【シリーズ連載その2】Android 6 “Marshmallow”とSEO。商業データを用いたNowカード。

シリーズ連載の第2弾の記事になります。(初回の記事はこちら。)Googleの予測検索にスポットを当てた記事ですが、AppleのSiriとの比較がよくされる内容だと思います。(MicrosoftのCortanaを忘れたわけではありません。)今回はショッピングに関わる話であり、対抗馬としてAmazon Primeが上がっております。Webでショッピングをする方も多いかと思いますが、より個人的で有益な情報が提示されれば嬉しい限りではないでしょうか。– SEO Japan

Android Marshmallowの新しい機能は、モバイル検索の未来にどのような影響を与えるのか?シリーズ連載の第2回目となる今回の記事では、シンディー・クラム氏が、Google Nowの”Price Alerts cards(プライスアラート・カード)”と”Visually Similar Products(よく似た商品)”を取り上げている。

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*記事内のリンク先は全て英語となっています。

Google Nowは、Googleの予測検索ツールであり、ユーザーが検索を行う前に、ユーザーのニーズを予測する試みを行う。Google Nowは、”answer card”という形式を用いて、スマートフォン、スマートウォッチ、あるいは、(プラグインをダウンロードしている場合)デスクトップのコンピュータに情報を提示する。

前回の記事(日本語記事はこちら)では、Googleのプライベート・インデックスについての解説を行い、Google NowとNow on Tapにおける、ユーザーへの影響を取り上げた。今回の記事は、前回の内容に基づいて話を進めていく。3部作の2作目となる今回は、Googleのプライベート・インデックスが、ユーザーが興味を持つ製品の価格が下がった際に、どのようにユーザーに通知を送るのかを説明する。

また、Googleの画像認識についても言及し、Google Now以外の場所に掲載されている、競合する製品を特定する機会にもスポットライトを当てている。前回の記事では、この機能を”スポンサー付き”Nowカードと呼んだが、Googleから次のような指摘を受けたため、名称を変更している。

“Google Nowのカードには、現在、スポンサー付きのコンテンツは1つも存在しません。Google Nowのカードとして表示されるコンテンツとランク付けは、完全にオーガニックなものです。カードがユーザーを、スポンサー付きのコンテンツや情報を含む、ショッピングの結果に導くことはあります。そうした情報(例えば、値引きなど)は販売業者からの情報ですが、Nowカード自体にはスポンサーは付いていません。”

モバイル広告の増加

気づいていない方もいるだろうが、Googleは複数の異なるタイプの広告を追加している。モバイルインターフェースでは非常に目立つものだ。このようなスポンサー付きの結果は、フライト、ホテル、映画、テレビ番組、そして、一部の製品のクエリに対して提示されている。PPCの入札ではなく、フィードによるものであり、その下に掲載される自然検索の結果とは区別しにくいものとなっている。

こうしたスポンサー付きの結果は、アプリ内検索に取られがちなトラフィックを取り戻すための手段だと考えられる。検索結果にこうした情報を直接掲載することで、Googleは情報を見つけやすく、そして、消費しやすくしており、ユーザーのアプリへの遷移を未然に防ぐ効果を見込んでいるのだ。

これと同じ目的で、Googleは、商業的なGoogle Nowのプライスアラート・カードをテストしているように思える。最近までは、Google Nowのカードに対しては、すべて受動的で、オーガニックなものであったようだが、間もなく、このアプローチが変化する可能性がある。

Amazon Primeの人気の高まりにより、Googleではなく、Amazonのプラットフォーム(アプリ、または、ウェブ)での検索が増えている。そうした状況の中、Google Nowはショッピングにおけるトラフィックを取り戻すためにGoogleが行っている取り組みと言えるだろう。

Google Nowのプライスアラート・カードは、Adwordsに参加する販売サイトがGoogleに投稿する、GoogleショッピングのフィードとGoogle Nowとを結びつけている。このカードは、過去に閲覧したアイテムの価格が下がると、ユーザーにその旨を通知するものである。

ビジネスの面では、Googleにとって理にかなった仕組みだと言えるが、その他にもメリットはある。Googleショッピングは、Google Nowのカードからモバイルトラフィックを得る上でもってこいの製品だ。なぜなら、信頼されているモバイルインターフェースを持ち、様々なデバイスのユーザーが容易にモバイルで買い物を楽しめることができるためだ。

