SEO対策を実施するときに気になるのが、「何をどこまでやればよいのか」「本当に十分な対策ができているのか」といった精度に関連する部分です。
SEO対策の入門コンテンツや指南コンテンツを読んでみても、「量が多すぎて完璧にこなす自信がない」「優先度の付け方がわからない」と感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、初心者の方でもSEO対策を実施できるように、特に重要なSEO対策の項目をチェックリストにまとめて説明します。また、これらのSEO対策を行うにあたって便利なツールについても、目的別にご紹介します。
現在、SEO対策を行っている、これから行いたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
SEO対策のチェックリスト
内部要素の最適化からユーザーを引きつけるコンテンツの完成度まで、SEO対策でチェックすべき項目は多岐にわたっています。
この記事では、主に機械的なチェックが可能な内部対策について見ていきます。特にチェックすべき重要な項目について、どう対策すべきか、どうなっているべきかをご紹介します。
キーワード選定
検索エンジンは、検索キーワードとの関連性が高いコンテンツほど上位に表示されるように評価しています。
キーワードの選定作業は、順位に直接的に影響してくるSEO対策の要の一つです。
キーワード選定を行うにあたっては、下記の項目を満たすように意識しましょう。
- 各ページで上げたい対策キーワードを選定する
- 1キーワード1ページではなく、一つの検索意図に対して1ページで応える
- サイト内で検索意図を重複させない
URLの正規化
wwwやindex.htmlの有無などにより、複数のURLから同一ページにアクセスできるサイトがあります。
検索エンジンは同じページでもURLが異なっている場合は、それぞれを別ページと認識してしまうため、ページに対する評価の分散につながったり、コンテンツの重複と見なされていたりすることがあります。
下記の項目をチェックして、URLの正規化を図るようにしましょう。
- 301リダイレクトによる転送で、wwwやindex.htmlの有無、https/httpなどによるURLの違いを統一する
- URL自体の統一ができない場合は、canonicalタグを用いてURLを正規化する
HTMLタグ
サイトやページの内容を検索エンジンに適切に伝えるためには、HTMLタグの最適化が不可欠です。
また、検索結果画面でクリックを促すようなタイトルにしたり、興味を引くような見出しを付けたりするなど、ユーザーに対して働きかける目的もあります。
HTMLタグは種類が多いので、特に下記の項目を優先してチェックしましょう。
タイトルタグ
- 各ページにタイトルタグを設定する
- タイトルに対策キーワードを含める
- タイトルの前半部分に重要キーワードを配置する
- サイト内で他のページとタイトルを重複させない
- 特定のキーワードを何度も入れない
- キーワードを詰め込みすぎない
- ページの内容を適切に伝えるタイトルにする
メタタグ
- meta descriptionでページの概要を説明する
- meta descriptionの内容を他のページと重複させない
altタグ
- 画像にはaltタグで代替テキストを設定する
見出しタグ(hタグ)
- ページ内の見出しには見出しタグを使用する
- 見出しタグの数値を情報の階層にあわせて適切に使用する
引用タグ
- 他サイトからの引用にはblockquoteタグまたはqタグを使用する
ページネーション
- ページの分割をする際はheadタグ内でページネーションを数字で設定する
内部リンク
検索エンジンがWebサイトを評価する最初のステップとして、クローラーによってサイトのクローリングが行われます。
クローラーはリンクを辿ってサイト内を巡回するため、各ページへ巡回を促すためにも適切な内部リンクの設定が欠かせません。
また、ユーザーもリンクを辿ってサイト内を回遊するため、内部リンクを適切に貼ることで、直帰率を下げて回遊率を高めることができます。
- 重要なページへの内部リンクを設定する
- パンくずリストを設定する
- グローバルナビゲーションを用意する
- フッター部分にコンテンツリストを用意する
- ユーザー向けのサイトマップを用意する
SEOの内部対策とは?クローラーに適切に評価してもらうためのサイト内部最適化
サイト構成(カテゴリ、ディレクトリ)
サイト全体のテーマと情報を適切に検索エンジンに伝えるためには、明確でわかりやすいサイト構成にする必要があります。
また、ユーザーがサイト内を迷わずに移動し、目的の情報を得やすくするためにも、わかりやすいサイト構成を作ることは重要です。
- トップページを含めて3、4階層程度のわかりやすい階層構造にする
- カテゴリの内容がわかりやすいよう、ターゲットキーワードをディレクトリ名にする
- 親切な404エラーページを用意する
被リンクやSNSシェアなどの外部要因
外部からの被リンクやSNSでの評判は、良質なコンテンツを提供した結果として獲得できるものです。
外部評価を獲得するためには、下記の項目を意識すると効果的です。
- 被リンクを得やすいコンテンツを用意する
- 特定ジャンルのトピックを網羅する
- SNSなどでシェアしやすいタイトルにする
- 自社アカウントと連携して情報発信する
- 自演リンクを行わない
- コメント欄や掲示板にはnofollowを設定する
SEOの外部対策とは?外部リンク(被リンク)やメンション、指名検索を増やす方法
SEO対策のチェックに便利なツール一覧
