これからのコンテンツマーケティングを考える【Ateam Contents Marketing Meetup Vol.01レポート】

8/7(水)に大阪で「Ateam Contents Marketing Meetup Vol.1」が開催され、SEO Japan編集部も参加して参りました。

コンテンツマーケティングへの認識の改め方や、SEOの基礎となる考え方を再度確認できる密度の濃いイベントであったと思います。

そこで、今回の記事では主催者・登壇者双方の許可のもと、イベントのレポートをお届けします。ぜひご覧ください。

「『Ateam Contents Marketing Meetup』では、Webマーケティングやコンテンツマーケティング業務に関わる方を対象に、勉強や交流、アウトプットいただける場を設け、新しい気づきや成長につながるような機会を提供することで、スキルの向上や業界のさらなる発展を目指します。」

株式会社エイチームによる「Ateam Contents Marketing Meetup」は、今回が初開催。
言い換えるなら、「これからのコンテンツマーケティングを考える会」となるでしょうか。

Webマーケティング業界の豪華メンバーによるセッションが繰り広げられるイベントでした。その内容を詳しくお届けします。

エイチームグループの紹介

株式会社エイチームは、名古屋に本社を置く、インターネットを軸に多角的な事業を展開する総合IT企業です。

経営理念は「みんなで幸せになれる会社にすること」「今から100年続く会社にすること」。

以下の3つの事業を中心に展開されています。

  • ライフスタイルサポート事業
  • エンターテインメント事業
  • EC事業

なお、今回のイベントは、グループ会社である株式会社エイチームフィナジーの方が中心となって運営されていました。

Ateam Contents Marketing Meetupセッションの内容

ここからはセッションの内容をお届けします。

  • SEOで最も大事な、〇〇と××の話(広岡氏)
  • 飛行機エンジンの品質保証をしていた私が考える「CRO」と「SEO」(M.I氏)

※一部都合により、記事化できなかったセッションもございますが、ご了承ください。

SEOで最も大事な、〇〇と××の話(広岡氏)

株式会社電通デジタルの広岡氏による、「SEOで最も大事なこと」についてのセッションです。

「SEOで最も大事な、〇〇と××」とは何でしょうか。
例えば、以下のようなものが考えられます。

  • 目的と手法
  • 全体像と流れ
  • 評価と品質

目的と手法

SEOの目的とは、何でしょうか。
例えば、こんなことが考えられます。

  • 検索順位を上げること
  • 検索流入を増やすこと
  • CV(コンバージョン)を増やすこと
  • 検索エンジンの欠点を突くこと

しかし、これらは「本来のSEOの目的」の一部にすぎません。

本来のSEOの目的とは、「検索ユーザー・検索エンジン・サイトの全員が幸せに目的を達成できる環境を作ること」

この時に、注意すべき点がいくつかあります。

・SEOを考える上では、「ユーザーファースト」という観点がよく語られます。
しかし、ユーザーとの間には検索エンジンが存在するのも事実。ユーザーへの仲介役となる検索エンジンへの配慮も十分必要となるでしょう。

・「Search Engine Optimization」の、どこが目的であり、手段であるかを考えたことはあるでしょうか。

  • Search:目的
  • Engine:手段
  • Optimization:手段

「検索エンジン最適化」は手段であり、目的は「検索を通じてユーザーが有益な情報を得られるようにすること」です。

ユーザーが情報を得るために、「Discover」「ソーシャル」などの検索以外の手段が有益であれば、その手法にも着目したほうが良いでしょう。

・「検索エンジンに最適化する」だけでなく、時には「検索エンジンを最適化する」ことも必要です。

検索エンジンも完璧ではありません。技術的なトラブルもあるし、評価方針を間違うこともあります。

検索パフォーマンスが落ちたときには「サイト側の原因」だけでなく、「検索エンジン側の原因」である可能性も考えることで、有効な解決策が見つかることがあります。

「検索エンジンの穴を突く」という視点は、検索のエコシステムを改善するためにも必要です。

全体像と流れ

SEOの全体像を、私はこのように分類しています。

こうした全体像を把握する事で、自分が現在認識していない課題を発見し、適切な優先順位をつけることができます。

例えば、コンテンツの改善施策は3番目の「評価」を改善しますが、そのURLがクロールされない(2番目の「認識」)とか、検索需要がない(1番目の「設計」)といった前段階の課題を抱えていれば、SEOには寄与しません。

また、上記の流れを把握することで、施策が「全体像にどう影響するのか」を理解し、次の打ち手も見据えた適切な手を打つことができます。

例えば、コンテンツを改善する場合、次の「経路」での打ち手であるリッチリザルト対策も見据えてデータの持ち方を考えることができます。

評価と品質

SEOにおいて、「Googleがコンテンツをいかに評価しているのか」は重要なトピックですが、その仕組みはブラックボックスとなっています。

しかし、あえてブラックボックスの中身を覗き見ようとするのは本質的ではなく、本当に把握すべきは「評価の方向性」です。

Googleは、評価の方向性を示す品質評価ガイドラインを公開しています(Google 品質評価ガイドライン解説(2019年5月版)|電通デジタル)。

※参考:「Googleの品質評価ガイドラインは、検索ランキングの仕組みを解説したものなのか?

