スタートアップを1000億企業に成長させた5つのパターン

企業の株価も好調な中、スタートアップが急速に大成長を遂げ、数年で1000億ドル企業(今ならほぼ1000億円)に達する例も増えています。最も売上というより時価総額の話ではありますが、いずれにしても生まれたばかりのスタートアップが短期間でそこまで評価される市場があるというのは、起業家やベンチャー企業にとっては夢のある話ですし、やりがいも出るというもの。とはいえ、実際そこまで達したスタートアップはごく一部に過ぎず、大半は倒産、失敗、安値で売却、中途半端な規模で停滞(ドキリ)しているわけです。今回は栄えて1000億企業に成長したスタートアップの事例から成長・成功の方程式を探ってみようという、その界隈の人であれば気になる記事をThe Next Webから。 — SEO Japan


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この記事は、もともとGeektimeに投稿されたものである。

一流のインターネットスタートアップ — Billion Dollar Club(ビリオンダラークラブ: BDC) — とその他大勢を分け隔てる5つの戦略(パターン)が存在する。

過去数年、私は成功を導く習慣を研究してきた。消費者の行動、習慣の形成、思考パターン、そして、継続的な進化に対する人間の脳の能力に関する書籍、専門家が綴った記事、そして、TEDのプレゼンを手当たり次第チェックしてきた。そして、成功の裏側にあるパターンを探るため、多くのスタートアップを調査した。

また、私には数億ドルの利益を上げる消費者向けインターネット企業を分析する趣味がある。この努力が実り、右肩上がりの成功をもたらすパターンを幾つか特定することが出来た。

有名なフットボールコーチのトニー・ダンジー氏は、かつて、このように発言したことがある: 「チャンピオンは、特別なことをしているわけではない。普通のことを、意識せずに行っている。しかし、あまりにも早いため、他のチームがついていけない。チャンピオンは、学んだ習慣に従っているだけだ。」

チャールズ・ドゥイーグ氏は、ダンジーコーチの哲学を、著書「The Power of Habit」の中で取り上げている。このストーリーでは、かつて、弱小チームであったタンパベイバッカニアーズのコーチにトニー・ダンジー氏が就任し、習慣、あるいは、パターンの一部を変えて、短期間のうちに、チームをプレイオフへと導き、見込みのない負け犬から、NFL史上、指折りの強豪チームへと進化させた経緯が描かれている。

この本は、習慣の変化が成功への道を切り開く仕組みを巧みに説明している。 ドゥイーグ氏は、頂点に上りつめるためには、成功には関係のない習慣を特定し、変える必要があると主張している。

ここで疑問が生じる: 一体、その習慣を何に変えればいいのか?ダンギーコーチ曰く、勝つための習慣に変える必要があるようだ。

ユーチューブ、ピンタレスト、Chegg、グルーポン、Airbnb、Shazam、インスタグラム、Waze、そして、ツイッター等の数十億ドル規模の消費者ウェブサービス — ビリオンダラークラブの会員 — は、共通の5つのパターン、または、基礎的な習慣を採用し、その結果、一夜にして成功を収め、ビリオンダラークラブの仲間入りを果たしていたことが分かった。

この習慣に関する私の見解をこれから挙げていく。

習慣 #1: 感情と実用性を分ける: 感情に訴えるメッセージ、もしくは、実用的なメッセージを送る

新しい製品に関して、ビリオンダラークラブに属する企業は、製品を市場に投入する際に、実用的 — 実用的な面を強調 — もしくは、感情に訴える — ユーザーに対する感情、または、心理的なメリットを強調 — 簡潔なメッセージを送っていた。

例を幾つか挙げていく: ツイッターは、感情面でのソーシャルなニーズに狙いを定め、個人的な体験と意見を友達とシェアするよう促した。

一方、Shazamは、ワンタッチで稼働する楽曲認識検索エンジンに対する、実用的なニーズに応じていた。

ピンタレストもまた実用的なメッセージを初期に送っていた — ピンボタンを1回クリックするだけで、写真を保存 & シェアする。ユーチューブは、世界中のユーザーと動画をシェアする点をアピールした。Airbnbは、貸別荘史上に狙いを絞っていた。