ここまで紹介したチェックリストは、特に優先してチェックしたい項目です。
機械的に判断できるものが多いとはいえ、すべての項目を手動でチェックするには、手間や時間、困難が伴うでしょう。
そこで、SEO対策の実施やチェックの作業の自動化を補助してくれるオートメーションツールを、総合的な機能を持つ有料ツールから、目的別に特化した無料ツールまでご紹介します。
SEO対策に使いたい有料ツール
SEO対策のツールには無料で使えるものもたくさん存在します。検索エンジンが提供している無料ツールもあり、性能的に十分なものも多いです。
しかし、無料ツールは単機能に特化していることが多く、さまざまなSEO対策を実施するためには複数のツールを使いこなす必要があります。
また、有料ツールは無料ツールに比べて使いやすく、SEO対策のプロも日常的に利用しているツールが多いことから、初心者から上級者まで万人におすすめできるものといえます。
Ahrefs
エイチレフス社が提供する「Ahrefs」は、被リンクやランキング、競合分析を中心とした多機能ツールであり、機能だけでなくインターフェイスの見やすさでも人気の高いツールです。
Ahrefs自体は総合ツールですが、中でも被リンクの調査・分析で圧倒的な能力を持っている点で評価されています。
特に、Ahrefs独自の指標であるDR(Domain Rating)は、公開が廃止された検索エンジンのページランクに替わり、サイトの価値を客観的に判断できる指標として重宝されています。
パスカル
株式会社オロパスが提供する「パスカル」は、コンテンツSEOに強い総合SEO対策ツールです。
上位表示される競合サイトを分析することで、「検索ユーザーが求めるのはどのようなコンテンツなのか」「検索エンジンはどのようなトピックや共起語を評価するのか」などが把握できます。
また、キーワードを選定する機能もあり、さらに指定したキーワードで構成すべきトピックも提案してくれます。
検索順位・順位変動チェックツール
SEO対策で重要な指標の一部をチェックするツールもあります。
機能に特化したツールは、無料や制限付きの無料ツールが多いですが、有料の優れたツールもありますので、用途に合った使いこなせるツールを探してみましょう。
ここでは、指定キーワードで検索した際に、「対象のサイトが何位か」「順位がどのように変動しているか」など、主に検索順位がチェックできるツールを紹介します。
GRC
有限会社シェルウェアが提供する「GRC」は、順位計測ツールの定番かつ必携ツールとされています。
登録したキーワードで自サイトが何位であるかをチェックし、変動履歴をグラフ化することも可能です。機能は順位チェックに限られていますが、その分シンプルで使いやすいのが特徴です。
なお、無料版では項目数などに制限があり、ライセンス購入により利用できる項目数や機能が増やせます。
namaz.jp
株式会社ディーボが提供する「namaz.jp」では、Webサイト上で平均の順位変動幅を確認できます。
自サイトの順位ではなく、インターネット全体におけるキーワードジャンル別の平均順位変動幅を見ることが特徴です。
この変動幅が大きい場合、アルゴリズムのアップデートまたは調整があったと判断できるため、アルゴリズムアップデート対策に有効なツールです。
対策キーワード調査ツール
キーワードの選定にあたって、それぞれのキーワードの需要(検索ボリューム)やサジェストを一括で調査するツールです。
どのキーワードを選ぶべきかという判断の助けになってくれます。
キーワードプランナー
Google広告内で提供する「キーワードプランナー」は、キーワード調査の基本ツールです。
キーワードの検索ボリュームを調査できるほか、関連キーワードの抽出することなどもできます。
https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/tools/keyword-planner/
Yahoo!キーワードアドバイスツール
Yahoo! JAPANの広告管理ツールの機能として利用できる「Yahoo!キーワードアドバイスツール」は、指定したキーワードやフレーズを元に、関連するキーワード候補をアウトプットしてくれます。
https://promotionalads.yahoo.co.jp/online/ss_navi14.html
Googleトレンド
Googleが提供する「Googleトレンド」では、検索エンジンで「どのようなキーワードが話題になっているのか」を把握するための検索回数の推移を確認できます。
地域(国)別、期間別のデータを確認できるほか、目的のキーワードと関連キーワードの比較も行えます。
https://trends.google.co.jp/trends/?geo=JP
goodkeyword
佐藤俊幸氏が個人で作成・公開している「goodkeyword」は、検索エンジンで検索されるサジェストキーワードを一括で調査できるツールです。
Google Search Console
Googleが提供する「Google Search Console」は、SEO対策の基本と言えるツールです。
指定したキーワードで、掲載順位や検索結果画面への表示回数・クリック数などを確認できます。
以前はウェブマスターツールと呼ばれていましたが、現在はサーチコンソールへと名称が変更されています。
https://search.google.com/search-console/about?hl=ja
内部対策チェックツール
HTMLタグやリンクの設定など、「SEOの内部対策ができているか」「内部構造の最適化が行えているか」を確認できるツールです。
