SEOには、内部施策と外部施策の2軸があります。
内部施策とは、サイト内部で行える施策のことで、サイト内の構造を設計・実装したり、ユーザーが求めるコンテンツを制作したりする施策を指します。
SEOにおいて、内部施策は非常に重要な施策です。内部施策をすることで、検索エンジンに評価されやすくなり、検索順位を上昇させ、アクセスを集めることができます。
しかし、具体的な内容がわからないと、施策を進めることはできません。
そこでこの記事では、SEOの内部施策の重要性や進め方のポイントを解説します。ぜひ最後までご覧ください。
SEOの内部施策は検索評価を高めるために必須の施策
内部施策は検索エンジンの評価を高めるためにも、重要な要素です。まずは内部施策の意味を理解することから始めましょう。
SEOの内部施策とは
内部施策は、Webサイト内のコンテンツを検索エンジンに適した構造にするための施策です。
Webサイトを検索エンジンから評価されやすい構造にすることで、検索順位やアクセス数の向上につながります。
内部施策では、以下のような様々な手法を用いて、検索エンジンから評価されやすいサイト構造にすることが目的です。
- 内部リンクの設置
- URLの正規化
- パンくずリストの設置
これらの施策は検索エンジンに評価されやすい構造にすることが前提にありますが、一方で検索ユーザーから好まれるような、質の高いコンテンツを提供することも求められます。
ユーザーに価値を与えられるコンテンツを作りつつ、検索エンジン向けに内部施策を行うことが重要です。
内部施策には2種類の目的が存在する
- 検索エンジンにコンテンツの正しい内容を伝える
- クローラーにサイトの巡回を促す
クローラー(Webサイトを評価するために巡回するロボット)が巡回したサイトは検索結果にインデックスされます。
まずはクローラーが巡回しやすいサイト構造としたり、検索エンジンが正しく評価できるような施策を行ったりすることが、内部施策では大切です。
外部施策との違い
外部施策はその名の通り、自分のサイトではなく外部で行うSEO施策です。SEOを行ううえで、リンクを集めたり認知度を上げたりといった外部評価の向上は欠かせません。
例えば、多くのサイトから被リンクを集めることで、サイトの評価が高まり、結果として上位表示されやすくなります。
内部施策と外部施策の違いは、サイトに手を加えるか、外部に対してアプローチを行うかです。それぞれで対策方法が異なります。どちらか一方を行うのではなく、同時に施策をすることで効果的なSEOが可能です。
検索エンジンに正しい内容を伝えるための内部施策のポイント5選
ここからは、検索エンジンにページの内容を伝えるためのポイントを5つ解説していきます。
クローラーが巡回したWebサイトのコンテンツを検索エンジンが正しく認識することで、検索順位を高めることが可能です。
- タイトルにキーワードを含める
- メタディスクリプションを設定する
- 適切な見出しタグを設定する
- 良質なコンテンツを提供する
それぞれ詳しく確認していきましょう。
タイトルにキーワードを含める
SEOの内部施策において、基本的な施策はページタイトルにキーワードを含めることです。タイトルは検索画面に表示され、ユーザーが最初に目にする箇所です。
タイトルは、検索エンジンとユーザーの双方にページ内容を伝える役割があるため、キーワードが含まれていないとユーザーのクリック率が下がってしまいます。また検索エンジンが記事の内容を正しく認識せず、想定している検索結果に反映されないことも考えられます。
よってタイトルにはキーワードを含めて、検索エンジンが正しく認識できるようにしましょう。
タイトルを付けるポイントは、以下のとおりです。
- キーワードは前に配置する
- なるべく32文字以内におさめる
- 自然な文章にする
- 複数のキーワードを入れない
タイトルはユーザーのクリック率に大きく関わるので、検索エンジンだけでなく「ユーザーが興味を持つかどうか」という観点で設定することも大切です。
メタディスクリプションを設定する
ページタイトルと同様に重要なのが、メタディスクリプションです。メタディスクリプションは、検索結果の画面に表示されるページ内容の要約。ユーザーや検索エンジンに対して、ページの概要を伝えます。
検索順位に直接の影響はありませんが、クリック率の上昇につながるため、なるべく設定しておきましょう。
またスマートフォンやパソコンなど、ユーザーの端末によって表示される文字数が異なります。文字数の表示が少ない端末に向けて、前半にキーワードや重要な内容をまとめると効果的です。
適切な見出しタグを設定する
見出しごとに適切なタグを使用することで、検索エンジンに対してページ内の情報を適切に伝えられます。そのため検索エンジンがコンテンツを認識しやすくなり、SEOの効果を向上させることが可能です。
見出しタグはh1~6まで存在します。h1は記事タイトル扱いなので、1ページに1回のみ利用します。
1ページに複数のh1がある場合、検索エンジンがページ内容を正確に理解できない可能性があるので注意しましょう。
h2~6は何回でも使用可能ですが、見出しタグは若い数字から使用する決まりがあります。h2の中にh3、h3の中にh4という形が、正しい使い方です。
良質なコンテンツを提供する
SEOでは良質なコンテンツを提供していないと、上位表示は期待できません。検索ユーザーが抱える疑問や悩みを解消できる、価値の高いコンテンツの提供が大切です。
- 対策キーワードに対する共起語を含める
- 網羅性を高める
- 図解などでわかりやすくする
など、読者に良質なコンテンツを提供して上位表示を目指しましょう。
クローラーに向けたSEOにおける内部施策の10個のポイント
こちらでは、クローラーに対する内部施策のポイントを10個解説していきます。
- XMLサイトマップを送信する
- パンくずリストを設置する
- 内部リンクを添付する
- ナビゲーションメニューを設定する
- URLを正規化する
- ページネーションに数字を設定する
- robots.txtを設定して不要なページは表示しない
- SSLを適用して暗号化する
