コンテンツが王様ではない時

公開日:2011/12/18

最終更新日:2024/02/29

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小手先のテクニックが効かなくなりつつあるSEOはもちろん、ソーシャル化が加速度的に増しているネットの世界。コンテンツの重要性がこれまで以上に問われる時代はかつてなかったといっても間違いではないかもしれません。今回はあえてそんな「Content is King」的風潮に一言物申したい筆者によるコンテンツ至上主義時代へのメッセージ的記事をお届けします。コンテンツ発信の重要性は皆分かっていると思いますが、この記事の内容を頭の片隅に留めておくことで、より有効な情報発信が可能になるかも。 — SEO Japan

あなたは下調べをした。顧客の話に耳を傾けた。その分野であなたがリーダーであることを証明する優れたコンテンツを作った。あなたは、オーディエンスに関連性があり、極めて価値の高い情報を提供している。ふむ、コンテンツが王様なら、それで十分だろう。でも、それが真実とは限らない。

人々が自分のことを知り、好きになり、信頼するようになる情報を提供することが、マーケティングの本質ではないか?それ以上に何があるのか?

1つには、コンバージョンがある。コンバージョンは、あなたのコンテンツが人々を行動に動かしたかどうかを教えてくれる。そのコンテンツは何らかの形で人々の行動を駆り立てただろうか?

最終的に人々に何らかの行動を取らせないコンテンツは数に入らない。

行動は、3ヶ月もしくは1年後になるかもしれないが、あなたのメッセージが、人々に決断や行動をもたらすべきなのだ。彼らはあなたのコンテンツを見た後、いずれ何かを購入したり、寄付したり、ニュースレターに登録したり、あなたのコミュニティに加わったり、あなたの製品をレビューしたりするのだろうか?

あなたは今、私がコンバージョンが王様だと言うつもりなのでは、と思っているかもしれない。しかし、それは違う。コンバージョンは結果にすぎない。セールス、購読、ダウンロードは結果である。

このプロセスの本質は何か?“王様”は、コミュニケーションである。

素晴らしいコミュニケーションが行われている時、人々は自分が何かをするように説得されているとは感じない―彼らは、何かをする気にさせられるのだ。彼らは、自ら溢れ出てくるエネルギーによって自分で行動する。あなたは世話役にすぎない。

私が子供のころに聞いた話で最もよく覚えているのは、北風と太陽が男のコートを脱がせようとして競った話だ。最初は北風だった。彼は、できる限り強く風を吹いたが、男のコートを脱がせることはできなかった。実際、彼が強く吹けば吹くほど、男はコートに強く包まった。そして、太陽の番が来た。太陽は空に高く上がり、下にある物すべてを暖めた。男は簡単にコートを脱いだ。

最近、ニューヨークシティで行われたサイモン・シネックによるプレゼンテーションに参加した時、私は最前列で素晴らしいコミュニケーションを体験した。彼は、ビジネスが目的を持つことがいかに重要かについて話した。より高い目標を持つことが、人が上へ前と進む動機を与える。製品を売ること以上に大きな使命の一部であることが、人を避けては通れない試練に耐えて乗り越える気にさせる。情熱は人を桁外れの高さに押し上げる。それが、サイモンの話の要点だった。

私は前にそれを聞いたことがあったし、恐らくあなたもそうだろう。

しかし、サイモンは優れたコミュニケーターである。彼のTedトークは、史上最も人気のあるTedトークの1つだった。彼の話を聞いた時、彼は私が理解するのを助け、要点を説明した一連のストーリーを伝えることによって自分のメッセージを視覚化さえもした。さらに彼は常に情熱を持って話すため、私はただ理解するのではなく、それを感じることができるのだ。私は聞きながら、自分の考え方が変わっていくのを感じた。同時に、これらのアイディアは前に聞いたことがあるという事実に気付いている自分もいて、私の中の変化はコミュニケーションの結果だった。