グーグルは、検索バーのみを持つ、使いやすく、シンプルで、洗練されたデザインのホームページを提供し、ウェブ検索を実践的な取り組みに変えた。アップルは、「コンピュータをすべての人の手に」と言う使命の下に、テクノロジーの魔法とも言える、PCを所有する願望にアピールした。

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グーグル検索をしていなかった頃、ツイートを投稿していなかった頃、あるいは、ピンしていなかった頃をなかなか思い出すことが出来ないほど、このようなサービスは定着している。

ダニエル・カーネマン教授やダン・アリエリ博士等の行動主義経済学者は、根本的なメッセージが、感情、または、論理に訴えかける場合、ユーザーは早く決断を下す傾向があると指摘している。この決断は、製品の存在を知り、調べ、受け入れ、そして、最終的に購入するレスポンスの全域に当てはまる。

意識の中に製品を記憶させ、ニーズを作り出すことが、最も重要である。要するに、革新的 & 画期的な製品に対する意識作りは、製品の開発と同じぐらい大事なのだ。

この手法は明確な目的 — 心に、早く働きかける — を持つ。適切なメッセージを脳の適切な場所に送り込み、製品を選び、利用する決断を楽に下す環境を作り出すのだ。

習慣 #2: 究極を目指す: 1つのシンプルで、究極の機能を作る

ビリオンダラークラブの面々は、製品をリリースする際、1つの主要な機能を介して、新たな意識に訴えるメッセージを送り込んでいた。このたった1つの強力な機能が、アプリのDNAとなり、この機能を土台として、後に多くの製品が開発されていった。

ピンタレスト、Shazam、ユーチューブ、GetTaxi、インスタグラム、Snaptchat、ツイッター、そして、Waze等のアプリは、たった1回(時には2回)のクリックで、価値を与えることに成功しており、その結果、究極にアクセスしやすく、ユーザーフレンドリーで、何よりも、日常生活から切り離すことが出来ない存在として定着している。このたった1つの機能が、文字通り指先に刻印されている — これこそが、究極の製品の証である。

また、刺激のレベルが高まるにつれ、反応の領域は減っていく。

ユーザーは、ハイレベルの刺激に慣れ、この刺激を無視することが出来るようになる。すると、簡単に退屈してしまい、物新しさをほとんど感じなくなる。そのため、「究極」のメッセージ、または、ユーザー体験は、耳障りな宣伝との差別化を達成する上で欠かせないツールだと言える。

恐らく、この「究極」を支持する人物の中で、最も有名なのは、アップルを創設し、同社を代表する故スティーブ・ジョブズ氏だと考えられる。ジョブズ氏は、創設当時から究極のアプローチ、そして、製品のミニマリズムデザインに固執していた。.

従業員に強烈に反対されものの、ジョブズ氏は、革命的なミュージックプレイヤー – iPod – の発売にこだわった — このデバイスには、たった1つのボタンしか搭載されていなかった。スティーブ・ジョブズ氏は、世界初の単一のボタンで動くMP 3プレイヤー(これこそ、究極のアプローチである)のコンセプトが生まれるまで、何度もエンジニア達に作業をやり直させていた。

同氏は、iPadを開発する際にも同じアプローチに固執した — シンプルで、流線型のデザインを維持するため、USBポートの搭載を断固として認めなかった。そして、ジョブズ氏がこだわり抜いたiPadは、消費者から絶大な支持を受けることになるのである。

習慣 #3: 約束する: ユーザーの期待を製品に合わせる

新しい製品を発売する際、会社は、顧客に対して約束をする — 製品を利用することで得られるメリットを顧客に伝える。キャッチフレーズのような公式なメッセージもあれば、- 暗黙のメッセージもある。

