リード獲得チャンネルとして評価ガタ落ちのPPC、高評価のSEO、大健闘のソーシャルメディア

最終更新日:2012/10/29

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ウェブマーケティングのチャンネル別の費用対効果に関するレポート、毎年、定期的に様々な機関が発表していますが、今回は最新の調査からわかった「多くのウェブマーケッターがPPC(リスティング広告)の費用対効果が悪化していると考えている」という驚きのニュースについて。圧倒的な費用対効果で評価されているはずのサーチマーケティングでSEOと双璧を誇るPPC、今回の結果になった理由とは? — SEO Japan

2012-surveySEOは、米国のデジタルマーケッターの間で、引き続き最高のリード獲得ツールとして親しまれているが、その一方で、リードを獲得する手段としてのPPCの効果は大幅に低下している。さらに追い打ちをかけるように、B2Bのマーケッター達は、PPCよりも、ソーシャルメディアマーケティングの方がリード獲得チャンネルとして効果が高いとまで主張している。

これはカリフォルニア州を拠点に活動するオンラインサービスのウェブマーケティング 123が毎年実施する「第2回デジタルマーケティングの現状調査」によって判明した情報である。

一年前に行われた前回の調査と同じように、ウェブマーケティング 123は、GE、ソニー、シスコ、オリンパス、ボーズ、そして、フェデックスを含む企業に所属する500名の米国のマーケッターを対象に調査を行った。そのうちの65%はB2Bのマーケッターであることを明かしていた。調査の参加者は、会社の規模においてバランス良く分かれており、32%は1000名以上の従業員を抱える企業、そして、23%は従業員が50人以下の企業に所属すると申告していた。

最も効果的なリード獲得チャンネル

今年の調査では、B2Bマーケッターの59%、そして、B2Cマーケッターの49%は、リード獲得においてSEOの効果が最も高いと答えていた – どちらもPPCとソーシャルメディアよりも大幅に高かった。下のイメージが示す通り、B2Bのマーケッター達は、ソーシャルメディア(21%)はPPC(20%)よりもリード獲得においてインパクトが強いと指摘している。

2012-lead-gen

B2Bのマーケッターも、そして、B2Cのマーケッターも今年は昨年よりもSEOの功績を認めているが、その一方でPPCの効果が弱まったと示唆している。私達は今年と去年の調査結果を取り上げ、リード獲得チャンネルの効果に関するマーケッターの意見の変化を示すチャートを独自に作成した。

B2Bでは、PPCは昨年から5ポイント落とし(25%から20%へ)、B2Cにおいては、8ポイント落としていた(34%から26%へ)。

b2b-lead-gen

b2c-lead-gen

難しいSEOの計測

大半のマーケッターはSEOこそが最高のリード獲得チャンネルだと指摘しているものの、自然な検索のROIの計測はいまだに難易度が高いと答えていた。調査参加者の約半数が、ウェブマーケティング 123が「ベーシック」な計測と分類したトラフィックおよびランキングに関連する計測に頼り、リードの数および売り上げの数でSEOを計測していると答えたのは、たった3分の1程度であった。

seo-measurement

上の表には表示されていないが、30%以上の調査参加者が、SEOにおいて最もフラストレーションが溜まるのは「結果を計測する難しさ」だと指摘している。また、約70%はリードや売り上げの功績を正確に自然な結果に割り当てることが出来ないと答えている。後者は、SEOが最も効果的なリード獲得チャンネルだと指摘した上のデータとは矛盾しており、リードや売り上げの功績を自然な結果に結びつけることに苦戦している中で、SEOの効果を実際に理解しているのかどうか気になる。また、正確に計測することが出来たら、SEOはさらに効果が高いと評価されるようになるのだろうか?

レポートの全文はウェブマーケティング 123のウェブサイトに掲載されており(ダウンロードするには連絡先の情報を伝える必要がある)、興味があるなら皆さん自身で結論を導いてもらいたい。

また、姉妹サイトのマーケティングランドに投稿した、このレポートの調査結果を基に様々なソーシャルメディアチャンネルのリードおよび売り上げの効果をさらに詳しく検証した「調査: B2Cのリードと売り上げはフェイスブック & B2Bはリンクトインに軍配」にも目を通してもらいたい。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Industry Survey: PPC Is Losing Ability To Generate Leads」を翻訳した内容です。

あくまでマーケッターが「思っている」話ですし、大手企業のリスティング広告の予算が増え、クリック単価が高騰していたり、数値自体も分かりやすく目にできるために、以前と比べて費用対効果が悪いと感じる傾向がある気もします。逆にいえばSEOも短絡的な手法が通じず、上位表示させるにはコンテンツに時間と予算をこれまでに以上に投下したり、ソーシャルにも力を入れないといけないなど、以前よりは費用対効果が悪くなっていてもおかしくないのですが、効果測定をきちんとしていない点も含めてなんとなく高評価のままになっているような気も。ま、SEOにより企業が力を入れること自体はSEO業者としては大歓迎ですが・・・汗

それとは別にPPCとソーシャルメディアの評価が「リード獲得」の指標でも同レベルになっているのも興味深いですね。ちょっと前までは「ソーシャルメディアはコンバージョンやリード獲得につながらない!」なんて話が横行していたと思うのですが。ソーシャルメディアがより拡大しているというのもあると思いますが、ウェブマーケッターもその場のコンバージョンのみ追求する短絡的思考から個客行動をより幅広く考えることができるようになってきたということでしょうか。インバウンドマーケティングやコンテンツマーケティングが叫ばれる時代です。

さて皆さんはこの調査報告、どう思われたでしょうか? — SEO Japan [G+]

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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