Twitterの最新の利用状況と今後の戦略

最終更新日:2024/02/17

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一時、成長が止まった?と噂されたこともあったTwitter、最新の利用状況をThe Next Webからお届けします。ネガティブな噂もなんのその、成長は変わらず拡大中のようです。統計以外にもTwitterの現状と今後がさくっと読んでわかる良記事を是非。 — SEO Japan

ツイッターの未来は明るいだろう。非公式なプレスミーティングで、ツイッターのディック・コストロCEOが、現在のスタッツ、そして、戦略を明かしてくれたため、同社が新しい機能を加えるよりも、主に収益の増加と収益化に焦点を絞っている点が見えてきた(壊れていないなら、直す必要はないと言うことだろう)。サンフランシスコに本社を構えるツイッターは好調を維持しており、正しい道を歩んでいるように思える。

ツイッターが成長を計測する上で利用している方法の一つが、1日に送信されるツイートの本数である。1年前、ユーザーは1日に5000万本のツイートを送信していた。そして、3月11日、1日に1億7000万本のツイートが送信され、最多ツイート/日の記録を作った。驚くべきスタッツである。しかし、ツイッターが今後も成長を続けるのか?と言う疑問は残る。

現状

先程も申し上げたように、ツイッターは複数の方法で成長を計測している。サイトのトラフィックだけでは全体像を明らかにすることはできない。twitter.com以外の多くの場所で、ユーザー達はツイッターを利用しているためだ(アプリケーション、第三者のクライアント、はたまた、APIを介してフェイスブック等のその他のソーシャルネットワークへ提供されるツイート)。

2011年9月8日の時点のスタッツを以下に掲載する。

  • 1日に送信されるツイートの平均の本数: 2億3000万本
  • 世界全体のマンスリーアクティブユーザーの人数: 1億人
  • 毎日アクティブのログインするユーザーの人数: 5000万人
  • モバイルユーザーの割合: 55%
  • twitter.comへのマンスリーユニークビジターの人数: 4億人以上

今年の年明けと比べ、1日あたりのツイートの本数は110%増加し、マンスリーアクティブユーザーの人数は1月1日から82%増加していた。この現象はどのようにして起きたのだろうか?この大幅な増加の原因は何だろうか?他にも、毎日ツイッターにログインするユーザーの人数は105%増加し、また、マンスリービジターの人数も年明けから70%増加している。

この傾向を詳しく見てみよう。

ツイッターを成長させる原因

送信されるツイートの本数は、大規模な文化的な出来事が起きると急増すると言うのが、大多数の意見であり、例えば日本で地震と津波が発生した3月11日、平均を3700万本越える本数のツイートが送信されていた。先週のツイッターのプレスイベントでは、コストロ氏は、ハリケーンのアイリーン、マンチェスターユナイテッドがアーセナルに圧勝した試合、さらには、MTV ミュージックアワードでのビヨンセによる妊娠の発表等の例を挙げていた。

この点に関して、ジャスティン・ビーバー、スティーブン・フライ、アシュトン・カッチャー、そして、レディーガガ等のセレブによるツイッターの利用は、大勢のファンをサービスに呼び寄せ、ユーザーを増やす効果があった。この点を考慮すると、ツイッターはダンスに夢中なティーンやアイドル好きの若者でごった返しているような印象を与えるかもしれないが、マーケティンググループのデジタル・サージャンズが2010年12月に報告したユーザー層のデータを見ると、意外にも26-34歳の層が多かった。

作家でありメディア理論化のダグラス・ラッシュコフ氏は、ツイッターは他のプラットフォームが持っていない新しいアイテムを提供しているため、ツイッターは成長していると考えている

「ツイッターは市民の初めての放送メディアである。今すぐ放送を始め、持ち運びも可能であり、また、じっとする必要もない。フェイスブックのようなサービスとは異なり、固定されていない点がツイッターの最大の魅力である。大量のeメールを処理することなく、またはプロフィールを調整することなく、そして、他の何かを気にすることなく、ツイートを送信することが可能である。投げるだけで、受ける必要がないのだ。」

そして、広告効果にも触れないわけにはいかない。昨年、ツイートの20%に企業やブランドに言及する言葉が含まれていた。ツイッターは広告主にツイートを売り込むスポンサーの枠を販売していたが、この枠はすぐに埋まっている。昨年の収益はたった4500万ドルだったにも関わらず、ツイッターには100億ドルの価値が見積もられている。また、各種のオーガニックな広告が間もなく同プラットフォームに導入されるため、ツイッターの価値が引き続き上がる可能性が高いことは想定の範囲内である。

常にうまくいっていたわけではない

過去を振り返ると、ツイッターが常に成功を収めていたわけではないことが分かる。リードライトウェブは2009年3月に成長率のピークを13%で迎え、10月には3.5%に落ち込んだと報告している。同プラットフォームのユーザーは活発に行動していたものの、なぜかツイッターに新たに加わるユーザーは減っていた。

