Googleのリアルタイム検索が無くなった余波

Googleのリアルタイム検索が知らない間に消え去ってしまったことに驚いた人も多いでしょう。SEO Japanでもその経緯について一度説明しましたが、経緯はともかく、リアルタイム検索ができなくなったことで困っている人も意外と多いのではないでしょうか。今回、サーチエンジンランドがGoogleのリアルタイム検索終了の余波や、他に使えるリアルタイム検索サービスについてレビューした記事を見つけたので早速紹介します。 — SEO Japan

先週の金曜日、ツイッターは密かにグーグルにつながれていたツイートのデータの“ファイヤーホース”を抜いていた(日本語)。ガソリンの供給をやめたガソリンスタンドのように、グーグルは、事実上グーグルのリアルタイム検索サービスに「閉店」の張り紙を掲載しなければならなくなった。その結果、ツイッターと言う名のガソリンを得るためにグーグルに頼っていた人達に何が起きたのだろうか、そして、今後何が起きようとしているのだろうか?以下にこの件に関する考えとアドバイスを幾つか挙げていく。

トプシーがツイッターのアーカイブ検索を提供

まず、グーグルのリアルタイム検索に代わる素晴らしいサービスを紹介しよう: Topsy(トプシー)だ。

トプシーは、ツイッターのアーカイブ検索サービスが、同社しかない点を伝えるブログのエントリを投稿している。

確かに。100%正確な事実である。トプシーは2010年の8月に範囲を拡大しており、以下のレビューではトプシーが提供する機能の幾つかを詳しく説明している:

事実、トプシーはグーグルよりも過去に遡っていた。グーグルは2010年2月よりも過去にインデックスを拡大すると約束していた。しかし、実際にこの約束が果たされたとは私は思わない。

トプシーは、以前私が報告したように今でも2008年5月までインデックスを遡っていると述べている。

ビングもファイヤーホースを抱えるものの、アーカイブとは呼べない

グーグルとは異なり、トプシーは今でもツイッター経由の「ファイヤーホース」のデータにアクセスすることが出来る(それ以上の詳細は明かしていない)。これが今でもこのサービスが存続している最大の理由である。

マイクロソフトのビング検索エンジンもまたファイヤーホースのデータにアクセスすることが出来る。しかし、ビングソーシャル検索は数時間前までしか遡ることが出来ない。

ビングのツールは、ツイッターの検索エンジンのように、ツイッターおよびその他のアップデートサービスで、現時点で何が話題になっているのかを検索することに重点を置いている。過去の検索を行うサービスを目指しているわけではない。

ツイートを起源とするツール

グーグルのリアルタイム検索の終了を嘆き悲しんでいる人達のなかには、ツイッターでの人気の高いをトピックをツイッターが生まれた頃まで遡って調べようとしている人もいるのではないだろうか。それなら、What The Trend(ワット・ザ・トレンド)が役に立つかもしれない。今後その他のサービスも取り上げていくつもりだ。以下にこのトピックに関する過去の記事を挙げていく:

ツイッター自身のアーカイブはどこ?

現時点で、ツイッターが出来るだけ過去に遡って検索をさせないのは変だと考えている人もいることだろう。確かに奇妙である。しかし、ツイッターは敢えてそうしているのだ。

ツイッターは、ユーザーにとって重要だと思え、パートナーが提供していないような検索製品を作りたいと何度も主張している。

ツイッターのエンジアリング部門を統括するマイク・アボット氏は昨年私に次のように説明していた:

グーグルが[アーカイブ検索]を行ってくれているので、プレッシャーが若干弱くなった。私達はこの世界のどこでイノベーションを行い、ツイッターだけの経験を促進すればいいのだろうか?

ツイッターが素晴らしい検索ツールを作ったことは間違いない。以下のエントリではこの点をもう少し詳しく説明している:

以下のエントリではアーカイブ検索およびツイッター全体の課題を説明している:

アメリカ議会図書館について…

話しは変わるが、ツイッターがツイートを米国議会図書館に送り続けている件を覚えているだろうか?これはある意味アーカイブだが、誰でも検索することが出来るわけではない。

また、プライバシーの問題も思い出してもらおう。ツイートを削除することは可能だが、ツイートを公開した日から半年以内に削除しなかった場合、そのツイートは議会図書館に保存されてしまう。

つまり、データを受け取るまでに6ヶ月間の遅れが生じているのだ。この6ヶ月を経過すると、遠い未来、廃墟となったDCで誰かにそのツイートを見られてしまうだろう。

グーグルに何が残るのか?

