我々は、検索ボリュームが0のキーワードに注力すべきなのか?

最終更新日:2023/05/25

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SEOを行う以上、検索ボリュームの大きいキーワードでの上位表示を叶えたいと思うことは自然なことでしょう。しかし、そのようなキーワードは競争力も高く、一朝一夕で上位表示を獲得できるものではありません。そのため、検索ボリュームの少ないロングテールのキーワードでの上位表示を目指すことも重要と言えますが、どの程度のボリュームまで、ターゲットにすべきなのでしょうか?今回は、検索ボリュームが0のキーワードであったもターゲットにすべき理由を解説した、Search Engine Journalの記事を紹介します。

この記事を読んで、トラフィックとコンバージョンを獲得するために、検索ボリュームが0のキーワードに注力すべきかをどうかを学んでいこう。

今回のAsk an SEOでは、モウナ氏からの質問を取り上げよう。

「検索ボリュームや達成難易度などのデータがないキーワードもターゲットにすべきでしょうか?〇〇というツールを使用した際、こうしたデータが表示されないキーワードがいくつかあります。」

素晴らしい質問だ!

この質問に対する答えは、「Yes」である。あなたのビジネスにとって意味がある場合、検索ボリュームが0だとしても、そのキーワードをターゲットにすべきだ。

「なぜ、誰も検索しないキーワードをターゲットにすべきなのか?」と質問された際、その返答となりうる4つの例を紹介しよう。

  1. サイト構造の構築のため。
  2. そのような疑問を持つユーザーが存在する。また、そのようなユーザーと未来のユーザーに対し、解決策を提供することになる。
  3. すべてのタッチポイントにコストをかけるよりも、リマーケティングのほうが安上がりである。
  4. その質問の検索ボリュームは少ないかもしれないが、検索ボリュームが多いフレーズで、その質問への回答が表示されるかもしれない。

それぞれの例を見ていこう。

1.サイト構造の構築のため

ECサイトやブランディングを目的としたWebサイトの場合は特にだが、メインとなるコンテンツやページ数には限りがある。

事業や組織に関連するコンテンツを保有することで、検索ボリュームが0のキーワードやエンティティを活用し、関連性のあるコンテンツを作成することが可能だ。

こうしたコンテンツは、「あなたが何をしているのか」、そして、「どのページが解決策を提供しているのか」、といったことを検索エンジンや潜在顧客が理解することに役立つのだ。

製品やサービスについて言及したり、説明したりする際、内部リンクを設置し、コンバージョンページをソースにすることができる。これは、SEOにおいて、サイト構造を構築するための自然な方法である。また、Webサイトに訪れるユーザーにとっても有益となる。

また、質の高いページからのリンクを獲得することができれば、他のページにとってのSEOにも効果的となる。

上級者向けのアドバイス:ツール上のデータでは検索ボリュームが0であったとしても、そのキーワードで検索するユーザーが0というわけではない。

質の高い体験を提供することができれば、ジャーナリストやブロガーがあなたのWebサイトを引用してくれることも考えられるのだ。

2.そのような疑問を持つユーザーが存在する。

SEOツールは、あなたの顧客が何を尋ねているかを知らない。SEOツールは、質問の種類を考え、どれくらいのユーザーが検索しているかを推測しているにすぎない。

カスタマーサポートのチームに相談し、自社のライブチャットに寄せられる質問のデータベースを見てみよう。

もし、あなたの顧客が積極的にこのような質問をしており、その質問やフレーズがSEOツールのデータにも表示されているのであれば、検索ボリュームが存在していることを意味する。また、そうした質問のインテントは非常に高いこともあるだろう。

インテントの高い月間検索数が100回のキーワードのほうが、インテントの低い月間検索数が10,000回のキーワードよりも、より多くの収益を上げることができるだろう。このようなユーザーは、セールスファネルの奥へと進んでいき、やがてコンバージョンに至るはずだ。

上級者向けのアドバイス:その人は特定の答えを探しており、カスタマーサポートのチームはその回答とユーザーをコンバージョンへと導く方法を知っている。そのため、オンライン調査に基づき、闇雲にコンテンツを作成するよりも、はるかに効果的な方法なのである。