Google Search Console
Googleが提供する「Google Search Console」には、内部対策の診断機能も備わっています。
診断結果に問題がある場合は、Google Search Console上で通知を受け取ることもあります。
https://search.google.com/search-console/about?hl=ja
Screaming Frog SEO Spider Tool
Screaming Frog社が提供する「Screaming Frog SEO Spider Tool」は、サイト全体の情報を一括取得できるツールです。
サイト内の全ページURLリストのほか、アウトリンク、タイトル、メタタグ、見出しなどもリスト化できます。
https://www.screamingfrog.co.uk/seo-spider/
Website Explorer
「Website Explorer」はリンク追跡に特化したツールであり、サイト内の階層構造とファイル構成をエクスプローラ形式で一覧表示できます。
サイトマップ作成やリンク切れチェックなどに役立ちます。
http://www.umechando.com/webex/
Another HTML-lint gateway
「Another HTML-lint gateway」では、HTMLの文法が正しいかをチェックできます。
文法チェックのみですが、内部対策のミスが細かくわかるので改善につなげやすくなります。
http://openlab.ring.gr.jp/k16/htmllint/htmllint.html
被リンクチェックツール
外部対策で重要な存在となる、外部からのリンク(被リンク)の質と数を調査できるツールです。
Majestic SEO
Majestic社が提供する「Majestic SEO」は、被リンクのチェックに特化した有料ツールです。
被リンクの数だけでなく、リンク元はどこなのかといった情報および履歴をチェックできます。
Link Explorer
MOZ社が提供する「Link Explorer」は、被リンクチェックに関する総合的なツールです。
被リンク元のオーソリティ(権威性)やスパム性をチェックできるのが特徴です。
コピーコンテンツチェックツール
コピーコンテンツや重複コンテンツの検出ができるツールです。
自コンテンツが他サイトからコピーや盗用していないか、盗用されていないかのチェックができます。
コンテンツ制作を外注しているときの、再確認にも有効です。
コピペリン
ファイル同士、Web上のコンテンツを対象に文章をチェックし、問題箇所を容易に把握できる有料ツールです。
また、判定一致率も算出してくれるため、「コピーコンテンツかどうか」の判断が行いやすくなります。
http://saku-tools.info/copyperin/
影武者
記事作成代行サービス「Shinobiライティング」のチェックシステムが元となっている有料ツールです。
記事作成事業の経験が反映されているという特徴があります。
https://kagemusya.biz-samurai.com
コピペルナー
レポートや論文などのコピー・盗用に特化したコピーコンテンツチェックの有料ツールです。
文書ファイルをネット上の文書や文書ファイルと比較します。
http://www.ank.co.jp/works/products/copypelna/Client/
競合調査ツール
SimilarWeb
競合となる上位サイトの分析ができるツールです。
独自クローラーで収集したデータを元に、競合サイトのアクセス状況が確認できるのが特徴です。
SEO対策におけるツールとの付き合い方
ここまで、自分でSEO対策を行う際のチェックリストと役立つツールを紹介してきました。
ツールを使いこなすために欠かせないのが、どのようにツールと向き合うかという姿勢です。昨今はAI(人工知能)の発達が著しく、それはSEOというジャンルにおいても同様です。
検索エンジンが順位を決めるための要素では、コンテンツ、リンクに次いで3番目に重要な要素としてランクブレインというAIが位置し、SEO対策ツールにもAIを利用したものがあります。AIの発達によりSEO対策ツールはより便利に賢くなってきています。
とはいえ、ツールの本質は「オートメーションツール」であり、作業の時間短縮はできても人の代わりに考えるわけではありません。
コンテンツSEOであってもテクニカルSEOであっても、まずはSEO対策の基本的な考え方を身につけることが何より重要なのです。
【まとめ】チェックリストに基づくSEO対策のチェックに加えて、人を主体としたツール活用が重要
自分自身でSEO対策を行う際は、内部要素の最適化を中心として、下記の項目に関するチェックを優先的に行いましょう。
- キーワード選定
- URLの正規化
- HTMLタグ
- 内部リンク
- サイト構成(カテゴリ、ディレクトリ)
- 被リンクやSNSシェアなどの外部要因
チェックやSEO対策を効率的に進めるためには、オートメーションツールの活用も有効です。
総合的な機能を備えた有料ツールであれば、幅広いSEO対策が可能です。また、検索エンジンが提供するツールなど、無料のSEO対策ツールも数多く存在します。
SEOの対策や判断を考える主体は人であり、それをサポートする存在としてツールを役立てることが重要です。
まずは自分自身がSEO対策の基本的な知識や考え方を身につけるように心がけましょう。
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