Googleがアルゴリズム更新「ファーマー」でコンテンツファームを締め出す

昨年末から続いている有料リンクやコンテンツファームに関するSEOの話題、そしてそれに続くGoogleのアルゴリズム調整ですが。今回、ついに大がかりなアルゴリズム更新を米Googleにて行ったようです。ダニー・サリバンが「ファーマー」と名付けた今回のアップデート、本人自らその詳細をレポート。 — SEO Japan

1月、グーグルは、「浅はかな」または「質の低い」コンテンツを基に上位にリスティングされているコンテンツファーム対策を実施すると約束していた。そして、グーグルは、このタイプのコンテンツを追放するためのアルゴリズムの変更の告知を行い、実行に移した。

新しい変更は米国の結果の12%に影響を与える

新しいアルゴリズム — ウェブページを格付けする方法に対するグーグルの「レシピ」 —は昨日から導入されていると、本日、インタビューの中でグーグルの従業員は私に教えてくれた。

グーグルはアルゴリズムを定期的に変更しているが、大半の変更は、ほとんどの人が気付かない程度の小さなものである。しかし、今回は異なる。グーグルによると、今回の変更は米国の同社の検索結果の12%(正確には11.8%)にインパクトを与えるようだ。大半のアルゴリズムの変更よりも遥かに影響力が強いことになる。今回の変更の影響を受けるのは、あくまでも米国の結果のみであるが、今後、他国のサイトにも展開される可能性はある。

先月、グーグルはコンテンツファーム対策を講じるべきだと言う大きなプレッシャーに晒されていたが、この変更に対する作業は実は昨年の1月から行われていたと同社は話してくれた。

コンテンツファーム対策ではない

グーグルは、アルゴリズムの変更がコンテンツファームをターゲットにしていると公式に認めているわけではない。同社は、私が尋ねた際、はっきりと否定した。しかし、マット・カッツ氏 — グーグルのスパム対策チームをまとめる人物 —は、「私達が話題にしているサイトのタイプについては、皆さんもお分かりでしょう」と述べていた。

グーグルが承知している「皆さん」が取り上げてきたサイトのタイプは2つある。“スクレイパー”サイトと“コンテンツファーム”だ。グーグルは1月21日付のブログのエントリでこの2つのタイプのサイトに触れている:

現在、他人のコンテンツをコピーするサイト、そして、オリジナル性に欠けるサイトに主に影響を与える変更を含む、スパムのレベルをさらに低下させる効果のある複数の変更を評価している。スパムおよび質の低いサイトに関する明確なフィードバックをより多く提供してもらえるような新しい方法を含め、グーグルは、スパムを削減する方法を今後も継続的に調査していく。

「純粋なウェブスパム」は時間の経過と共に減り、代わりに浅はかな、あるいは質の低いコンテンツを持つサイト、つまり「コンテンツファーム」に注目が集まるようになった。

今後詳細を調べていく重要な箇所は太字で表記した。

「スクレイパー・アップデート」

グーグルのエントリが投稿された約1週間後、マット・カッツ氏が、“スクレイパー”をターゲットにしたアルゴリズムの変更が実施された点を認めた:

これは票的を狭く絞ったアルゴリズムの変更である: 何らかの方法で変更されているのはクエリの2%強だが、検索結果の0.5%弱の変更でも、変更されたことが実感できる。その結果、オリジナルのサイトのコンテンツをかすめ取ったサイト、もしくはコピーしたサイトよりも、オリジナルのコンテンツを提供するサイトが優先されるようになるだろう。

「スクレイパー」サイトとは、オリジナルのコンテンツを持たない代わりに、その他のソースからコンテンツを集めるサイトである。一部のスクレイパーサイトは、例えば、許可を取り、RSSファイルを用いることで、合法的に行っている。フェアユースの指針の下、その他のサイトから少量のコンテンツを収集しているサイトもある。そして、自動的な手段を使って、その他のサイトからコンテンツを“スクレイプ”もしくはコピーしているサイトもある。これがスクレイパーと言うニックネームが付けられた所以である。

要するに、グーグルは、1月にオリジナルのコンテンツのレベルの低いサイトを狙うと明言し、その一週間後に実行に移したのだ。

ところで、グーグルはアルゴリズムの大きな変更に名前をつけることがある。ヴィンスアップデートもその一つである。グーグルのアップデートは、昨年のメーデーアップデートのように、この類の変更に注目しているマーケッターのコミュニティが存在する、ウェブマスターワールドによって命名されることが多いようだ。

スクレイパーアップデートの場合、誰も定着した名称が与えられていない。そこで、私は“スクレイパー・アップデート”と命名し、グーグルが本日発表した“ファーマー・アップデート”とは区別することにした。

やはり「ファーマーアップデート」はコンテンツファームをターゲットにしているのか?

