iPadがタブレット市場を今後10年は支配し続ける理由

iPad発売から1年半近くが立ちましたが、世界で3,000万台以上既に売り上げると言う驚異の大ヒット商品になりました。多くのアナリストやAppleギークが思っていた以上にヒットしたiPad、まさに新しいタブレット市場を自ら生みだしたAppleらしい製品とも言えるでしょう。競合他社もこの市場に後れを取ってなるものかと競合製品を次々とリリースしていますが、iPadが今後もタブレット市場の頂点に君臨し続けるであろうという記事をThe Next Webから。 — SEO Japan

2010年1月に発表されたiPadは、もっと確信的で驚きのある製品を期待していたテックコミュニティを、まるで無関心ギリシアの合唱隊のように硬直させた。あれから2年近くが経ち、そのiPadは市場で大成功を収めただけでなく、再定義を手助けしたそのカテゴリを支配してきた。

4つの主な競合タブレットメーカーは、その他数え切れないほどの小規模メーカーと共に、iPadレーダーの一時的な急上昇より多くを印象付けるために必要とされたけん引力を獲得することに失敗してきた。しかし、その支配に貢献してきた要因は何なのか?その支配を継続するチャンスはあるのか?それから、iPadがアンドロイドに市場シェアを奪われている状況にあるという最近の多くの話はどうなのだろうか?

出荷数は顧客への販売量ではない

私は、アンドロイドの出荷数がいかにiPadから市場シェアを‘奪った’のかというこれらの話が好きだ。実際問題として、これらの測定基準は全て、アンドロイドタブレットの販売数ではなく出荷数に基づいている。

その違いは重要であるが、あるカテゴリ内の‘勝者’としてブランドを築き上げた後に、他のブランドのランチを食べる‘素晴らしい’運命を背負った別のブランドを紹介することを軸とした見出しを好むテック関連のプレスによって無視されることがよくある。

これらのストーリーがなぜこんなに頻繁に現れるのかは簡単なことだ。タブレットやその他のデバイスの出荷数は、異なるメーカーから出ているデバイスの‘成功’を比べる記事において、あなたが最も目にする数字だ。なぜこれらの数字が使われる傾向があるのかというと、出荷数は、関係のある会社によって快く提供されるものだからだ。彼らはアッと言わせたいのだ。

デバイスの出荷数は、その製品のメーカーがそのデバイスを電気店や携帯電話小売店などの店舗に出荷したという事実を参照する。それは、それらの製品が実際に客に販売されたことは意味しないのだ。モトローラ、サムソン、RIMというiPadと競合するタブレットをリリースしている3つの主要メーカーは、タブレットの実際の販売数ではなく出荷数を発表しただけなのだ。

最新の集計では、モトローラはおよそ690,000台のXoomタブレットを出荷、RIMは5月現在で500,000台のPlayBooksを出荷し、サムソンは2百万台のGalaxy Tabsの出荷を報告したが、競争する能力に影響するかもしれないという恐れから出荷数の報告を中止した。私がHPのタッチパッドをここに含めなかったのは、まだ発売されてから間がないためレポートを出せるほどではないからである。

iPadは2010年4月以降、2870万台出荷され、直近の4半期だけで925万台を出荷した。そして、最新の収支報告では、Appleは“製造した全てのiPad”が販売されたと報告している。これは、Appleがこれまでに3000万台をはるかに超えるiPadを販売したことを意味する。3000万台だ。それは、Appleが3大主要競合メーカーのデバイスの合計出荷数の10倍以上を販売したことを意味する。

iPadは明らかにこの分野を大きく支配している。しかし、iPhoneはどうだろう?アンドロイドプラットフォームがスマートフォン利用全体の過半数を占めるまでに成長することに成功したやり方はどうだろう?もっと多くのアンドロイドタブレットが登場すると、徐々に同じことがiPadにも起こるのだろうか?

タブレットはスマートフォンではない

タブレットをスマートフォンと比較することはできない。これは、販売数を予測することに関心のある人々と、一般的なコンピュータの使用におけるタブレットの影響に関心のある人々の両方に言えることだ。人々は、スマートフォンを使うのと同じ方法でタブレットを使用するのではない。人々は、携帯の代わりではなく、デスクトップコンピュータの代わりに、ゲームをしたり読んだり閲覧したりする目的でタブレットを使用することが分かっている。スマートフォン市場はタブレット市場とは異なるニーズによって動かされており、タブレット競争の行方を予測するためにスマートフォンの市場シェアを使う人は、消費者がタブレットを使用する方法に目を向けていないのだ。

