Pubcon 2015-Bingのデュアン・フォレスター氏によるキーノート:なぜ、あなたは未来に目を向ける必要があるのか?

公開日:2015/10/14

最終更新日:2024/02/16

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今回の記事はBingのシニア・プロダクト・マーケティング・マネージャーである、デュアン氏によるキーノートです。SEOに限らず、マーケティング全体として、これから考えていくべき事柄を披露しています。いくつかのトピックに分かれた構成のセッションでしたが、その中でも、モバイル関連のトピックに多くの時間を割いていました。また、次世代のユーザーがどのようにモバイルと関わっていくか?という内容を強調していました。検索を中心とした技術を軸に、今後の展望を探ります。– SEO Japan

原題:Why You Look Forward

今後10年から15年で何が起こるか?

ミレニアルズ
ミレニアルズ(Millennials:1982年から2004年の間に産まれた世代。現在は10歳から34歳)が主要な世代になる。市場規模は7兆ドルになり、これは、世界中の旅客機の約半数分の金額に値する。彼らについて知ることが重要だ。以下に特徴をまとめよう。

  • 商品(Products)ではなく、経験(Experience)に価値をおく
  • 組織に属するよりも、独立志向が強い
  • 多くがインターネットがなかった時代を知らない
  • コード・カッティング(ケーブルテレビではなく、インターネットで番組を見る)
  • ブランドとの関わりは求めるが、ロイヤリティーは低い

キーワード調査で彼らを満足させることは可能だろうか?

バイヤーを知る
ミレニアルズに商品を売ろうとしても、うまくいかないだろう。彼らには経験を売らなければならない。世代によって好みは違う。現実的でなければならず、違いを知らなければならない。

デルタ航空のストーリーがいい例だ。ソーシャルで有益な情報を流しているが、ある時乗り継ぎの方法がわからない客がいた。運用チームがSNSグループと連携し、ソーシャルで乗り継ぎの方法を教えていた。この顧客にとって、非常に素晴らしい経験だっただろう。バイヤーを幸福なままにさせておくのだ。

モバイルについて

モバイルファースト
モバイルファーストについて、再度考えてみよう。具体的には以下の通りだ。

  • モバイルのクエリ数はデスクトップ以上
  • コンテクストが鍵
  • レスポンシブデザインが必須
  • モバイル用のアルゴリズム

モバイルの時代は、”今”だ。もしもあなたが、今後大きくなるだろうと考えているなら、その時点であなたは既に後れを取っていると言える。人々は6秒間に1回、モバイルを操作している。これが、モバイルの行動だ。

Project Arcadia
スマホをパソコンに差し込み、AndroidとiOSのアプリを、Windowsのデバイスで使用できるようになる。将来はこうした使い方が主流になる。

モバイルとスターバックス
スターバックスはモバイルでの勝者と言える。彼らが提供している内容をまとめよう。

  • お店では全体の11%の決済がモバイルで行われている
  • アプリのユーザー数は1千万人
  • お店の検索
  • ギフトカードの利用

個人的に、私はスターバックスが提供する数々のプロセスが好きだ。顧客との素晴らしいモーメントを創り出している。

Apply Payとその他のモバイル決済
モバイルでの決済が進んでいる。例えば、空港などでは現金での支払いは煩わしい。特徴をまとめてみよう。

  • 決済毎にランダムで一回きりのIDが使われるため、安全
  • モバイルはいつでも手元にある
  • 簡単に使え、トラッキングも楽
  • レジ係りにクレジットカードを見られなくて済む
  • 信頼性の構築とPOSシステムのアップデートが必要な点は障害と言える

お財布のいらない、自由な世界へ
ウェアラブルが広がれば、自分の時計で支払うことも可能だ。クーポン券をお財布に沢山入れる必要もない。モバイル決済では、アフィニティプログラムを通して、顧客にリワードを与えることが可能だ。これにより、ブランドと顧客との結びつきをより強いものにすることができる。

前述のスターバックスに加え、Amazonプライムも良い例だ。Amazonプライムのメンバーのうち、Amazon以外のサービスで買おうとする顧客は、1%にも満たないのだ。

忘れてはならないこと
実に様々なことをモバイルで行えるようになっている。私はパワーポイントをモバイルに入れている。しかし、モバイルの画面はあくまでも小さい。そのため、モバイルで表示する内容については、我々はしっかりと考えなければならないのだ。

