「何故?」に答えたものがソーシャルを制する

公開日:2011/10/11

最終更新日:2024/02/17

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タイトルを見た瞬間に「釣りだ!」と思うことはあっても本当の意味で何かピンとくる記事って滅多にないですよね。ソーシャルメディアを語らせたら世界屈指の客論ブライアン・ソリスのこの記事、一見普通のこのタイトルに最初から何か感じるものがありましたが、一読してソーシャルメディアの本質をさらに理解できた気がしました。ソーシャルメディアに関わる全ての方に贈ります。って書くとつまり全員読むべしってことになってしまいますが、お気楽にどうぞ。 — SEO Japan

ソーシャルメディアで最も嫌われる質問は最も重要な質問でもある…

ビジネスおよび生活の全ての局面において「なぜ」を尋ねる行為は、浸透しているとは言い難い。来る日も来る日も、ツイッターやフェイスブックのためではなく、ニューメディアに内在する機会を企業が理解することが出来るように私は支援している。消費者の心の中に機会が存在するためだ。しかし、その理由を理解するまでには至っていないのが現状だ。

レポートに次ぐレポート、投稿に次ぐ投稿、カンファレンスに次ぐカンファレンス、ソーシャルメディアのサクセスストーリーには事欠かない。ただし、数字、感情、クリックスルー、そして、成果に注目しなければ、成功を評価するのは難しい。調査書は至る所に存在するが、ソーシャルカスタマーに対して、何に価値を見出しているのか、その理由は何かを尋ねている調査は滅多に目にしない。

1964年、マーシャル・マクルーハン氏は著書、メディア論: 人間の拡張の諸相の中で、「メディアはメッセージである」と提案していた。マクルーハン氏の考えは、広めるコンテンツではなく、メディアは、注目と学習を必要とすると言うものだ。マクルーハン氏は、メディア自体の特徴に基づいてメディアは社会を形成すると考えている。ツイッターやフェイスブック等のソーシャルメディアが、それぞれ独特なエゴシステム、そして、支援する文化を育てているように、マクルーハン氏の理論は今でも有効である。情報の民主化が進み、影響が均一化される現代では、メッセージもまたメディアである。それぞれのソーシャルネットワークには独自の文化が根付いている。ツイッターのために作成したメッセージは、フェイスブックで伝えるメッセージとは異なり、間違いなくグーグル+でのメッセージとも異なる。ここが重要なポイントである。自分の発言が自分、そして、それぞれのネットワークやメディアでの自分の象徴を決めるだけではなく、社会全体に影響を与える。

プロフィールやプレゼンスで自分をどのように紹介しているだろうか?それぞれのネットワークでどのように自分のことを語りかけているのだろうか?ネットワークにもたらす価値をどのように示しているだろうか?

アンチソーシャルな企業

ソーシャルメディアへの参加コストの効率を上げ、拡大縮小可能にするシステムやプロセスをリサーチする仕事を頼まれることがよくある。理由を問うと、「ソーシャルメディアを運用可能にする必要があるからだ。費用対効果を知る必要がある。」と言う意外でもなければ、本意とも思えない答えが返ってくる。現実には、多くの企業が交流よりも同時配信を重要視している。ツイートがフェイスブックのブランドページに送られ、タンブラに送られていく。一対多の配信を容易にする管理システムが存在する。必ずしもこのようなシステムが悪いわけではない。1回のアップデートで完了してくれるのだ。そのアップデートがコミュニティ全体で価値があると見なされるなら問題ない。

ソーシャルチャンネルは、異なる関係者のグループにそれぞれ異なる接点を提供するため、同時配信には向いていない。それぞれのネットワークが何を求めているのか伝えてくるだろう。事実、既に多くのネットワークが伝えているはずだ。しかし、ちゃんと耳を傾けているだろうか?正しい質問を投げかけているだろうか?学んだことを戦略に活かし、前に進んでいるだろうか?

なぜ?の質問に関する話題に話を戻そう。

なぜ企業はソーシャルメディアで交流を行うのだろうか?重要なのでこの質問をもう一度訪ねさせてもらう。これまでアンチソーシャルであることで利益を上げてきたにも関わらず、なぜ企業はソーシャル化しようと試みているのだろうか?ソーシャルネットワークで顧客が交流を望む理由を理解する前に、企業は業務の効率を求めるため、消費者の声は無視されてしまう可能性がある。「情報を得る」ためでもなければ、「ブランドを介してコミュニティを構築する」ためでもない。顧客は遥かに現実的であり、長期的に時間をこのような理由で投資しているわけではない。

今、そして、今後、何を求めるのかを尋ねることから始め、なぜ自分達が貴重な時間、リソース、そして、情熱をソーシャルメディアに費やしているのか答えられる環境を作る必要がある。

結局は価値が肝要となる。経験が欠かせないのだ。自分の意見を聞いてもらい、企業が素晴らしい体験を提供してくれれば必ず消費者は感謝する。

なぜリリース直後にアップル製品を求めて人々は列を作って並ぶのだろうか?iPadを例にとって考えてみよう。その他の代わりのタブレットではなく、iPadを手に入れなければならないと消費者が思う理由は何だろうか?ウィンドウズやクロームを採用するコンピュータよりも2-3倍高いアップルのマックブックを人々が求める理由は何だろうか?なぜアマゾン.comではなくザッポスで買い物をするのだろうか?または、他の店ではなく、なぜスターバックスやダンキンドーナツばかりに人気が集中するのだろうか?

