ソーシャルメディアがSEOに与える影響とは?

公開日:2011/09/21

最終更新日:2024/02/17

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ページランクSEOの上級戦略とネットベンチャーの経営者ながらSEO業者顔負けのSEOの知識を披露してきたニール・パテルですが、今回は今後のSEOに欠かせない要素であるソーシャルメディアがSEOに与える影響について実体験を元にした記事を書いてくれました。 — SEO Japan

検索エンジンがTwitterのようなソーシャルサイトと取引をするのだから、ソーシャルメディアがSEOに影響を与えることは明らかである。Googleのウェブスパムチームで働くMatt Cuttsは、かつてこう言った:

私は、2010年5月、私達は“ソーシャル”をシグナルとして使用しないと述べた動画を録り、その時には、私達はそれをシグナルとして使用しなかったが、これを録画している2010年12月の今、私達はそれをシグナルとして使用している。

しかし、本当の疑問はソーシャルメディアがSEOに影響を与えるのかどうかではない。それがどうSEOに影響を与えるのか、ではないだろうか?

Googleのソーシャル検索機能の登場

今ここで、あなたがソーシャル検索のレコメンデーションの関連性の上昇はGoogle+のソーシャルネットワークのローンチがもたらしたある種の新しい流行であると考える前に、Googleが2009年10月にGoogle ソーシャル検索ツールの最初のバージョンをローンチし、2010年1月に全てのユーザーにそのサービスを本格展開したことを考察しよう。

上のローンチ時のスクリーンショットを見てみよう。Danny Sullivanがこの新しい機能に関していくつか面白い所見を述べている。

まず、Googleの最初のソーシャル検索のローンチは、ユーザーのメインの結果ページに完全統合されるのではなく、別のツールとして展開された。このサービスを利用するためには、あなたはGoogleプロフィールにログインしてナビゲーションバー内の“ソーシャル”機能に自らアクセスする必要があった。

さらにDannyは、そのソーシャル結果ページを充実させるために、GoogleはGoogleリーダーのブログやGメール/Gチャット内のあらゆるコンタクト、そしてGoogleプロフィール内に記載されたプロフィールを介して入手できる、あなたがつながっている様々な情報を盛り込んだと、言った。例えば、もしあなたがDigを介してある友達と繋がっていて、自分のGoogleプロフィール内に自分のDiggアカウントを記載していたなら、その友達のコンテンツがあなたのソーシャル検索結果に表示されることになるのだ。

Googleソーシャル検索の影響

ここで話を2011年まで進めると…これらのソーシャル・レコメンデーションがメインの検索結果ページに現れるだけでなく、それらが従来のSEOに基づいて表示されていた結果に置き換わっていることが証明されている。そして、ソーシャルネットワーキングサイト上のオーサーのオーソリティが従来のSEOに影響を与えているのだ。

少しの間、ソーシャル・レコメンデーションが個人化検索を介して従来の検索結果ページを揺るがすかもしれないという考え方について検討しよう。Rand Fishkinは自分が実施したテストの中で、Googleアカウントにログインして“cupcake madness”を検索した時に、結果が異なることに気が付いた。

ログイン中:

ログアウト中:

なぜ結果が違ったのかあなたは分かるだろうか?最初の画像では、Everywhereistというブログの結果が登場している。単にRandの妻がこのサイトのオーナーだからだ。ログアウトすると、結果は従来のSEOによって3位を獲得したサイトに置き換わる。

この変化の影響はかなり大きい。なぜなら、もしあなたが従来のSEOにだけ投資をしていたら、あなたは数秒で検索結果の記録を塗り替えられてしまうのだ。では、あなたはもはやこれまでのようにSEOを気にするべきなのだろうか?バックリンクやキーワードを最適化したコンテンツやオンページ最適化のようなことは今も重要なのだろうか?

これらの質問は大切ではあるが、これらに回答してもSEOにおけるソーシャルメディアの影響の全てを考慮に入れることはできない。それをするためには、Googleや他の検索エンジンがどのようにしてソーシャルネットワーキングのオーソリティを従来の検索エンジン結果ページ内でランキングの要素として定量化しているのかも見る必要がある。

オーサー・オーソリティ: 最新のランキング要素?

