モデレーターは同じくダニー・サリバン。スピーカーはGoogleからエンジニアのオサー・ハンソン。他はOptifyのエレズ・バラク、Search Influenceのアンソニー・コールマン、そしてPromediacorpのアヴィ・ウィレンスキーとサーチマーケティング会社の皆さん。
サリバンがまずは冒頭に一言。Google Instantが導入された時、「SEOは死んだ!」という話題が出た。さて、一体どうなのか?
まずはGoogleから。セミアニュアルレポートという位置づけでInstantの状況を報告。
導入当時、SEOもだが、検索やシステムを破壊するのでは?!と様々なことをいわれた。
さて。まずは通常の検索にかかる時間を見てみたい。
ユーザーがキーワード入力→平均9秒。
↓
ネットワーク 400ミリ秒。
↓
結果を出す→~300ミリ秒。
↓
ネットワーク 400ミリ秒。
↓
ユーザーが検索結果を選ぶ→平均15秒。
ここで発表。
今日からアンドロイドでもGoogle Instantを使えるようになった!
Google Instantは、ご存じのように入力されるキーワードを予測して表示する。
例えばfloと入力されたらflowerと表示する。
Google Instantは下記の4つの組み合わせ:
タイプする度に変わる瞬間的な検索結果。
検索キーワードの予測。
スクロール。
キーボードナビゲーション(今後強化)。
ユーザーは良いコンテンツを常に探している。
その手助けをする。
Google Instantの最新ロールアウト。対象国を次々に増やしている。Google Chrome Instantのリリース。
Instantの課題。
例えばnetと検索された際に、netflixからnetscapeまでブレンドされた検索結果を表示すべきか?
例えば予測したキーワード毎に検索結果をブロック毎に出すべきか?
ユーザーの目の動きを研究。
など。
ブラウザーからオートコンプリート/検索リクエストがGoogleに飛ぶ。
↓
Googleは予測したオートコンプリートの内容と、検索結果を表示する。
常に効果的なスケーリングを考えて様々な技術的な改善を行っている。
ここから各検索マーケティング会社の報告。
まずはPromediacorpのアヴィ・ウィレンスキー。ボブという人格を立てて様々なケースを紹介。
ボブは小さなカーペット店を営んでいる。ネット上でも良いレビューをもらっている。ところがある日から自分の店に関する不満が急にネットで増えだした。ボブはGoogleにネガティブなレビューをGoogleに通報して削除してもらおうとしたが、Googleはお馴染みのカスタマーサービスで全く返信なし笑 ボブはSEO会社を雇ってネガティブSEO対策を行ったがいまいち効果無し。そしてGoogle Instantが登場。自分の店の名前を入力した時点で、不平不満に関連したキーワードがサジェスションとして表示される事態に。売上は激減。飲酒量は増える一方だった。。。
この話から学べることは、、、
Google Instantのキーワード予測は、実際に検索されているキーワードをかなり参考にしているようなのだ。一種のクラウドソーシング。
実際に自分の名前で実験してみたが、ネット上に存在しない情報でも多くのユーザーが検索すればサジェスションに表示される。
余り詳細に触れたくはないが、使い方によってはかなり悪用できるのではないだろうか?名前や会社名など検索数が少ないキーワード程、特に簡単に操作できるようだ。
別の例を見てみたい。例えばPhotoshopのサジェスション。無料ダウンロードからシリアル番号まで実際のネットに存在する関連情報よりは、ユーザーが検索していると思われるキーワードが多く表示される。
例えばseo isで検索するとseo is deadやseo is bullshitが最初に表示される。芸能人の名前から人種まで「*** is」で検索するとかなりの確率でネガティブな内容が表示される。検索ニーズが多いせいもあるだろうが。。。どうなんだろう。
次はSEO会社Optifyのエレズ・バラク。Google Instantで変わるユーザーの検索行動とSEOの関係について。
Google Instantが導入された時、SEOはもう必要ないのか?と多くのクライアントにいわれたが、さて。今回は我々が調査した結果を発表したい。
1. キーワード予測には何が使われる?
– ローカル
– 人気
– パーソナライズド
– トレンド
– アダルトコンテンツ排除
– 検索結果のアルゴリズムと似ている
2. Googleの訪問者はどこからくる?
– 2月のデータ
– google.comのinstant経由 48.91%
– 通常のgoogle.com経由 38.89%
– モバイル 1.60%
– instant経由が一番多い
3. 検索されるキーワードは変わったか?