それぞれの質問への答えは異なる。しかし、多くの答えが共通のテーマを持っている。上述した企業は、体験する価値のある、お金を払う価値のある、そして、何度も何度も分かち合う価値のある経験を提供している。マーケティングの5つ目のP、つまりPEOPLEが重要なのだ。PEOPLEのこと、そして、PEOPLEから何を求められているのかを知ると勉強になる。その他の4つのP、PRODUCT(製品)、PLACE(場所)、PRICE(価格)、そして、PROMOTION(プロモーション)に影響を与えるだけでなく、ユーザーエクスペリエンスを決定づけるためだ。「なぜ」に息吹を与えるのだ。

正直に言うと、ソーシャル化の推進がなぜ顧客、そして最終的に企業自身の役に立つのかが分からないなら、ソーシャル化に関する会話は成り立たない。

そのため、正しい道を進めために、シンプルな課題から始めよう。少しの間、顧客の代わりをしてみよう。時間を割いて、以下の質問に答え、次に本年度のソーシャル戦略を見直し、何を変えるべきか、そして、その理由について考えてみよう。少なくとも、新たな実験、方向性、または計画を正当化する理由が見つかるはずだ。

顧客がソーシャルメディアで尋ねる質問 Top 10

1. なぜフェイスブックでいいね!するべきだなのだろうか?

2. なぜツイッターでフォローするべきなのだろうか?

3. なぜその経験を重視するべきなのだろうか?何か得するのだろうか?

4. なぜ長期間にわたってつながりを持つべきなのだろうか?

5. なぜ本当の友達を差し置いてそのアップデートを気にするべきなのだろうか?

6. なぜフォローしていることを他の人達に伝えるべきなのだろうか?

7. なぜそのコンテンツを仲間のオーディエンスと共有する必要があるのだろうか?

8. なぜ時間をつぎ込み、自分のネットワークではなく、そのネットワークで忠誠心を表すべきなのだろうか?

9. なぜ自分のニーズ、経験、疑問を気にしてくれないにも関わらず、注目するべきなのだろうか?

10. なぜ戻ってくるべきなのだろうか?

上述の質問に答えると、あらゆる有意義で長期的な目的に向かって前進する上で重要な質問に答えを出す上でも貢献するだろう。この取り組みが、あらゆる消費者に接する事業戦略に欠かせない重要な材料 – 共感を生み出すのだ。顧客の声に本気で耳を傾けると、ただ単に人として行動することで生まれる共感によって刺激を受けるようになる。

繰り返そう…

なぜソーシャルメディアでのプレゼンスに投資するのだろうか?

なぜソーシャルな企業になろうと試みているのだろうか?

他の企業が失敗するなか、なぜ自分の企業が成功を収めるのだろうか?

ブランドの親近感は間違いなく大きな役割を果たす。しかし、ブランドの親近感が砂時計のような存在であったらどうなるだろうか?永遠には続かない可能性も考えられる。継続的にモニタリングし、必要に応じて変えることで、長生きが保証されるのだ。ここがポイントだ。ソーシャルは手段ではない。やがて終わる手段ではない。目的があり、意義深く、そして、価値のある何かを実現してくれるのがソーシャルである。顧客は教えてくれる。現実とは注目が全てであることを。そのため、ブランドは、今日、そして、毎日、意義を手に入れなければならない。まずは単純な“なぜ?”の質問に答えることから全てが始まる。


この記事は、Brian Solisに掲載された「The Number One Least Asked Question in Social Media…Why?」を翻訳した内容です。

正直、私自身はタイトルを読んだ際に少し違う意味合いの取り方をしてしまい、「ユーザーの何故?に答えるサービスがソーシャル時代に勝つ」的な考えをしてしまったのですが、改めて記事を読んでそれはそれで納得しましたし、ここに書かれていることを考え思考錯誤しながら自ら実践していかなければ現在進行形で進化している企業と消費者の関係は決して構築していけないのだろうなとも感じました。

インターネットが普及したからインターネット広告、皆が検索するようになったからリスティング広告やSEO、TwitterやFacebookが普及したからソーシャルメディアマーケティングやソーシャル広告だ、と時代の風潮に乗っているだけの人も、たまにはこの本質的な質問を考えてみても良い時期に来ているのかもしれません。インターネット、そしてソーシャルはこれまでの「気付いてみたら従来のマス広告より影響力もあるから使う広告媒体」レベルの存在ではなく、我々自身が生き心を通い合わせるプラットフォームに成長しつつあるわけです。人真似しているだけでは、追うことはできてもリードする存在には決してなれないかもしれません。 — SEO Japan

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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