ローカルSEOのエキスパートに聞いた、Google マイビジネスを活用してローカルSEOを加速させる方法

公開日:2019/07/29

最終更新日:2024/02/17

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実店舗を持つビジネスにおいて、地域名を含む検索であるローカルSEOは非常に重要な意味を持ちます。

通常検索はもちろん、Googleマップの検索などでの露出を高めることができれば、自身のビジネスにポジティブな影響を与えるはずです。そうしたローカルSEOにおいて必須となる施策がGoogleマイビジネスの最適化と言えます。

はたして、Googleマイビジネスはどれほど重要な存在なのか。ローカルSEOの権威であるグレッグ・ギフォード氏へのインタビューを記載した、Search Engine Journalの記事をご紹介します。

152回目のSearch Engine Nerdsは、ローカルSEOのエキスパートとして名高い、グレッグ・ギフォード氏へのインタビューをお届けする。

ギフォード氏はGoogleマイビジネスについて語ってくれている。Googleマイビジネスの注目すべき新しい機能や、あなたの助けとなるテクニックなどを披露してくれた。

①今日のローカルSEOにおいて、Googleマイビジネスはどんな位置づけなのか。来年、再来年はどのような立ち位置にいるのだろうか。

グレッグ・ギフォード氏(以下、GG):今日のローカルSEOにおいて、Googleマイビジネスは非常に重要な役割を担っている。ローカルSEOの専門家はマップに表示されるマップパックとその下部に表示される3つの検索結果を特に注目している。

去年末に行われたローカルSEOの調査によると、「マップパックに表示されるための最も大きなシグナルは、Googleマイビジネスの内容に関連している」とのことだ。

ローカライズされた自然検索結果に表示させることはそれほど重要ではないが、それでもなお、重要だ。

ここ半年で、私が各地で公演した内容は、オーディエンスにこう伝えることがメインとなっていた。「ユーザーによるファーストインプレッションは、もはやWebサイトではなく、Googleマイビジネスなのだ」とね。

あなたのGoogleマイビジネスのプロフィール、つまり、あなたのビジネス名やブランド名で検索した際にGoogleの検索結果画面に表示されるナレッジパネルの内容は、新しいホームページと呼ぶにふさわしいものなのだ。

また、様々なカンファレンスで語られている「クリックが発生しない検索」にも関係している。「クリックが発生しない検索」では、ユーザーはあなたのWebサイトへ訪問することがないため、トラフィックやユーザーとの交流が発生しえない。この代表例がGoogleマイビジネスなのだ。

※関連記事:一切クリックされない検索は全体の49%。今後は少数の圧倒的勝者にトラフィックが集中する|SEO Japan

電話番号、住所、経路、写真、ユーザーの声など、かつてはWebサイトでこうした情報を確認していたが、それらの情報は全てGoogleマイビジネスのプロフィールで確認することができるようになっている。

もはやユーザーは、わざわざあなたのWebサイトを訪れる必要がないのだ。

検索エンジンマーケティングにおいて、Googleマイビジネスは今後も重要であり続けるだろうか。

GG:確実に重要だろう。言うまでもなく、Googleはかつてのキーワード対キーワードの検索から脱却することを試みている。現在は、エンティティ基軸の検索プラットホーム(※)と言えるだろう。

※Googleの検索エンジンの技術が、単にキーワード同士のマッチングのような機械的なものではなく、ユーザーニーズへ適合するように進化してきたことを指している。

Googleのデータベースに存在することからも、Googleマイビジネスはエンティティとしての直接的なインターフェイスと言えるのだ。

驚くべきことに、まだ多くのビジネスがGoogleマイビジネスに注力していない。まず必要となる行動は下記の通りだ。

Googleマイビジネスに取り組むことは、ローカル検索で表示される最も重要な要素の一つに取り組むことと同義である。Googleマイビジネスへの注力は疑いようがない。