グーグルは、定期的なクロールで見つけたツイートには今でもアクセスすることが出来る。要するに、定期的にグーグル検索を行っているなら、ツイートを見つけることが出来るのだ。ただしあまり焦点が絞られているわけではないので、次のエントリで紹介すり検索テクニックを参考にしてもらいたい:

私は役に立ちそうな隠れたコマンドをグーグルが持っているかどうか確認している。その中でも最も優れているコマンドを紹介しておこう:

site:twitter.com/accountname

このタイプの検索は、特定のユーザーのツイートに検索を限定する効果がある。

グーグルで見込まれるツイートの遅れ

しかし、本日、この検索を行っていると、グーグルが現在抱えるツイートの問題が既に表面化していた:

これは私が昨日送信したすべてのツイートである。今朝送信したツイート(少なくとも4本は送信した)は表示されていない。また、自動的にツイートのタイトルが作成されていないため、ツイートの内容が全く分からないと言うさらに大きな問題も浮上している。

新しいツイートを探そうとしても見つけることは出来なかったが、奇妙にも他の人にリツイートされたものが掲載されていた:

困ったことに、自分のツイートが表示されていないにも関わらず、アグリゲータのツイートが表示されているケースにも何度か遭遇した:

この結果は聞いたことがないInagistと言うサイトに導き、さらに私がツイッターからyfrogにアップロードした写真までエンベッドしていた。困ったものだ。

私のツイートが見つからなかったことだけは確かであり、これはグーグルにとっても、そして、ツイッターにとっても問題である。しかし、今はグーグルの問題に焦点を絞って考えてみよう。

ツイッター、グーグル & ニュースの共有

グーグルもまた、ツイッターのデータを様々な用途で利用している。その一つが、ニュースの記事の共有された数、または、人々がニュースのトピックに関連して行っているアップデートの数を見せるための利用である。昨年10月に投稿したサーチエンジンランドのエントリで、幾つか例を挙げている:

今日に関しては、あまりこのデータは反映されていないようだ。しかし、時折このデータが表示されることがある:

深追いすると、エラーメッセージが表示される:

ツイッター、グーグル & ソーシャル検索

グーグルはツイッターを使って、グーグルソーシャル検索サービスでつながりを作る支援を行い、そして、ツイッターで同じネットワークの人達によって共有されているコンテンツを全面に押し出そうとしている。2月に投稿したエントリでは幾つか例を挙げ、この点を詳しく説明している:

今日に関しては、今でもグーグルは明らかに通常のクローリングを通してツイッターで共有されている内容を確認しているようだ。

一番下の行を見ると、グーグルが、このストーリーがツイッターで共有されている旨を伝える仕組みが分かる:

しかし、興味深いことに、本日、別の新しい情報が掲載されていた:

今回、「shared this」エリアの「Matt Cutts」の上を通ると、新しいグーグル+ソーシャルネットワークでカッツ氏につながっている旨のメッセージが表示された。

グーグル+は、グーグルが、フェイスブックの壁の内側に閉じ込められてしまうと恐れていたデータを集めるための手段と見られていたが(スティーブン・レヴィー氏がワイアードに投稿したエントリに目を通してもらいたい。優れた作品であり、グーグルもこの点に関しては事実上認めている)、ここにきてツイッターのバックアップとしても役に立つことが判明している。

今のところ、このバックアップは、ソーシャルのつながりを形成する上で役に立つと見られている。しかし、今後、グーグルプラスの投稿によって稼働する、グーグルのリアルタイム検索が復活する可能性はある。

リンクジュースの損失

ついにグーグルはツイッターでの共有をランキングシグナルとして使い、リストアップするコンテンツの質を特定する際に役立てるようになった。これはグーグルのリアルタイム検索での結果に大きな影響を与えたものの、別の使い道もあった。次のサーチエンジンランドのエントリで詳しく取り上げている:

SEOmozでは、ファイヤーホースが無くなったことが、SEOの取り組みに影響を与えたかどうかをテストしている。個人的にはこの結果はあまり要領を得ないと感じたが、目を通しておくことを勧める。

ツイートされたリンクが再びnofollowになった点は大きな変化である — つまりリンクのクレジットを運ばなくなったのだ。

私が投稿した「GoogleとBingが本気で当てにするソーシャルシグナルの働きとは」の記事でも説明したように、ツイッターのファイヤーホースでは、リンクにはnofollowが加えられなかった。つまり、多くのリンクジュースが蒸発してしまったことになる。パブリッシャー、そして、グーグルにどのような影響が及ぶのかは、現時点では分からない。

