米国の大企業(Fortune 100)とスピード勝負!

公開日:2010/05/06

最終更新日:2024/02/17

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Googleがサイトの表示速度が検索結果の順位ランキングの影響要素となる、と発表してから少し時間が経ちましたが、何か具体的に対策を行っているサイトはあるでしょうか?自分のサイトのスピードが速いのか遅いのか、平均値が分からず何となく不安に思っている方も多いでしょう。今回は、フォーチュン100に選ばれた米国の大企業のウェブサイトの表示速度を実際に調査したレポートを紹介します。あなたのサイトと比べてみては? — SEO Japan

GoogleとYahoo!お墨付きのスピードをウェブページにもたらそう

先月の初め、グーグルはサイトのスピードを、今後、検索結果でページをランク付けするためのランキングのシグナルとして考慮すると発表した。

ヤフー!もまた、昨年、ページのロードおよびページのレンダリングの時間をランキングのシグナルとして利用する仕組みを説明する特許を申請していた。私はこの件が公表された直後に、「ページのロード時間がSEOに影響を与えるのか?」と言うエントリを投稿し、ヤフー!やその他の検索エンジンが、ウェブページのユーザーエクスペリエンスを含む、ページのスピードに関する異なる要素をどのように考えるのか詳しく調査した。

グーグルのマット・カッツ氏は、先日のグーグルの発表に関して、エントリを投稿し、詳細を明らかにすることで、この変更によって実際に影響を受けるクエリは1%以下になるだろうと述べた。

得をするのは誰?

影響を受けるクエリの数が少なくとも、サイトのスピードを上げることで得られるメリットはたくさんある。また、検索エンジンのアルゴリズムへの変更点や他のサイトが検索結果のランキングを改善するために行う変更点とは異なり、サイトのスピードは自分で管理することが出来る。

カッツ氏もブログのエントリの中で、この変更により大きなサイトよりも小さなサイトが、スピードを上げ、ビジターのエクスペリエンスを改善することで得をすると述べていた。

同氏の意見を考慮し、私はページのスピードに関して大きなサイトのスピードを知りたくなった。そこで、2009年版のフォーチュン 100に入っている企業のホームページをチェックしたところ、スピーディーなウェブサイトを作成することが、経済的にとても楽だと言う事実に気づくのではないかと感じた。

検索エンジンのスピードツール

グーグル・ウェブマスター・セントラルのブログのエントリによると、サイトのオーナーやウェブマスターが自分のサイトの速さを見ることが出来るツールが多数存在するようだ。そのうちの2つはグーグルとヤフー!が提供している。どちらも便利であり、試す価値はあるだろう。

双方ともファイヤーフォックスのアドンであり、ファイヤーバグを利用することが出来る。グーグルのツールがページスピードで、ヤフー!のツールがYスロウだ。

Yスロウを異なるタイプのサイトに利用することが出来るように、設定の選択肢も豊富に用意されている。ブログや小さなサイト用の設定があり、その他の2つの設定、Yスロウ(V2)とクラシック(V1)は、ページのスピードのパフォーマンスを、Yスロウ・ユーザーガイドで定められている一連のスピードパフォーマンスルールに基づいて決める。

グーグルのページスピードもまた、ウェブ・パフォーマンス・ベスト・プラクティスとグーグルが呼ぶルールに基づいている。

ページスピードとYスロウによるフォーチュン 100のランキング

以下の2つの表に、2009年のフォーチュン 100の企業をリストアップした。1つ目の表はページスピードのスコアによるランキング、そして、2つ目の表はYスロウのスコアによるランキングとなっている。この表を見ることで、自分のサイトがこれらの企業のサイトと比べて、どれだけ速い(遅い)のか把握することが出来るだろう。

私はYスロウ(V2)のセッティングをこれらのサイトに利用したが、小規模なサイトやブログを運営しているなら、「Small Site or Blog」を利用することを勧める。