要するに、会社は、約束を介して、製品をユーザーの期待に合わせるのだ。ここで大事なことは、約束が小さい点である。

ツイッターは、単純に140文字のテキストを他のユーザーとシェアする権利をユーザーに与えている。それだけだ。この約束によって、ユーザーはこのサービスを使い続けることになった。現在、「Social Networking and Micro blogging」(ソーシャルネットワーキング & マイクロブロギング)と言うキャッチフレーズが用いられているものの、初期の約束は、今でもユーザーの心の中に残っている。

ビリオンダラークラブのメンバー、ピンタレストは、ウェブで気に入った写真を一瞬のうちに保存することが出来ると約束した。現在は、ピンに加え、リピン、シェア、そして、美しいボードを作成する機能も提供しているが、(現在も提供している)「写真をピンで留める」機能が、同社の基幹となった。

Fiverrは、5ドルのマーケットを作る約束と共にサービスを開始した。 現在、様々な分野のサービスが提供されている。しかし、優れた安価なマーケットを探す際、サービスを5ドルで購入することが出来ると言うFiverrの約束が、今でも思い浮かぶ — そして、Fiverrは、今でもこの約束を守っている。

グーグルは、ユーザーが思いつく検索に対する結果を提供すると約束し、アップル — そう、アップルは、イノベーションを公約した。

今度は、Wazeを例にとって考えてみる。現在、Wazeは、「outsmarting traffic together」(一緒に渋滞の裏をかけ)と言うキャッチフレーズを用いている。しかし、サービスを立ち上げた当初、Wazeは、すぐに製品を市場に普及させるため、ベータ版を無料で提供していた。

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ベータ版は、無料の必要最低限のGPS機能 — 地図もなければ、渋滞情報の更新もなく、さらには、速度取締器の警告もない — を提供することを約束していた。ユーザーは、故障やバグの発生を厭わずにこのサービスを利用した — メジャーな問題が解決されるまで、運転を続け、製品を使い続けたのだった。

その理由は、無料だったためだ。当時、優れた無料のGPSを提供している会社は他になかった。このベータ版によって、顧客ロイヤルティが形成されたのだ。

ビリオンダラークラブの会社は、全て小さな約束から着手していた点は、特筆に値する(スティーブ・ジョブズ氏が並外れた約束をしたアップルを除く)。製品の提供を始めた段階で、具体的な成果を約束した会社、そして、製品が日常生活の大事な一部になるにつれ、その後、加えられていった補足の機能の開発に力を入れた会社はなかった。

初期の約束を確立することで、顧客の期待を、製品の機能に合わせていた。これが、成功を導くパターンとなった。

また、ビリオンダラークラブのメンバーは、実現可能な期待を抱かせていた。成果ではなく、製品に焦点を絞る約束は、製品を確実に成功に導く。なぜなら、期待を抱かせ、その期待が満たされると、苦情は起きず、顧客の忠誠心が構築されていくためだ。

習慣 #4: 「何でも」ボタン: ユーザーは会社の成長を喜ぶ

この「何でもボタン」製品は、ユーザーにメリットを与えるだけでなく、ユーザーが、このボタンを利用するだけで、会社の規模は拡大していく。その結果、ユーザーにとっての利便性が高まっていく。

この循環プロセスが、意図的か偶然かどうかは別として、会社が価値を創造し、収益を上げる上で、役に立つことだけは間違いない。

そのため、Wazeを利用したままにしておくと、ユーザーは交通状況の更新に貢献する。ツイッターのユーザーがツイートを投稿すると、同社は、最新の社会の出来事およびトレンドについていくことが出来る。フェイスブックでインスタグラムを利用すると、出発点で目指していた — フェイスブックで最も多く利用される写真共有アプリに成長する。

グルーポンは、当初、消費者の購買力を高めることに力を入れていた。新たにユーザーが加わる度に、よりお得な取引が生まれ、また、グループ全体の購買力に大きな力が加わる仕組みになっていた。

ピンタレストは、ユーザーがボードに写真をピンして、画像を増やす度に、価値を創造する。ユーザーは、自らの体験に貢献するだけではなく、その他のユーザーのアプリの価値を高め、会社の価値も高めている。「私のモノは、私のモノ。私のモノは、誰でも使うことが出来る。それでも、価値は得るのは私だけ。」と言う基本的な原則が、ピンタレストを動かしている。

