位置することもある。さらには、GoogleショッピングとGoogle広告の間に表示されることもある。

我々は、Googleで何かを検索しているユーザーの50%が9秒以内にクリックをすることを発見した。また、25%のユーザーが5秒以内にクリックしていることもわかった。

平均の「最初のクリックまでにかかる時間」は14.6秒であった。


クエリのタイプによって最初のクリックまでにかかる時間が可変することは注目すべきである。

ここで得られる知見

検索者は最初のクリックを行う前に、検索結果を見定めるために十分な量の時間をかけている。平均の「最初のクリックまでにかかる時間」は14.6秒であった。

検索ユーザーの9%が1ページ目の下部までスクロールする

次に、検索結果の1ページ目の下部までスクロールするユーザーがどの程度いるかを調査した。

検索結果の最下部までスクロールするユーザーは、たったの9%であることがわかった。

しかし、ユーザー行動はクエリの種類によって可変する。トランザクショナルクエリである「腰の痛みを和らげるサプリメントを探す」のクエリで検索している場合は、コマーシャルクエリである「車載用のスマートフォンホルダーを探す」のクエリよりも、多くの検索結果を見ているようだ。


おそらく、これは検索結果画面の機能の差異によるものだろう。

コマーシャルクエリの場合、Googleショッピングの結果が表示される傾向がある。また、ほとんどの場合でファーストビューに表示されるのだ。

一方、トランザクショナルとインフォメーショナルの場合、伝統的な「10本の青いリンク」が表示される傾向がある。このレイアウトが、ページの下部へのスクロールとクリックを促すのだろう。

ここで得られる知見

Googleユーザーの比較的少ない割合(9%)が、検索結果の下部までスクロールする。多くの場合、検索結果の上部でクエリに対する答えを発見している。

また、必要としている情報がファーストビューで発見できなければ、検索をやり直すことを好む。

検索ユーザーの15%しか最初の検索ワードを修正しない

我々は、85%のGoogleユーザーが、最初の検索ワードでクエリへの答えを見つけ出していることを発見した。


これは、Googleが(ハミングバードランクブレインなどのアップデートによって)各クエリの真のインテントを理解する能力が改善されているという事実によるものなのかもしれない。

もしくは、単純に「Googleの検索結果が以前よりも良いものになっている」という事実によるものなのかもしれない。その結果、ページの上部に関連する結果を発見できる状態となっている。

また、ユーザーが「検索する方法」をより良く理解できていることが理由である可能性もある。言い換えれば、何千回もの検索をすることで、正しいクエリを入力する訓練ができていると言えるのだ。

いずれにせよ、一般的に、検索者は最初のクエリで必要な情報を探し出しているということだ。その結果、最初の検索の後、クエリを変更することが極めて少なくなっている。

ここで得られる知見:検索者の15%しか、最初の検索で使用したキーワードを修正しない。

検索ユーザーの17%が検索結果に直帰する

物議を醸すトピックではあるが、検索結果の満足度を把握するため、Googleのアルゴリズムは「行動に関するシグナル」を見ているという証拠がある。

それはさておき、我々はどのくらいのユーザーが、検索結果をクリックした後に直帰する(より正確に表現すれば「ポゴスティック」する)かを調査した。

その結果、83%のユーザーが、彼らがクリックした検索結果から直帰しないことを我々は発見した。また、単一の検索セッションの間、ユーザーの5%しか複数回の直帰を行わないこともわかった。

こちらに関しても、クエリによって異なってくる。


我々の調査では、多数の検索者(59%)が1つの結果をクリックしていることがわかっている。また、少数のユーザー(6%)がクエリに対する答えを探すために4ページ以上訪問していることもわかっている。


ここでも、一般的に、Googleはユーザーが満足する結果を表示できていることが示されている。

前述で議論した、「Googleを使用する検索者は最も関連性のある結果をクリックすることを判断するために十分な時間を取っている」という事実を組み合わせると、Googleはユーザーを満足させていることが示唆される。

