SEOにおけるページ速度とページ体験。問題を取り除くための9つの方法。

最終更新日:2022/12/08

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質の高いコンテンツは現在のSEOにおいて必須の条件と言えますが、コンテンツの内容が良くとも、そのコンテンツに対する体験が悪ければ、ユーザーから愛されるWebサイトにはならないかもしれません。興味のあるコンテンツを発見したとしても、読み込みが非常に遅い場合、そのコンテンツを読まずに離脱してしまうこともあります。今回はページ速度とページ体験に焦点をあてたSearch Engine Landの記事を紹介します。

この記事では、ページ速度におけるページ体験やSEOとの関わり、また、Webサイトをより速くするためのアドバイスなどを扱う。

GoogleのCore Web Vitalsは、Webサイトのスピードとユーザー体験が結びついていることを示している。

Webサイトの読み込みに長い時間がかかってしまえば、ユーザーはそのWebサイトから去ってしまう。これは、新しい発見と言えるものではない。

数年前からGoogleは、ロードタイムが1秒から5秒に落ちてしまうと、90%のユーザーが何も関わることなく、そのWebサイトから去ってしまうと述べている。

つまり、あなたのWebサイトがGoogleで上位に表示されていたとしても、読み込み速度が遅いと、そのWebサイトのパフォーマンスに影響をあたえてしまうのだ。

なぜだろうか?それは、ユーザー体験が低下してしまうと、製品の購入をせずに、コンテンツを読まずに、Webサイトと関わることなく、ユーザーは去ってしまうからである。

また、ページ速度が与える影響は、ユーザー体験のみにとどまらない。Core Web Vitalsは、スピードが重要な要素であることを明らかにしている。

Core Web Vitalsとは何か?

Core Web Vitalsは、ユーザー体験を評価するための測定基準である。Core Web Vitalsは、デスクトップとモバイルの両方のユーザーに対して、下記の項目を測定している。

  • 読み込み速度
  • ページの応答性
  • 視覚的な安定性

Core Web Vitalsは、2020年に導入された。目的は、SEO担当者やWebサイトのオーナーがユーザービリティを測定できるようになるためであり、ユーザーが中心の、実世界の指標を提供している。Core Web Vitalsの主要な3つの要素は下記である。

  • Largest Contentful Paint (LCP): ページの読み込みのパフォーマンスを測定する。LCPはページの読み込みにおける、最初の2.5秒間から成る。
  • First Input Delay (FID): ページでのアクションとレスポンスの双方向性を測定する。
  • Cumulative Layout Shift (CLS):ページの視覚的な安定性を測定する。

Core Web Vitalsは、ページ体験とユーザービリティに焦点をあてた、技術的なSEOの側面が求められる。

ページ体験を理解する

Core Web Vitalsを含むページ体験はランキングシグナルであり、Googleが「ユーザーがそのページと関わる体験をどのように受けて止めているか」を理解するために使用されている

検索エンジンは、検索クエリに対する最高の検索結果を提供しようとしている。遅い、レスポンシブでない、アクセシブルでない、モバイルではうまく動作しない、といったWebサイトの場合、Googleが提供する最高の結果とはならないかもしれない。

ページ体験は、下記のような複数のシグナルで構成されている。

  • Core Web Vitals
  • モバイル対応
  • HTTPS
  • 煩わしくないインタースティシャル

Googleは下記のように述べている

「ページ エクスペリエンスは重要ですが、それでも Google は、ページエクスペリエンスが劣っていても、全体的に価値の高い情報を含むページを上位にランキングするようにしています。つまり、いくらページエクスペリエンスが優れていても、コンテンツが優れたページを上回ることはありません。ただし、関連性が同程度のページが多数存在する場合の検索ランキングにおいては、このページエクスペリエンスが一段と重要になります。」

ページスピードがページ体験とSEOに影響する箇所

Googleの主張は、「もしすべての他の要素が同一であれば、ページ体験は検索結果におけるビジビリティを向上させる可能性がある」ということを示唆している。

つまり、ページ体験はあなたが注視すべき唯一の項目ではないが、検索結果でのビジビリティを改善するためにあなたがコントロールできるもう一つの要素であると言えるのだ。

Core Web Vitalsに強く影響し、3つの要素のすべてを改善することになるため、ページスピードは重要な要素である。改善箇所を特定するために、PageSpeed Insightsのレポートを活用しよう。

ここでは、ページスピードの課題を解決するためのいくつかの方法を紹介する。

1.コードの最小化

CSS、JavaScript、HTMLを最適化しよう。HTMLMinifierCSSNanoUglifyJSなどのツールを活用し、コードの最小化を試みるのだ。

2.不要なコードの削除

不要なJavaScriptやCSSのコードは削除しよう。少しづつでもファイスのサイズを縮小し、サイトスピードの改善に寄与するのだ。

3.キャッシュ

アプリケーションのレベルでキャッシュをインストールすることは大いに役立つ。

WordPressなど、多くのCMSはキャッシュ用のプラグインがある。Webサイトのデータベースへの負荷を軽減し、Core Web Vitalsのスコアを大きく改善してくれるだろう。

