MFI時代のエンティティとインテントの理解:SMX West 2018レポート

最終更新日:2024/02/20

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本日モバイルファーストインデックス(MFI)への切り替えに関するアナウンスがGoogleより正式にありました。しかし、そもそもGoogleはなぜMFIへの切り替えを行うのでしょうか?人々が使用するプラットフォームがデスクトップからモバイルに移行しているからでしょうか。モバイルファーストインデックスの切り替えを行った先にGoogleが何を見ているのか、Cindy氏のセッションの内容をお届けします。–SEO Japan

スピーカー
Cindy Krum氏 MobileMoxie CEO
Leslie To氏 3Q Digital SEOディレクター
※Leslie氏のセッションはこちらの記事でご紹介しています。

モデレーター
Barry Schwartz氏 SearchEngineLand、RustyBrick

MFI時代のエンティティとインテントの理解(Cindy氏)

MFI時代のエンティティとインテントの理解

MFIとは何か

Cindy氏

モバイルファーストインデックス(Mobile-First Indexing)とは何なのかをもう一度考えてみる。

IMG_0489

  • モバイル(本来のmobileという単語の意味は「可動性の、流動的な」など移動性があること) ⇒ ポータブル、デバイスを問わない、目を使う必要すらない
  • ファースト ⇒ 「優先する」という意味「~のみ」ではない
  • インデキシング ⇒ システム的に順番付けられた情報

つまり、「モバイルファーストインデックス」は「デバイスの垣根を超えたエンティティの理解」を意味する。
この文脈において、URLはもはや必要ではない。

Googleのインデックスにおいては、URLリンクの関係性が重要。
しかし、URLベースのSEOは終わりを告げるだろう

PWA

まずは、PWAがその例である。ServiceWorker、AppShellで実現している。
PWA

Google Action

Google検索の検索結果画面でも出てくるが、Google アシスタント上で呼び出すこともできる。
アシスタントから呼び出せば、画面を見る必要はなく声だけで完結させられる。

例えば、OpenTableはこんなユーザー体験を提供している。
OpenTable
ディナーの予約がしたい
⇒ Googleアシスタントで呼び出す
⇒ 人数は?何日の夜?何時?どこで?などの質問に答える
⇒ データベースを参照
⇒ 予約完了

重複して予約しそうになっても、すでに予約済みだとして警告を出してくれる。

Googleアシスタントストア

Googleアシスタントストアが公開。声だけでアクティベートができる。
Googleアシスタントストア

Googleインスタントアプリ

データベースを簡易的にアプリのように見せるということが可能になる。
大きな小売事業者などでは、部門や建物全体で働いている人が全員ウェブサイトの管理に携わっているということがあり得るが、本来はそうあるべきではない。
彼らは本来はデータベースの管理に集中できるべきであり、Googleはそれを直接インデックスできるようになるべき。
これはURLに基づかないものであり、これこそがモバイルファーストインデックスである。

エンティティ理解

エンティティを理解するということは、AIを作り出すことに近しい。
エンティティ理解のための質問
検索をした時の本当のインテントを複数の選択肢の中から回答する ⇒ AIをトレーニングしている

インターネットにおいては無限のものが存在しうる。インターネットの前は百科事典が役割を担っていた。

Googleがやろうとしていることは、様々な言語に対応する必要があるため、とても大変な取り組みとなる。

しかし、バケツはどこでもバケツだし、他のものとの関係も場所柄によって大きく変わったりすることはない。
バケツはバケツ
もはやURLに基づいてやる必要はないし、実際URLはインターネットの発展への妨げとなるであろう。

エンティティを理解した後はどうするのか?
⇒物事を4つに分類する
4つのバケツ

それぞれ4つの種類(情報、マップ、ショップ、メディア)のうち、一つ以上のバケツに分類される。
例)CDはメディアとショッピングの両方に当てはまる。

GoogleマイクロモーメントにおいてはInfo(情報)が一番重要

情報

Googleアシスタントなどでニュースカードを表示すると、エンティティのレーベルが付与されていることがある。
国ごとの検索結果を出すのにCCTLDを使用していない=国ごとにアルゴリズムを変えていない。
Googleはモバイル端末、アカウントを基にパーソナライゼーションをしようとしている。

エンティティの理解は画像検索であれば簡単だが、言語が絡むと難しくなる。

munich、München、ミュンヘン、など表記や発音が異なっても同じ地点を表している

別の例でいうと、例えば「tulip movie」と調べれば、どの言語においても同じチューリップフィーバーという映画の画像が返される。
⇒Googleはキーワードではなく、エンティティを理解しようとしている
チューリップ 映画

