SEOにおいて、コンテンツのパフォーマンスとエンゲージメントを測定するための基本的な13の指標

公開日:2019/09/24

最終更新日:2024/03/04

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質の高いコンテンツ制作は、ほぼすべてのWebサイトで共通の施策となっているはずです。また、SEOにとっても効果的な施策であることは、言うまでもないでしょう。

しかし、SEO担当者がその施策チームに含まれていなければ、せっかくのコンテンツマーケティングの効果を見落としてしまう可能性も考えられます。

素晴らしいコンテンツを作成した結果を正確に把握するためには、何を指標とすればよいのでしょうか。今回はコンテンツマーケティングの結果を測るSEOの指標をまとめているSearch Engine Journalの記事を紹介します。

現在、我々はSEOとコンテンツマーケティングが手を取り合う時代でマーケティングを行っている。

検索エンジンからの成功を勝ち取るためには、優れたコンテンツの作成が必要となる。

SEOとコンテンツマーケティングのつながりの理解は非常に重要となっている。それが、リンクビルディングの手段として、高順位の獲得手段として、ユーザーを教育しコンバージョンを導くための方法として、のいずれであってもだ。

しかし、成功は、たった一つの指標で表されるものではない。

コンテンツマーケティングの成果を分析し、理解するためには、下記の項目への理解が必要となるだろう。

  • 考慮すべきキーとなる指標を知る
  • 指標を計測する方法を学ぶ
  • どの指標があなたの宣伝施策とビジネスに適しているかを特定する

まず最低限知っておく必要のある、SEOにおいて共通となる指標を見ていこう。

1.リンク数

多くのSEO担当者にとって、リンクの獲得はコンテンツマーケティングの主要な目的の一つであるはずだ。

参考として、GoogleのWebマスターガイドラインから一部抜粋してみよう。

自分のサイトに、他のサイトから高品質で関連性の高いリンクをもらうには、インターネットコミュニティで自然に人気を得られるような、関連性の高い独自のコンテンツを作成するのが最も効果的な方法です。良質なコンテンツはリンクの獲得に役立ちます。リンクは編集者による人気投票のようなもので、役に立つコンテンツを多く提供するほど、そうしたコンテンツが自サイトのユーザーにとって有益だと気付く人が増え、そのサイトコンテンツへのリンクを設定してもらえる可能性が高くなります。

リンクには良いリンクと悪いリンクがある。

リンクは、Googleのランキング要素のトップ3の一つである。

高品質で関連性のあるリンクとは、人気を得た独自性のあるコンテンツの作成の結果によって獲得できるものだ。

しかし、すべてのリンクが同じというわけではない。

リンクプログラムに参加することは、Googleのガイドラインに違反する。こうした類のリンクは他にもある。

  • ペイドリンク
  • 過度な相互リンク
  • キーワードを詰め込んだアンカーテキストの使用
  • 自動生成サービスで作成されたリンク

まとめると、「リンクは自然に獲得されたものであるべき」ということだ。そして、リンクを獲得するための最適な方法が、優れたコンテンツを作成することなのだ。

Googleトレンドで「リンクビルディング」と「コンテンツマーケティング」を比較してみよう。

Googleがペンギンアルゴリズムを初めて実装した数カ月後、「コンテンツマーケティング」は検索キーワードとしての注目を集め、反対に「リンクビルディング」は大きく下降している。

この状況を踏まえれば、リンク獲得がコンテンツマーケティングにおける重要なSEO指標の一つであることは驚きではないだろう。

リンクは確かに重要であり、その重要性がなくなることはない。

リンク数は重要な指標であり、その測定方法を学ぶべきだ。

しかし、「リンクで重要なのは数のみではない」ということを理解しよう。

リンクはその質も大事となるのだ。

質を考慮に入れた上で、どのようにしてリンク数を測定すればよいのか。

測定ツールを使用しよう。理想は、複数のツールを組み合わせることだ。

リンク測定の有名なツールは下記だ。

  • Google Search Console
  • SEMrush Backlink Audit / SEMrush Backlink Analytics
  • Majestic
  • Moz’s Link Explorer