こうしたトピック専用のブログ記事を作成することも1つの手段である。

ハウツー関連のコンテンツを作成できるのであれば、動画コンテンツを作成し、YouTubeやGoogleの動画検索からのトラフィックを獲得するという方法もある。

また、製品やサービスに直接関係する質問であれば、そのコンテンツを製品ページやサービスページに掲載するとよいだろう。コンバージョンが高まることも考えられる。もちろん、この方法は、FAQページにとっても良い方法と言える。

あなたの会社の製品を購入したり、サービスを利用することを検討しているユーザーからの質問に答えることで、そうしたユーザーが正しい場所にいることを実感させることができる。

カスタマーサポートにとっても、何度も同じ質問に回答する必要がなくなるため、彼らの労力を削減する効果も期待できる。また、ソーシャルメディアのチームやPPCのチームにとっては、ユーザーがランディングする新しい機会を手にすることになるのだ。

3.リマーケティングの方が安上がり

SEOによってユーザーを導くことができれば、リマーケティングのためのタグ付けをすることも可能だ。

多くの予算が必要となるビッグキーワードへの入札よりも、セールスファネルの上部に位置するユーザーをタグ付けするほうが、少ない金額でユーザーを呼び戻すことができる。

強くセールスするのではなく、コンテンツの中でソリューションを提供することができるのも、1つの利点と言える。ここで良い仕事ができれば、ユーザーからの信頼を得ることができるだろう。

ユーザーとの信頼関係を築くことができれば、リマーケティング広告を表示することで、より関連性の高いコンテンツへと導き、コンバージョンの可能性を高めることができるだろう。

しかし、これらはトピックと、そのユーザーのファネル内のポジションに依存する。

4.より多くの検索ボリュームを持つキーワードで表示される

ロングテールのフレーズや質問の検索ボリュームが少なかったとしても、シークレットモードで、より短いフレーズを検索してみてほしい。その検索結果画面の下記のセクションにその質問が表示されており、そこからトラフィックを獲得できるかもしれない。

  • 他の検索ユーザーも行った質問
  • 関連キーワード
  • 動画
  • ナレッジパネル
  • その他

ここで表示されているコンテンツのタイトルや回答が、あなたが検討しているトピックと同一であれば、より関連性が高く、ユーザー体験の良いコンテンツを作成することで、あなたのコンテンツを表示させることも可能となる。検索ボリュームが0のキーワードであったとしても、月間検索数が20,000のキーワードの検索結果画面に、該当のコンテンツが表示されるかもしれない。これは、Webサイトがまだ新しく、リンク構築も十分に行えていないクライアントに対し、我々が実際に使用している手法である。

そのトピックに対する解決策として必要であり、また、不足しているものを考え、それらを含んだコンテンツを作成する。上位のコンテンツが素晴らしい回答を提供しているがその他のコンテンツに埋もれている場合は、まず答えを提供し、その後、より多くの解決策を提供するコンテンツを作成しよう。

上級者向けのアドバイス:私は、YouTubeでこの手法を用いている。ビッグキーワードで上位に表示されている動画を探し、その後に再生される動画を確認するのだ。

そして、なぜそうした動画がレコメンドで表示されるのかを考える。何が不足しており、何が共通しているのかを探るのだ。

この調査結果を元にコンテンツを作成し、ビッグキーワードで表示されなくとも、トラフィックを獲得できるようにするのだ。

まとめ

検索ボリュームが0であったとしても、そのキーワードに注力する価値はある。しかし、それは、自身のビジネスと関連する場合に限る。

ファネル内にいるユーザーのコンバージョンを高め、複数のチャネルで活用でき、SEOツールでは検知できないトラフィックをもたらすコンテンツとなりうるのだ。

単純に各キーワードのボリュームの大小でターゲットを決定するのではなく、全体的かつ長期的な目的でターゲットを設定することは非常に重要です。SEOツールは非常に便利なデータを提供してくれますが、SEOツールのデータが全てではない、ということも考える必要があるでしょう。あくまで、最終的な目的は事業への貢献であるため、トラフィックの数が少なかったとしても、コンバージョンにつながるキーワードであれば、積極的に狙っていきたいものです。

この記事は、Search Engine Joournalに掲載された「Should You Focus On Zero Search Volume Keywords?」を翻訳した内容です。

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編集者情報

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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