今年始めのNeilsenの調査では、タブレット購入後にデスクトップコンピュータの使用を完全にやめたと回答した人が3%、デスクトップの使用が減ったと回答した人が32%いたのに対して、スマートフォンの使用を止めたと回答した人はほとんどいなかったことが分かっている。消費者は、携帯電話とタブレットを別物として捉え、異なる目的に対する異なるツールとして見ているのだ。

あなたは、スマートフォンの数字をもとにアンドロイドの支配性を正確に予測することはできない。タブレットは全く異なる別の分野のデバイスであり、独自の基準で判断されなければならないのだ。

タブレットとスマートフォンを同等と見なす方向に人々を導く思考過程は、アンドロイド携帯が多くの補助金をもとに低価格のデバイスを提供することによって市場シェアの過半数を獲得したという事実で頭をいっぱいにさせる。今では美容室に行くと無料でアンドロイド携帯を手に入れることさえできるが、ビルドとクオリティに深刻な利権のないタブレット市場でこのようなことは起きることはないのだ。

通信事業者にタブレットを宣伝しプランを販売する意欲をかき立てさせるタブレットへの補助金はとてもありえない。大部分のタブレットは、通信事業者が金を儲ける月ごとのデータプランを持っているが、テキストメッセージや通話プランから得られる大金と比べると微々たるものなのだ。これは、タブレットは、特別な通信事業者との取引からのほんの少しの恩恵と共に、独自の基準で生き永らえたり死に絶えたりし、生の販売数と利鞘に基づいて成功することを意味する。

つまり、サムソン、モトローラ、RIMそしてHPのようなタブレットメーカーは、90年代のPCメーカーが戦ったのと同じ戦場でAppleと競争しなければならないことを意味する。今はルールが変わっただけだ。今回に限りAppleは将来のために入念に計画を立て、優れた製品や確固たるソフトウェアの実装を持っているだけでなく、価格においても負けないという余裕がある。

366の理由

価格の優位性に加え、Appleは自らのAppleストア小売店を介してそのタブレットを押し出すことができるという余裕もある。これが、外部の小売店によって人気が出るという別の一切れを持つ必要がないという点でもiPad販売にさらに余裕をプラスしている。また、iPadを選んで使用するのに心理的にポジティブな状況も与えている。

Apple販売店にいる熱心で知識豊富なスタッフと小奇麗でうまくデザインされた雰囲気は、大部分の人がアンドロイドやQNXやWebOSのタブレットを初めて試す時の体験とは大違いである。まばらで、焦点を絞った未来的な感じのAppleストアでiPadを操作することと、近くに販売員がどこにも見当たらないBest Buyにある鎖につながれた指紋がベタベタ付いたGalaxy Tabを試用することを比較してみるのだ。比べものにならない。

タブレットは2年前に比べて今は販売が難しくないかもしれないが、それでも多くの人々がその購入に正当な理由を付けるのには助けを必要としていることは間違いない。母親や祖父母やその他の疑い深い人に、反応が良く優れた設計のタブレットはノートパソコン以上にメリットがあるということを納得させるには実際に操作できる価値のある数分間に変わるものはないと言うことができる。

新種の製品を定義する時は特に、第一印象が非常に大切だ。Appleの336の販売店が顧客に素晴らしいiPadの第一印象を与え、Appleが利益を下げる取引をせずにより良い利鞘でiPadを売ることを可能にし続けている。

利益

2010年のタブレットへの消費合計およそ96億ドルのうち、iPadが、95億6600万ドルの収益を生んでいる。つまり、その他のタブレット産業が生んだ利益がたったの3400万ドルだったことを意味する。この数字は、iPad 以外の全てのタブレットを含んだものだ。この格差は、iPadと他のタブレットの真の販売数の違いを強調しているが、市場シェアよりもはるかに重要なもう1つの測定基準がある。それが、利益だ。

市場シェアは言及しやすいが、誰が旗を立て、誰が会社とその株主に対する利益を生んで持続可能なビジネスを築いたのか、という質問に答えるだけだ。Appleが過去10年間そのサプライヤーとメーカーとの関係を巧みに扱ってきた手法が、iPadやMacBookといった製品が、最高の素材と製造プロセスを用いて作られているだけでなく、より低価格で作られより多くの利益を生んでいるというこの素晴らしい機会を導いたのだ。

これは、1つの会社としてのAppleの歴史をたどってきた人達にとっては重大な変化である。なぜなら、iMacは、優れた材料からできた優れたOSを実装した素晴らしいマシンだと言うのは簡単だが値段が高かった過去とは著しい違いだからだ。Appleのコンピュータは、過度なエンジニアリングとデザインに焦点を合わせていることが理由で購入者に課せられる税を計算に入れているので、とても高価であるというのが世間一般の通念になっていたのだ。