②WebサイトやSEOに注力する以前に、Googleマイビジネスの内容やレビューに注力すべきだろうか。

GG:それは業界によると思う。私は多くの自動車のディーラーと仕事をしているが、彼らにとってWebサイトは必須となっている。

人生において二番目に大きな買い物をするにあたり、様々な情報をユーザーは必要とする。そのためユーザーはWebサイトを訪れ、彼らが本当に求める商品を探し出すのだ。

しかし、トイレットペーパーを購入する場合、Webサイトは必要とされない。特に音声検索に至っては、「アレクサ、トイレットペーパーを買いたい」と伝えればよい。

別の例として、私の旅行における体験を話したい。私はカンファレンスに出席するために各地を旅しているが、レストランのWebサイトを最後に見たのはいつだっただろうか。

Webサイトを持つレストランは多いが、はたしてどれほどのユーザーがレストランのWebサイトを訪れているだろうか。

なぜなら、ユーザーは検索を行い、そこで表示されるYelpやGoogleの内容を見ればいいのだから。

今ではWebサイトに訪れることなく、検索結果の上部に表示されるGoogleマイビジネスの内容から多くの情報が得られる。メニューを見ることができるし、予約だって可能だ。

そのため、特定の業界において、ユーザーがWebサイトを訪問し内容を確認したいという場合には、Webサイトは必須となる。

しかし、簡単に済ませられる要件がメインである場合は、ユーザーはWebサイトを訪問しない。彼らはGoogleが提供する情報を確認するだけなのだ。

③GoogleマイビジネスとWebサイトの要素の最適化。優先順位はどのようにつければよいか。

GG:業界によるだろう。私は、多くの人が今後もしばらくはWebサイトを保有し続けると思う。

ただ、ユーザーとの関わりはWebサイト以外の場所でも起こっていることを留意すべきだ。そして、その事実がGoogleマイビジネスの重要性を物語っていると言える。

④ユーザーのエンゲージメントにおいて、Googleマイビジネスの核となる機能は何か。

GG:重要な情報は確実に提供すべきだ。つまり、

  • ビジネス名
  • 住所
  • マップでのピン付け
  • 電話番号

これらの情報は、確実に正しく記載すべきだ。

適切なカテゴリを選択する

また、正しいカテゴリを選ぶことも大切だ。あなたのビジネスに関係のあるカテゴリを選ぶことは非常に重要なのだ。

写真のアップロードも忘れないようにしよう。また、確実に必要というわけではないが、動画のアップロードも重要だ。

Googleマイビジネスはレビューが集まる場所でもある。レビューは全てのビジネスが気にかけるべきだ。あなたのビジネスがどう認識されるのか、どこにランクされるのか、といったことだけではなく、顧客があなたのビジネスを訪問するかどうかへも影響を与えるからだ。

マップパックの中で3位に表示されていたとしても、より多くのレビューを獲得しており、スコアも良ければ、多くのユーザーがあなたのWebサイトを訪問したり電話をかけてきたりするだろう。

Q&A機能

また、新しく追加されたQ&A機能についても触れておきたい。多くのビジネスオーナーがその存在すら認識していないが、この情報はトップラインの情報のすぐ下に表示される。

この機能は、コミュニティにいる誰もがあなたのビジネスについて質問することができる。注意すべき点は、コミュニティにいる誰もがその質問に回答できるという点だ。

顧客や潜在顧客から寄せられる質問について、あなたは確実に注意を払う必要がある。

また、ビジネス側ではなく、コミュニティ内の不審者がおかしな回答をする場合だってある。

つまり、GoogleのQ&A機能はカスタマーサービスの領域であり、ビジネスへの評判が集まる場所といえる。細心の注意を払う必要があるだろう。

適切なカテゴリを選んでいないビジネスが多い

GG:カテゴリには10個のスロットがあるが、多くのビジネスが誤ったものを選び、情報を埋めてしまっている。また、本来は選ぶべきではない、異なる業界用のカテゴリも選ぶことができてしまう。

あなたが最初に選ぶ主要カテゴリも大きなウェイトを占めている。そのため、複数のカテゴリに当てはまるビジネスの場合、どのカテゴリに属するか、戦略的に判断する必要がある。

私が先日公開した動画について話してみよう。あなたがフォードのディーラーであり、ダラスのような非常に競争力の高い地域でビジネスを行っていたとする。その場合、主要カテゴリはフォードディーラーを選択すべきだろう。なぜなら、この地域では15~20の別のフォードディーラーと競争しなければならないからだ。