また、Webの販売業者にとってのメリットもある。モバイルのWebアクセスや、安全な支払い方法をセットアップしていない様々な種類のセラーへアプローチすることが可能となるからだ。

Google Nowのプライスアラート・カードの仕組み

Googleは、すべてのユーザーの、あらゆるデバイスでの行動に関するデータを、プライベート・インデックスに保存している。この中には、買い物やGoogleショッピング(そして、その他のEコマースサイトも含まれる可能性がある)の閲覧等、ウェブでのやり取りの情報も含まれている。

この情報を用いて、GoogleはGoogle NowやNow on Tapにおいて”プライスアラート”を作動している。プライベート・インデックスからはページを訪問したことを把握し、また、Googleショッピングのフィードから、閲覧したアイテムの価格が下がったことを把握している。

以下に、Google NowでTarget(アメリカの有名小売店)が送った値下げの通知の画像を掲載する(Targetは自身のウェブサイトで製品を販売しているが、Googleショッピングにも掲載している)。Google Nowのプライスアラート・カードは、過去に閲覧した製品をプレビューし、新たな価格を、Googleショッピングの購入ページに向かうリンクとともに表示している。

スポンサー付きのGoogle Nowの通知では、製品をクリックし、直接Google Shoppingに向かうことができる。あるいは、”Compare products from other merchants(その他の販売者と製品を比較する)”と記された画面下のリンクをクリックすることもできる。このリンクは、同じページの下に掲載されているGoogleショッピングで購入可能なリスト(よく似た商品)にユーザーを導く。

GoogleNow Shopping Price Drop Notification

ユーザーの追跡がどのような仕組みで行われているのかは不明だが、恐らく、ユーザーのウェブ閲覧履歴をベースにしていると思われる。このGoogle Nowのカードは、Googleショッピング経由で保存されたクッキーを用いるという、従来の方法が用いられているかもしれない。しかし、この情報は、複数のデバイスではアクセスすることが難しいだろう。

(理論的には、ページ上の製品スキーマによって作動する可能性も考えられる。しかし、ソースコードに目を通したところ、その証拠は見当たらなかった。)

SEOの観点では、このGoogle Nowカードは、複数の理由で興味深い存在だと言える。まず、Google Nowのカードの生成に、製品のフィードを投稿し定期的にアップデートすることで、会社側(販売者側)が影響を与えることができるようになるかもしれない、初めてのケースと言えるからだ。販売者は、(カードが閲覧履歴をベースに生成され、価格が下がるとき限定で作動するため)カードに対する料金を支払うわけではない。しかし、販売者が参加費を支払うGoogleショッピングのユーザー体験の一部である点は明白だ。

Googleは、次のように説明している。

“上記の例を使って説明すると、ドレスの値下げのカードは、この特定のアイテムをリサーチしたことがあるユーザーのみに提示されます。そのため、値下げを伝えるカードは、ユーザーの役に立つ可能性が高いのです。 しかし、販売者は、カードを表示させるために、料金を支払う、つまり、カードのスポンサーになることはできません。”

Googleは、こうした予測検索機能をAndroid MarshmallowとNow on Tapで構築しようとしているようだ。そのため、Googleショッピングのフィードの活用は、サイトのトラフィックとコンバージョンをアップさせる方法となり得る。デジタルマーケティングの”自然”な手法とは完全には言えないが、SEOを担当しているなら、少なくとも意識する必要はある。

画像のクローリングとはどう関わるか?

“よく似た商品”がランディングページ(“関連した商品”)に盛り込まれる点も興味深い。

ここで注目すべき点は、Googleによる”よく似た商品”を特定する仕組みである。Googleフォトで用いられているマッチングアルゴリズムと同じアルゴリズムを使って、(前回の記事で例として紹介した、「my pictures of dogs」(犬の私の写真)の検索のように)写真の分類、グループ分けを行っているように思える。

マシンラーニングのアルゴリズムは、日付と時間、および、場所をもとに自動的に写真を分類している。こうしたデータはすべて画像ファイルのメタデータから得ることができる。しかし、下記の画像のように、この技術は写真内の特徴を認識することで写真のグループ分けを行う画像認識とマシンラーニングも使用している。

