検索エンジンのランキングオーソリティとは?

公開日:2012/05/21

最終更新日:2024/02/17

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SEOの際、会話の中で時折出てくるのが「オーソリティ」という言葉。日本語に直訳すれば権威という意味になりますが、サイトからリンク元、コンテンツの作者まで様々な意味、文脈で都合良く利用されていますよね。今回はそんなオーソリティという言葉をSEOの視点から改めてじっくり考えなおしてみようという基本に立ち戻った記事を紹介します。 — SEO Japan

来月、私はSMX Advancedカンファレンスでオーソリティーパネルのメンバーの一人として講演を行う予定である。そのため、今月のコラムではオーソリティについて論じたいと思う。オーソリティは、私の知る限り、SEOと言う用語よりも以前から存在していた気がする。クラシックなSEOは、オンサイト、オフサイト、関連性、そして、オーソリティに分類される。

SEO Authority and Relevance

関連性(relavance)は、ドキュメントが検索クエリにどれだけマッチしているかを意味する。オーソリティは、ランキングの強さを示す。

グーグルが立ち上げられる前、大半の検索エンジンは関連する文書を探すことに成功していたが、マッチする順序で格付けすることに苦労していた。その結果、極端なキーワードスタッフィング、キーワードテキストを隠す行為、そして、AAA キーワード キーワード キーワードのようなタイトルタグを作成する行為を含むSEOのトリックが生まれたのだ。

グーグルはこの難題を理解し、リンクの本数をカウントすることで、オーソリティから関連性を切り離したのだった。つまり、リンクが票の役目を負うようになった。オフサイトのリンクはサイトにオーソリティをもたらし、一方のオンサイトのリンクはウェブサイト全体にオーソリティを循環させた。リンクは人気と信頼性を示す指標となり、そして、ページランクが生まれた。これはあくまでも概要である。もっと詳しく知りたいなら、リサーチすればすぐに詳細を得られるはずだ。私はオーソリティが初期のページランクの論文で描かれたオーソリティよりも進化してきた経緯に注目している。

そう、オーソリティは進歩を遂げてきたのだ。現在、オーソリティはリンクの本数を遥かに超える範囲に及び、関連性とオーソリティの境界線は、無くなったとまではいかなくても、確実に曖昧になっている。

Authority overlaps relevance

2012年、オーソリティは何を意味し、そして、どこに向かっているのだろうか?
グーグルはオーソリティを説明するため、影響、信頼、そして、品質と言う用語を使っている。ウェブサイトの足跡はウェブにどの程度散らばっているだろうか?ウェブサイトはどのようなユーザーエクスペリエンスを提供しているのだろうか?

リンクはいまでも重要

リンクはいまもオーソリティを伝達している。リンクの本数が多ければ多いほど良い。信頼されているサイト、もしくは外部リンクを多く集めているサイトからのリンクは、外部リンクの少ないページやサイトからのリンクよりも多くのオーソリティをもたらす。これは今も最も有力なランキングシグナルであり、今後も変わることはないだろう。

しかし、検索エンジンがリンクを評価する仕組みは変わりつつある。どのリンクがオーソリティをもたらすのか、もしくは、どのリンクが検索エンジンに無視されているのかは分からない。また、どれぐらいのオーソリティをリンクがもたらすのかも不明である。私達に出来るのは、経験に基づいて一般的に考えることだけであり、そうすれば答えは自ずと現れる。検索エンジンはリンクの差別化を行い、信頼するリンクと信頼できないリンクを識別する取り組みを大幅に改善してきた。ブログロール等のサイトワイドのリンクはかつてほど重要視されなくなった。グーグルは積極的にブログネットワークや同様のリンクスキームを追放している。また、有料リンクやスポンサー付きのリンクを認識する取り組みをコンスタントに強化している。

一方で、有料リンクサービスはいまも活動しており、ポジティブな結果を生み出している。検索エンジンがリンクの格付けを完成させていないことは明白だ。それでも、最高のリンクは、質の高いコンテンツを投稿し、宣伝することで自然に得られる。リンクを買っているなら、それは検索エンジンの利用規約に違反しているため、直接ウェブサイトと交渉し、トピックと関連するウェブサイトに絞るべきである。

ブランドの言及

アドエイジでナット・アイヴズ氏がレポートしていたように、2008年、当時のグーグルのCEO、エリック・シュミット氏は、「ブランドは問題ではなく、解決策である。」と述べ、2009年、グーグルはブランドを贔屓するヴィンスと呼ばれるアルゴリズムのアップデートを行った。

グーグルの検索チームを除き、ヴィンスの変更の仕組みやブランドがランキングに影響を与える仕組みを把握する人はいなかったものの、多少推測を織り交ぜた上で、仮説を立てることは可能であった。グーグルがウェブをクロールする際、ページ上のワードをインデックスする。また、フォーチュン 500のような(遥かに規模は大きいが)、ブランドおよびブランドのウェブサイトのデータベースやリストを持っている可能性も考えられる。

