メディア業界のメンバーが綴る「データ・ドリブン・シンキング」は、メディアにおけるデジタル革命に関して新鮮なアイデアを提供するコラムである。
本日のコラムを担当したのは、AdRoll(アドロール)の会長を務めるアダム・バーク氏である。
「弊社はテクノロジー企業ですが、大きなクライアントにマネージドサービスを提供しています。」皆さんも誰かが会社を説明する際に、このようなセリフが用いられる場面に何度も遭遇したことがあるはずだ。なぜ、サービスはこのようにまるで腫れもの触るように言及されるのだろうか?
以前から存在する製品 vs. サービスの問題は、ディスプレイのエコシステムにとりわけ当てはまるように思える。無数の企業が注目と資金を巡って争っていることが理由なのかもしれない。アドテクノロジー企業は、広告スポンサーとパブリッシャーの間の意外に長いサプライチェーンのどこかに自社の重要な付加価値を認めてもらいたがっており、矛盾していることがある。アドテクノロジー企業は、本物のテクノロジーに資金を投じているものの、その他の一部のプロパイダーに関するコンサルティングサービスを賢く包むことに失敗しているケースが多い。
サービスを非難していると、素晴らしいテクノロジーを持つ企業は、顧客のサポートに関して、自分自身を過小評価してしまうデメリットがある。しかし、実際には中核として素晴らしいカスタマーサポートを提供しつつ、テックビジネスを拡大することは可能である。事実、優れたサービスを提供する上で鍵となるのは、効率よく、そして、規模に併せて顧客を喜ばすテクノロジーを策定し、活用することにある。
そこで今回は、テクノロジー企業がカスタマーサービスを強みとして迎え入れることが可能になる5つの戦略を紹介する:
1. サービスの規模の拡大を自動化する
- 人にしか出来ないことを人に任せるため、機械を使って、人手による、繰り返しの作業を自動化する取り組みほど、一流のテクノロジー企業にとって重要なことはない。
- 内部の顧客として、アドオペレーションおよびアカウント管理を加える機会を探す。素晴らしいツールを作ってこの取り組みを改善するべきである。テクノロジーは、カスタマーベースを大幅に拡大し、一方で社員数を一定に留めるポテンシャルを持っている。
2. 計測のシステムを導入する
- カスタマーサービス用のダッシュボードは、曖昧な「満足度」を数値化し、目に見える目標を提供し、そして、カスタマーサービスへの投資が拡大可能であり、収益を得られることを確認する上で役に立つ。模範とされることが多い37シグナルズは、さらなる高みを目指し、このデータを公開している。
- チケットの量、固有のチケッター、取引成立までの平均時間、コンバージョンに結びついたライブチャットの回数、アカウントマネージャーごとのチケット等のデータポイントを記録することが出来る。このようなデータを計測することで、首尾よく規模を拡大し、特定の分野にのみこだわる状況を避けることが出来る。
3. ユーザーエクスペリエンスを優先する
- 基本となるテクノロジーが高度であっても、ユーザーインターフェースを複雑にする必要はない。複雑なものをシンプルに、そして、使いやすくすることは、テクノロジー企業にとって最も困難なチャレンジの一つである。
- 才能豊かなプロ向けに作った製品であっとしても、才能豊かな人達が人間であることを意識するべきである。結局、製品を利用するのは人間であり、通常は魅力的で、分かりやすくて、それでいて、容易に使いこなせるソフトウェアを利用したいはずである。
4. カスタマーサービスのフィードバックのループを製品に策定する
- データを手に入れたなら、サポートチャンネルのフィードバックを製品に反映し、障害、頻繁に発生する問題、そして、混乱を招く分野を徐々に削除していくべきである。
- プラットフォームをさらにユーザーフレンドリー可するような方法でデータを使って、製品の状況を提供する。例えば、改善が必要なアプリの分野を特定するため、新しい機能を優先するため、そして、顧客が抱えている特定の問題を解決するトピックを理解するため、サポートチケットのキーワードの密度を調べる手が考えられる。
5. サービスチャンネルとポリシーを強化する
- 顧客がコミュニケーションを取るためのチャンネルを導入していないなら、彼らは自ら連絡を取る手段を探し出すことになり、最終的に印象の良くないツイートが送信され、危機管理に追われる事態に発展するだろう。
- 各種のカスタマーのグループにとって理に適ったサービスチャンネルを定め、当該のチャンネルが存在することを明確に示す。ビジネスによって、ライブチャット、電話、または、API@yourcompany.comのような具体的なeメールアドレスが該当する可能性がある。
顧客の規模が小さくても、中ぐらいでも、もしくは企業サイズであっても、テクノロジーの向こう側に存在するのは人間であり、製品を利用する上でいつか必ず助けが必要になる。優れたアドテクノロジー企業は、入札アルゴリズムや最適化アルゴリズムだけで満足するのではなく、このような顧客のニーズを満たす革新的且つ技術的なソリューションを策定することに前向きである。製品のアルゴリズムやQPS(質、価格、サービス)に関わらず、サービスの要請にどのように対応するかが、顧客の満足度に大きな影響を与えるのだ。
ツイッターでアダム・バーク氏(@adamberke)、アドロール(@adroll)、そして、アドエクスチェンジャー(@adexchanger.com)をフォローしよう。
この記事は、AdExchangerに掲載された「Service: A Dirty Word in Ad Tech?」を翻訳した内容です。
私の会社もLPO関連のアドテク製品を開発提供していますが、技術だけで競合他社と差別化することの難しさは実感していますし、自分たちにしかない特別な技術以上に、技術を活用するための提案、フォローサービス含めたサービス力が中長期的に一番の差別化要素になっているとも感じています。たまに、技術力だけで勝負できる圧倒的な製品も存在しますが(かつてのGoogleしかり、最近でいえばクリテオなど?)、今、旬のリターゲティングしかりアトリビューションしかり、その分野で戦う企業が勝ち残っていくにはそれ相応のサービス力が求められるのではと思います。 — SEO Japan [G+]
アイオイクスではSEOを軸としたWebコンサルティングサービスを提供しています。
いわゆるSEOの型に沿った施策ではなく、お客様の事業やWebサイトの構成を踏まえた最適な施策のご提案を重要視しています。SEOにお困りの際はぜひご相談ください。
→SEOコンサルティング サービスページメールマガジンの登録はこちら
SEOに関連する記事の更新やセミナー情報をお届けします。