ページスピードによるFortune 100のランキング

企業名 フォーチュン 100 ランク ページスピード Yスロウ
Deere 87 90 90
CHS 72 89 76
News Corp. 70 88 73
Enterprise GP Holdings 65 88 77
Target 28 86 69
General Electric 5 86 69
Walt Disney 60 85 64
General Dynamics 83 85 75
Dell 33 85 75
American Express 74 85 78
Hewlett-Packard 9 84 80
Amerisource Bergen 26 84 75
Humana 85 83 82
Wells Fargo 42 82 78
United Parcel Service 43 82 81
United Health Group 21 82 71
Motorola 78 82 64
Johnson & Johnson 29 82 69
Conoco Phillips 4 82 66
Wal-Mart Stores 2 81 68
Sysco 62 81 76
Microsoft 35 81 69
HCA 88 81 74
Time Warner 48 80 72
PepsiCo 52 80 65
Lockheed Martin 54 80 74
International Business Machines 14 80 70
Ingram Micro 67 80 74
Coca-Cola 73 80 70
Tesoro 91 79 65
Safeway 50 79 68
Occidental Petroleum 98 79 69
McKesson 15 79 71
DuPont 75 79 71
Cisco Systems 57 79 63
WellPoint 32 78 77
Sears Holdings 49 78 74
Murphy Oil 92 78 71
Medco Health Solutions 45 78 80
Liberty Mutual Insurance Group 86 78 76
Kraft Foods 53 78 71
Emerson Electric 94 78 66
Best Buy 56 78 64
Macy’s 96 77 66
Chevron 3 77 65
Archer Daniels Midland 27 77 68
Supervalu 51 76 71
Rite Aid 100 76 68
Plains All American Pipeline 79 76 68
Northrop Grumman 69 76 72
Hess 55 76 78
Goldman Sachs Group 40 76 74
Citi group 12 76 63
Cardinal Health 18 76 70
AT&T 8 76 66
Abbott Laboratories 80 76 75
Walgreen 36 75 64
Intel 61 75 65
FedEx 59 74 80
Boeing 34 74 67
Bank of America Corp. 11 74 64
Apple 71 74 73
Alcoa 90 74 73
Aetna 77 74 64
Valero Energy 10 73 61
Tyson Foods 89 73 63
Travelers Cos. 99 73 65
TIAA-CREF 82 73 59
Prudential Financial 84 73 65
Morgan Stanley 30 73 66
Johnson Controls 58 73 61
International Paper 97 73 64
Ford Motor 7 73 58
Dow Chemical 38 73 64
Caterpillar 44 73 69
3M 95 73 70
State Farm Insurance Cos. 31 72 65
Procter & Gamble 20 72 58
Costco Wholesale 24 72 64
Berkshire Hathaway 13 72 95
Philip Morris International 93 71 55
MetLife 39 71 61
Sprint Nextel 64 70 64
Marathon Oil 23 70 59
Kroger 22 70 61
Home Depot 25 70 61
General Motors 6 70 64
Allstate 81 70 60
Sunoco 41 69 71
Honeywell International 63 69 63
Exxon Mobil 1 69 64
CVS Caremark 19 69 65
New York Life Insurance 76 68 63
Comcast 68 68 63
Lowe’s 47 67 66
J.P. Morgan Chase & Co. 16 67 67
Pfizer 46 66 58
United Technologies 37 65 51
GMAC 66 65 57
Verizon Communications 17 60 57

Yスロウによるフォーチュン 100のランキング

企業名 フォーチュン 100 ランク ページスピード Yスロウ
Berkshire Hathaway 13 72 95
Deere 87 90 90
Humana 85 83 82
United Parcel Service 43 82 81
Medco Health Solutions 45 78 80
Hewlett-Packard 9 84 80
FedEx 59 74 80
Wells Fargo 42 82 78
Hess 55 76 78
American Express 74 85 78
WellPoint 32 78 77
Enterprise GP Holdings 65 88 77
Sysco 62 81 76
Liberty Mutual Insurance Group 86 78 76
CHS 72 89 76
General Dynamics 83 85 75
Dell 33 85 75
Amerisource Bergen 26 84 75
Abbott Laboratories 80 76 75
Sears Holdings 49 78 74
Lockheed Martin 54 80 74
Ingram Micro 67 80 74
HCA 88 81 74
Goldman Sachs Group 40 76 74
News Corp. 70 88 73
Apple 71 74 73
Alcoa 90 74 73
Time Warner 48 80 72
Northrop Grumman 69 76 72
United Health Group 21 82 71
Supervalu 51 76 71
Sunoco 41 69 71
Murphy Oil 92 78 71
McKesson 15 79 71
Kraft Foods 53 78 71
DuPont 75 79 71
International Business Machines 14 80 70
Coca-Cola 73 80 70
Cardinal Health 18 76 70
3M 95 73 70
Target 28 86 69
Occidental Petroleum 98 79 69
Microsoft 35 81 69
Johnson & Johnson 29 82 69
General Electric 5 86 69
Caterpillar 44 73 69
Wal-Mart Stores 2 81 68
Safeway 50 79 68
Rite Aid 100 76 68
Plains All American Pipeline 79 76 68
Archer Daniels Midland 27 77 68
J.P. Morgan Chase & Co. 16 67 67
Boeing 34 74 67
Morgan Stanley 30 73 66
Macy’s 96 77 66
Lowe’s 47 67 66
Emerson Electric 94 78 66
Conoco Phillips 4 82 66
AT&T 8 76 66
Travelers Cos. 99 73 65
Tesoro 91 79 65
State Farm Insurance Cos. 31 72 65
Prudential Financial 84 73 65
PepsiCo 52 80 65
Intel 61 75 65
CVS Caremark 19 69 65
Chevron 3 77 65
Walt Disney 60 85 64
Walgreen 36 75 64
Sprint Nextel 64 70 64
Motorola 78 82 64
International Paper 97 73 64
General Motors 6 70 64
Exxon Mobil 1 69 64
Dow Chemical 38 73 64
Costco Wholesale 24 72 64
Best Buy 56 78 64
Bank of America Corp. 11 74 64
Aetna 77 74 64
Tyson Foods 89 73 63
New York Life Insurance 76 68 63
Honeywell International 63 69 63
Comcast 68 68 63
Citi group 12 76 63
Cisco Systems 57 79 63
Valero Energy 10 73 61
MetLife 39 71 61
Kroger 22 70 61
Johnson Controls 58 73 61
Home Depot 25 70 61
Allstate 81 70 60
TIAA-CREF 82 73 59
Marathon Oil 23 70 59
Procter & Gamble 20 72 58
Pfizer 46 66 58
Ford Motor 7 73 58
Verizon Communications 17 60 57
GMAC 66 65 57
Philip Morris International 93 71 55
United Technologies 37 65 51