また、「青い椅子」の画像はページ内に「青い」や「椅子」という表記が無くても認識される。

なぜこれらが重要なのか?
モバイルファーストインデックスはAIドリブンであり、たくさんのデータやフィードバックが必要なため、全ての言語ごとにAIは存在する。
これらのAIをひとつの言語、エンティティに集約すると、一つの機械学習アルゴリズムに集約される。

エンティティで関連づけられているからこそ、画像検索クエリに合わせて「ビデオ、GIFs、ニュース、レシピ、商品」などのタグが付与されている。
また、「関連する検索」というのもエンティティを理解している証拠である。
他の人はこちらも検索

Schema JSON-LDは英語ベースのマークアップであるが、これがSEOのエンティティ理解にとってのロゼッタストーンとなるであろう。

Googleアシスタントでチーズと検索すると、関連するエンティティや、AIトレーニングが出てきたり、検索ワードを一部入力すると、続きのワードを具体化しようとしてくる(大きなクエリのビッグデータ)アプリのディープリンクや、プレイリストの曲や閲覧履歴などのパーソナル情報などの情報も候補として出てくる。
チーズで検索

Googleはビッグデータとパーソナル情報を網羅しようとしている。

きっと未来のアルゴリズムは、パーソナルインテントがどれだけ含まれているのかを理解し、それに応じてビッグデータとパーソナル情報の比重を決めるはずだ。

マップ

また、Googleはマップ上でもフィードバックを得ようとしている
マップ上質問
Googleマップでは、その国の言葉に翻訳してから場所検索をする必要はない。
ドイツで「Groceries Store(食料品店)」と検索すれば、食料品店を検索してくれる。
どこの国だろうと大体同じものを売っているので、食料品店はどこに行っても食料品店である。これもエンティティを理解しているおかげである。

AIをトレーニングするとともに、個人の好みなどパーソナル情報も同時に得ようとしている

(質問例)
クレジットカードは使えるか?
混雑していたか?
車いすでも入れる?
景色は良いか?
ユニセックスのトイレはあるか?
ダンスしに行くところか?

これらの質問に答えることで、GoogleのAIのためにカテゴライズしているのである。

買い物

Schemaマークアップが重要である。
例えばWheelチーズを購入したいと思ったときに「固め」「パルメジャン」「$80以上」等の情報でソートできる。
また価格、販売主、色、サイズなど、Schemaの情報に応じて商品のフィルタリングができる。
パルメジャン

配送の事を考えて、近い販売事業者を選定して表示している。ロイヤリティカード(日本でいうポイントカード)の登録をしていればそれに応じて選んでくれる。

メディア

動画や音楽などのメディアをGoogleHomeやクロームキャストに転送することが出来る。
ポータブルメディア
CESでビルトインモニターについてアナウンスがあった。これにより生活の様々な場面でGoogleアシスタントが使用できるようになる。

Google Play、Google Play Movies & TV、YouTubeでは同じ映画を見ることが出来る。
YouTube Music RadioステーションはAIを使って、Pandoraに対抗している。しかし、自分の好みの曲を勝手にプレイリストに追加してしまう。
例:Eminemのプレイリストにカントリーの曲が追加されている。
YouTube Music

好みのジャンル選択:トピック ⇒ スポーツ ⇒ 野球 ⇒ チーム
Googleアカウントを持っていれば、パーソナルデータがクラウドに集約される。
野球チーム

今後画像を選択する形式の質問など、よりAIのトレーニングクエスチョンを増やすであろう。
実際、YouTubeは従来では広告を表示していたところを、トレーニングクエスチョンに変えている。
例)下記の業界で働いていますか?下記の内で聞いたことがあるものはありますか?
YouTube質問

まとめ

  • 「モバイルファーストインデックス」は「モバイルファースト」や「モバイルフレンドリーデザイン」とは異なる。
    それはエンティティの理解であり、どのエンティティも少なくとも4つ(情報、地図、買い物、メディア)の内1つの種類に分類される。
  • また、新しいインデックスの手法として、PWA、Googleアクション、Androidインスタントアプリなどがある。

URLベースではなくエンティティベースの理解というのがGoogleが最終的に目指すべきところであるとするならば、SEOのあり方も今後数年で大きく変わる可能性がありそうです。
とはいえ直近のモバイルファーストインデックスの対応としては、モバイルのページ形式に合わせて対策を行うが重要です。詳しくは、Leslie氏のセッションの内容をご覧ください。

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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