Google、著作権侵害サイトを検索結果から削除もYouTubeは残る?

公開日:2012/08/16

最終更新日:2024/03/15

ブログ

無料で資料をダウンロード

SEOサービスのご案内
専門のコンサルタントが貴社サイトのご要望・課題整理から施策の立案を行い、検索エンジンからの流入数向上を支援いたします。

無料ダウンロードする >>
Googleが先週、著作権を侵害しているサイトにペナルティを与えることを発表したことをご存じの方も多いと思いますが、「だったらYouTubeはどうなるの?」と思った方も多いと思います。設立当時から、ネットの著作権侵害サイトをある意味代表してきたYouTubeでもありますが、現在はご存じの通りGoogleの運営サイト。同じ疑問を持った人は多くいたようで今回はサーチエンジンランドがその状況を分析した記事を。 — SEO Japan

グーグルは、新たな“著作権侵害のペナルティ”をユーチューブが免れることはないと主張している。しかし、このペナルティは純粋な著作権違反のレポートのみを基準としているわけではないため、あらゆるサイトがペナルティを免れる可能性がある。つまり、ペナルティの微妙な計算によって、人気の高いユーザー生成コンテンツサイトが ペナルティを回避する可能性は十分にあり得るのだ。

著作権侵害のペナルティ

当初、多くの著作権侵害のクレームを受けているサイト、例えば、グーグルのトランスペアレンシーレポートにリストアップされているサイト等は、グーグルが来週から導入する新たな著作権侵害ペナルティの対象になると思われていた。

その場合、グーグルが運営するユーチューブは、別のシステムで著作権侵害の通知が処理されるため、優遇されており、このペナルティにおいて他のサイトとは異なる扱いを受けると考えられていた。

ユーチューブ & 著作権侵害の通知

金曜日に投稿した「ユーチューブが新しい著作権侵害ペナルティを免れる仕組み」はこの状況を細かく説明している。しかし、本日グーグルのスタッフと話しをしたところ、同社が今まで明かしていなかった詳しい情報を新たに得ることに成功した。

とりわけ、ユーチューブ独自の著作権侵害レポートシステムに投稿される通知が、グーグル検索のレポートシステムを介してユーチューブに対して投じられた通知に加算されるとグーグルが話していた点は注目に値する。

それでは、ユーチューブには実際にどれだけ多くの侵害通知が提出されているのだろうか。過去1年半でグーグル検索システムを介して投稿された、たった650点のURLの削除要請を超えているのだろうか?グーグルは具体的な数字を明かさなかったが、グーグル検索を介して行われる通知を“遥かに上回る”量の通知が提出されているとだけ述べていた。

グーグル: ユーチューブ等はペナルティを受ける可能性は低い

ユーチューブが、グーグル検索の削除リストと考えられるリストを介して、ターゲットにされる可能性あるどのサイトよりも、多くの著作権侵害の通知を受けている(そして、グーグルが認めている)可能性はとても高い。それにも関わらず、グーグルはユーチューブがペナルティを受ける可能性は低いと言う姿勢を変えていない。それでは以前の発言を以下に掲載する:

グーグルは検索ランキングにおいてユーチューブをその他のサイトと同じように扱います。しかし、今回の変更が、この人気の高いユーザー生成コンテンツサイトの結果を降格させるとは考えていません。

そんなことがあり得るのだろうか?(グーグルが妥当と見なした)数多くの著作権侵害の通知を受けているサイトをターゲットにしたと思われるペナルティから、ユーチューブが免れることなど出来るのだろうか?ここで先程申し上げた微妙な計算に話を戻す。

金曜日、グーグルが次回のペナルティの発表を行った際、同社はサイトに対して提出された多数の通知が、ペナルティの“一部である”と述べていた。それでは当該の投稿の一部を以下に掲載する:

来週からグーグルはランキングで新たなシグナルを考慮するようになります。それは、グーグルがサイトに対して受けた正当な著作権侵害による削除の要請の数です。削除通知を多く受けたサイトは、ランキングが下がる可能性があります。

