起業家が自社を市場ポジショニングする際によくある2つの誤解

150社のスタートアップから学んだ起業に関する5つの教訓のシリーズ記事の4つ目は、ビジネスで勝ち残るためには必須の自社・製品ポジショニングについて。競合他社の存在を認識し、自社製品サービスが存在しうるポジショニングを市場の中で明確にしてビジネスをしない限りは新たなマーケット開拓は中々の難題になります(営業パワーでひたすら売りまくる!のを別にすれば)。スタートアップ起業する際も、自分が提供しようと思っている製品サービスの市場や競合調査は事前に行い、自社のポジショニングも考えると思いますが、どうも多くのスタートアップ起業家がポジショニングのやり方を間違えているのではないか、という記事を。 — SEO Japan

今年のCapital Factoryプログラムへの数百のスタートアップピッチを見ると、競合他社に対する会社のポジショニングに関して2つの最もよくある誤解が、不思議なことに正反対であると断言できる:

  1. 競合他社はいないと主張する
  2. 6つの競合他社の“最良”の特徴を組み合わせることによって、自分の会社が提供するものとポジショニングを定義する

これは単にピッチの際の問題ではない―誰があなたの顧客で、彼らが何を求めているのか、マーケットプレイスにおける自分の役割を定義するあなたにある問題なのだ。

これらの間違った考えを明らかにし、その代わりにあなたに何ができるのかを見ていこう。

1. 競合他社はいない

これがどう聞こえるか、そして、それを聞いた時の私の反応はこうだ:

  • 私には競合相手はいない。”
    あなたは直接的な競合相手に気付いていないか、“自分で作る”ような代替ソリューションを考慮していない。
  • 私達のようにやっている人はいない。”
    もちろん、あなたは自分の会社を唯一無二の提供物―独占的な機能、際立った文化、さっぱりとした料金プラン、革新的な販売戦略など―で位置付けようとしている。しかし、独自性は、競合他社がいないことを示唆しないのだ!
  • この問題を解決するためにソフトウェアが使用されたことのない業界であるため、競合相手はいないのだ。”
    良いことのように聞こえることは承知だが、これはあなたがコンピュータ恐怖症の人々にソフトウェアを信頼するように説得しなければならないこともほのめかす。それはデメリットだ。あなたは、現状維持と張り合っているのだ。
  • 人々はそれが問題であることに気が付いていないため、競合相手はいない。”
    もし彼らが、自分達が痛みを抱えていることをまだ知らないなら、その販売プロセスは非常に苦しくなる。それにぴったりの言葉がある。エヴァンゲリズムだ。それは、他の言葉を呼び出す:高価、困難、時間の無駄。

もしあなたが自分は例外だと主張したい気になるなら、あなたが見ている優位性を解明する方法を紹介しよう。しかし、ある意味それはビジネス戦略としても理にかなっている:

  • 私達は、他の誰もが積極的にターゲットにしていない十分に限定したニッチを開拓してきた。同様の競合他社A、B、Cが存在するが、彼らはXが理由でこのニッチをターゲットにしていないし、Yが理由でこのニッチに転換するのは難しいだろう。実際、私達のアイディアは似ているが彼らの手は届かないため、AまたはBまたはCと提携することになるか、AまたはBまたはCに買収されることも十分にあり得る。
  • 私達は、図体が大きく名声が確立した者が取り組むには小さすぎるが会社を作るには十分な大きさの市場を識別してきた。例えば、Microsoftのような800ポンドのゴリラは新しいソフトウェアを作ることにあまりに非能率的なため、10億ドルがかかってもいない限りは1つの市場を追い求めることはできない。私達は、この1億ドル市場に作られるべき確固たるビジネスがあると考える。しかしながら、Microsoftはゼロからこれを作ることができない一方で、もし私達が素晴らしい成長と利益を見せれば、それは彼らにとって明白な買収対象となるだろう。
  • 私達は、既存の仕組みとはあまりに異なるテクノロジーを作ったが、人々がどうやってこの痛みを解決するかについての常識自体を変えている。それは既存の仕組みとはかなり異なる手法だが、私達のソリューションは説明することも使用することもとても簡単だ。(例:Netflix)
  • 私達のターゲット客は、この痛みを昔から自分たちで解決してきたか、そこから解放されるというよりは痛みと共に生きてきた。しかしながら、新しく利用できるテクノロジーと現代の考え方の組み合わせが、新しいソフトウェアを実行する適切な時にするのだ。例えば、私の会社Smart Bearは最初の商用ピアコードレビューツールを作った。私達の前は、ソフトウェアの競合他社はいなかったが、誰かの肩越しに見るとか、Diff付きでメールを送るとか、コードレビューミーティングとか、“フォーマル・インスぺクション”とか、代替プロセスは山ほどあった。ピアコードレビューを使って数個の特定の頭痛の種をトラックすることやより新しいテクノロジー(ユビキタスバージョン管理の到来のようなこと)を活用することによって、私達は “コードレビュー”があるべき姿を完全に変えたのだ。
  • この業界がソフトウェアソリューションを見てこなかったことは事実だが、それは彼らがコンピューターを嫌いだったからではなく、ソフトウェアを使ってその市場に取り組むことが不可能だったからなのだ。その理由はこうだ(1つ選択):
    • 私達は、ギークや業界のインサイダーに及ぶありそうもないチームを築いてきた。
    • 新しいハードウェア/ネットワークがちょうど登場し、これを可能にする。
    • インターネットに対する新しい姿勢(例:従来のハイテク恐怖症の間でFacebookが広まる)が新しいワークフローを可能にする。
    • この業界は共用化されているため、プレイヤーをほんのちょっとでも優位に立たせることが重要なことなのだ。
    • この業界は経った今、テクノロジーを受け入れる具体的な兆しを見せ始めている。
    • 私達には、アルファテスターにサインアップした3人の見込み客がいる。もし私達が彼らを成功させれば、そのケーススタディが私達の必要とするエヴァンゲリズムとなるだろう。

2. 競合他社によって自分の会社を定義する

あなたの会社は、その独自の力、価値、顧客、製品によって定義されるのであって、他の競合相手と比べることによって定義されるのではない。あなたには、強力な立場、たとえ競合が存在しなかったとしても明確で説得力のある何かが必要である。

この過ちが現れるいくつかの場合を紹介しよう:

  • 私達は競合他社の最も素晴らしい点を組み合わせ、彼らに私達の成功への道を示させている。”
    似たような会社の失敗と成功から学ぶという考えは好きだが、“最も素晴らしい点を組み合わせる”というのは的外れだ。それらの企業には、それぞれが妥協している点があるのだ。あなたが“最も素晴らしい”と思うことは、実際に彼らのターゲット市場にとってはベストかもしれない。なぜあなたは、自分の“最高”の概念があなたに賛同していないだけでなくあなたに乗り換えるように説得されていない顧客に十分な結果をもたらす確信があるのだろうか?
  • 比較表
    各“機能”が横の列、6つの“競合他社”それぞれが縦に並んだ図表。チェックマークが付いていて、Xは、チェックがいっぱいついたあなたの会社を示す強調された列を除いていたるところにある。これがばかげたことだってもう誰もが知っているのだ。全く無礼な。
  • 私達は競合相手Xと同様だ。ただ、私達だけがYだ。”
    この場合、あなたはYが市場の大部分にとって圧倒的に魅力的であるということを主張している。Xは自動的にあなたより有利である(ブランド、顧客、収益、内部情報、チーム、時期において)ため、Yは頭が爆発する位に素晴らしいことでなければならない。おっと、それからXがYを導入するのが不可能でないといけない、Yの3分の1だって。あなたの運命は他人の手にかかっているということなのだ!
  • 私達はXと同じです。ただし、もっと安いです。”
    より安くすることは1つの戦略だが、それがあなたのたった1つの戦略であってはならない。競合他社が価格を変えたり、割引をすることは簡単なのだ。どちらにせよ、一般的に、最高の顧客は価格志向型ではないため、実際にはあなたは市場の望ましくない部分をかじっていることになる。この主張は、“私達は50%の価格で70%の機能を提供する”とペアになることが多いが、少ない価格で少なく提供することは感動的ではない。

それでは、競合相手と比較しつつ競合相手があなたのアイデンティティを決定づけることがないように自分の会社を興すためには、あなたはどのように内側を見るべきなのか?