2010年12月1日、Danny Sullivanは、FacebookとTwitterが検索エンジンランキングにどのように影響を与えるのかについてBingとGoogleの代表者にインタビューをした(日本語)。彼が尋ねた質問の1つは、Twitterユーザーと彼らのツイートの中で共有されたリンクのウェイトだった…

Bingの回答:

私達は、ユーザーのソーシャル・オーソリティーを見ています。私達は、あなたが何人の人をフォローしているか、どれだけの人があなたをフォローしているかを見ていて、これが通常の検索結果における順位づけに少しウェイトを追加します。

Googleの回答:

はい、私達は[ツイートされたリンクとRT]をシグナルとして使用しています。それは、私達のオーガニック検索とニュースランキングの中でシグナルとして使用されます。さらに私達は、ある記事を何人の人が共有したかをマークすることによって、私達のニュースの汎発性を強化するためにそれを使用します。

そして、“Facebookの個人ウォールもしくはファンページで共有されたリンクを追跡しますか?”という質問の回答の中では、以下のような回答が得られた…

Bingの回答:

はい。私達は、“Everyone”とマークされた共有リンクとFacebookファンページからの共有リンクを見ています。

Googleの回答:

私達は、Facebookのファンページで共有されたリンクをツイートされたリンクと同じように扱います。私達はFacebookからの個人ウォールのデータは持っていません。

これらの回答に基づき、ソーシャルメディアが、オーサーのオーソリティとコンテンツがソーシャルネットワーキングサイトで共有された回数に基づいて検索エンジン結果に影響を与えるという役割を果たしていると想定することができる。

SEOMozの2011年検索エンジン要因ランキングレポートでは、132人のSEOとソーシャルメディアの専門家が、ページレベルとドメインレベルでのソーシャルシグナルは、従来のSEO要因よりも検索エンジンランキングに大きな影響力を持っているだろうと予測した。

具体的なソーシャルメディアと検索エンジンの融合

もちろん、ソーシャル要因が検索エンジンランキングにますます影響を与えているということも知っておくべき1つのことであるが、どんな融合がすでに実施されていて結果ページに影響を与えているのかも知るべきことである。検索エンジンがこのデータをどう使用するのか正確に理解することによって、あなたは、この新しいソーシャル最適化の世界で上位表示するようにデザインされたマーケティングプランを思いつくことができるのだ。

以下は、現在、検索エンジンと3大ソーシャルメディアサイトの間でそれぞれ実施されている融合である:

Facebook

Facebookは個人プロフィール上に保存された情報をインデックスで使用させないが、ファンページで共有されたコンテンツは格好の的だ。実際、TampaSEOが生成したデータ分析によると、Facebookの共有は、高い検索エンジンランキングと最も近い相関関係があるソーシャルシグナルの1つになっている:

この相関関係はFacebookのShare(シェア)が上位表示につながるという意味ではないが、Googleや他の検索エンジンが注釈付きソーシャル検索を介してFacebookで共有されたコンテンツを優先することは注目に値する。

現在のGoogleソーシャル検索の実装では、Facebookコンタクトによって共有されたコンテンツは、それを共有した人物の写真と同様に、検索エンジン結果で優遇されたポジションを獲得している。これらの結果の信頼性を増大させることによって、Googleはこのコンテンツがクリックを獲得するチャンスを増やすのだ。

Twitter

ソーシャルメディアと検索エンジンの明確な融合の1つが、BingのTwitter検索エンジンだ。このツールは、Bingの検索エンジン内でリアルタイムでツイートを検索することを可能にしてくれる。そして、最近のアップデートによって、自分のFacebookとTwitterコンタクトによって“いいね!”と言われたコンテンツに対する優先的対応と同様に、ツイートはBingのニュースフィードにも入っている。

Bingを介してツイートを検索する能力はあなたのソーシャルネットワーキングプロフィールにそんなに多くのトラフィックを送信することはないかもしれないが、Twitter上の正規ユーザーによるリンクのツイートもしくはリツイートは従来のSEOランキングで上昇を引き起こすことが証明されている。

Jennifer Lopezは、彼女が書いたSEOの初心者ガイドを紹介するツイートがSmashing Magazineにリツイートされた後、以前はトラックされていなかったキーワードのトラフィックとランキングの両方にすぐに影響があったことを示すケーススタディを実施した。

Google+

Chris Broganは以下のように言っている:

Googleによって作られたソーシャルネットワークは、検索に影響を与える。

それ以上のことは明らかになっていない。検索最大手であると同時に、ソーシャルネットワーキングサービスとして、Googleはソーシャルメディアに基づいて検索エンジン結果に改革を実行するために必要不可欠な全データを持っている。例えば、彼らは、Googleアナリティクスやウェブマスターツールやツールバーを使用しているウェブマスターが生成したデータと特定のユーザーによってソーシャルメディアサイトから送信されたトラフィックの量を仮に使用することができる。それは、これらのサービスから得られたデータが、あなたのウェブサイトをオーソリティやソーシャルネットワークのプロフィールと結びつけ、あなたのランキングを上げるために使われると仮定することは大きな飛躍ではない。

