RankBrain(ランク・ブレイン)。人工知能は、既に、Googleの検索結果を処理している。

最終更新日:2024/02/16

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既に話題となっているRankBrainですが、Search Engine Landのダニー・サリバン氏も記事をアップしていたので、紹介させていただきます。Googleの検索アルゴリズムに機械学習の技術が使用されているということですが、Pubcon 2015のランド・フィッシュキン氏のキーノートでも話されていたように、ある程度自明のことであったと思います。今回は、Googleがその存在を、具体的な名前と使用率を共に公表したことで話題になっているといった状態ではないでしょうか。様々な方が言われている通り、(対象範囲の拡大や理解の深度は別として)RankBrainへの特別な対策が必要だ!、といった類のものではありません。ディープラーニングが導入されればアルゴリズムの仕組みが誰もわからなくなる、といったことが起こるかもしれませんが、おそらく数年先の話でもっと別の形での発表となる気がしています。– SEO Japan

機械学習を用いた人工知能はGoogleの検索クエリの15%を処理している。

*記事内のリンクは全て英語となっています。

RankBrain(ランク・ブレイン)が、Googleのエンジニアが手作業で構築していた検索アルゴリズムを隅に追いやっている。RankBrainは機械学習を用いた人工知能であり、Googleの1日における検索結果の15%を処理するために使用されている。

しかしながら、 ハミングバードとして知られている、Googleの検索アルゴリズムに完全に取って代わるものではない。このアルゴリズム(ハミングバード)は、最適な検索結果を提供するために、ユーザーが探しているものと何十億のページの詳細な確認を処理するシステムである。

RankBrainはクエリを解釈するための新しい方法か?

RankBrainは、検索者が何を探しているかを解釈し、様々な形でその答えを提供する方法を理解するアルゴリズムの、一部のようなものと思われる。

例えば、ユーザーが”Barack(オバマ大統領のファーストネーム)”と検索したとしよう。かつては、Googleやその他の検索エンジンは、その検索語と完全に一致した単語を記載したページを探していた。しかし、ここ数年(特にハミングバードが登場した2013年以降)は、Googleは言葉と言葉の関連性をより深く理解できるようになっている。”Barack”の検索については、 “US President(アメリカ 大統領)”、 “Barack Obama(バラク オバマ)”、”Michelle Obama’s husband.(ミシェル オバマ夫人)”といったクエリにマッチするページや情報を返している。

Bloombergが、Googleのシニア・サーチ・サイエンティストでRankBrainにも関わっている、グレッグ・コラード氏へのインタビュー記事をスクープしている。

RankBrainはクエリを処理する新たな方法であるようで、今まで使われていた方法よりも、さらに進化したものであるようだ。下記に、Bloombergの記事を引用する。

RankBrainは大量の(文章による)言語を、コンピューターが理解することができる、ベクター(vectors)と呼ばれる機械的なエンティティへと組み込むことに、人工知能を使用している。RankBrainが馴染みのない言葉やフレーズを見つけた場合、その言葉の意味に近いフレーズなどを推測し、それに従って検索結果をフィルタリングする。これにより、今まで見たことのない検索クエリ、への対処をより効果的に行うことができるのだ。

RankBrainは3番目に重要なシグナル?

記事によれば、現在はクエリの15%がRankBrainによって処理されているようだ。また、ランキングにおける、3番目に重要なシグナルとも書かれている。

コラード氏によれば、RankBrainはGoogleの検索結果に何を表示し、どの順位に位置づけるかを決定するアルゴリズムを構成している、”数百”ものシグナルの中の一つであるとのことだ。導入されてから数ヶ月で、RankBrainは検索結果に影響を与える、3番目に重要なシグナルになった、とも述べている。

これについての補足を加えておこう。ランキング・シグナルはページの品質に関連付けられる何かであり、そのページに向けられているリンクやページ内の単語(言葉)などが例として挙げられる。Googleは数百ものランキング・シグナルを使用しており、その内の大部分は、当ブログのこちらの記事(Periodic Table Of SEO Success Factors)にまとめられている。

RankBrainは、実際はおそらく、ランキング・シグナルではなく、クエリを処理するツールであるだろう。Bloombergを再度引用するが、その中では、ランキングへの使用も示唆している。

今のところ、RankBrainは人工知能の宣伝としての役割を果たしている。アルゴリズムの構築に長い時間を費やしてきたGoogleのエンジニアが、幾つかのページを詳細に確認するように言われた。そして、Googleの検索エンジンがトップに表示するであろうページを選ばされた。人間による推測は70%の正答率であったが、RankBrainは80%の正答率であった。

RankBrainについては、今後も情報を集めていく予定だ。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Meet RankBrain: The Artificial Intelligence That’s Now Processing Google Search Results」を翻訳した内容です。

繰り返しになりますが、今回の内容は、Googleが既に導入している技術の紹介といったもので、今後目指すべき場所が変更された、といったことではありません。しかし、既に言われている内容の重要度や注目度は増していく契機になるかなとは思います。長めで細かく、過去に同一の検索は少ない(モバイルで多い)といったクエリの処理に用いられているようですが、モバイル検索とロングテール検索の増加は当たり前のことに思われています。そして、検索エンジンフレンドリー(構造化データなど)やユーザーフレンドリー(表示速度など)といった、大事と思われている要素が今後ますます必要という認識が広がるかもしれません。AIへの投資は、Facebookを始め、様々な企業が積極的に行っている部分ではありますが、Google以外の企業もこうしたアナウンスを積極的に行うようになればおもしろいですね。

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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