  • 私達は、XとYとZによって定義された市場区分をターゲットにしている。私達はこれらの基準の少なくとも2つに当てはまる20人の見込み客と話をしてきて、彼らは私達の製品がまさに自分達が必要としているもので、彼らの問題を解決する条件を満たした仕事をしている競合相手はいないことに賛同している。
  • 私達の会社には基本理念Xがあり、それは、私達のアドワーズ広告から技術サポートや製品に至るまであらゆる所に溢れている。(例:簡潔さ。少しの機能と低価格、明確な痛点、複雑な問題に対処していない、お金を節約することよりも生活を簡単にすることを重要視しているシンプルな製品。)これは、私達が決して妥協することのない1つの点であると完全に徹底しているため、私達はこの価値を所有するのだ。私達の顧客はそれを知っているし、これに価値を見いだしている。それこそが、私達の競合相手が持っている機能、価格または広告が関係がない理由なのだ。
  • これは、競争の激しい土台である。ここで留意すべきは、機能の選択や価格や広告/メッセージから明らかなように、この分野にいるプレイヤーそれぞれが異なる市場部分をターゲットにしていることだ。私達も、1つのニッチをターゲットにしている。御覧の通り、私達のオファーはそのニッチを所有することに一貫していて、競合他社と大きく重なることはない。その中の誰かが私達のニッチに“転換”することは難しいだろう。なぜなら、彼らは製品、価格、そして会社の役割を変えなければならないからだ。そのリスクは大きい。
  • 私達は競合他社Xの後を追っている。私達は、彼らがすでに私達よりもずっと有利であることを知っている―彼らは有名で、よく理解されていて、詳しい機能リストがある。しかしながら、彼らはここ3年の間は何も新しいことをしていないし、彼らの顧客基盤が不満を感じているという証拠がある。それだけでなく、彼らはA、B、C(例:バグが多い、遅い、分かりにくい、インストールが必須、高い、ずさんな技術サポート)の点で人を悩ましていることでも有名だ。私達は、彼らの崩壊の始まりの中に大きなチャンスがあると見ている。彼らの顧客を私達の圧倒的な利点で吸い上げるのだ。彼らは、これを自分たちですることができない。なぜなら、彼らは方向転換をするには大きすぎるし、どちらにせよ彼らは過去3年間で変わることができないことを示しているのだ。

他には?

あなたは、競合相手にあなたを破壊させないようにしながら彼らを自分の戦略に組み込み、どのように競合他社に立ち向かうのだろうか?


150社のスタートアップから学んだ起業に関する5つの教訓

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この記事は、a smart bearに掲載された「The right way to position against competition」を翻訳した内容です。

こういう説明があるべき、の具体事例が凄まじく参考になりますね。「競合他社はいない」、これ特に起業しようと思う位のアイデアを考え付いた際に思いがちなことなんですが、意外と単に微妙に姿かたちを変えた競合相手に気付いていなかったり、そもそもニーズがなかったり、潜在的にはあっても顕在化するにもハードルが高すぎたり、なんてことは良くありますよね。自社のポジショニングの問題も同様で、競合他社との比較で自社を定義するのではなく、競合他社の存在を認識した上で自社を自ら定義することが重要なのでしょう(ちょっと曖昧な言い方で何ですが)。比較表は私も作ったことは何度かありますが、確かに実際のビジネスとチェック項目の数がマッチングしている例はほぼなかったりもします。。。いずれにしてもポジショニングに関してもきちんと考え切ることが重要なのは間違いなさそうです。 — SEO Japan
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