ナビゲーショナルクエリとランキングについて

これらの企業の大半は、ページのスピードに関わらず、グーグルで1位を獲得している。

彼らは有名企業であり、彼らのランキングは、検索エンジンにナビゲーショナル・クエリと認知されている、企業の名前に対するクエリによって決まっている可能性が高い。そして、彼らのホームページは“完璧”、もしくは理想的なページであり、彼らの企業名でもあるクエリに対しては最も高いランクを与えるべきだと考えらている。

ページスピードを上げるべき理由

このような巨大企業と彼らの企業名に対して競争する際の難易度に関わらず、事実上“ナビゲーショナル”と考えられていないクエリをターゲットに選び、これらの企業よりも上位にランクインすることは可能だ。これらの企業のサイトの多くは、ページスピードおよびYスロウの基準で考えると、あまりパフォーマンスはよくなかったが、その他にもページを最適化する分野を見過ごしている可能性はある。サイトスピードは、検索エンジンが採用する可能性のある検索シグナルの一つに過ぎず、実際に何度も口を酸っぱくして彼らが言っているように、他の多数のシグナルを重要視しているのだろう。

私はこの件についてデビッド・ダルカ氏と議論したことがある。同氏はビジネスリーダーシップ・コンサルタントであり、マーケティングの専門家でもある。同氏は、経営陣や役員会に効果的に且つ戦略的に検索を利用し、企業のパフォーマンスを改善する方法を提案している。そんな同氏が、フォーチュン 100の企業がウェブページを最適化し、ページのスピードを上げる等のユーザーエクスペリエンスの向上への投資に消極的な理由を述べてくれた:

大半の企業のトップは、企業の収益を積極的な方法で上げる、検索マーケティングの複雑且つ上等な戦略的特徴を完全に理解しているわけではない。検索マーケティング戦略を中規模の企業のCEO、CFO、および、役員会、そして、フォーチュン 500レベルの企業で行う唯一の違いは、急速に効果を失っている、時代遅れで固定化した長年使われているプロセスを変えることへの能力、理解、そして、意欲だ。

戦略的且つ高いレベルでパーソナライズおよびカスタマイズされたトレーニング、そして、検索等の新しいマーケティングチャネルが持つ“変形していく”特徴をよく理解している、新しいタイプのリーダーシップ・アドバイザーを採用することで、業界のリーダーになるか、時代の流れに置き去りにされて非公開投資会社の買収のターゲットになるか、もしくは倒産するかが決まってくる。

フォーチュン 100、またはフォーチュン 500の企業が検索およびウェブに関わる活動をなかなか変えることが出来ないこの傾向は、中小企業にとってはチャンスである。

ページを早く表示させる、およびサイトのユーザーエクスペリエンスを向上させる等の作業に焦点を絞り、検索マーケティング等の知識を得ることが出来れば、大企業が理解していない可能性が高いメリットを手に入れることが出来るだろう。


この記事は、「SEO by the seaに掲載された「Is Your Site Faster than a Fortune 100 Company?」を翻訳した内容です。

こういう統計をきちんと取ってくれる人は中々いないので、非常に貴重なデータですね。上記で紹介されているGoogleやYahoo!のツールを使えば自社サイトを簡単に調査して比較できる訳ですし。と言うことで、ブックマークして使いたい記事でした(宣伝)。

サイト速度が改善することでユーザー体験が改善し、離脱率が下がったり、サイトの滞在時間やコンバージョン率が上がると言うデータは良く発表されていますし、今回のグーグルの発表がきっかけとしても、SEOのためと言うより、ユーザー体験向上のために一度時間を取って取り組んでみたい課題ではないかと思います。 — SEO Japan

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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