しかし、ワイヨミング州のど真ん中でビジネスを行っているフォードディーラーの場合は状況が異なる。100マイルの範囲の中に別のフォードディーラーは存在しないため、中古車ディーラーを主要カテゴリに選ぶべきだろう。なぜなら、この地域ではあらゆるディーラーと競争する必要があるからだ。

Googleマイビジネスのカテゴリーにおいては、このように複雑な要素が存在する。そのため、重要なこととして覚えておくべきだ。多くのスモールビジネスのオーナーは、マーケティングに精通しているものが近くにいないため、手掛かりすらつかめていない。

⑤Googleマイビジネスへのレビューはどう扱うべきか。

GG:悪い内容のレビューは、その存在が悪である、ということはない。

レビュースコアは4.2~4.5が理想であると、多くの調査が明らかにしている。なぜなら、完璧な5つ星のレビューを獲得した場合、多くのユーザーが、偽のレビューであるという疑いを持つからだ。

完璧な存在などないと、誰もが理解している。そのため、悪いレビューを得ることは悪いことではない。そうしたレビューへの対応が重要となる。

あらゆる人にレビューを求めることを恐れてはならない。私は多くの業界のビジネスオーナーと話をしてきているが、「レビューを求めることはしたくない。悪い内容のレビューが増えてしまうからだ」と述べる者が多い。

レビューを求めることは非常に重要だ。全ての顧客にレビューを求め、彼らがしっかりとレビューを残してくれる環境を整えるべきだ。

ユーザーがGoogleマイビジネスへのレビューを書いてくれるように強制する必要はない。Webサイト内にページを設置すればよいだろう。そして、yourdomain.com/reviewsのように、誰もがわかるURLにすべきだ。そのページには「ご協力ありがとうございます。我々についてあなたがどう感じたか、どうぞお伝え下さい」のようなシンプルなメッセージを記載しよう。

また、レビューを残す場所は複数用意しておくとよい。Google、Facebook、Yelpなど、あなたの業界に関係する全てのレビューサイトを対象とすべきだ。

こうすることでレビューを簡単に依頼することができるし、ユーザーもどこでレビューを書けばよいか、すぐに理解できる。より多くのポジティブなレビューを獲得できるはずだ。

⑥多くの人が注目していない、隠れた宝石のようなものが、Googleマイビジネスの要素に存在するだろうか。

GG:GoogleポストQ&A機能がそれにあたるだろう。比較的新しい機能であり、競争相手から目立つために重要な機能と言える。

Googleポストとは、短文が投稿できる機能であり、プロフィールの下部にサムネイル画像として表示される。ユーザーがクリックすると拡大されるため、より多くのテキストメッセージを書き込める。

全てのビジネスに対し、最低でも週に1回は投稿することを勧めている。Googleポストは7日間表示され、その後、表示が消えてしまうからだ。

Q&Aについてはすでに述べた通りだ。トップラインの情報のすぐ下に表示され、自身の質問を投稿することができる。

Podcastなどの情報まとめ

グレッグ氏のプレゼンテーションはSlideShareから確認できる(英語)。

Search Engine Nerdsのグレッグ・ギフォード氏のポッドキャストを聞くには

  • 完全版はこちらから視聴できる
  • iTunesでのサブスクライブはこちら
  • Search Engine Nerdsが新しいエピソードを投稿した際にメールを受け取れるようにIFTTTに登録する
  • Stitcherや、Overcastで視聴する

過去のエピソードはこちら

この記事は、SearchEngineJournalに掲載された「Boosting Local SEO with Google My Business [PODCAST]」を翻訳した内容です。

Googleマイビジネスの機能や検索結果のレイアウトなど、ローカルSEOはいろいろと変化が激しい領域です。

常に最新の情報をキャッチアップすることは難しいですが、Googleマイビジネスの重要性は、不変であると言えるでしょう。また、いろいろと変化を加えているということは、Googleも特に注力している領域と解釈できるかもしれません。

実店舗を持っているなど、ローカルSEOを重視する必要のあるビジネスでは、Googleマイビジネスの活用が必須となることでしょう。

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編集者情報

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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