たった10人の賛同も得られない起業家の5つの言い訳

150社のスタートアップから学んだ起業に関する5つの教訓のシリーズ記事の3つ目は、スタートアップを始める際に実に多くの人がその製品を実際にお金を出して買ってくれる・使ってくれる人がいるかどうか確かめようともしていないという愚かな事実に対する考えを。確かにこれ、ビジネスが立ち上がるかどうか確かめるのに一番効果的な方法と思うのですが、何故かやっている人が少ないんですよね。今回はそんなスタートアップの不思議の謎に迫る。 — SEO Japan

Capital Factoryにおける数百ものスタートアップピッチのうち、“もし君がこの製品を作るなら、私はユーザーとしてXドルを出すよ。”と10人が言うようなものはほぼ皆無だった。

この事実について考えてみる: 数百もの人が、定職を辞めて、貯蓄に手を出し、個人的評判を危険にさらし、週に70時間骨を折って働き、赤ちゃんがいるのと同じ位にストレスを受ける(どれも私は経験済みだ)準備ができているのだ。そして、彼らが売り込んでいることにお金を出す意思のある人をわずか10人さえも確認できないでいる。

余りに愚かな話じゃないか?

もしあなたが、それをお金を出してでも使いたいと言う人を10人見つけることができないなら、あなたの会社はどうしようもない。

これについてあなたにしつこく言うスタートアップブロガーにあなたはうんざりしているのでは? Steve Blankは“この建物から出ていけ”と言い、Eric Riesは“少しは学習しろを”と言い、Sean Ellisは“プロダクト/マーケット・フィットを求めろ”と言い、Drew Houstonは“0ドルの予算で学ぶ唯一の方法は人々と話すことだ”と言う。

私は、“お金を出すと言う人を10人見つけろ”と言う。私は、“その重い腰を上げて、あなたの会社に顧客がいるという確かな証拠を提出しろ”と言う。

しかし、それでもあなたは聞いていない。 あなたは、リーンスタートアップミーティングでこれらの主張を繰り返すが、ほとんどの人がそれをやっていないのだ。

あなたは、当然のことながら間違っていることが証明されることを恐れている。特に、新しいビジネスアイディアに躍起になっている時や、すでに友人や家族にこのことを伝えていてあなたがその冒険の旅を達成することが期待されている場合には。

しかし、なんてこった!あなたはトライしてさえいないのだ。もっと悪いのは、あなたはなぜ自分がトライしていないのか説得力のない言い訳をでっち上げているのだ

あなたが自分を全力で保護するための言い訳を紹介しよう。

1.“私は、自分のかゆい所をかいている。私自身がターゲット客であるため、私は何を作るべきかすでに知っている。”

おっと!あなたの典型的な顧客が、収益化可能な痛みを認識できるほど観察力が鋭く、製品を考案できるほどクリエイティブで、他の人にタダで働くことやあなたにお金と時間を投資することを説得でき、証明されていないアイディアを追いかけるために仕事を辞めることができるほど情熱的だとは知らなかった。

ばかな!定義上は、もしあなたがスタートアップ創設者なら、あなたは明らかにあなたの顧客ではないのだ

“自分のかゆい所をかくこと”は、私の3つの会社が始まったきっかけだが、それはきっかけ―始まりにすぎないのだ。それはちょっとしたインスピレーションであって、戦略ではない。それは、カキをくすぐる砂粒であって、真珠ではない。

ほら!賢人も賛成している:

“自分自身の製品のユーザーになること。自分の要求に基づいてより良いものにすること。しかし、自分が自分のユーザーであると考えるような錯覚はしないことだ。” ―Blogger & Twitterの創設者Evan Williams

“もしもエンジニアリング部長がターゲット客は自分のようだと考えるなら、あなたは絶望的だ。もしマーケティング部長がターゲット客は自分のようだと考えるなら、あなたは絶望的だ。”Cranky Product Manager