サンフランシスコ・クロニコルは2010年7月、ツイッターが米国のユーザーにおける増加率がピークに達し、それ以来ユーザーの増加は増減なしか、下がっていると指摘していた。米国外では、ツイッターは成長を続け、雑草のように増え続けてきたが、ソーシャルメディアの問題に目を光らせていた人々は、ツイッターは米国内の成長を再び加速化させる必要があり、さもなければ収益は大幅に限定されてしまうと警告していた。

しかし、幸いにもディック・コストロ氏がCEOに昇進したことで、収益化に関してはツイッターは正しい方向に進みつつあるようだ。

ツイッターが利益を得る仕組み

フェイスブックやグーグルとは異なり、ツイッターは過剰に裕福な企業ではない。事実、大半の専門家はツイッターは赤字だと推測している。恐らく、財務状況に関する情報のリークを恐れたのだろう、ツイッターは8億ドルの資金を投入し、4億ドルをツイッター自身に、そして、残りの4億ドルを既存の株主に分配した。ちなみに、株主の人数が500人を超えると、企業は財務状況を明らかにしなければいけなくなる(赤字ならばツイッターが絶対に避けたいはずだ)。

自らの口座に投じられた4億ドル以外にも、ツイッターは広告で収益の大半を賄っている。ツイッターは今後の一ヶ月前後で広告ツイートとトレンドを英国で立ち上げる。そして、9月8日のツイッターのミーティングによって、ツイッターが収益を拡大する上で、広告ツイートが中心的な役割を果たすことが確認された。

コストロ氏自身、ツイッターは広告の拡大に焦点を絞ると明かしており、活発に交流を行うツイッターのユーザーは、その他のソーシャルネットワークよりも3倍ブランドにインパクトを与えると報じられていることもあり、広告は事業を成長させる上で唯一必要とされている手段だと指摘している。

ツイッターが望む、ブランドのために効果的に広告を行う力を活用する方法の一つが、広告ツイートを全ての第三者のクライアントとプラットフォームに統合する戦略である。控えめな広告として知られている広告ツイートは、ユーザーの関与に関して言えば、以外と効果は高く、また、その他のソーシャルネットワークに掲載するよりも料金が低価格である。これは、ツイッターがインプレッションを基に料金を決めずに、広告ツイートのアクション – クリックスルーと本来の関与 – に応じて料金を設定しているためだ。

この非常に効果的な広告ツイートを複数のクライアントおよび既存のプラットフォームに統合することで、安価な広告が大勢のユーザーの目にとまり、以前よりも接触の範囲が拡大されるだろう。コストロ氏によると、「広告ツイートはツイートが向かうところに向かうことが出来る」ようだ。ツイッターがiPhone 5のネイティブアプリになる点を考慮すると、今後の数ヶ月でツイッターの影響力が大幅に強くなる点を想像するのは難しいことではない。

ツイッターにとって有利なポイント

今年の早い段階で、共同設立者のうち2名が同社を去ったものの、状況は上向きであり、ツイッターは相変わらず野心的なビジョンを持っているようだ。コストロ氏は、同社の目標は少なくとも20億台にツイッターを搭載させることだと強調している。また、このプラットフォームを収益化する取り組みを行うのはコストロ氏だけではない。ツイッターの共同設立者の一人であり、製品部門を現在は統括するジャック・ドーシー氏は、ツイッターが今後も成長していく上で、影響を与えていくようだ。

「製品のアイデアを豊富に持っている点は、ジャックのすごい面の一つだ。デザイナー、エンジニア、製品管理部門等の間に若干の緊張がある部屋でジャックのような人物がいると助かる。議論をすぐに落ち着かせることが出来る人物がいると助かる。」

警告する声は上がっているが、ツイッターは同プラットフォームが存続可能である点を証明している。収益が増え、ドーシー氏が今後も手を貸し、iPhone 5に統合され、そして、ツイッターが前に進む上で広告ツイートによって広告が中心的な役割を果たしていく点を考えると、ツイッターは、進む方向性に関して明確なビジョンを持っているように思える。しばらくは株式を公開する計画がないと言う事実をつけ加えると、ツイッターがツイッター自身の課題に焦点を絞り、今後も独立性を維持し、収益を上げ、そして、思い通りに行動する点は明らかである。

ライター紹介

シェリリン・”チェリ”マカレはザ・ネックスト・ウェブのソーシャルメディアエディターであり、カリフォルニア州サンフランシスコを拠点に活動している。部屋でブログをしているか、テレビゲームをしているか、ギークカルチャーに没頭していることが多い。ツイッターフェイスブックグーグル+でフォローするか、eメール:cheri@thenextweb.comで連絡を取ることも出来る。


この記事は、The Next Webに掲載された「Dissecting Twitter」を翻訳した内容です。

最近、600億円近い増資をしたばかりだったとは知りませんでした。時価総額6,000億円の評価ですか。この金額があれば、マネタイズはまだまだ不十分なTwitterですが、当面は集中してビジネスに取り組めるのでしょうね。ツイート数も増加の一途をたどっているようですし、多くの人の予想以上にインフラレベルのコミュニケーションツールとして成長を続けていますね。果たしてTwitterが今後どこまで自身をマネタイズできるのか、要注目です。 — SEO Japan

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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