人に言いたいことが通じるのは優れた能力だ。

決まったやり方などない。たぶん、優れたコミュニケーターは生まれつきその類まれな才能を持っているのだ。しかし、私達は、優れた人を観察しそこから学ぶことによって、そして、そのプロセスを研究することによって、自分達自身のコミュニケーションのレベルを上げることを試してみるべきである。

このトピックに関して私がこれまで読んだ中で最も価値のある本は、Made to Stickで、2番目がSwitchだ。どちらもチップとダン・ヒース兄弟によって書かれたものだ。これらの本を読んだ後、私は、優れたアイディアも、それを支持するように他人を説得できない限りは、意味のないものだと気が付いた。成し遂げられるのはほんのわずかだ。

実際に話している優れたコミュニケーターを見たければ、リチャード・フェイマンが電界物理学を説明しているこの動画を見よう。物理学の基礎がない人でも―私でさえ、彼が何を言っているのかが分かる。しかし、もっと驚くべきことは、彼の手の中で実際にこの題材が魅惑的に思えることだ。彼の話し方に見え隠れする喜びと熱意が、この題材を面白いものにするのだ。彼のメタファーと簡単な言葉の使用が、難しい概念を理解しやすくするため、私達が彼の世界に喜んで入っていく道を作るのだ。

ナンシー・デュアートもまた、上手に伝えることを学びたい人にとっての優れたリソースだ。彼女は、死ぬほど退屈なPowerPointのプレゼンテーション、つまりあなたが3分ごとに携帯電話をチェックしたくなるようなものを、魅力あるプレゼンテーションに変える手助けをしている。

ソーシャルメディアは、スピードを増していて、速度を上げた車や飛行機のように私達はコミュニケーションを取る。しかし、TwitterもFacebookもブログも、スピードだけが全てではない。それらは、私達が、フィードバックと関与の付加価値と共に世界中でリアルタイムにコミュニケーションを取ることを可能にする。

私には、より良いライターおよびプレゼンターになる努力をすることによって自分のコミュニケーションスキルと向上するという個人的使命がある。もし私が、トランスペアレンシーやリテンションやエンゲージメントのような業界用語を現実に呼び戻す手段もなしに使おうとしている自分に気が付ついたなら、リチャード・フェイマンを思い出す。彼が専門用語を使わずに光の理論を説明することができるなら、私はそれらの言葉を使わずにソーシャルメディアについて話すことができるはずだ。たとえあなたが1人の人物に考えを述べているとしても、もしあなたが分からせなければそれは無駄な呼吸なのだから、これに毎日取り組むことは可能なのだ。その無駄な呼吸は、あなたのデジタルメッセージが達する数百人、数千人、数百万人の人々によって拡大する。私はただ単に考えを持つことをしたくない。私は、それを他者の心に響かせたいのだ。

なぜなら、ソーシャルメディアでは、コミュニケーションが王様だから。


この記事は、Social Media Explorerに掲載された「WHEN CONTENT IS NOT KING」を翻訳した内容です。

コンテンツは発進するだけでは意味がない、理解してもらって始めて意味があるものになる、という趣旨の内容でした。全く持ってその通りなのですが、確かに世の中には昔から読み手、受け手のことを考えずに自分の考えや知識だけをひけらかした「誰にも感謝されないけど内容だけは充実しているコンテンツ」は限りなくありましたよね。もちろんそんなストイックすぎるコンテンツの中にたまに世の中を震撼させるような内容があるのも事実なんですけど、少なくとも「これからはコンテンツの時代だから自らコンテンツ発進しなきゃね★」と考えているレベルの「マーケッター」な我々にとってはコンテンツの内容と同様かそれ以上に読み手に理解されることをキッチリ考えてコンテンツに取り組んでいきたいものです。記事はもっと崇高なことを語っていると思うのですが、陳腐な落とし方にしてしまって申し訳ありませんです m(_ _)m ちなみに、途中で出てきた「素晴らしいコミュニケーションが行われている時、受信者は自ら溢れ出てくるエネルギーによって自分で行動する。情報発信者は世話役に過ぎない。」という一文はなるほどなぁと唸った名文でした。
— SEO Japan

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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