それらの思い込みは、大きな間違いだったのだが、好むと好まざるとにかかわらず、それらがこの会社の歴史の大半で話題の多くを占めていたのだ。Appleは世に最高のコンピュータを出しそれに見合った価格を付けていると感じていたが、それは、より高価で質の高いプロセスを保持しながら30%の利鞘を維持することを可能にする製造の指針と財源も築いていたのだ。

これが、iPadが市場シェアでの優位性や製品クオリティだけでなく利益でも唯一無二の立場になる結果を導いたのだ。それは、過去10年のAppleの戦略の成功の証だ。

製造

この利益性は、Appleのユニークなスタンスに由来し、製造プロセスと供給経路において非常に積極的な役割を担っている。これが、Appleが膨大な資金の塊を使って標準的なタイムラインより先に文字通りテクノロジーを押すことを可能にする。

新しいテクノロジーが市場に登場する時、あなたは一度に多くのデバイスが登場するのを目にすることがよくある。これは、LCDやLEDといった新しいディスプレイのテクノロジーがいくつかのメーカーでほぼ同時に登場するテレビのような消費者製品に多く繰り返されているパターンだ。これは、新しいテクノロジーを生み出して完璧にするためには莫大な投資を必要とすることが主な理由だ。

それ故に、新しいテクノロジーを確実に生み出すために構造基盤を構築することにお金を注いでいるメーカーには、取り戻さなければならない膨大なキャッシュを抱えていて、それを支払ってくれる人にそのテクノロジーを提供することによって取り戻そうとするのだ。

Appleは、このプロセスを逆転し、新しいテクノロジーがその競合相手全てに利用可能になるのを待つのではなく、工場の建設や機械の購入や従業員の育成、そしてそのプロセスの完成のためにメーカーにお金を支払うことによってこのプロセスを加速させたのだ。それは、一定期間にわたるその技術の独占的利用とその後の一定期間にわたる購入のディスカウントという形での返済を要する。

これが、Appleが、より高度なだけでなくより安く作ることができる製品に貢献し、画期的なテクノロジーを格安で独占的に利用することを可能にしている。これをする中で、Appleは効果的に自身の利益のミームを見つけ出した

1.自分のために素晴らしい新しいテクノロジーを製造する人にお金を支払う

2.今までに誰も見たことがないような新しいものを手にする

3.それに対して大きなディスカウントをする。最終的に競合対手が入手できるようになった時にも。

4.利益

より反応の良いタッチスクリーン、より明るいディスプレイ、薄いデバイス、一体成形のアルミニウムボディ、その他Apple製品を差別化する因子を作ることを可能にするテクノロジーは、より大きな利鞘のある製品を作ることも可能にする。

客は、見た目がより洗練されていて使い易い製品を購入するし、彼らがそうすると、Appleはその生来のコストの優位性からどんな競合相手よりも大きな報酬を得るのだ。

光り輝くソフトウェアの爪

私は、それがiPad採用の主な動機だとは思わないが、顧客保持の主要な要因としてそのネットワークの影響を軽視することは絶対にできない。iPhoneかiPod touchを所有している人なら、平均して100ドルの価値の歌やアプリなどを持っていることになる。

これらのソフトウェアの爪が一度ひっかかると、人々が競合するタブレットよりiPadの購入を正当化するのは飛躍的に簡単になる。すでにユーザーのホームにインストールされている2億2000万のiOSデバイスがiPadの販売のパイプとしての機能を果たしている。Appleは、まさにタブレットを購入しようとする人々を惹き付ける快適で監督されたエコシステムを作るという素晴らしい仕事をした。

アプリストアの成功は、利用可能なソフトウェアを注意深く取捨選択することに基づいている。インターネットからプログラムをダウンロードしたりインストールしたりすることを懸念している人さえも、次から次へと喜んでアプリをダウンロードするのだ。なぜなら、彼らは自分が何を獲得しようと害がないことを確信しているからだ。

そして、彼らがダウンロードする全てのアプリやTV番組が、より深い爪跡を残し、次のタブレットがiPad以外になる可能性を少なくしているのだ。

機能性

軽視することができない1つの因子は、競合するタブレットOSがiPadと同じユーザー体験を届けることが困難な状況にあるという事実だ。私は以前にiPadのUIのタッチの反応の良さと他のタブレットがそれを再現することがなかなかできないことについて話した。