複数のリンク分析ツールを使用する理由は、可能な限り包括的に、自身のサイトのリンクプロフィールを把握するためだ。

すべてのリンクをインデックスしているツールは存在しないため、少なくとも2つ以上のツールを使用すべきだろう。

Google Search Consoleは無料のツールであるが、有償のツールと同程度の指標を備えているわけではない。しかし、Search Consoleはすでに使用しているだろうし、自身のサイトに向けられたリンクの概要を知るために最適なツールであるといえる。

リンクプロフィールを確認するためには、Search Consoleを開き、左側のサイドメニューにある「リンク」をクリックすればいい。

この機能により、そのページに向けられ、Googleがインデックスしているリンクの概要を確認できる。

しかし、この機能から得られる情報はそれほど多くはない。リンクの関連性や権威性=質は、リンクの総数よりもずっと重要なのだ。

少なくとも一つのプロフェッショナルなツールに投資する価値はあると言える。リンクプロフィールをより良く把握でき、SEOのキーとなる指標を特定できるからだ。

どのツールを使用するにせよ、各ツールは独自のスコアを使用しており、このスコアを見ることでリンクの品質の理解へとつながるだろう。簡単に言うと、スコアが良ければ、リンクの質も良いということだ。

また、リンクの関連性も無視してはならない。権威性と同様、関連性のあるサイトからのリンクを獲得することは非常に重要だ。理想的な状況は、一流のサイトから関連性があり、権威性のあるリンクを獲得していることだろう。

リンクはコンテンツマーケティングの施策における、SEOのキーとなる指標である。どのような状況が品質の高いリンクの獲得に貢献しているかを理解することは重要なことである。

リンクビルディングはSEO界隈でもよく議論される内容の一つであり、リンクが順位に影響を与えるという事実は、驚くべき内容ではない。

自身のサイト、もしくはページに向けられたリンクを獲得するために、何ができるだろうか。

GoogleのWebマスターガイドラインにも記載されているとおり、他者がリンクを貼りたくなるような優れたコンテンツを作成する必要がある。独自性があり、有益なコンテンツだ。

リンクを貼ってくれる可能性のあるユーザーに、あなたが作成した優れたコンテンツを知らせよう。Eメール、ソーシャルメディアでのプロモーション、古典的な方法では有るが、電話をかけるという手もある。

コンテンツの質が良ければ、ジャーナリスト、ブロガー、インフルエンサーなど、関連性のあるリンクを貼ってくれる可能性がある者たちもいる。

さらに多くのアイデアが必要であれば、我がサイトのリンクビルディングガイドの記事を読んでいただきたい。

2.順位

作成したコンテンツへの自然検索経由でのトラフィックを得るためには、Google、Bing、そしてその他の検索エンジンの検索結果の目立つ場所(=上位)の順位を獲得しなければならない。

そのため、順位はSEOの重要な指標と言えるわけだが、その重要性はかつてほど高いわけではない。

実際、順位に対し必要以上に注力してしまうことは、初心者にありがちなミスと言える。

なぜだろうか。

検索結果のパーソナル化、検索結果0位(強調スニペットなど)、広告スペース、ローカルパックの表示など、広範囲に渡る要素が絡んでくるからだ。

簡単に言うと、特定の検索キーワードの順位を正確に測定することが非常に困難になっているのだ。

それでは、順位はどの程度重要なのだろうか?

答えは、「”とても重要”とは言えない」となる。

自然検索からのトラフィック、インプレッション、クリック率などのその他の指標と組み合わせて考えなければ、順位はそれほど意味を持たない指標なのだ。

そのため、あなたは検索キーワードと関連する順位の両方を把握する方法を理解しなければならない。

もちろん、SEMrush、Searchmetrics、Mozなど、有償の順位測定ツールを使う手もあるが、必要な指標はほぼGoogle Search Consoleで確認できる。

確認方法(特定のコンテンツの指標を見る場合を例に挙げる)は、Search Consoleにアクセスし、左側のサイドバーの「検索結果」をクリックすればよい。

フィルタを追加したい場合は、「新規」をクリックする。

グラフの下部にある表の「ページ」タブをクリックすれば、特定のURLで絞り込むことができる。

URLを入力すれば、そのコンテンツが検索結果に表示される際のキーワードを確認することができる。また、表内のキーワードをクリックすれば、選択した期間におけるそのキーワードの順位推移を確認できる。