Google Photos Catigorization

この点を踏まえて、下記の2つの”よく似た商品”のグループを見てみると、ある関係に気づくのではないだろうか。どちらの検索も”blue dress”というテキストのクエリで始まっている。

1つ目の例では、メインの被写体がマネキンの”blue dress”がクリックされている。その結果、すべての”よく似た商品”では、マネキンがドレスを着ている写真となっている。2つ目の例では、最初の検索は同じく”blue dress”であるが、メインの被写体として人間のモデルが用いられた製品をクリックしている。従って、すべての”よく似た商品”は、人間がモデルの写真を掲載している。

主な被写体がマネキンの”よく似た商品”

Visually Similar Products - Mannequin

主な被写体が人間のモデルの”よく似た商品”

Visually Similar Products - Model

SEO戦略に関しては、あなたが使用する商品画像における、非常に重要なことを示唆している。あなたが販売している商品が、あなたの商品よりも多く検索されている商品やブランドに似ている場合は特に重要だ。

あなたの商品の写真を、人気の高い商品の写真、もしくは、需要が高い商品の写真と並べることで、ユーザーの買い物候補に食い込める可能性がある。特に、仕上がりがインターネット上では分かりにくく、技術的な特徴や比較する対象のないアパレル製品の場合は尚更だ。

また、競合するアイテムが存在し、結果で上位にランクインしていることが前提だが、”よく似た商品”を用いると、利益本位のGoogle Nowのカードのマーケティングのメリットを制限する可能性がある。値引きの通知に反応するユーザーは、恐らく、たとえ別の小売店によるものだとしても、さらに低い価格のアイテムに魅力を感じる可能性があるためだ。

例えば、Targetが販売する$13.98のドレスと見た目はほとんど同じであるModDeals(価格設定が低い洋服ブランド)に掲載されている$9.99のドレスを、インターフェース内でクリックを一度行うだけで、簡単に購入することができる。

こうした顧客の流出を防ぐため、無料配送プランやロイヤルティプログラムの存在は、今まで以上に重要になる。なぜなら、別の小売業者からの購入を唯一防ぐ効果があるのは、最終的な価格、または、ブランドやサービスに対する信頼度のみだからだ。

Google Nowのカードにおける商業的なコンテンツの行く末は、いまだにハッキリしていないものの、最終的にGoogleは、Google Nowのインターフェースで何らかのスポンサー付きの結果(一つ、または、多く)を盛り込むようになる確率は高いと考えている。Googleの基本的なビジネスモデルは、広告収入に依存しており、Amazon Primeの脅威を受け、Google Nowへのトラフィックが減少すれば、スポンサー付きの結果が現れるようになることは、疑いの余地がない。

Googleショッピングのフィードを今まで検討したことがなかったEコマースサイトのSEOの担当者は、SEO戦略にGoogle Nowを盛り込むか、もしくは、他のチームと協力し、適切な統合を行い、Google Now内で存在を確立しなければならなくなるだろう。さらに、Google Nowがあってもなくても、画像認識アルゴリズムに対する最適化の取り組みは、(SEOに似ているが、形、色、そして、パターンをベースとしたコンセプトが必要な)オンラインセールスを増やす、新しく、比較的安価な方法として頭角を現しているように思える。

SEOは変化している。そして、モバイルプラットフォームは、この変化を加速させている。一流のSEOの担当者は、今後、勝利を得るため、どんなスキルを習得する必要があるのだろうか。考えるだけでワクワクする。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもSearch Engine Landを代表しているわけではない。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Android 6 “Marshmallow” & SEO Series: Google Now Cards Featuring Merchant Data」を翻訳した内容です。

値下げのお知らせ機能については、以前ホテルの値下げ情報についての記事を掲載しました。こうした情報もありがたいですが、日々の買い物についても値下げのお知らせが届けば嬉しいですね。また、個人の商品も含めることができれば、ネットオークションのような形で参加できるようになるかもしれないですね。(その際は個人のオーソリティや信頼性をどう担保するか気になりますが。)まだまだ取り組み段階の技術だと思いますが、業種によっては見逃せない情報ではないでしょうか。– SEO Japan

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