SMX Advanced 2015-モバイルゲドン襲来!Googleのモバイル・フレンドリーアップデートを乗り切ろう!

公開日:2015/06/09

最終更新日:2015/06/09

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Googleのゲイリー・イリーズ氏や、先日弊社パートナー企業であるクロスフィニティ株式会社のセミナーでも登壇していただいた、seoClarity社のミト・ガンジー氏がスピーカーとして参加するセッション。なんだかんだ言ってもやっぱり注目のモバイル・フレンドリーがトピックです。Googleが最も力を入れている分野の一つであるため、今回のSMX Advancedで参加した中では唯一SEOのトラック以外のセッションとなります。この記事を読めば、モバイル対応はバッチリ!!なはずです。– SEO Japan

原題:Mobilegeddon! Surviving Google’s Mobile Friendly Update

このセッションは以下の3セッションで構成されています。

Googleがモバイルフレンドリーを重視する理由

Speaker:Gary Illyes,Webmaster Trends Analyst,Google

モバイルの使用率
52%のユーザーが商品の購入の情報収集にモバイルを使っている。人々は、ますます何かを買う前に調査を行うようになっている。また、イングランドではインターネットでの買い物の40%がスマートフォンかタブレットによって行われている。

モバイル対応拒む障害
モバイルの利用者は、実は、若者が非常に多い。また、彼らはソーシャルやエンターテイメントをメインに利用している。また、モバイルの小さい画面では文字入力が困難であり、何かを購入する手段として、完全に信用できない部分もある。モバイルは機能的ではなく、人々にとって未知の部分が多いツールなのだ。

しかし、モバイルの重要度は高まっている。
メディアの消費方法は確実に変わっている。YouTubeののトラフィックは45%がモバイルからだ。動画の視聴時間はテレビ(113分)やパソコン(108分)を抜き、スマートフォン(147分)がトップになっている。

人々とモバイル
イングランドでは74%の消費者がスマートフォンを所有しており、2020年には90%になると言われている。人々はベッドであれトイレであれ、スマートフォンを持ち込む。イングランドでの調査によると、30%の消費者が朝起きて5分以内にスマホを見ているとのことだ。nomophobia(ノモフォビア)という言葉もあり、スマートフォン自体を持っていない時や、ネットワーク外にいるときに不安を覚えてしまう、という意味だ。

モバイルの実情のジレンマ
商取引の何らかの行動の66%がモバイルで行われているという事実があるが、やはり、モバイル利用の目的はソーシャルとエンターテイメントがメインだ。検索、経路(地図)、アドバイス(情報収集)では非常に使われているが、機能的ではないという事実は変わらない。

Googleがモバイル・フレンドリーアップデートを適用した理由
モバイルフレンドリーではないサイトが多すぎたためだ。そうしたサイトをモバイルフレンドリーにするために適用した。
*別のセッションで、「モバイル・フレンドリーアップデートは成功した」、という発言をしていたが、この意味では成功と言えるかもしれない。

モバイルサイトでよくある過ち
大規模なサイトでは特にだが、実装に時間がかかる場合もある。Googleはモバイル対応になっているかどうかを、レンダリングの過程で算出している。以下によくある間違いを記載する。

  • “disallow:”(robots.txtにて”disallow:”の設定で、CSSやJavaScriptなどのレンダリングをブロックしてしまう。)
  • noindexを記述してしまっている。
  • meta viewport タグが設置されていない。
  • 小さいフォントサイズ。

最後に
今回はGoogleがなぜ、モバイル・フレンドリーアップデートを適用したか、その説明をメインとした。モバイルの利用はますます増加傾向にあるため、無視するべきではない。

モバイルゲドンとその進化論

Speaker:Mitul Gandhi,Chief Architect,seoClarity

ビッグバン
モバイルフレンドリーの適用は大きなイベントだった。なぜなら、Googleが前もってアップデートを報告することは今までなかったからだ。アップデートがローンチされた4/21ではなく、このアナウンスを行った2/26がモバイルゲドンの始まりだ。モバイルゲドンへのカウントダウンが発生した後、あらゆる業界が対応に急いだ。