“私達の顧客は、私なら絶対にしないことをたくさんした。私達は違うふうに考える。私達は問題を違うふうに解決する。私達には異なるニーズと要望がある。私の後について言うのだ:あなたはあなたの顧客ではない。”-リーンスタートアップのリーダー(スタートアップ創設者との会話を繰り返している)Eric Ries

実際に、“自分が顧客だ”というのがあなたが必要とする唯一の市場バリデーションだと考える本物のビジネスの創設者を見つけられるものなら見つけてみるといい。

2.“見込み客は数百万といるのだから、そのうちの10人がどう思おうと関係ない。私はただ始める必要がある。その後でも、統計的に意義のあることを調査したり学んだりすることはできるのだ。”

数百万いるなら、10人を見つけるのは取るに足りないことだ。10人さえも見つけることができないのなら、数百万人なんていないし、いたとしてもその数百万人はあなたに関心などない。

ビジネスは数百万人の顧客と共に始まることはない。1人から始まり、それが100になり、1000になるのだ。しかし、大部分が10を超えることはないのだ。

もしあなたが、買おうと言う人をまだ10人獲得していないのなら、実際に数千人が購入するだろうと宣言するあなたの自信はどこから来るのだろうか?

3.“私の顧客はモックアップを理解できない。私は最初にそれを作らなければならない。”

あなたは、ターゲット市場にいる人にあなたのやっていることが魅力的であると説得するためにスクリーンショットやPowerPointを必要とすべきではない。もしあなたのコンセプトが難解すぎてカクテルパーティーで30秒以内に説明することができないのなら、それが複雑すぎるか、あなた自身も理解していないかのどちらかだ。

私とWP Engine(註:筆者の手掛けるワードプレス専用の高機能ホスティングサービス)を例に挙げよう。私は、会社名、ウェブサイト、共同創設者、従業員を持つ前からこのサービスに月50ドルを払おうと言ってくる人を30人獲得した。私が前に経験があるからという理由で私にとっては簡単なことだなんて言わないで欲しい。私はクズだと証明された別のアイディアを持っていたというのが一部始終の話しである。

たとえもし私が、時にはモックアップが必要であることや、いくらかの人はモックアップを完全に理解できないことを認めるとしても、あなたの最初の顧客は、定義上はアルファ版ソフトウェアに異存のない早期導入者であるということを忘れないことだ。もしあなたが少しでもそういう人達を見つけることができず、あなたの製品についてワクワクさせることができないのなら、おそらくあなたの製品はワクワクするようなものではないのだ。

4.“私は、セールス/マーケティングが苦手だ。私は勝手に売れるような魅力的な製品を作る必要がある。”

お金にはならない優れた製品がこの世界にはあふれている。それはあなたも知っているはずだ!

実証的証拠が欲しいって?ここにあるリストは、Twitterクライアントのトップ100で、ここにさらに載っている。それでは:

  • 基本レベルで機能が優れたソフトウェアはいくつあるとあなたは思うだろうか?(私の予想:80%)
  • いくらかでも収益を生んでいるのはいくつあるとあなたは思うだろうか?(私の予想:5%)
  • ホスティングとマーケティングの費用を差し引いても十分な収益を生み、所有者に定職が必要ないほどに利益のある会社をもたらしているのはいくつあるとあなたは思うだろうか?(私の予想:1%未満)

結論: もしもあなたのゴールがビジネス(趣味ではなく)なら、魅力的な新手のソフトウェアを作ることは十分ではない

あなたと私は、あなたが優れた新しいソフトウェアを作る能力を持っていることを知っている。私達は、面白くなることやワクワクするだろうということに同意する。しかし、それはビジネスを築いていこうとしているのではない。

自分はコードを書くことが好きだからといって、あなたは自分がこれからすることを近視眼的に決断する。しかし、あなたがすべきことは、その正反対のことなのだ。あなたが最も自信のない、最も能力がないビジネスの部分に取り組むのだ。

