スタートアップがビジネスモデル・ハッカソンを行う方法

公開日:2011/06/27

最終更新日:2024/03/01

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ハッカソンという言葉は日本ではまだ余り馴染みがないかもしれませんが、「開発者が一同に集まって短期集中型でアイデアを出し合ってコーディングする」イベントのようなものでしょうか。日本でも少しずつ行われるようになってきたみたいですが、海外ではハッカソンは決して技術者だけのものではなく、スタートアップやベンチャー起業家の間でも行われるようになりつつあるようです。今回はそんなスタートアップ向けのハッカソンの方法を紹介します。 — SEO Japan

テック・ハッカソンと言えば、通常は、チームが集まって短い期間の中で1つの製品を作る半日から2日間のイベントである。それはいつも面白くて興味深く、時には特定のプラットフォーム(Foursquareのような)周辺が計画され、新しい人に出会ったりコミュニティの中に入って行って自分の腕を確かめるには最高の手段だ。Year One Labsでは、ハッカソンは質の高い起業家を見つけるという点からもかなり有益なものであると認識している。ハッカソンは、スタートアップを作るために必要なことの縮図なのだ。

私のスタートアップの成長を加速させるプロセスで学んだ7つの教訓に関する最近の投稿では、私達が起業家を吟味したり、興味深い人を探すのに使ったツールとして、他の種類のハッカソン―ビジネスモデル・ハッカソン―に触れた。何人かの人が、私達が行ったことに関するより詳細な情報を尋ねてきたため、ここでそれについて共有するつもりだ。

Year One Labsでは、たくさんのビジネスモデル・ハッカソンを実施したが、その1つ1つは最後には少しずつ異なるものになっている。関係のあることの多くはブレインストーミングが行われていないため、私達は厳格なプロセスには従わなかった。しかし、私はこのプロセスを再現できるような合理的な構造に整理してみた。

  1. アイディアから始める。 あなたにはスタート地点が必要であるため、自分が持っている既存のアイディアから始める。それを部屋の中にいる人達に、まるで投資家(もしくはパートナーや顧客)に売り込んでいるかのように、売り込む。焦点を合わせるべきことは2つある:(1)ターゲット市場(方向転換の可能性がある点であるため)と(2)これまでに分かっていること(そのアイディアに関してある程度の作業は済んでいると仮定する)だ。これをあなたが“ハック”していくベースラインとして考える。これには15分程を要する。
  2. ブレインストームが、ターゲット市場/顧客層を転換する。 ここでは、そのアイディアを他の市場に当てはめて考えてみる。ほとんど接点がないものもあるかもしれないし、完全に異なるものもあるだろう。あなたはB2CからB2Bに転換することは可能だろうか?ブレインストーミングがどこに進んで行くか見ていこう。必ずその全てを書き出すこと。これには、30~45分を要する。
  3. 新しいアイディアを自由にブレインストームする。 ターゲット市場やアイディアの1つの側面を変更することを通り越して、全く新しいアイディアをブレインストームするのだ。これには、全ての人が快適に発言をし、アイディアを検討し、積極的に会話をさせるために行われるべきディスカッションが存在しない。このプロセスは完全にオープンなものであるべきだ。これには30~60分を要する。

Year One Labsのグループでは、上記のステップをチームで行う。通常は1時間半から2時間かかる。このプロセスは創設者のアイディアをこき下ろすようなものなので、最初は創設者は気乗りしないことがあるが、一度始めるととても面白いものだ。ゴールは、それらのアイディアを違う方法で再構築することだが、最初はこのプロセスをたどることは困難なことになるかもしれない。

これらのステップが終わったら、私達は起業家に自分達自身で取り組むことを要求した。

  1. さらにハックするために、出てきたアイディアの中からいくつかを選択する。ここでは、ブレインストームした(ステップ2~3)いくつかのアイディアを元に、それぞれのケースを構築し始める。これはひとつの“完璧な”アイディアを見つけることではなく、結論に向けてアイディアをハックする訓練を経験することなのだ。それはクリエイティブになり、脳を訓練することでもある。そして、Lean Canvasやそれに似たようなものが大いに役立つ場所だ。あなたは、アイディアのあらゆる側面―問題、ソリューション、ユニークな価値命題、顧客層、収益、チャンネルなど―に対処したい。あなたが取り組んでいるアイディアは、全てが全く異なるものかもしれないし、お互いに似ているかもしれない。これには2時間を要する。