必要であれば、順位で絞り込むことも可能だ。

順位自体は、それ単体では主要な指標にならないことが多い。

しかし、他の指標と組み合わせた際の、検索キーワードのデータの威力を甘く見るべきではないだろう。

3.自然検索からのトラフィック数(Google vs Bingのトラフィック)

おそらく、順位よりも重要な指標は、そのコンテンツが得た自然検索からのトラフィック数だろう。

そのページが読まれた数は、あなたのビジネスへのコンバージョンを発生させる可能性そのものである。

多くの場合、自然検索からのトラフィック数は重要な指標の一つとなるだろう。過去のデータとの比較を含め、単純に推移を測定するだけでなく、将来的に改善するためにはどうすればよいのかを常に考えるべきだ。

検索キーワードのデータと組み合わせることにより、戦略の意思決定における強力なデータとなる。

幸運にも、自然検索からのトラフィックを特定するのは非常にわかりやすい。

Google AnalyticsとGoogle Search Console(Bing Webmaster Tools)にアクセスすればよいのだ。

まずは、特定のコンテンツの検索からのトラフィックが、他のチャネル(広告、ソーシャル、リファラ)と比較し、どの程度積み上がっているかを確認しよう。

Google Analyticsにアクセスし、「行動>サイトコンテンツ>すべてのページ」の順にクリックする。

ここでは、サイト全体のデータを確認できる。また、最も高いパフォーマンスを出したページや特定のURLのデータを確認するためにアドバンス検索を行うこともできる。

データを見たいページをクリックし、セカンダリディメンションで「参照元」をクリックする。

こうすれば、選択した期間における参照元ごとのトラフィックを確認することができる。

ここで重要なことは、自然検索からのトラフィックを他のチャネルと比較することだ。

セカンダリディメンションで「参照元/メディア」を選択すれば、他の検索エンジンとの自然検索のトラフィックを比較することもできる(例:Google vs Bing vs Yahoo)。

4.自然結果のクリック数、インプレッション数、クリック率

自然検索のトラフィック数は、それ自体では、「そのサイトやページが検索からのトラフィックをどのくらい獲得したか」しか表していない。検索キーワード、潜在的なトラフィック数、クリック率などは含まれていないのだ。

(特に順位データを含めることにより)特定の検索キーワードに関わるデータを収集することで、今後の成長などに対する判断を下せるようになる。

一般的には、下記の項目を指標とする場合が多い。

  • インプレッション数は多いが、クリック数が低い(CTRが低い)。
    CTRを高める施策が必要とされる。
  • インプレッション数は低いが、クリック率は高い。
    インプレッション数を高めるために、他のキーワードを対象としたコンテンツの最適化が必要とされる。

重要な決定を下すためのデータが必要とされ、そのデータから導き出されたアクションを行う。トラフィック数だけで判断するべきではない。

「ユーザーは検索結果に表示されているあなたのサイトとどう関わっているか」「なぜクリックが発生しているか」といったデータと向き合うのだ。

こうしたデータを取得するためには、Search Consoleにアクセスし、検索結果の順位を反映させた絞り込みを行う。

左側のサイドメニューに表示されている「検索結果」をクリックしよう。

下記のようなデータが表示されるはずだ。また、「新規」をクリックすることで別の絞り込みを行うこともできる。

「ページ」をクリックすれば、特定のURLで絞り込むことができる。

調査したいページのURLを入力すれば、インプレッション数、クリック数、クリック率とともに、検索キーワードのデータが明らかになる。

Bing Webmaster Toolsでは、Search Keywords Report(キーワード検索レポート)を使用することで、どのキーワードで検索結果に表示されているかがわかる。また、クリックがBing、もしくは、Yahooで発生しているかも確認できる。

これらのデータは、レポート&データタブ内で確認が可能だ。

5.オーガニックのコンバージョン率

多くのSEO施策の目的が、訪問客からのコンバージョンを獲得することだ。達成が難しいコンバージョン(例:ECサイトでの購入)、比較的容易に達成できるコンバージョン(例:ブログでのEメール購読)、または、その間にあるものなど様々だ。

そのため、自然検索からのコンバージョン率を計測することは重要と言えるだろう。コンバージョン率は、「目標に対し予め設定していた行動を取った訪問客の割合」となる。

この指標により、コンバージョンがサイト全体、または特定のコンテンツにおいてどの程度積み重なっているかを計測することができる。また、コンバージョン率が低ければ、改善箇所の特定にもつながるだろう。