グーグルの言い分…

私は、ツイッターのファイヤーホースが閉じられた影響について、グーグルの全ての検索製品を監督するアミット・シンガル氏と話をした。シンガル氏は、グーグルは以前ほどツイートを素早く入手することは出来なくなるものの、遅れは数秒から数分間に伸びる程度だと述べていた。私が行ったテストを参考にすると、場合によっては数分程度の遅れでは済みそうもない。

また、シンガル氏は、グーグルは以前ほど広範囲にわたってツイートを集めないだろうと話していた。正確にはグーグルはツイッターのサイトをクロールし、すべてのツイートを送信された時点で集める能力を持っているが、そうするとツイッターがクラッシュしてしまう可能性があるとシンガル氏は推測していた。検索エンジンは、クロールし、データをあまり早く集めないように“注意”しており、サイトのユーザーに影響を与えないように心掛けているのだ。

ソーシャル検索に関しては、シンガル氏は、現時点ではツイッターの変化がもたらす影響は定かではないと答えていた。しかし、同氏はグーグルが、ウェブの特定のページが獲得した共有された数、またはツイートの数を既に計算しなければいけない状況に身を置かれていたと明言した。つまり、グーグルはこのカウントを継続することは可能だが、カウントの総数、そして、どれだけ早く共有されているかを理解するには時間がかかると言うことだ。

また、グーグルリアルタイム検索の損失に関する質問も投げかけた。リアルタイム検索は大規模なグーグルのプレスイベントの一環として立ち上げられ、メインの結果に一部のリアルタイムの結果が組み込まれていた。どれだけ重要か、そして、どれだけ有効かを派手にグーグルは宣伝していた。そのリアルタイム検索が無くなったことで、グーグルにはマイナスの影響が出ないのだろうか?

「引き続き提携を維持しているのが理想だが、現状でも問題ないと言う決断を下した。」とシンガル氏は述べた。

また、同氏は、契約が更新されなかった結果として、ファイヤーホースがツイッター側で無効にされたと強調していた。グーグルは、その他の一部のリアルタイムのコンテンツも利用していたものの、ツイッターのコンテンツに頼り切っていたため、リアルタイム検索を完全に閉鎖しなければならなくなった点について、このような感情を持っているのだろう。

ユーザーはグーグルリアルタイム検索がなくて不自由しているのか?

「現状でも問題なし」と言う点についてグーグルの主張は的を射ているかもしれない。確かに私はリアルタイム検索がなくて寂しい。グーグル曰く、ジャーナリストも復活を望んでいるようで、グーグルは契約を結ばなければどうすることも出来ない点を説明したようだ。ニコラス・カー氏は、今回の突然のリアルタイム検索の消失がもたらした“衝撃”に関する記事を綴っている

しかし、全体としては、誰も文句を言っていないようだ。サービスが突然閉鎖する際に現れる大量の“何が起きたんだ?”ツイートは見られなかった。反対にナビゲーションバーを黒くしたグーグルの変更の方が遥かに多くの反対意見を醸し出している。

サーチエンジンランドのニュースエディター、バリー・シュワルツは、自身のサイト、サーチエンジン・ラウンドテーブルで情報を掲載するため、頻繁にグーグルのフォーラムおよび検索フォーラムに目を通しているが、そんなバリー・シュワルツが、リアルタイム検索が無くなったことに不満を持つ人達は、新しいナビゲーションバーに関して不満を持つ人達のたった5%前後にしか満たないと教えてくれた。

グーグルが昨年AP通信と協定を結ぶことが出来なった件を思い出す。約1ヵ月間、APのコンテンツがグーグルニュースから姿を消したが、事実上、誰も気づかなかった。

それでも、ニュース速報に関する大きなテストが行われると言っておこう。女優のブリタニー・マーフィーが亡くなったとき、リアルタイムの結果がグーグルの関連性をどれだけ改善するかを調べる初めての大きなテストが行われ、大きく改善したことが判明した。グーグルは有益なアイテムを失くしてしまったのだ。

ツイッターにとっても問題である

当然だが、ツイッターもまた有益なアイテムを失くしてしまったことになる。先程も説明した通り、ツイートを探して、グーグルで見つけられない状況は好ましくはない(グーグルで探す場合)。多くのユーザーがグーグルを利用するだろう。なぜならツイッター自身がそうするようにユーザーを仕向けてきたからだ。今のところ、そのツイッターは、過去のツイートを見る方法に関するツイートやブログの投稿を行っていない。