– サイトに来訪するユーザーが使う検索キーワードの数は余り変わっていない
– ただ一部のサイトでロングテールの検索数が増えたケースもあった
– ただ全体的には余り変化がない(ビッグワード vs ロングテール)
4. オルガニック検索のCTRは変わったか?
– 1位 – 36.4%
– 1ページ目 – 8.9%
– 2ページ目 – 1.5%
– 2ページ目に表示されることの意味はほとんどない!
– ビッグワードの方が1位表示のクリック率が高い
– ロングテールワードは1ページ目下位でもビッグワードよりクリック率は高い
サービス自体もまだまだ進化中だが、今後もGoogleのソース(instant、通常など)とCTR、全体のトレンドは追っていきたい。
最後に中小企業向けの検索マーケ会社Search Influenceのアンソニー・コールマン。Google Instantのロングテール検索へのネガティブな影響について。
Google検索とADHD(注意欠陥)世代。
様々なサジェスションにより、ユーザーの注意が削がれる可能性がある。地域情報の検索やロングテール系の検索に悪影響が出る可能性がある。実際にあるクライアントはロングテール系の検索経由のアクセスがかなり減った例もある。
PPCを上手に使ってGoogle Instantに対抗する必要性もある。ジオターゲティングを細かく使うことも有効。あるクライアントの事例ではGoogle Instantを意識したこれらの対策でコンバージョンを2倍以上に増やした例もある。
Google InstantはPPCにもオーガニック検索にも、特にロングテール系キーワードで悪影響を与えることがある。しかしそれらを意識した対策を行うことで、状況を改善することもできる。
以下はQ&Aセッション。面倒なので回答者はGoogleとGoogle以外(代理店と括ります)で。
サリバン:ところでボブのビジネスは今どうなっているんだ?
代理店:どうにかやってるよ 笑
サリバン:サジェスションの内容は皆が思っている以上に人によってかなり違う。例えばaとタイプするだけでも、検索した州によって結果が違ったりする。arizona州にいればarizonaが最初に出る。
Google:実はそうなのだが、意外と知らない人が多い。ちなみに先ほども話題に出たクラウドソーシングによる操作だが、だれかが売り込みに来たら絶対に使わないことをおススメする。明らかにウェブマスターガイドラインの違反だし、判明した時は何らかのアクションを行う可能性が限りなくある。
代理店:いっていることはわかるが、例えばボブのようなケースで問題をどう解決できるかということだ。大手のアドワーズ広告主でない限り、Googleのカスタマーサポートを個別に受けることさえできない(会場、今日初の拍手・・・)。
Google:ユーザーがお店を検索する際、その店が信頼できるか、何か不平不満がいわれていないかという情報があれば知りたいだろう。例えば今日SMX Westに参加している人の多くもネット上でSMX Westの評判を調べただろう。とはいえ簡単な問題ではないし、いっていることはわかる。
代理店:アダルトコンテンツの排除以外に何をやっている?
Google:人種差別、暴力や著作権に関連することへも取り組んでいる。
代理店:セーフサーチ機能は例えばGay Moviesでは排除されるが、Gay Filmsでは排除されない。まだまだ不完全だ。
Google:それは分かっている。特に子供が利用することなどを考えると、常に改善していかなくてはいけないと思っている。
代理店:人々が検索しているキーワードをサジェスションに利用するのはいいが、例えば検索結果をちゃんと見ているか、クリックしているか、一連の検索行動に関連性があるか、などまで深く見ていけば少し改善されるのでは?
Google:色々やっているつもりだ。
代理店:Googleを避難するつもりはないが、問題が行っていることは指摘したい。少なくとも実際に関連するウェブコンテンツが存在するかをチェックするなどできることはあるだろう。
Google:様々なシグナルがあるし、それを利用してもっと良くしていきたい。
サリバン:実際のユーザーテストの反応はどうなんだ?
Google:98%のユーザーはInstantを気に入って使い続けている。
サリバン:日本でInstantはいつ始めるんだ?
Google:Soon(もうすぐ)だ。
サリバン:年内?
Google:Soonだよ 笑
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