繰り返すが、“ファーマー・アップデート”は、省略するために、今回の変更に私が与えた名称である。グーグルは特別な名称を与えることを否定しており、また、グーグルが公式の発表を行う前に、昨日、アルゴリズムの変更の実装に気付いたウェブマスターワールドのスレッドでも、特に命名されていない。

ファーマー・アップデートが、コンテンツファームを狙っていると私はなぜ断言することが出来るのだろうか?実際に、グーグルは否定している。私は行間を読んでいるのだ。グーグルは以前コンテンツファームを狙うと明言していた。

そもそも、グーグルは、コンテンツファームを、ターゲットの対象として名指しているが、コンテンツファームの烙印を押された企業の一部は、コンテンツファームではないと反抗していた。その中で目立ったのは、ディマンドメディアであり、CEOのリチャード・ローゼンブラット氏は、以前、コンテンツファームをターゲットにしたグーグルが計画しているアルゴリズムの変更に関して、オールシングズDに次のように述べていた:

これは間違いなく私達のサイトに向けられたものではない。

そう言うと、混乱してしまう人がいるのは私も理解している。それは、私達に付けられた、あの浅はかな“コンテンツファーム”と言う烙印のせいだ。誰がこの用語を作ったのかは分からないが、私達ではないことだけは確かだ…それでも“コンテンツファーム”と言うレッテルを繰り返し張られている。これは私達のサイトのライターを侮辱していることになる。ライターの人達に“コンテンツファーム”の一翼を担っているとは思ってもらいたくない。

結局、“コンテンツファーム”の定義に左右されるのだろう。先ほど紹介したグーグルのブログのエントリでは、コンテンツファームは「浅はかな、または質の低いコンテンツ」が掲載されている場所と位置付けられていた。

この点について、eHowを含むディマンドメディアのサイトは必ずしもコンテンツファームとは一致しないと言うローゼンブラット氏の主張は的を射ている。実際に、ディマンドメディアのサイトは、詳細に綴られ、質の高いコンテンツを幾つか用意している。しかし、明らかに浅はかで、質の低いコンテンツも持っている。

後者のコンテンツをアルゴリズムの変更が狙っているのだ。グーグルは、コンテンツファームをターゲットにしているとは認めないだろう。しかし、カッツ氏は、浅はかな、または質の低いコンテンツを狙っていると明言している。そして、コンテンツファームは、— 質の高いコンテンツと共に — ターゲットにされているコンテンツも大量に生成している。コンテンツファームが多くの良質なコンテンツを持ち、良質なコンテンツがトラフィックおよび収益の大半を担っているなら、問題はないだろう。そうではないなら、覚悟を決めた方がいい。

注目が集まるインパクトを受けるサイト

先ほども申し上げた通り、グーグルは昨年の1月からこの変更に取り掛かってきたと述べている。 グーグルの複数名の検索エンジニアは、当時、コンテンツファームに対して何をすればいいのか心配していた。これは私が保証する。なぜなら、2010年1月に同社の検索品質チームと話をしたときに、この問題、そして、対策に関する考えを尋ねられたからだ。ただし、私が素晴らしいアドバイスを持っていたわけではない。グーグルの従業員が1年以上前から問題視していた点を私は強調したい。

それ以来、グーグルにかかるプレッシャーはきつくなっていった。例えば、スタートアップの検索エンジン、のBlekko(ブレッコ)は、ユーザーがスパムだと報告したサイトを追放しており、その中には多くのコンテンツファームに該当するサイトが含まれている。ブレッコの結果が必ずしも改善しなかったとしても、この取り組みに対する注目は高まっていった。

個人的には、ブレッコの取り組みは、グーグルが、スパムを報告するためのクロームのブラウザのエクステンションを介して、嫌いなサイトを容易にグーグルの結果から排除する手段をようやく提供するきっかけになったのではないかと思う。