それでもまだ納得がいかないなら、それをプロジェクトリスクマネージメントとして考えるのだ。大きなソフトウェアプロジェクトで、あなたはハイリスクで不明瞭なことに最初に対処するか、それともそれを最後まで先送りにするだろうか?明らかに、あなたは予測不可能なことを最初に解決する。大部分のプロジェクトリスクは、未知のものが原因であるため、あなたが不確実なことを早くに解決すればするほど、結果に対処する時間が増えるのだ。

私は、“ハイリスクな未知”が“コードではない全てのこと”であることを除き、同じことを議論している。あなたのコードは十分に優れているだろう;あなたの船を沈めることになる―顧客を見つけることができない、ターゲット層に財布を開けるべきだと説得することができない―理由は他のことにある。

それを先延ばしするなんて解せない。

5. “私の友人/兄弟/同僚/歯医者は、それが素晴らしいアイディアだと考えている。”

あなたの母親は、あなたは賢くて見た目もいいと思うが、だからといって私もそう思うとは限らない。

起業家ではない人が考えることなど関係ないのだ。なぜなら、彼らはプロダクト/マーケット・フィットを熟知していないし、一過性の予算から金を絞り出すこともしなければ、最新のFailBlogムービーを共有する代わりに広告のためにFacebookを使うこともないのだ。

実際は、本物の起業家が考えることだってわずかに関係するだけだ。なぜなら、彼らはあなたの問題のあるドメインに関して専門家ではないため、時代遅れの概念を持っているかもしれないし、特定のアイディアやテクノロジーに偏見を抱いているかもしれないし、彼らは良い経験と悪い経験から問題を起こす(他のあらゆることと同じ位にタイミングと運が原因となって)。

関係がある唯一のことは、あなたにお金を出す意思のある人達である!ビジネスの“エキスパート”は、インターネットで靴を買うなんて理にかなわないと一日中だって議論することができるが、人々がZapposに年間10億ドルを払う限り、エキスパートが言うことなんて関係ないのだ。

もしあなたがこれを作るとして10人があなたにお金を出すと言う時、それが唯一のバリデーションなのだ。

他には?

あなたは他にどんな言い訳を聞いたことがあるだろうか?あなたは今、どんな言い訳を使っているだろうか?


150社のスタートアップから学んだ起業に関する5つの教訓

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  3. たった10人の賛同も得られない起業家の5つの言い訳
  4. 起業家が自社を市場ポジショニングする際によくある2つの誤解
  5. 顧客ルートがない起業家ができる5つの顧客開拓手法

この記事は、a smart bearに掲載された「Yes, but who said they’d actually BUY the damn thing?」を翻訳した内容です。

自分自身をターゲット客と想定して判断することの危険性については認識しておきたい点ですね。自分がターゲット層ど真ん中の人間だからと俺が買うなら皆も買う!と勝手に勘違いしてしまうケースはよくありそうです。

それよりも冒頭に書いてあった「自分のアイデアを人に話して否定されることを恐れてしまい、人に聞くことができない」という話は自分の人生をかけてまでスタートアップ起業をする覚悟にも関わらず、実際に起業して誰も買ってくれなかったら速攻でビジネスが失敗して会社も倒産するかもしれないのに不思議な話ではあります。この辺は人が起業してビジネスで成功する事とは別に、起業を通して自己実現したい、会社務めと違って自分の好きなことを他者にあれこれ文句を言われず自由にやりたい、など複雑な感情がからんでいるかもしれませんね。実際にビジネスを始めて失敗したり、投資家に出資を断られるのはまだしも友人に自分のビジネスを否定されたら確かにショックかもしれませんが。。。そんなナイーブな人はそもそも起業には向いていないのですけどね。

色々と考えさせられる内容でしたしこれから起業したい人も読んで参考にしたい( = 早速自分の起業ネタを10人に話して買ってくれるか聞いてみよう!)を記事だったと思います。 — SEO Japan

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