- 階層を深くしすぎない
- テキストでWebサイトを構築する
1.XMLサイトマップを送信する
XMLサイトマップを送信することで、クローラーにクロールしてほしいページを知らせることができます。XMLサイトマップは、Webサイトのページをリストアップして検索エンジンに知らせるファイルです。
XMLサイトマップを作成し、送信することで通常では検出しづらいページも巡回してもらえるようになるため、大規模なサイトであればサイトマップの作成と運用を検討しましょう。
サイトマップは、Googleなら「サーチコンソール」で送信可能です。
2.パンくずリストを設置する
パンくずリストを設置することも重要です。
パンくずリストとは、いま滞在しているページがどの階層にいるかを表示し、リンク構造を構築するものです。
パンくずリストによって「いまサイト内のどこにいるのか」がわかりやすくなります。
3.内部リンクを設置する
内部リンクの適切な設置も欠かせません。内部リンクとは、Webサイト内の別ページとつながりを作るリンクです。Webサイト外のページに飛ぶ外部リンクとは異なります。
検索エンジンは、サイト内のリンクからリンクへ巡回します。内部リンクを設置することで、検索エンジンが構造を理解しやすくなります。さらに関連性があるページをつなげることで、コンテンツがグループとして評価され、より良い評価を得やすくなります。
内部リンクによってユーザーの回遊率も高まるため、欠かせない施策といえます。
4.ナビゲーションメニューを設定する
ナビゲーションメニューは、ページの上部・下部に設置されるもので、ユーザーに重要なページを知らせる役割があります。
ナビゲーションメニューは原則全ページに設置されるため、結果としてリンクの総量が増え、Googleがページを理解するのに役立ちます。
5.URLを正規化する
URLの正規化とは、近しい内容で複数のURLが生成されている場合に、大元となるページを指定し、Googleに評価を統一させることです。
例えば、アパレルのECサイトでは、服のバリエーションをほぼ同一の内容でページを複製して、ユーザーに見せることがあります。
そのような場合、違うのは色だけで、その他の内容はほぼ似通ったページが生成されます。それらのページをGoogleは重複コンテンツとしてみなす可能性があるため、URLの正規化を行わなければなりません。
他にも、パソコンやスマートフォン別にURLを用意したり、誤って同じ記事を複数の場所に投稿したりすることが考えられます。
Googleのガイドラインでは、「重複したURLを統合する」というページに対策方法を掲載してあります。
6.ページネーションに数字を設定する
サイト内のページネーションには、数字を設定するようにしましょう。ページネーションは、ページの下部に設置されている番号です。
長いページを複数に分割する役割があり、検索画面やブログサイトなどでよく見られます。
ページネーションを設置することで、クローラーの巡回を助けます。さらに、サイト内に情報が豊富にあることを把握するために役立つ機能です。
7.robots.txtを設定して不要なページは表示しない
クローラーに巡回してほしくないページがある場合「robots.txt」が重要です。「robots.txt」を適切に設定することで不要なページを表示させなかったり、クローラーの巡回をブロックさせたりできます。
サイト内のコンテンツ量が多いとクローラーの巡回に時間がかかり、正しい評価が得づらくなる可能性が考えられます。
「robots.txt」そのものは検索順位に直接関わりがありませんが、クローラーの巡回を制御し、重要なページをクロールさせることに効果的です。
不要なページはできるだけ表示させず、重要なページを優先して評価してもらえるようにしましょう。
8.SSLを適用して暗号化する
SSLとは「Secure Sockets Layer」の略で、インターネット通信を暗号化する手法です。
GoogleはSSLを適用していないサイトに警告をアナウンスしており、適用していないとマイナス評価を受けるリスクがあります。
SSLが反映しているかどうかは、URLが「https」として表示されているかどうかで判断可能です。
9.階層を深くしすぎない
サイト内の階層を深くしすぎると、構造が複雑化してユーザーが必要としている情報を見つけるのに時間がかかります。
階層の設計は、どのページにもトップページから2クリック以内でたどり着けることが理想とされています。
遷移数が少ない設計にすることで、ユーザーは必要な情報をすばやく見つけられ、クローラーには巡回しやすいサイトになるので効果的です。
10.テキストベースでWebサイトを構築する
Webサイトをテキストベースで構築することで、検索エンジンにサイトの内容が伝わりやすくなります。
広告用のランディングページであれば、画像でページを組み立てることもありますが、SEOを意識するなら画像主体で構築することは避けましょう。
SEOを意識した内部施策ではユーザビリティも大切
SEOを意識するなら、ユーザーの使いやすさを表すユーザビリティの向上も大切です。
検索エンジンからの評価を優先させた結果、ユーザーにとって使いづらいサイトだと、途中でユーザーが離脱する原因となり、結果として評価が落ちてしまいます。
主なユーザビリティ向上施策は以下のとおりです。
- レスポンシブデザインでの設計
- 高速なページの読み込み
- 階層の簡略化
- ナビゲーションメニューの設置
- パンくずリストの設置
特にサイトを作る際には、レスポンシブデザインを意識しましょう。レスポンシブデザインとは、スマートフォンやパソコンなどのデバイスによって、画面サイズを変えて表示させる方法です。
パソコンだけでなくスマートフォンにも対応しているレスポンシブデザインだと、ユーザビリティの向上につながります。
また、ページを読み込む速度も重要です。速度が遅いと、ユーザーが離脱する原因になります。
まとめ
SEOを意識するなら、内部施策の実施は避けて通れません。
ページの内容を正しく検索エンジンに伝え、クローラーが適切に回ってもらえるような実装が求められます。