バーチャルの世界では、たった1つの製品をシェアすることで価値を得られるため、「私が(ユーザー)楽しむと、君(会社)が成長する」戦略は、天才的なアプローチだと言えるだろう。

習慣 #5: アセットの構築: 最高の製品を目指すか vs. 最も利益を上げる製品を目指すか

最後に、ビリオンダラークラブの会社が、設立当初から、特定のデータを集める取り組み、または、当該の分野で1番になる取り組み、あるいは、ビジネスモデル、もしくは、売り上げに焦点を絞っていた点について説明する。

ビリオンダラークラブの会社は、通常、次の2つのうちのいずれかのモデルに該当する:

アセット #1:「最高の製品を目指す」

このモデルは、フェイスブック、インスタグラム、Waze、ツイッター、グーグル、ユーチューブ、ピンタレスト、そして、Shazamによって採用されたアプローチであり、その一部は、実際に収益を提示することなく、ビリオンダラーの評価を受けていた。

価値によってビリオンダラーの基準を満たした後、収益を生み出した企業もある。いずれにせよ、全ての起業が、それぞれのデジタルデータの分野で、最高、最大、そして、最強の製品になることに力を入れていた。

ツイッターは、ユーザーのアップデートが最も多く、インスタグラムは、フェイスブックで最も多くの写真を共有し、Shazamは、オーディオ検索アプリとして定着し、そして、Wazeは、無料のナビゲーション & 交通情報更新アプリとして、No. 1の地位を獲得している。

最大、そして、最高の製品となると、株式を公開する際に、大勢の投資家が押し寄せてくる。

アセット #2:「出来るだけ利益を出す」

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Chegg、GetTaxi、Airbnb、そして、グルーポンは、製品を市場に投入した瞬間から、利益を上げることに焦点を絞る、積極的なビジネスモデルを武器とする会社の代表例である。ここでは、製品が生まれた時から、利益を得るパターンが目立つ。

製品の利用を強化するための機能を追加することに力を入れ、売り上げの増加を支える取り組みが行われる。すると、利益はとめどなく溢れてくる。

このような成功を勝ち取る習慣は、パーツとして、より大きな成果を構成している。今回紹介した5つのパターンは、それぞれが独立しており、スタートアップをビリオンダラークラブに相応しい会社に成長させた戦略的な習慣と言っても過言ではない。

現代は、「スーパー製品」の時代であり、企業は、シンプルでありながら、優れた製品を作り上げ、数年、もしくは、数ヵ月でビリオンダラー(10億ドル)の評価を受けることが出来る — これは、フェイスブックが登場する以前の時代では、絶対に考えられないことであった。

私達は、分析、および、解析することで、そして、プロの言葉と指摘を通して、このような成功のパターンを学び、得た情報を自分自身の挑戦に適用することも、そして、他の人達と共有することも出来る権利に恵まれている。


この記事は、The Next Webに掲載された「5 patterns behind successful billion-dollar consumer Web companies」を翻訳した内容です。

5つのパターンというか、まとめると、徹底的に目的を特化したシンプルな製品を作るということなのですかね(大ざっぱすぎてゴメンナサイ)。確かにそこまでシンプルに落とし込まなければグローバルで短期間に普及しないと思いますし、全く売上が追い付いていないにしろ、多数のユーザーを獲得さえすればスケーラビリティや将来性を買われて「時価」総額という意味での1000億円をつけられること十分可能な時代になったということでしょうか。こういうサービスを意図して作って成功させるというのは宝くじに当てることに近い気もしますが、それでも単純な運だけでなくアイデア、才能、技術、情熱、諸々を結集して成功の確率を高めることはできるのでしょうし、そんなグローバルドリームに憧れて今日も起業するアントレプレナーが世界中で尽きないのでしょう。なんて、達観するには早すぎるので私も地道に頑張りたいと思います。。。 — SEO Japan [G+]
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