まず取り組むべきことは、コンバージョンとして何を計測すべきかを知ることだ。すでにGoogle Analyticsで目標を設定し、計測を始めているかもしれない。

しかし、コンテンツマーケティングの目標という場合には、サイト全体の目標と比較し、より深い洞察が必要とされる。

計測すべき指標が売上、リード、Eメール登録、ページ滞在時間(熱心なユーザーの滞在時間が他のユーザーと比べて長ければ、リマーケティングリストに追加することが可能だ)などのいずれであれ、Google Analyticsに設定されていれば、特定のページにおけるコンバージョン率の把握はたやすい。

※備考:目標の設定が済んでいない場合、こちらのヘルプ記事をまずは読んでいただきたい。

目標の設定が完了している場合、コンバージョン率を計測したいページは次の手順で確認できる(集客>すべてのトラフィック>キャンペーン>オーガニック検索キーワード)。

この設定で、ランディングページに絞り込むことができる。

さらに、確認したい目標で絞り込む事により、各種データと目標を確認できる。

6.モバイルのランキング

Googleがモバイル・ファースト・インデックスへの注力を進める背景もあり、自身のサイトがモバイル検索に最適化されているかを把握することは、これまで以上に重要となっている。

その結果、サイト全体で計測している指標も、デバイスの種類ごとに分けて把握する必要がある。

モバイルの順位においては、該当のコンテンツのモバイルとデスクトップの両方のパフォーマンスを理解することが重要だ。より多くのビジビリティ(検索結果上での露出)を獲得するために必要な改善策なども見えてくるだろう。

繰り返しとなるが、モバイルの順位を計測するためも、有償のツールを使用することを検討してほしい。

しかし、Google Search Consoleでも、これらの指標は計測可能だ。

左側のサイドメニューの「検索結果」をクリックしよう。

下記のページが開かれるはずだ。また、「新規」をクリックすることで別の絞り込みを追加できる。

「ページ」を選択すれば、特定のURLで絞り込むことができる。

ここで表示されているデータは、サイト全体で表示されているデータと同じ項目となる。

そして、「新規」から「デバイス」をクリックしよう。

ここで、モバイル、タブレット、デスクトップ(もしくはそれぞれの比較)を選択できる。

絞り込みを設定すれば、特定のデバイスの各キーワードにおける平均順位を確認できる。また、クリック数、インプレッション数、クリック率などの指標も確認できる。

7.モバイル検索のトラフィック数

モバイルファーストの時代においては、自然検索のトラフィックがどこから来ているかを理解することが重要だ。デスクトップからだろうか。モバイルからだろうか。

こちらを把握するため、Google Analyticsのデータをデバイスごとに振り分ける方法を学ぼう。

幸運にも、その方法は非常にシンプルだ。「行動>サイトコンテンツ>すべてのページ>セカンダリディメンション>デバイスカテゴリ」と選択していく。

測定したいURLを入力すれば、モバイル、デスクトップ、タブレットのデバイスごとに割り振られたトラフィック数を確認できる。

サイト全体のデバイス別のデータを確認したい場合は、「オーディエンス>モバイル>概要」と選択すれば良い。

8. Accelerated Mobile Pages(AMP)

この領域は少々複雑だ。

Accelerated Mobile Pages(AMP)は、モバイルデバイスにて、コンテンツをほぼ一瞬で表示させることを可能とする技術である。つまり、ユーザー体験とエンゲージメントの向上が期待できるのだ。

2年以上前に、GoogleはAMPをモバイル検索に導入した。そして、マーケターがこの技術について理解する必要性も生まれた。

これまでに紹介してきた指標をAMPページでも計測したいと思うはずだ。しかし、AMPページの場合、そのままではGoogle Analyticsでは計測することができない。

Google Analyticsで計測するためには、 AMP Analyticsタグをモバイルページに設定する必要がある。

また、「アナリティクスでデータが収集される仕組みとその用途を開示するとともに、こうしたデータの収集や使用をユーザーが無効にできる」設定をしなければならない。

さらに、AMP Analyticsは下記の項目のみ、測定可能となる。

  • ページデータ:ドメイン、パス、ページタイトル
  • ユーザーデータ:クライアント ID、タイムゾーン
  • 閲覧データ:参照 URL、ユニーク ページビュー ID
  • ブラウザデータ:画面の高さ、画面の幅、ユーザー エージェント
  • インタラクション データ:ページの高さ、ページの幅
  • イベントデータ