Google+はまだ新しいため、証拠を入手するのは難しいが、Google+のネットワークとGoogle検索エンジン結果ページの融合は、ソーシャル検索の注釈とGoogleにログインした時に検索結果の隣に表示される“+1”ボタンを介して見ることができる。

最後に

あなたは、最新のSEOの秘策をひたすら追い求める代わりに、時代に遅れることなく、ソーシャルメディアサイトでの自分のプレゼンスを拡大し始める必要がある。

もし私のことを信じられないなら、以下に紹介するMatt CuttsがPubcon 2010で行った基調講演からの引用について考えてみるのだ:

今日の私達を見るのではなく、私達が進んでいる方向、私達が焦点を合わせていることに目を向けることだ。ビッグ・ファイブは、モバイルウェブ、ローカル検索、ソーシャル、ブレンド検索の結果ページ、そしてHTML5だ。

ソーシャルメディアは、検索エンジン結果に影響を与えているため、もしあなたが検索エンジンからより多くのトラフィックを獲得したいなら、以下のことをする必要がある:

  1. ソーシャルネットワークサイトに積極的に参加し、プレゼンスを築く – これは、全くもって難しいことではない…もしソーシャルメディア・エンゲージメントが新しいランキング要因であるなら、あなたがそこにいなければそこから恩恵を受けることはできない。もしまだなら、今こそこれらのサイトにプロフィールを築き、自分のフォロワーと繋がる時間を作る時だ。
  2. ソーシャルメディア共有のためにサイトを最適化する – もしあなたのサイトがWordPressで作成されているなら、Sharebarのようなプラグインをインストールしてソーシャル共有を可能にすることこそあなたがすべきことだ。読者があなたのウェブサイトの優れたコンテンツを読み、それを共有するためにソーシャルネットワークに行く時間を作ることに頼らないこと。そうではなく、あなたは、もっと簡単な方法でそれをするために必要なツールを彼らに提供するのだ。
  3. 読者があなたのコンテンツを共有することを促す – 賢いマーケッターは、そうするようにあなたが細かく伝えなくても出しゃばった人があなたの望む行動を起こすなんて、成功の見込みのないことだと知っている。あなたは、自分の投稿の中で強い行動喚起を使用して、読者が役に立つと思ったあなたのコンテンツをソーシャルネットワークを介して共有することを促す必要があるのだ。

そして一番重要なことに、これは、あなたが従来のSEOに見切りをつけるべきだということではない。2010年3月、The Registerは、パーソナライズされているのはGoogle検索のたった20%だけであると報告した。そして、この数字は増えてはいるが、全てのインターネットユーザーの100%になることはありえないのだ。

ソーシャルネットワーキングを嫌う人やGoogleプロフィールを作ることを嫌がる人は常にいるものだ。これらの人達は通常の検索結果だけを見るだろうし、依然あなたは通常のSEOも最良な形で実施する必要がある。

始まり出しているソーシャル最適化の必要性と比べると、従来のSEOの重要性がゆっくりと薄れていることは疑いようのない事実だ。だから、もしあなたがまだソーシャルメディアでアクティブでないなら、のんびり歩いている時間はないし、すぐにでも走り始めた方が良い。

来年以降、ソーシャルメディアがSEOにどのような影響を与えるとあなたは考えるだろうか?


この記事は、Quick Sproutに掲載された「How Social Media Affects SEO」を翻訳した内容です。

相変わらず見事にまとまった記事でしたね。現状分析については、どのソーシャルの要素を検索エンジンが見ているかということは時間軸と共に変化するものでしょうし、特定の要素に頼ってSEOすること自体が間違った方向性とは思いますが(例:Google+1ボタンの投票を購入するなど)、検索エンジンが今後ますますソーシャルを重視していくのは間違いないですし、後半に書かれているソーシャルメディアへの参加を積極的に行っていくことが結果としては最善のSEO施策となっていくのでしょう。サイト構築やコーディングの際にテクニカルなルールは別として従来のリンク対策にしろ、サテライトサイト構築等の施策よりは、いかに優良なコンテンツを作成し、ソーシャルで共有されうるか?という点が重要、というか、より効果的なSEOでありトラフィック獲得施策になってくるのかな、とは思います。 — SEO Japan

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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