ツイッターにとって、グーグルは今でも多くのトラフィクを運んでくれるサービスである点は非常に重要である。それにも関わらず、ツイートを探している人達は、公式のアグリゲータ、もしくは非公式のスクレイパーを見つけるようになってしまうだろう。これがツイッターの収支に貢献するとも思えないし、良質なユーザーエクスペリエンスとも言い難い。

ちなみにツイッターは私が当初報告(日本語)した以上のことは明かしてない –

2009年の10月以来、ツイッターは、グーグルのリアルタイム検索製品に組み込むため、そして、その他の利用のために公開されているツイートのストリームをグーグルに提供してきました。この契約はたった今満了しました。私達はマイクロソフト、ヤフー!、NTT ドコモ、ヤフー!ジャパン、そして、その他の多くの小規模な開発者に対しては、このタイプのアクセスを継続して提供していきます。そして、グーグルとは多くのその他の面で連携しています。

何が起きたのか

なぜ契約が更新されなかったかは誰も明かしていない。マイクロソフトと同時期に契約が結ばれたものの、マイクロソフトの契約は現在も続いている。しかし、マイクロソフトの契約が更新されたのではなく、まだ契約期間が残っているだけだと私はにらんでいる。

マイクロソフトはこの契約について次のように説明してくれた:

契約の内容を開示することは出来ないものの、これは長期に渡る契約であり、私達は満足している。そのため、ビングのユーザーにメリットを与える限り、継続していくつもりだ。

このニュースが明らかになった後、この謎を解明する情報を得た。検索スタートアップを運営している複数名のCEOによると、グーグルは年間3500万ドルで2年間契約を更新(合計7000万ドル)する交渉を行っていたと言う噂が流れているようだ。

グーグルにとっては大した額ではないのかもしれないが、同社にはライセンス料を払うと言う概念がないため、やはり大金なのかもしれない。

前回の契約は1500万ドルだったと噂されているが、これは過去に例を見ない金額であった。ツイッターの広告をグーグルに掲載し、ツイッターのブランディングを行ったことを考えれば、紛れもなく類を見ない契約であった。この件については、TwitterのプロモーティドツイートがGoogleにやって来たでさらに詳しく説明している。

そのため、他の問題ほどお金の問題はネックではなかったのかもしれない。これは、情報を提供してくれた人物が教えてくれたもう一つのニュースに結びつく: マイクロソフトはツイッターとの関係に満足しておらず、小規模なスタートアップが無料でファイヤーホースへアクセスすることが出来る状況では、料金を支払う価値を見出していないようだ。そして、ツイッターとの契約を更新せず、第三者からデータを借りうけるライセンス契約を結ぶ可能性があると言われている。

警告しておこう。この人物から情報を供与されたのは今回が初めてであり、提供される情報が常に正しいと保証することは出来ない。完全に的を外れている可能性も考えられる。もっとよく知っていて、もっと多くの情報を知っているなら、連絡を取ってもらいたい。聞く耳は持っている。

私はこの情報を持ってグーグル、マイクロソフト、そして、ツイッターに再びコンタクトを取った。ツイッターは前回と同じことを繰り返すだけだった。グーグルも同じであった。マイクロソフトからは契約に関する上のメッセージが与えられ、また、噂や推測に関するコメントはしないと言われた。

実際にはマイクロソフトは、グーグルやツイッターと同じように、利益になると判断した場合は、噂や推測に関するコメントを出している。

私はさらにマイクロソフトに対して、広範囲のツイッターアーカイブ検索を作成する予定はあるかと尋ねると、次のような答えが返ってきた:

今後の製品の計画については話しをしていないものの、近い将来アーカイブを拡大する計画は立てていない。

現時点で分かっていることはこれだけだ。過去のツイートを探しているなら、是非トプシーをチェックしてもらいたい。ツイッターとグーグルについては、今後も新しい情報が入り次第、伝えていく。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google Realtime Search & The Aftermath Of The Google-Twitter Split」を翻訳した内容です。

リアルタイム検索が終了したことを気にしていないユーザーが多いという状況には個人的にほぼ毎日リアルタイム検索を使っていただけに意外でした。もちろんだからこそGoogleも終了させたのでしょうけど。仕方ないので今はTopsyを使っていますがインターフェースにまだ慣れ切っていませんが日本語も通じますし意外と便利です。とはいえ中長期的にはGoogleもどうにか対応していきたいところでしょうね。Google+がブレイクして十分なリアルタイムな投稿がどこまで増えてくるかも重要なポイントになってきそうです。GoogleとFacebookの争いを注目されがちですが、GoogleとTwitterのリアルタイム分野での覇権争いも今後激化してきそうな予感。 — SEO Japan

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