ここで得られる知見

17%のユーザーが、他の結果を選択するために、検索結果画面へと直帰する

検索ユーザーの65%が自然検索結果をクリックする

強調スニペット、ナレッジパネル、Twitterカードなど、Googleはここ数年間で複数の検索結果上の機能をロールアウトしている。

それにも関わらず、検索者の65%が「10本の青いリンク」の少なくとも1つを、検索セッション中にクリックしていることがわかった。


こうしたユーザーが広告をクリックしていないというわけではない。検索セッションの間、多くのユーザーが自然検索結果と広告の両方をクリックすることがわかっている。

しかし、検索セッションの間、大多数のユーザーが自然検索結果を一度はクリックしていることは注目に値する。

また、多くのユーザー(10%)が複数の自然検索結果をクリックしているのだ。

ここで得られる知見

検索セッションの間、検索者の65%が自然検索結果をクリックする

検索ユーザーの19%が広告をクリックする

今までにないほど、Google広告は検索結果の多くの領域を占めている。

今日のGoogle広告の設置場所は、非常に目立ち、自然検索結果と似ている。

検索者の19%が広告をクリックすることを我々は発見した。また、同一の検索セッションの間、複数の広告をクリックするのはたったの4%であることもわかった。

今回の調査で使用したクエリの多くがコマーシャルとトランザクショナルであることから、予測していた数値よりも高い数値となっているかもしれない。

実際、この行動はユーザーが行っている検索の種類に高く依存することがわかっている。

特に、コマーシャルとトランザクショナルの検索は、インフォメーショナルクエリと比較し、Google広告へのクリックが多い。


こうした検索の場合、広告が表示される機会が多いという事実による結果かもしれない。また、検索インテントも商品やサービスのページへと向かっていることだろう。

その結果、ユーザーが自身の検索と高い関連性を広告に見出しているのだ。

ここで得られる知見

19%のユーザーがGoogle広告をクリックしている。しかし、この数字は検索の種類によって大きく異なる。

ローカル検索をしたユーザーの42%がマップパックをクリックする

ローカルクエリ(”寿司 ニューヨーク”)とGoogleがローカルの文脈と判断したクエリの場合、「マップパック」が表示される。

マップパックは、Googleマップから引用された3つの結果が並び、「通常の」自然検索結果と混ざって表示される。

ローカル検索を行っているユーザーの42%がマップパック内の結果をクリックしていることがわかった。

多くのローカル検索結果画面で目立つように表示されていることを考えると、マップパックを使用してローカルビジネスを探すことを、多くのユーザーが選択していることは驚きではない。

ここで得られる知見

ローカルビジネスを探している検索者の42%がマップパックの結果をクリックする

商品検索をするユーザーの19%がGoogleショッピングをクリックする

Googleショッピングは、商品の検索クエリにおいて、多くの場合でファーストビューに表示される。

そのため、商品を検索しているユーザーの19%がGoogleショッピングをクリックしていることは、特に驚きではない。

ここで得られる知見:検索セッションの間、少なくとも1回は、商品を検索しているユーザーの19%がGoogleショッピングをクリックする

検索ユーザーの3%しか、”People Also Ask”を使用していない

SEMrushのデータによると、Googleの全検索結果の43.21%にPeople Also Askが表示されているとのことだ。

People Also Askは全検索結果のうち、最も目立つ機能の1つであると言える。

我々は、実際にどのくらいのユーザーがPeople Also Askに使用しているかを調査した。

そして、検索者うち、非常に少数(たったの3%)しかPeople Also Askをクリックしていないことがわかった。

画像23:検索者の3%しか、”People Also Ask”を使用していない

しかし、特定のトランザクショナルクエリとナビゲーショナルクエリの場合、People Also Askのクリック数は増加する(13.6%)

ここで得られる知見

People Also Askは多くの検索結果画面で表示されているが、多くのクエリでクリックされているわけではない。実際、我々のサンプルの検索結果では、検索者の3%しか”People Also Ask”を使用していない

検索結果の2ページ目に行く検索ユーザーは、たったの0.44%

驚きではないが、検索結果の2ページ目に行くユーザーはほんの少数(0.44%)しかいないことを我々は発見した。

この結果は、我々が昨年に行ったGoogle Search Consoleのデータを使用した、自然検索結果のCTRの調査結果と一致している。

この調査では、0.78%のユーザーしか2ページ目に訪問していなかった。

ここで得られる知見

クエリに対する答えを探し出すために検索結果の2ページ目に行く検索者は、たったの0.44%

検索ユーザーが検索セッションを完了するまでの平均時間は76秒

Googleで何かを検索する際、探しているものを発見するまでにどのくらいの時間がかかるだろうか。

我々のデータによると、平均的なユーザーのセッションは76秒で完了している。

また、検索者の25%が非常に早くセッションを完了させていること(31秒以内)もわかっている。

他の発見と同様、このタイムフレームも被験者が行う検索のタイプによって可変する。

この結果からも、Googleは検索結果の1ページ目に関連性があり、有益な結果を表示している証拠とも言える。

また、ユーザーが関連性のあるコンテンツに素早く到達する手助けとなる検索結果画面上の特徴を提供しているという証拠とも言えるだろう。

ここで得られる知見

クエリによって幾分かは可変するが、検索者の多くが、比較的短いタイムフレーム(平均で76秒)で検索を完了していることを、我々のデータは示している。

結論

今回の研究結果は気に入っていただけただろうか。

Googleの検索結果の変化は速い。多くの広告、多くの検索機能、そして、Google Discoverのような全く新しい体験もある。

これが、我々が現在の検索結果に対し、ユーザーがどのように関わっているかを把握したいと思った理由だ。

ご興味のある方は、今回の調査手法と全調査結果をご確認いただきたい。また、ローデータを格納している、GitHubのレポジトリへのリンクも紹介しておこう。

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この記事は、BACKLINKOに掲載された「How People Use Google Search
(New User Behavior Study)
」を翻訳した内容です。

Googleはユーザーのニーズに合わせ、常に検索結果画面を改善しています。また、Googleの改善によって、ユーザー行動の変化が起きる場合もあるかもしれません。

いずれにせよ、両者の動きを把握することはSEOにとっても大きなヒントになり得るため、こうしたデータは定期的に確認したいですね。

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編集者情報

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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