この後、私達はまた一緒になって最後のステージへと進む。

  1. アイディアを提示する。 ここでついにアイディアを提示する。フォーマットは重要ではないが、Lean Canvasやそれに似たような構造が理にかなっている。あなたは、物事を書き出さなければならないのだが、ホワイトボードやその他自分の意見を明確に表現する手段を使う(それがこのプロセスの大きな割合を占める)。それぞれのアイディアは、別々に提示されブレインストームされる。ゴールはアイディア自体よりもそのプロセスを証明することにある。一番簡単な質問は、“なぜ?”である。なぜあなたはそれが問題であると考えるのか?なぜあなたはその市場が近づきやすいと考えるのか?なぜあなたはそれが理にかなっていると考えるのか?それは、プロセス全体を理解することであり、人々がそのプロセスにどう反応するかを見ることなのだ。これには1時間を要する。
  2. 次のステップを議論する。 プロセスの最後に、次のステップを議論することが大切だ。どのアイディアが一番良かったか?その理由は?あなたは、そのアイディアの正当性をどうやって認証するつもりなのか?あなたはオリジナルのアイディアに戻って、新しいアイディアやハッカソンを通して学んだことと比べるべきだ。これには30分を要する。

プロセス全体ではおよそ6時間になる。 もっと短い時間で終わらせることも可能だが、必ずこのステップを厳格に踏むこと。

競合相手に関する議論はないということに注意しよう。競合相手が議論点になるかもしれないが、それは今の時点では大きな問題ではないのだ。財政面への焦点も存在しない(例えば、資金調達や、どうやって資金が使われるのかなど)が、ビジネスモデルと収入確保は議論の一部だ。

私は起業家を評価するためにこのプロセスを行ったが、社内で実施することも可能だ。社員がお互いに売り込みをしたり、信頼できるアドバイザーを招き入れることもできる。大切なのは、最初は極めて開放的になり物事を引き裂く準備をし、その後は、厳格になることと大いに探究心を持つことと自分自身(とチーム)に正直になることに焦点を合わせることだ。

投資家として(Year One Labsと共に)、私達は、起業家を評価するためにビジネスモデル・ハッカソンを使った。チームのダイナミクスは、この種の状況の中ではとてもはっきりと見える。起業家を彼らが必ずしも慣れていない状況に押し込み、彼らの心地よい領域から出ることを求めたが、その結果は(良くても悪くても)通常とても明らかである。このプロセスによって活気のついた起業家はとても顕著になる。彼らの血は騒ぎ、続けることを切望する。彼らはリーンの方法論の価値を真に理解し始めていて、あなたはDNAが組み込み始めるのを目にすることができる。しかし、その中から投資家を取り出すのだ。それでも、訓練を経験することは絶対に効果的で大切なことなのだ。スタートアップにとっては、それが重要な転換を導いたり、スタートアップでは避けられない大きな決断に役立つかもしれない。このプロセスを、起業家が自分達のスタートアップに“集中する”(これがしばしば間違っていて時間の無駄になっている)ために無視する傾向がある2つのこと、正直と開放性を強いるものとして考えるのだ。


この記事は、Instigator Blogに掲載された「How To Run a Business Model Hackathon
」を翻訳した内容です。

日本でもスタートアップを支援する様々な取り組みが始まりつつありますが、単にスタートアップにお金を出したり経営支援したり、というレベル以前の段階でこういった「なんとなく皆が持っているアイデアをビジネスモデルに昇華させる」訓練的なイベントは起業文化が未成熟な日本だからこそもっとあってもいいのかもしれませんね。この記事の筆者もカナダのモントリオールというシリコンバレーなどに比べると、もしかすると東京より起業意識の低いエリアで起業家を育てようと頑張っているシリアルアントレプレナーの人ですが、色々と具体的に落としこんで実践しているのがスゴイですね。日本でもサイバーエージェントさんなどは企業内で同種の取り組みを上手く実践されてるなぁ、と思いますが、このレベルでの支援活動がもっと一般的に拡まってくると昨今のスタートアップブームもブームで終わらずに育っていくかもしれません。って偉そうにいうならお前がやれよ、って話ですが、もう少し自分で頑張ってからそのステージに行きたいと思います。。。 — SEO Japan

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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