モバイルとファネルの影響
モバイルが検索に影響を与える事柄をまとめる。

  • 検索を行うロケーション
  • 物理的に小さい画面
  • 表示される検索結果の数は少ない
  • 検索におけるあらゆる側面で高品質な結果が求められる

上記がモバイル用のアルゴリズムが必要な理由だ。検索の経験を再定義していると言える。ここでは、コンテキストと経験が重要な要素となっているのだ。

自動運転

今後の拡大
5年後には一般道で見られると思う。体験したが、自動運転車は素晴らしい経験だと感じた。アメリカでも許可が下りた州の数は増えている。イギリス、ドイツ、フランス、イタリアなどでも法整備は進んでいる。

ローカルビジネスでは”運転をしないドライバー”へのリーチが可能になり、車の中で広告を流すことや、エンターテイメントのビジネスへのチャンスも広がる。

データについて

データのシグナルはいたるところに
“データは新しい石油だ。”世界中で最も価値のある商品となっており、拡大し続けている。また、アメリカでは一人につき、3,000のデータポイントがあると言われている。モバイル、銀行、車、ウェアラブル。さまざまな方法でデータは集められている。

情報とデータの成長
5エクサバイト(10の18乗バイト)を作成されるまでの日数を計算してみよう。

  • 2010年では2日かかった
  • 2013年では10分以内に
  • 2015年ではコーヒーを注文している間に完了する

これ以上Webに無駄な情報を流さないでくれ(笑)。

マシンラーニング

マシーンラーニングの実例
“今後20年でマシンラーニングはモバイル以上のインパクトを与えるだろう。(by Vinod Khosla)”検索エンジンは世界の意味を理解しつつある。マシンラーニングのいくつかの例を挙げよう。

  • Bingはユーロビジョン(ヨーロッパの歌のお祭り)の勝者をピックアップできる
  • How-Old.netは人物を特定し、性別と年齢を測定する
  • Googleのマシンラーニングシステムは、その方法を伝えられなくても、顔を特定する方法を学ぶことができる

マシンラーニングを用いることで、様々な情報をどうつなげるか?という問題を解決し、ナレッジグラフを作成する。

検索の未来

今後の検索は?
進化し続ける検索の特徴をまとめよう。

  • ユーザーのインテントと経験の懸け橋となる
  • 単純にキーボードに文字を入力するのではなく、ユーザーがより自然な方法で自身を表現できるようにする
  • より多くのデータを集約し、実行可能な結果を提供する
  • 関連した情報を提供するデバイスを連携するためのシステムとなる

人々は、少量の作業でより多くの結果を手にしたくなるだろう。また、インスタントアンサーの発達により、今問題になっていることにより多くの時間を過ごせるようになる。

エージェントとしての存在

あなた専用のエージェントへ
検索エンジンはあなた専用のエージェントのような存在になる。彼らがあなたのためにしてくれることを幾つか挙げよう。

  • コンサートチケットを探して買ってくれる
  • 飛行機の安いチケットを調べ、目的地を選んで、予約してくれる
  • あとでクーポンなどを使うかもしれないから検索してくれる

仮に、旅行先で充電コードが必要になったとしよう。あなたの電話の種類、必要なコード、滞在先のホテル、などは全て理解しており、コードをホテルまで届けてくれる人を検索してくれるのだ。

最後に

SEOにとっては?
SEOは終わってはいない。しかし、少々複雑になっている。成功までに行うべきものが非常に多いのだ。またデスクトップはいずれ終わるかもしれない。

*画像が不鮮明ですが、SEOの成熟モデルの画像で、成熟するまでに必要なスキルや分野をまとめています。

まとめ

  • データは重要(共有し、消費し、理解する対象)
  • もしも、”モバイルはやってきている”、という考えならば、すでに遅い(モバイルはすでにある)
  • 次世代のモチベーションとなるものを知る
  • 伝統的なオンラインマーケティングは、今、変化している
  • “道路を運転する”という考えをやめる
  • “訪問者のタスクを完了させる”ことを考える
今に始まったことではないですが、SEOに求められる知識やスキルが広範囲になっていると、改めて実感できた内容でした。個人的には、全てを一人で行うのではなく、チームとして取り組むことが求めらるのだろうと考えていますが、それでも基本的な知識は必須となりそうですね。検索を始め、様々な技術が身近になることで生活がより豊かになっていくことは喜ばしいことですが、同時に自身にも新しい経験や考え方が求められるようになります。願わくば、こうした変化を楽しみながらWebと関わっていきたいものです。

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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