データベースへのアクセスが頻繁に発生するWebサイトの場合、これがボトルネックとなるかもしれない。その場合、Memcachedなどが求められるだろう。

4.動画と画像の最適化

LCPの主要な部分は、画像と動画である。

すべての画像と動画を圧縮することが理想的だ。多くの場合、動画はGIFに置き換えることができるはずだ。

画像や動画が大きい場合、CDNやサードパーティのホスティングを検討してみよう。

5.レイジーロードの利用

画像が多いWebサイトの読み込みを改善する方法の一つとして、レイジーロードと呼ばれる、非同期の読み込みを採用することが挙げられる。Webサイトの最初のレンダリングのスピードが改善されるはずだ。

6.CDNの利用

画像、動画、CSS、JavaScriptやその他の静的ファイルをコンテンツデリバリーネットワーク(CDN:Content Delivery Network)に格納することが推奨されている。

CDNは、世界中のサーバーから成る非常に最適化されたネットワークであり、そこにファイルをホストすることで、配信速度を改善し、あなたのWebサイトのサーバーへの負荷を削減する。

7.リダイレクトの削除

リダイレクトを設定しているWebサイトもあると思うが、これはWebサイトの進化における、非常に自然なことである。

しかし、リダイレクト先のページがさらに別のページにリダイレクトされてしまう、リダイレクトチェーンは、サイトスピードへの影響があるため、削除されるべきだ。

8.プラグインの監査

人気のCMSを使用している場合、多くのプラグインがインストールされていることもある。

こうしたプラグインを確認しよう。不要なものは削除し、1つのプラグインで代用できる場合、それを利用しよう。

9.ホスティングをアップグレードする

最後に、他のすべてを行ってもページスピードが改善されない場合、ホスティングのアップグレードを検討しよう。

古く、遅いシステムを使用しているホストもあるが、トラフィックが理由でサーバーの遅延が生じている場合は、ページスピードを改善するために、RAMやCPUの追加が可能であるはずだ。

ApacheやNginxを使用している場合は、PageSpeed Moduleをインストールすることができる。このモジュールの利点は、サーバーレベルでのスピードの改善が期待できるため、Webサイトのアプリケーションを変更する必要がないということだ。

備考:Webサイトのスピード改善のために上記の施策を行う場合、ITチームやサーバーの管理者と連携する必要があるかもしれない。

ページスピードを改善するためのさらなるアドバイス

以下の工夫を施すことで、ページスピードだけでなく、ページ体験も向上することが可能だ。

モバイル対応

現在は2022年である。あなたのWebサイトはモバイル対応でなければならない。ユーザー体験を向上させるレスポンシブデザインを採用しない理由はない。

また、前述したページスピードの改善策を施せば、モバイルでのスピードも改善することができる。

最後に、下記を検討しよう。

  • ポップアップをなくす、または、少なくする
  • 短いパラグラフのモバイル用のコンテンツを作成する

セーフブラウジング

安全で確実なブラウジングはあなたのWebサイトが備えるべき要素だ。そのためには、下記の3つが求められる。

  • HTTPSを使用した安全なWebサイト
  • Webサイトのセキュリティチェックを行う
  • Webサイトにアップロードされたすべてのデータをスキャンし、悪意のあるコード、マルウェア、ウイルスなどを検知する

定期的なモニタリングも重要だ。あなたのWebサイトが危機にさらされている場合、Googleは直ちにそれを検知し、多くのユーザーがWebサイトに訪れないようにしてしまうだろう。

煩わしくないインタースティシャル

割り込みはユーザー体験にとって良いものではないが、収益を発生させたり、ニュースレターの購読者を増やすために必要なこともある。しかし、下記の注意事項は守るべきだ。

  • ポップアップを減らす
  • インタースティシャルを減らす

モバイルデバイスのスクリーンは小さいため、多くのポップアップやインタースティシャルを表示させてしまうと、ユーザーがWebサイトと関わることが難しくなり、時には不可能になってしまう。その結果、ページ体験を悪くさせてしまうだろう。

広告ネットワークを見直す

広告を表示している場合、ページ体験の影響も考えるべきである。

広告を表示させるためにWebサイトにコードを設置する必要があるが、そのネットワークの読み込みが遅い場合、ページスピードを大きく低下させてしまうだろう。

そのため、下記の項目を確認することが必要だ。

  • 広告ネットワークがWebサイトのスピードに与える影響
  • 自身で管理することができない、Webサイト上のプラグインやサードパーティ製の要素

広告のネットワーク、スクリプト、サービスがサイトスピードに影響している場合、ページ体験を悪くしてしまう影響が考えられるのだ。

まとめ

ページスピードのSEOへの影響は、あなたが考慮すべき唯一の要素であるわけではない。しかし、最適化における不可欠な要素であり、多くの場合、自身での管理が可能である。

Core Web Vitalsをガイドとして活用し、サイトスピードとページ体験を向上させ、ランキングの上昇を目指そう。

ページ速度の改善のポイントをまとめ、それらを改善することでページ体験を向上させよう、といった趣旨の記事でした。どちらかと言えば初級者向けの記事だったかもしれませんが、考え方や抑えるべきポイントは、非常に重要なものであると感じました。複雑なWebサイトほどページ速度の向上は難しくなりますが、基本的を忘れずに、少しづつ改善していければと思います。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Page speed and experience in SEO: 9 ways to eliminate issues」を翻訳した内容です。

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編集者情報

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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