グーグルはクロールインデックスとブランド名を相互参照するだけである。最もオーソリティの票を得ているブランドが結果ページに表示される。実際のアルゴリズムは異なるかもしれないが、結末は同じだ。リンクが多ければ信頼度が高くなるため、ブランドの言及を増やすべきである。SEOのマーケッター達がlinks and mentions(リンクと言及)等のフレーズを利用しているのはこのためだ。

ソーシャルメディア

ソーシャルメディアはランキングに影響を与えるのだろうか?どのような仕組みで与えているのだろうか?何だかんだ言っても、ソーシャルメディアはウェブページの集まりである。動的であり、ユーザーによって作られたコンテンツではあるが、それでもウェブページとして提示されている。検索エンジンはリンクと言及を求めて、これらのページをクロールしている。

ランキングシグナルとしてソーシャルメディアを考慮するアイデアは、会話が静的なウェブページよりも数が多く、また、操作や最適化の対象になりにくいと言うポイントに基づいている。フェイスブック、グーグル+、またはツイッターの1000人のユーザーがあるページにリンクを張っているなら、当該のページは最新の情報を提供しており、信頼されているはずである。

しかし、問題がないわけではない。まず、人気が高まるコンテンツ、またはバイラル化するコンテンツの多くは質が低い。次に、あまりにも多くのコンテンツがあまりにも短い期間に作られるため、検索エンジンが追いつかない。さらに、検索エンジンはファイヤーウォールやログインの保護を受けたコンテンツにアクセスすることが出来ない。

ソーシャルメディアの会話にアクセスするためには、検索エンジンはソーシャルメディアサイトからの助けが必要になる。グーグルはツイッターと提携を結んでいたが、この契約は既に満了している。ビングは、グーグルとは異なり、フェイスブックにアクセスすることが出来る。グーグルはグーグル自身のソーシャルネットワーク – グーグル+を立ち上げ、全ての情報にアクセスすることが出来るようになった。しかし、ツイッターとフェイスブックと比べると、利用者は大幅に少ない。

検索エンジンがソーシャルメディアと関係を構築していない場合でも、ソーシャルメディアのページは結果ページに現れ、ランキングに影響を与える。グーグルは、ツイッターフェイスブックのコンテンツをインデックスに加えている。ファイヤーホースを介して全てをコピーしてデータベースに投入するのではなく、グーグルはオフサイトのリンクの本数等のオーソリティのシグナルに応じて、クロール & インデックスしたページを選び抜いている可能性が高い。また、グーグルプロフィール内で管理しているソーシャルメディアのプロフィールをグーグルに伝えることも、オーサーシップのマークアップを利用する手もある。

ソーシャルメディアは、ランキングインフルエンサーとしては幼少期 – もしくは幼児期 – に当たるかもしれないが、オーディエンス候補に接触する手段として、複数のインプレッションを生成する手段として、そして、オーディエンスを構築する手段として、ソーシャルメディアの右に出るものはいない。このような取り組みはオーソリティを生み出し、そのオーソリティこそがランキングを押し上げる。しかし、ソーシャルメディアと検索エンジンの結果の配置の関係は、パーソナライゼーションに左右される。

ソーシャルメディアで最新の情報に更新し、投稿を行うだけでは不十分である。つながりを拡大し、投稿を人々に共有してもらい、ブランドについて語ってもらう必要があるのだ。

グーグル+のサークルで会社を登録すると、もしくはフェイスブックでいいね!すると、パーソナライズされていないオーソリティのシグナルよりも、パーソナライゼーションによって、検索結果に表示される可能性が高まる。企業がインフルエンサーに影響を与えようとしているのはこのためだ。サメの周りを集団で泳ぐパイロットフィッシュのように、既に人気の高い人物が求められている。

パーソナライゼーション & 検索履歴

パーソナライゼーションは、オーソリティへのバイパスのような存在である。検索エンジンが、ウェブサイト、もしくはブランドのソーシャルメディアのアカウントとつながっている点を把握している場合、検索結果ページにその企業に関連するコンテンツをリストアップする可能性は大幅に高まる。

Google personalized search results

Bing personalized search results

パーソナライゼーションとソーシャルメディアのオーソリティへの影響のまとめとして、関係構築を介して、シンガー兼パフォーマーのアマンダ・パーマーと協力し、ニューアルバムの製作費とツアーを行う資金として50万ドルを獲得したショーン・フランシス氏の意見を聞いてもらおう:

インターネットは、随分前から西部の無法地帯のような状態と化しているが、非常に魅力的な特徴も備わっていることは忘れられがちだ。つまり、最も大きな安全なネットなのである。時間を割いて、このネットにしがみついている人達と関係を構築し、交流すると、注目が集まってくるのだ – テックダート