多くのコンテンツマーケターにとっては十分な項目だろう。AMP Analyticsタグについてのドキュメントはこちらだ。

実装が完了すれば、AMPページと非AMPページでトラフィックを比較することができる。

前提として、Google AnalyticsはAMPのデータをデータソースディメンションに送信する。これらは絞り込みのために使用され、特定のビュー内で、AMPと非AMPページの分析が可能となる。

AMPページの成功のために必要なことは、技術的なエラーを発生させないことだ。

公式のAMPページのバリデーターを使用し、作成したAMPページを確認しよう。また、SEMrushの機能を使用すれば、一括の確認も可能だ。

9.ページスピード

Googleはページスピードをランキング要素として使用する場合もある。

しかし、サイトスピードに関わる指標は、非常に複雑だ。

わかりやすく区別してみよう。

  • サイトスピードは、サイト内の特定のサンプルページのページスピードである。
  • ページスピードは、ページのロードスピード、もしくは、特定のページのファーストバイトにかかる時間である。

ページスピードが早ければユーザー体験も良くなるため、Googleはランキング要素として扱うと考えることができる。

また、スピードが遅いページは、割り当てられたクロールバジェットがあるため、多くのページがクロールされない可能性があることも理解しておくべきだ。

幸運にも、GoogleはPage Speed Insightsというツールを提供しており、このツールを使用すれば、ページスピードを容易に計測することができる。

このツールにURLを入力すれば、モバイル版とデスクトップ版の両方で、様々な指標を確認できる。また、最適化の方法やページスピードを改善するためのアドバイスも提供される。

最近では、ChromeのUser Experienceレポートからのデータも含まれている。大量のデータを一括で確認したい場合は、SEMrushのSite Auditの機能を使用しよう。

10.クロールエラー

クロールエラーは、検索エンジンが特定のURLをクロールしようとしたが、実際にはクロールできなかった場合に発生する。

一般的に、クロールエラーは、Googleボットが「行き止まり」に出くわすことを意味する。リンクをたどってページに到着したがクロールが叶わなかったという状況であり、解決すべき対象となる。

基本的に、Googleはクロールエラーをサイトエラーか、URLエラーかに分けている。前者はサイト全体の適用(つまり、クロールできないということ)になり、後者は特定のURLにおける問題となる。

サイトエラーの原因はDNSかサーバーのエラーである場合が多く、URLエラーは404に関連した場合が多い。

どのような形であれ、クロールエラーは修正の対象とすべきだ。そのため、定期的な観測が必要とされる。ありがたいことに、Google Search ConsoleもBing Webmaster Toolsも、クロールエラーのデータを提供してくれている。

また、Screaming Frog SEO SpiderやSitebulbといったデスクトップツールを使用する方法もあるだろう。

しかし、デスクトップツールは不便な点もあるため、SEMrush Site AuditやRyteといったクラウドベースのツールのほうが良いかもしれない。

Google Search Consoleでは、「カバレッジ>除外>クロールエラー」とクリックすることで確認できる。

Bing Webmaster Toolsでは、レポート&データセクション内のクロール情報レポートで確認できる。

11.インデックス状況、インデックス数

おそらく、SEOの指標で最も多く見落とされている指標は、サイトのインデックス状況だろう。

検索エンジンがインデックスをしようとする(もしくは、すでにしている)URLを把握するために必要な指標だ。

この指標を確認することで、インデックスに関わる問題への対処方法を判断することができる。検索エンジンを誤ってブロックしているのか、絞り込み機能やクエリパラメーターによる重複ページによるものなのか、などが例として挙げられる。

インデックス数は徐々に増えていく傾向が理想だ。サイトの成長速度に併せて、インデックス数も増えるといった具合である。

もし、インデックス数が突然下落したり、急激に増えたりした場合などは、要因調査が必要だろう。

自身のサイトのインデックス状況を確認するには、Google Search Consoleにアクセスし、「以前のツールとレポート>クロールの統計情報」とクリックすればよい。

