CMW 2014-優れたストーリーテラーが即座に行動を喚起させるために行っていること

最終更新日:2024/02/28

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2014年9月8日から9月11日にかけて、オハイオ州クリーブランドで開催された、Content Marketing World 2014に参加してきました。このイベントのホストであるJoe Pulizzi氏のオープニングキーノートの次に登場したのは、ベストセラー作家のAndrew Davis氏。ストーリーテリングのパワーが大きな影響力を創り出すことについて語る、非常にエネルギッシュなスピーチでした。
— SEO Japan

原題:Inspired Content: How Brilliant Storytellers Create a Sudden Urge to Act
Speaker:Andrew Davis( Author of Brandscaping: Unleashing The Power of Partnerships )


ファネル
1898年に作られたセールスファネルのモデルを、現在も多くのマーケターが使用している。注意をひき、興味を持たせ、購買へとつながるプロセスをモデル化したものだ。ちょうネクタイ型、ミラードトライアングル型、クラウド型など、進化はしているが、基本的には同一のものだ。

新しい考え方。ここ10年で劇的に変化。
インターネットの黎明期はプトレマイオスの天動説のようなものだった。自分を中心に周りが動いていたため、Webサイトを構築し、人々をそこに呼び込んでいた。現在は、検索を中心とした世界が構築されており、ガリレオの地動説のそれに似ている。

あなたのWebサイトは既に世界の中心ではなくなっている。そして、全ての企業の課題は、その中心に少しでも近づくことである。

では、Googleが世界の中心なのか?
検索はGoogleだけではない。YelpやFacebookやAmazonもそれに加わるだろう。検索が中心となっている世界では、消費者の行動が複雑化しており、典型的なファネルのようなものではなくなっている。検索が繰り替えし、連続して行われているのだ。

ミートローフの例
今夜の夕食はミートローフにしようと思った。レストランを検索していたが、自分で作ろうと思い、レシピをAmazonで予約した。途中でミートローフの歴史が気になり調べていると、カロリーを把握したくなった。Facebookでミートローフを調べているグループと友達になり、最新のニュース記事も確認する。Twitter上で友人がミートローフについてつぶやいているかを確認しながら、先ほど予約したレシピ本をキャンセルした。最終的にはミートローフを題材とした音楽を調べるに至った。

Moment of InspirationとMoment of Purchase
Moment of Inspirationは行動を喚起するトリガー。上記の例ではミートローフ。ブランドがこの段階に存在していれば、消費者が購入を決定する、Moment of Purchaseまで導くことができる。この、MOIとMOPを繰り返すことで、ロイヤリティーループが形成される。

ストーリーテリングがMOIを創り出す。
多くのコンテンツがMOPの直前のために作成されている。しかし、実際はMOIのためのコンテンツ作成が重要だ。生肉の写真ではなく、ステーキの写真がMOIとなる。(そして、生肉の購買につながる。)

エンターテイメントのエグゼクティブのように考える。
ストーリーテリングは非常に困難である。映画のストーリーを組み立てるように考えるべきだ。ファインディング・ニモの影響で、クマノミを飼いたいと思う人が増え、水槽や餌の需要が高まる。バッドマンに登場したラッキーストライクも同様の例だ。価値のあるコンテンツは、あなたのサービスと製品の需要を飛躍的に高めることができる。

このような映画(コンテンツ)をあなたが作れたら、どうなるか?コンテンツ以上に消費者の文化に影響を与えることが出来るものはないのだ。

インスピレーションをつくるための4つのキー
1.サスペンスを構築する。
不安を生み出すことで、その先がどうなるかと結末が気になる。オーストラリアに本社を置く、グローバルなキッチングッズメーカーであるBrevilleが作成した動画、”Fat, Sick, and Nearly Dead“はその好例といえる。主人公であるJoeは医師も匙を投げるほどの肥満であったが、発電機とジューサーのみをしたがえ、3,000マイルの旅にでる。旅中、ジュースのみを摂取し、様々な人と出会う。物語の最後に彼は心身共に健康になるのだが、このムービーは多くの人に注目され、結果として同社のジューサーの売上に大きく貢献した。

2.魅力的に見せる。
有益なロジスティクスに関する情報を提供している、DC Velocity が作成した配送センターを紹介するビデオは非常に効果的だった。配送という一見地味な業界でも、例えば木材が生産された後どのように運ばれているかを魅力的に見せることで、多くの注目を浴びた。こちらの動画は、日本のNHKでも取り上げられ、アジアに進出出来る機会を得ることに成功した。

3.共感を得る。
IBMはWatsonというマシンをクイズ番組に出演させた。最新のテクノロジーが人間のように考えることができることを紹介するため、身近な存在としてアピール。多くの人が見ているテレビ番組に”出演”させることで、多くの人の共感を得ることに成功。

4.感情に訴える。
感情は行動を起こし、理由は決断を生む。デンマークのTV番組、Arvingerneは、母の死後、遺産相続を巡って家族の問題を扱うドラマだ。このドラマの放映後、弁護士への相続の相談を加速させた。感情に訴えるコンテンツは、人々のアクションを導く好例と言えよう。

あなたがMOIを作り出すことができたらどうなるか?
この二日間でその重要性を理解して欲しい。このスピーチで私があなたのモーメントオブインスピレーションをつくりだせたら幸せだ。

非常に濃い内容であったため、多くを掲載しました。スピーチの内容もさることながら、動きのあるカッコイイ資料、情熱的な話し方、ユーモアのある立ち振る舞いなど、非常に印象的なスピーチでした。このスピーチを聞いた多くの人が、コンテンツマーケティングへのインスピレーションを受けたと思います。こうしたスピーチを初回にもってくることで、このイベントへの期待は非常に高まったと感じました。
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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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