数年前に戻ってみよう
今から1年前のSMX Advancedにて、マット・カッツ氏はモバイルの重要性を説いていた。「モバイルは重要だ。多くの人が認識している以上のスピードで、その重要性は高まっている」、という発言をした。

データを見てみよう
モバイルトラフィックの増加は著しい。デスクトップのトラフィックも増加しているが、その成長率が95%であるのに対し、モバイルは368%も増加している。CTRもモバイルの方が多い。特に1位のサイトのCTRはデスクトップの19.3%に対し、モバイルでは27.7%となっている。

改革への対応
全員が同じペースで対応しているわけではない。業界ごとによっても違う。また、サイトの規模によっても対応が異なり、大規模なサイトほど、モバイル対応に遅れている傾向はある。おそらく、対応に時間がかかることが理由だが、そうしたサイトがトラフィックを大幅に失った例もある。

アメリカの場合
50,000キーワードを対象にランキングがTOP10のサイトを調査。モバイルとデスクトップのランキングの差異を比較したが、モバイルアップデート前後ではあまり数字が変わらなかった。

アメリカの場合2
対象のキーワード数を450,000に拡大した。この調査では、ランキングのTOP10の内、75%がモバイルフレンドリーになっていた(2015/05/25現在)。

英国の場合
75,000キーワードを対象にランキングがTOP3のサイトを調査。調査期間は4/18から4/25まで。”www.carphonewarehouse.com”は57.6%がTOP3に入らなくなったが、”m.carphonewarehouse.com”のランキングがかなりの数、上昇した。ランキングがデスクトップのサイトからモバイルサイトに代わった例だ。また、”m.airbnb.com”はレスポンシブデザインを適用した結果、”www.airbnb.co.uk”のサイトが上位表示されるようになった。(前者は-56.2%となり、後者は87.7%増加となった。)

SEOの再定義
Search Engine Optimizationは、検索エンジンのための最適化を目的としている。アルゴリズムを追いかけ、短絡的な戦術に終始し、新しい発展を無視してきた。今は、Search Experience Optimizationと定義すべきだろう。エンドユーザーにフォーカスし、全体的なアプローチを採用し、現在と未来を含むあらゆる種類の検索における経験を対象とすべきなのである。

今後の課題は?
コンバージョン率の改善は大きな課題だ。デスクトップに比べ、モバイルの方が50%も低い。また、スマートフォンやタブレットやその他のデバイスへ、あらゆる画面サイズに適用する必要もある。どんなデバイスでも機能するサイトの構築が求められる。

モバイルのためのサイト最適化

Speker:Laura Scott,Strategy Lead,Merkle | RKG

はじめに
モバイルで実現できることは少ない。Flashの読み込みに問題があるし、何よりスクリーンが小さい。それでも、モバイルのカスタマーはあなたの重要なカスタマーだ。モバイル対応のためのポイントを本日は4つに分けてお話したいと思う。

1.モバイル対応の方法を決めよう
アメリカの自然検索のシェア率はモバイルが45%になっている。しかし、フォーチュン500の企業の内、46%がモバイルフレンドリーのサイトを構築していない。早急に対応すべきだが、どの方法が最も良い方法か。①モバイル専用ページ、②動的な配信、③レスポンシブデザインのそれぞれの特徴をまとめてみよう。ちなみに、弊社のクライアントの内、レスポンシブデザイン>モバイル専用ページ>動的な配信、の順で数が多くなっている。

①モバイル専用ページ
デスクトップページとは異なるURLを使用する。コンテンツとユーザー体験をモバイル用に特化でき、比較的簡単にセットアップできることは利点だ。しかし、サイトの維持・運用に労力を割き、エラーが起こりがちなのは不利な点と言える。