カウントされる通知の本数が全てではない

本日、グーグルは、新しいペナルティは通知の本数だけを考慮するわけではないと明かした。このペナルティは、その他の要素にも注目するようだ(それが何かについてはグーグルは明かさなかった)。しかし、最終的にユーチューブやその他の人気の高いサイトがペナルティを受ける可能性は低い。

その他のサイトとは具体的にどのサイトを指すのだろうか?グーグルが挙げた例には、フェイスブック、IMDB、タンブラ、そして、ツイッターが含まれていた。ただし、所謂“ホワイトリスト”が存在するわけでもないようだ。そうではなく、グーグルは、アルゴリズムが各種の要素やシグナルを評価して、大量の著作権侵害の通知を受けているサイトがペナルティに値するかどうかを判断すると述べていた。

グーグルが明確な情報を明かさないため、このペナルティがどのように作用するについては推測するしかない。個人的には、グーグルは要素を検査し、サイトが正当かどうかを判断するのではないかと考えている。多くの信頼できるリンクを持っているのだろうか?こういったサイトからのコンテンツが数多く共有されているかどうかをグーグルが検知することが出来るのだろうか?その他のタイプの検索に対するグーグルのアルゴリズムで前向きな“評価”を既に与えている要素は存在するのだろうか?

「正当」に関しては、グーグルが、侵害しているコンテンツを内部のシステムを介して削除しようと誠意を持って努力していると思われるサイトに損害を与えないように試みるのではないかと私は推測している。ユーチューブが独自の削除システムを用意しているように、著作権の保有者からクレームを受けた場合、積極的にコンテンツを削除するよう働きかけるその他のサイトは、新しいペナルティから、事実上、通り抜ける権利を得ているのではないだろうか。

実際に、グーグルはユーチューブが新しいシステムの下、より厳しく評価を受けるようになる可能性がある点を指摘していた。グーグルは、ユーチューブ独自のシステムを介して投稿されるクレームの本数を把握しており、著作権侵害のペナルティにおいてこの本数はユーチューブに加算される仕組みになっている。反対に、その他のサイトに投稿された削除通知、そして、当該のサイトの内部メカニズムによってカウントされた本数は、考慮されない。

当然ながら、ユーチューブと比べると、その他のサイトが受ける削除通知の数は圧倒的に少ないと思われる。しかし、それよりも大きな問題は、ユーチューブを始めとするサイトに逃げる道を提示した上でこのペナルティが策定されている点である。

ユーチューブのみを助けるための手段ではないとしても、ユーチューブやその他のサイトはペナルティを免れ、そして、この点は、純粋に通知の本数を基にペナルティを与えると示唆していた当初の告知では含まれていなかったのだ。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google: Many Popular Sites Will Escape Pirate Penalty, Not Just YouTube」を翻訳した内容です。

単純に著作権侵害のクレーム数以外に様々な要素を考慮するアルゴリズムのようですが、本当に「YouTubeも他のサイトと公平に扱う」かどうかは、疑われても仕方のないところですかね。記事の最後にもあるように、仮にアルゴリズムが公平だったとしてもGoogleであれば「特定のサイトに逃道を提示した上でペナルティアルゴリズムを策定できる」ことに変わりはないわけで、最近いわれることの多い透明性の問題がまた問われそうです。とはいえ、実際にYouTubeのランクが下がってしまってはこちらも微妙に困るわけですが・・・汗 著作権侵害サイトを検索結果から排除する試み自体は歓迎されることですが、様々なサービスを展開するGoogleだけにバランスの舵取りは今後も問われていきそうです。 — SEO Japan [G+]

記事キーワード

  • Facebook
  • X
  • はてなブックマーク
  • pocket
  • LINE
  • URLをコピー
    URLをコピーしました!

編集者情報

  • X
  • Facebook

アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

メディアTOPに戻る

RECRUIT

一緒に働く人が大事な今の時代だからこそ、実力のある会社で力をつけてほしい。
自分を成長させたい人、新しいチャレンジが好きな人は、いつでも歓迎します。