このガイドラインには、Googleが「様々なサイトを評価するための、総合的な基準」が示されています。

しかし、「個々のサイトが、具体的に何をすべきか」ということを考えるための参考としては、やや粒度が荒いものです。

品質について考えるために、電通デジタルでは「情報品質フレーム」の作成を推奨しています。

上記のような普遍的な価値や、サイト・市場に応じて追及すべき独自の価値を言語化。
曖昧で主観的になりがちな「品質」の議論をスムーズにするとともに、各要素のバランス調整をすることができます。

まとめ:「自分で考える」姿勢が大事

SEOにおいては、結局のところ、何が大事なのか。
それは「自分で状況を分析し、手段を考える」姿勢だと思います。

これまでにお話しした「目的と手法」「全体像と流れ」「評価と品質」は、よくある例として例示しましたが、「この3つが特に大事」とか「この3つ以外に、大事なことはない」とかということではありません。

参加者の皆さんには、3点のいずれかが大事だ、という状況にある方もいますし、それ以外のことが重要だという方もいると思います。

自分にとって大事な「〇〇と××」を考え、言語化し、行動することこそ、SEOにおいて最も重要なことだと思います。

最後に、個人的に大事にしている「〇〇と××」を紹介します。

それは「思いやり」と「疑い」です。

  • ユーザー・検索エンジン・サイトの想いと現実を理解し、最適解を提示しようとする「思いやり」
  • 3者の誤りや見落としの可能性を疑い、客観的に判断する「疑い」

双方を意識して、「SEO環境を改善する方法」を考え続けることが重要だと考えています。

関連記事:電通デジタルが取り組む「企業の伝えたい情報とユーザーニーズをマッチさせる方法」とは

飛行機エンジンの品質保証をしていた私が考える「CRO」と「SEO」(M.I氏)

次はエイチームフィナジーのM.I氏(@Gackey_seo)によるセッションのご紹介です。

他業種の品質保証の話と関連させて、Webメディアの品質保証を考えるセッションでした。

登壇者とエイチームフィナジーの紹介

登壇者の前職で飛行機エンジンの品質保証を担当し、数年前にエイチームに入社したM.I氏。

エイチームフィナジーでは、カードローンやクレジットカード、YMYL領域(お金や生活に関連するジャンル)に関わるメディアを運営されています。

自社サイトのCV件数を4倍、売上を9倍にした経験から、SEOとCRO(コンバージョン率最適化)についてのセッションが行われました。

飛行機エンジンとWebコンテンツの品質保証

飛行機のエンジンが世に出るまでには、その品質を徹底的にチェックするために、試験や検査が何度も行われます。

理由は命に関わるものであり、飛行機に乗る人の人生や生命に悪影響を及ぼす可能性があるためです。

飛行機事故が発生すると、原因となった部品の製造会社だけでなく、製造者・検査者まで特定されます。製造される過程で携わったすべての人に責任が伴うということです。

しかし、一方でWebメディアの記事はどうでしょうか。

人生や生命にかかわるYMYL領域において、記事の品質は必ずしも保証されているわけではありません。

厳しい検査/品質チェックが行われる飛行機エンジンと同様に、Webメディアの記事も品質保証を行う必要があると考えます。

他業界の品質保証を参考に、Webメディアの品質項目を洗い出すことができます。

  • 情報と情報源の評価は高いか
  • 今も正しい情報か、古い情報ではないか
  • 内部リンクの遷移先の情報品質も保たれているか

など、一定の品質評価の基準を作り、チェックすることが重要です。
徹底している企業では100以上のチェック項目があります。

下記画像も品質チェック項目の例です。

上記以外にも、業界、業種、商材によって最適化していく必要があるので、簡単に横展開できないと思います。

正しく品質評価を行うためには、以下の2つの観点が必要となるでしょう。

  1. 他業界だけでなく、他業種の品質保証を理解する
  2. 品質チェック項目を会社単位・事業単位で用意する

CRO施策の紹介

次に、エイチームフィナジーで行っているCRO(コンバージョン率最適化)の施策をご紹介いただきました。

  • 実際のユーザー行動を動画で数十本~数百本確認し、ヒートマップでも確認
  • 離脱ユーザーや無駄な直帰をテストで確認

など、定量データと定性データを掛け合わせ、2週間単位で様々な組み合わせのテストを行っているとのことです。その数は1月で50施策。

テストを繰り返すことにより、最適解へ導くことが最終的な目的となります。

CRO施策において、ファーストビューの改善はかなり重要で、アンカリング効果などの心理学を活かした施策は有効に機能するとのこと。

記事作成時に用意していた「顕在ニーズ/潜在ニーズ」「動画やヒートマップで得られた実際のニーズ」を突き合わせて仮説立てすることでABテストの勝率が上がります。

インハウスSEOにおける今後の動き

今後のインハウスSEOにおいては、脳と足を使って情報を集めることが重要になります。1次情報に触れ、ユーザーにとって「何が役立つのか」を判断すること。

Webに閉じて情報収集し、上位表示のコンテンツを真似て上手く再構成する小手先のコンテンツは淘汰されていくと思います。

収集元は、ユーザーの生の声でも、書籍でも良いでしょう。

脳を使って設計し、足を使って情報を集める。そして再度、脳を使ってその情報を読み手に伝わるような形でアウトプットする。このような流れで施策に落とし込んでいくことが求められてくると思います。