②動的な配信
モバイル専用ページと同様、モバイル用にコンテンツを特化することができるが、別のURLを使用する必要がないため、ユーザーと検索エンジンが簡単に発見できる利点がある。しかし、エラーが起こる原因となりがちであり、セットアップが複雑だ。

③レスポンシブデザイン
Googleが推奨する方法だ。動的な配信と同様、一つのURLで賄うことができ、メンテナンスも楽だ。しかし、大規模なページの場合、モバイルではロードに時間がかかり、モバイル用にコンテンツを特化できないことは不利な点である。

2.モバイル対応の方法を最適化しよう
モバイル対応において、注意事項をまとめてみよう。

①JavaScriptやCSSをブロックしない。
②VaryHTTPヘッダーを使用しよう。
③ユーザーエージェントでリダイレクトを適切に設定しよう。
④HTMLやXMLにアノテーションを記述しよう。

3.モバイル対応におけるよくある間違いをなくそう
モバイル対応においてよくある間違いをまとめてみよう。

①下層ページからTOPページへ設定してしまうなどの、間違ったリダイレクト。
②リダイレクト先からさらにリダイレクトしてしまうなどの、終わりのないリダイレクト。
③いつまでたってもロードされない、長い待ち時間。
⑤こちらのページではありません、などのモバイル特有のエラー
④競合調査の欠落

4.モバイル対応をテストしよう
モバイル対応の確認方法をまとめてみよう。

①Googleのモバイルユーザビリティレポート(サーチコンソール>>検索トラフィック>>モバイルユーザビリティ)
②Googleのモバイルフレンドリーテスト
③Fetch as Google(サーチコンソール>>クロール>>Fetch as Google)
④クロールエラーの確認(サーチコンソール>>クロール>>クロールエラー)
⑤ユーザーから学ぼう(Googleアナリティクス>>ユーザー>>モバイル>>サマリー)
⑥ベンチマークとパフォーマンス(サーチコンソール>>検索トラフィック>>検索アナリティクス)

セッション後のゲイリー氏への質問と補足情報

モバイルアップデートの改良について
サイトスピードやインタースティシャル広告(ページがロードされている間に現れる広告)などの項目を追加して改良する予定だ。また、新しいアップデートをする場合は事前予告はしたいと思っている。

サーチコンソールのモバイルのデータの正確性
100%に近い正確性だと思っている。

モバイル用のインデックス
非常に困難な作業のため、まだ取り組んでいる最中。

Googleはデスクトップのデータを見ている(参照元:Search Enginge Land)
ランキングの要素としてデスクトップのデータを参照している。そのため、技術的に言えば、”不思議の国のアリス”についてのコンテンツをデスクトップに掲載し、モバイルには”ペイデイローン”のコンテンツを掲載することで、”不思議の国のアリス”の検索で”ペイデイローン”のコンテンツをモバイル検索に表示させることは可能だ。そう、完全なクローキングである。

もちろん、Googleはそれを見越してスパム対策チームを発足させていた。しかし、驚くことに、過去1年間でそのような行為をするWebマスターを発見できなかったと言うのだ。もしもそうしたWebマスターがいたら、もちろん何らかのアクションは起こしていたはずだ。

上記が、Googleがモバイル用のインデックスを作成しようとしている理由の一つである。賛成・反対意見も多いため、まだこの作業が完了してはいない。兎にも角にも、Googleは今のところデスクトップの要素を見ており、その要素は、”コンテンツ”、”ページスピード”、”リンク”などが含まれている。

アジェンダが掲載されて当時はモバイル・フレンドリーアップデートの導入以前ということもあり、今回のSMX Advancedの目玉となるセッションだと予想していました。モバイル・フレンドリーアップデートが肩透かし(?)となったこともあり、状況の再確認と言ったところでしょうか。しかし、個人的には”Search Experience Optimization”という言葉に説得感を覚えています。最後の補足の箇所は、聞き逃してしまった部分が多かったため、Search Enginge Landの記事を参照したことを、改めて報告させていただきます。

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編集者情報

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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