他のタブレットがiPadのOSの絶対的な反応性と俊敏性に追いつくのに異常に長い時間がかかっているように見える。その不成功は、Appleのような27年の経験を持つベテランのプラットフォームデベロッパーが、それとは遠く離れたいくぶん若いオペレーションシステムと対峙しているという視点を持って見ると簡単に理解することができる。

しかしながら、ある時点でターニングポイントがやって来るだろう。他のタブレットのオペレーティングシステムが私達に追いつき、iOSのように迅速なタッチレスポンスを届け始めるだろう。これこそが、今iPad2が提供しているものと真に匹敵するタブレットを目にし始める時である。

残念ながら、AppleはすでにiPad2を超えるものに移行していて、競合他社が最初の製品を発売し始めたばかりの中、次の世代のタブレットを作っている所だ。Appleは今後も手を緩める気はないため、挑戦者にとっては困難な戦いになる。

BlackBerry PlayBookのようにいくつかのタブレットは、流れるような優れたタッチレスポンスを持っているが、まとまったOSのデリバリや、ビルトインEメールなどの必須機能でしくじっている。しかしながら、大部分のアンドロイドタブレットは、簡単なアニメーション中に落ちる主要フレームレートやユーザーに必要以上にスワイプやスタブをさせるラグの多いタッチ体験にいまだに悩まされている。

サムソンGalaxy Tab 10.1は、iPadよりもパワフルなタブレットの一番にいい例で、映画鑑賞に適したとても魅力的なデザインと、より軽い本体を誇り、全体的に質の高さを感じる。しかし、いざ使ってみると、Honeycombが機能を果たさないのだ。最新のアップデートでさえも、重たくて不完全なコードに感じる。メインのページ変更インターフェース上では素晴らしいパフォーマンスを得られるが、アプリ一覧をスクロールしたり、ウェブページをズームしようとしたりし始めるととたんにストレスを感じることになる。

現代のマルチタッチUIは、この時点でほぼ5年が経っていて、適切な反応と体験を得ている会社がまだAppleだけなのは、不可解なことだが、iPadの優位性を助け続ける主な要因として見落とせない。

あなたは、仕様やグラフィックチップについて言うことはできるが、実際に客がiPadを試した時のタッチスクリーンのあの粘着性のあるパフォーマンスが、iPadの自然なUIを増進し、それを金字塔的な存在にし続けるのだ。

未来は、iPodと同じスタイルで支配

これらの因子を全て一緒にすると、なぜiPadがこの市場の支配的な大部分を捉える唯一無二の形に達したのかが簡単に分かるような実態を表す。他のメーカーはiPadの分野で競争する方法を探すことに苦労しているため、この優位性が今すぐにどこかに行ってしまうようには見えない。

このような首位の長い在位期間には常に破壊を受けやすく、もちろん、トロイの木馬となる競争者はAppleがiPadで消費者意識を手にしている支配力をひっくり返すことができるが、それは完璧なパッケージでなければならない。極めて優れたハードウェア、デベロッパーにとって魅力的な信頼できるソフトウェア、価格で競争ができる利鞘。

iPadの市場シェアの優位性の今後がどうなっていくのか知りたいのなら、Appleがユーザー体験とハードウェアの優れた能力とソフトウェアのエコシステムにおいて一歩前を進むことが出来たもう1つの製品、iPodに目を向ける必要がある。

iPodは、ダサくて不完全なデザインの製品がいっぱいの世界に登場し、最初に大きなマインドシェアを獲得し、それが決して失われることはなかった製品の一例だ。減退を見せている唯一のApple製品ではあるものの、iPodの10年のロングテールはまだ燃え尽きていない。

これは、そのポジショニングの類似性からすると、Appleがその生産パイプラインにしてきた改善と共に、iPadが先例に倣い、今後10年間は簡単にタブレット市場を独占することができることを意味する。


この記事は、The Next Webに掲載された「Why the iPad has and will continue to dominate the tablet market」を翻訳した内容です。

私もここまでiPadがヒットするとは想像していなかったのですが、ここに書いてある様々な理由はともかく、iPodしかり、iPhoneしかり、そしてiPad含め、たった1つの製品を通して新しい市場を作り上げるApple(スティーブ・ジョブス?)の力は驚異的としか言いようがないですね。iPadの今後についてiPodと比較して考察している最後のくだりもナルホドと唸らされる見解でした。日本人としては日本メーカーからもそんな製品が登場する日を願ってしまいますが、気付いてみると電話はiPhoneだったり最近iPadが欲しくてたまらない私だったりします 汗 — SEO Japan
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