カッツ氏は、今日のインタビューの中で、このツールのデータは、ファーマー・アップデートの一部に該当する変更を行うためには使われていないと明言していた。しかし、このツールを用いて多くのユーザーにスパムとして報告された上位50サイトのうち、84%は新しいランキングの変更の影響を受けるともカッツ氏は述べている。ディマンドメディアのeHowがこのリストに掲載されているかどうかに関しては、肯定も否定もしなかった。

「このようなサイトはユーザーが望まないサイトであり、私達の直感とも一致する」とカッツ氏は話した。

つまり、グーグルは、新しいツールとは別に「コンテンツファーム問題」に対処するランキングアルゴリズムを作成したと言うことであり、— そのツールにより変更がうまくいっていることが確認されたと感じているのだろう。

コンテンツファームが抱える問題点

以下に私が考えてきたコンテンツファームの定義を掲載しておく:

  • 特定のカテゴリー(ニュース、ヘルプのトピック)で人気の高い検索を調べる
  • この検索に合わせたコンテンツを作成する
  • 通常、当該のコンテンツを作成するために、時間や資金はほとんど使わない傾向があり、恐らく出来るだけ抑えている

コンテンツファームが現在直面している問題は、最後の部分だと思う — 素晴らしいコンテンツを作る努力をしていない点だ。

例えば、昨夜、私は検索のトレンドについてユタ大学で話をした際に、コンテンツファームの問題が話題に上がった。eHowのあるページが、人気の高い検索トピック「how to get pregnant fast」(どうすれば早く妊娠できるか)のグーグルの検索結果で上位に格付けされている。以下にeHowのアドバイスを掲載する:

クラスでは、「楽しいセックスが鍵」と言うアドバイスが、早く妊娠するアドバイスがトップで扱われている点に対して、爆笑が起きた。ストレスを感じるべきではないと言うアドバイスは実は理に叶っている。しかし、このページは素晴らしいコンテンツとは程遠い。それどころか、グーグルのアルゴリズムの変更が狙っている「浅はかな」カテゴリーにフィットするような気がする。そして、昨夜私がクラスで話題にしていたこのページは、検索結果から姿を消している。

恐らく、ディマンドメディアが今週の収支報告で話していた新しい「管理の層」が、このようなケースで役に立つのかもしれない。因みに、ディマンドメディアは、収支報告でも質の高いコンテンツを持っていると再び主張していた。

今回のアルゴリズムの変更は、グーグルの結果を本当に改善するのだろうか?先ほども申し上げたように、現在、ブレッコは多くのコンテンツファームを自動的にブロックしており、この取り組みは一部の人々に称賛されている。その結果が前の結果よりも遥かに優れているかどうかに関しては、詳しく調査されていない。検証を行えば、その他の質の低いサイト、または全く関係のないサイトが次々と浮かんでくるはずだ。

カッツ氏は、同社が行ったテストメソッドによって、変更による結果の改善をグーグルが実感していると話してくれた。現実の世界で、それが結果として表れているのか、今後明らかになるだろう。

コンテンツファームの詳細、そして、質に関する議論に関しては、以下のエントリを参考にしてもらいたい:

冒頭のイメージはクリエイティブ・コモンズのライセンスの下、フリッカーでMahalieから拝借した


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google Forecloses On Content Farms With “Farmer” Algorithm Update」を翻訳した内容です。

12%の検索結果に影響を与えるアルゴリズム更新は過去のアルゴリズム更新の中でも最大規模のものであることは間違いありません。実際の検索結果の変更に対する分析等は今後また別の記事で紹介していきたいと思います。制作コストと収益のバランスが英語圏程合わないせいか、コンテンツファームは日本ではそもそも余り普及していませんが、過去には大量コンテンツで検索結果の上位を独占していたQ&Aサイトやキーワードサイト、コンテンツサイトなどもありましたね。Yahoo! JapanのGoogle採用や、知らない間のアルゴリズム調整でいつのまにやら検索結果の上位から消え去っていたサイトが大半ですが、未だに頑張っているサイトもありますね。日本で実装された際の影響はまだ何ともいえませんが、Googleの方向性としてその内容は抑えておきたいところです。 — SEO Japan
Page Top

投稿ナビゲーション