ここでは基本的なデータも高度なデータも両方確認することができる。ロボットテキストによってブロックされたURLの把握も可能だ。

12.タイトルとディスクリプションの重複

おそらく、SEOの最も基本的な要素は、それぞれのページに独自のタイトルとディスクリプションを設定することだろう。

しかし、大規模サイトを運営している場合、見過ごされてしまう要素でもある。

サイト全体のすべてのページに独自のタイトルとディスクリプションを設定していても、時が経つに連れ、重複が発生してしまう可能性がある。

そのため、この問題がSEOの潜在的な問題となる前に、チェック体制を整備しておくことが重要となる。

幸運にも、重複したタイトルとディスクリプションを把握するためには、Google Search Consoleを活用すればいい。この問題を解決するためには、単純に重複した内容を書き換えればいいのだ。

Googleが検知している重複したタイトルとディスクリプションを把握するためには、Search Consoleに行き、「検索の見え方>HTMLの改善」をクリックすればいい。
(旧Search Consoleの機能なので、現在は使用不可)

重複したタイトルとディスクリプションが検知されていれば、下記のような表が表示されるだろう。

理想は、上記の表がすべて0と表示されることだろう。その状態は、問題が何も発生していないことを意味しているのだ。

13.滞在時間

近年、SEO界隈で最も活発な話題は、滞在時間についての話題だろう。検索者が検索結果に戻る前に、そのページにどれくらい滞在していたかを測る、ユーザーに基づいた指標である。

直帰率と滞在時間、それぞれ単体で使用すべきかどうか、迷われる方も多いはずだ。実際は、それぞれを組み合わせて使用するほうが良い。

また、オープンなデータでない点も、フラストレーションが溜まる原因となっている。Google AnalyticsやSearch Consoleを使用しない限り確認することができないため、改善の余地もなくなってしまう。

基本的には、ユーザーが多くの時間をサイト内で過ごし、関わりを深め、直帰しなければ、それらは検索エンジンに対しサイトの品質が高いというシグナルを送ることになる。

セッション時間が短く、直帰率が高く、関わりも薄いサイトとはどんなサイトだろうか。品質の低いサイトではないだろうか。そして、その予測は正しい。

ここで覚えておくべきことは、今まで以上に、ユーザーをベースとした指標はSEOにとっても重要になっているということだ。可能な限り、分析と改善のために時間を費やすべきだろう。

滞在時間という指標が良い状態であれば、一般的に、SEOのパフォーマンスも良くなることを意味している。指標として利用するのは難しいかもしれないが、滞在時間と直帰率はサイト全体と特定のページの両方で測定することができることは忘れないでいただきたい。

Google Analyticsにアクセスし、「行動>サイトコンテンツ>すべてのページ>URL」とクリックしていこう。純粋な滞在時間ではないが、平均の直帰率よりも低く、平均ページ滞在時間よりも長いページを注視しよう。

今のところはこの確認方法がベストであり、滞在時間を測る指標としては助けとなるだろう。

結論:SEOの指標の把握は重要である

SEOの指標はあらゆるコンテンツマーケティングの施策を成功させるために重要であることを理解しよう。

SEOに注意を向けなければ、コンテンツのポテンシャルを最大限に活かすことが難しくなる。それは、価値のあるトラフィックとコンバージョンの可能性を失うことを意味しているのだ。

しかし、それと同時に、SEOの指標はコンテンツマーケティング施策に取り組むにあたり、考慮すべき指標の一つにすぎないことも理解するべきだ。

ソーシャルでの共有数、コンバージョンの指標、エンゲージメントの指標などにも注意を向ける必要がある。

SEOは、コンテンツマーケティングの施策における一部分にすぎないが、重要な一部分でもある。また、施策の基礎となる場合も多いはずだ。

この記事は、Search Engine Journalに掲載された「Top 13 SEO Metrics to Track Content Performance & Engagement」を翻訳した内容です。

どちらかと言えば、SEOに馴染みの少ない方向けの記事でした。

しかし、SEO担当者にとっても、コンテンツチームが見落としがちな指標として、有益な情報であったと思います。以前と比べ、SEOの各施策がもたらす効果というものは見えづらくなっていると感じます。

そんな状況である中、確認すべき指標はきっちりと追いかけるべきであると、改めて考えさせられる記事でした。

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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