ライトニングトーク(LT)

ここからはライトニングトーク(LT)のご紹介です。

各登壇者5分という持ち時間にも関わらず、様々な切り口で興味深いトピックを説明いただきました。

TwitterとInstagramから見るSNS時代の検索行動論(室谷氏)

ソーシャルメディアマーケティングの支援会社、株式会社ホットリンクの室谷氏(@rmuroya)によるSNSマーケティングに関するLTです。

少し前までSearchといえば、GoogleやYahoo!の検索エンジンでしたが、現在ではTwitterとInstagramといったSNSもSearchの手段として使われています。

Twitter やInstagramは、検索エンジンと比べ、ユーザーがリアルな声を検索するために使うケースが増えています。「ユーザーが他のユーザーの声を知りたがっている」、このことから「みんなが認めているものは良いものだろう」といった心理が伺えます。

言い換えるなら、「SNS上の情報(クチコミ)はユーザーの信頼度が高い」ということであり、今後SNS活用の重要性はますます高まっていくでしょう。

SNS検索で商品についての評判に触れてもらいやすくするには、次の要素に気を遣う必要があります。

  • ノイズに埋もれない独自性のあるネーミング
  • 検索のしやすさ(覚えやすさ)
  • 長すぎない文字数 など

また、独自の分析によれば、「UGC(クチコミ)が増えれば指名検索も増え、指名検索が増えれば売上も増える」と、うまく結果に反映されていくとのことでした。
※User Generated Contents。要するにクチコミのこと。

今後のコンテンツマーケティングではSEOのみならず、SNSやその他の手段を踏まえた施策を考えていく必要があると改めて感じたセッションでした。

参考:TwitterとInstagramから見るSNS時代の検索行動論

順位分析のやり方、平均の落とし穴や、正規表現を使ったキーワードのグルーピング(高野氏)

株式会社アムタスのインハウスSEO兼Webディレクターである高野氏(@takano_seo)のセッションです。

中級者以上向けのSEO分析として、Googleデータポータルを活用した順位分析の方法について説明をいただきました。

実践的な内容ということもあり、詳しくは以下の記事をご覧ください。

SEO 中級者向け 順位分析のやり方

誰でもニーズの深掘りができる!秘密のフレームワーク紹介(Y.N氏)

最後はエイチームフィナジーのY.N氏(@YukiNakazawa6)による、ユーザーニーズの深掘りができるフレームワークとその活用方法についてのLTです。

  1. 〇〇を知るだけでなく、意思決定までできるか
  2. 意思決定の先に、注意するべきことがあるか
  3. さらに良い状態に導くための情報はないか

この3つの観点でコンテンツをチェックし、ユーザー自身も自覚していないニーズまで満たせるようにブラッシュアップしていきます。

たとえば、「老後資金を用意するための資産運用」を説明する記事があるとして、多くの人は記事を読んだだけでは、「資産運用を始める」という意思決定まではできません。

文章だけで説明されても実感が湧きづらいですし、「失敗したらお金がなくなるかもしれない」という不安があるためです。

そこで、ユーザーが意思決定をするための後押しとして、「〇〇ならリスク分散もできるし、資産運用の練習にもなる」などの情報を追加し、意思決定へのハードルを下げてあげることが必要になります。

「ユーザーがコンテンツに触れることで、より良い状態になるためにはどうすべきか」という、コンテンツデザインを考える上で使えそうなフレームワークだと感じました。

チームでコンテンツを作成する際の、品質保証の話にも通じる良いLTでした。

まとめ

最近では、大手オウンドメディアの閉鎖が相次ぐなど、コンテンツマーケティングを取り囲む現状は刻々と変化しています。

SEOにおいても、コンテンツは非常に重要です。今だけではなく、この先も「コンテンツの在り方」を考え、問い続けていく必要があります。

特に「コンテンツの品質と評価」については、今回のミートアップでも重要なトピックとして扱われていました。

コンテンツを通じて人の考えや行動が変わる以上、情報の正確性や表現には注意を払い、適切な品質チェックを行うべきでしょう。これはYMYL領域に限った話ではありません。

SEO Japanでは今後も引き続き、インターネットをより良くするための情報を発信して参ります。SEO業界の方のみならず、Webに関わる皆様にご覧いただけますと幸いです。

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