サイトの品質

サイトの品質は、パフォーマンス、ユーザーエクスペリエンス、そして、信頼のシグナルを抜きには語れない。

パフォーマンスの計測する項目として最も話題に上がるのがサイトのスピードのようだ。ウェブページが十分な早さで表示されない場合、ビジターはサイトを見捨てる。

検索エンジンの観点では、これはユーザーエクスリペンスが劣悪であり、検索結果に対するお粗末な選択と言える。品質に関するネガティブなシグナルには、コンテンツの重複、内部のリンク切れ、そして、空っぽのページ等が含まれる。この全てが組み合わさるとユーザーエクスペリエンスが損なわれ、オーソリティが低下してしまう。

一方の信頼のシグナルには、機械が読み込めるマークアップ、透明性、テキスト、またはコピーの品質等が含まれる。Schema.orgRDFa等のリッチスニペットは、検索エンジンがコンテンツを特定し、結果に配置する上で役に立つ。これは、関連性とオーソリティが重複する分野の一つに数えられる。オーソリティにつながる信頼性には、グーグルプレイスやその他のサイトでの第三者によるレビュー等、オフサイトのシグナルも含まれる。

Authority from reviews

これはローカルおよび買い物の検索結果において特に顕著に現れる。

透明性とは、即ち、自分が誰かを知ってもらうことだ。ウェブサイトで簡単に住所や電話番号等の連絡先の情報を見つけることが出来るだろうか?信頼できる企業はこのような情報を隠す必要はなく、これらの情報は基本的な品質のシグナルになり得る。

良質なコンテンツ、そして、言語の利用には共通点がある。グーグルが本のスキャンを始めた当時、一部の人達はピュアな最適化されていないコンテンツとしてデータを使って、品質の高いテキストの特徴を解明するだろうと推測していた。グーグルが実際にこの行為を実施したかどうかは不明である。しかし、グーグルがパンダをリリースしたことは事実である。パンダは、圧倒的多数の質の低い記事を持っているウェブサイトを識別し、サイト全体にペナルティを与える。そして、最近、グーグルはキーワードスタッフィングの特定を改善している。

クエリの意図

クエリの意図も関連性とオーソリティが重複する領域の一つである。4つのクエリの基本的なタイプを以下に挙げていく:

  1. ブランド検索
  2. インフォメーショナル検索
  3. トランザクショナル
  4. ナビゲーショナル

オンラインストアを運営し、全てのコンテンツがトランザクショナル(売買可能)なら、巨大な買い物かごを一つ用意するだけでは、インフォーメンショナル検索において上位に格付けされる可能性は低い。しかし、インフォメーショナル(情報を与える)コンテンツを加えていくと、ウェブサイトの関連性を広げることが出来る。

こうすることでオーソリティを獲得するチャンスも高まる。例えば、テントの柱を販売するページに多くのリンクが集まるとは思えないが、キャンプ愛好家への良質なアドバイスがぎっしりと詰まった記事を加えることで、リンクを呼び込み、ソーシャルメディアサイトで会話を始めるきっかけがつかめるかもしれない。

まとめ

オーソリティの確立に関する私の結論を述べさせてもらう。オーソリティは時間の経過とともに拡大する – 常に直接的だとは限らない。優れたコンテンツを投稿しても、宣伝しなければランキングの改善にはつながらないだろう。宣伝する最善の方法は、コンテンツを共有する人達と関係を構築し、ファンを作ることだ。オーディエンスが増えていけば、影響力も高まる。この影響力は検索エンジンに認められ、ランキングとビジビリティにおいて見返りを与えられるだろう。

検索エンジンのオーソリティは、信頼、そして、影響力を得た会社や人々に自然にもたらされる。リック・バーンズ氏ダーメッシュ・シャア氏、そして、ランド・フィッシュキン氏等がインバウンドマーケティングを推薦している理由である。

SEOはとてつもなく早いペースで進化している。オーソリティは、従来のオンページとオフページの最適化よりも、関係と信頼性重要視しつつある。今でも素晴らしいコンテンツを用いて良質なサイトを構築する必要はある。そして、コンテンツを最適化し、リンクを獲得する必要もある。しかし、現在、今まで以上にSEO以外から自然なリファラーのトラフィックをもたらすような関係を構築しなければならなくなっている。この関係が構築されると、検索エンジンのオーソリティ、ランキング、そして、リファラーは自然に続き、増えていくだろう。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、「Search Engine Landに掲載された「What Is Search Engine Ranking Authority?」を翻訳した内容です。

「クラシックなSEOは、オンサイト、オフサイト、関連性、そして、オーソリティに分類される」という考え方と最近のSEOは検索アルゴリズムの進化の結果、「関連性とオーソリティの境界線が曖昧になってきている」という指摘はナルホドと納得。さらにブランド、ソーシャルメディア、パーソナライゼーション、サイトの品質やクエリの意図等、最近の検索エンジンの旬なアルゴリズム関連要素と共にオーソリティを的確かつ簡潔に(ま、それなりに長いですけど)まとめてくれた安定感ある良記事でした。この記事の内容を誰かに語った日にはあなたも一端のSEOマスター扱いされること間違いなし。 — SEO Japan [G+]

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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