SES London 2010 : PPCかSEO? 究極の検索マーケティング戦争

公開日:2010/02/16

最終更新日:2024/03/18

ブログ

無料で資料をダウンロード

SEOサービスのご案内
専門のコンサルタントが貴社サイトのご要望・課題整理から施策の立案を行い、検索エンジンからの流入数向上を支援いたします。

無料ダウンロードする >>

午後の1本目は過激なタイトルの最初のセッション。原題は「PPC or SEO? The Ultimate Search Marketing Battle」。パネルディスカッション形式で行われました。

しかし、ギリギリで会場に入ったら満席で立見になってしまい、PCでノートが取れませんでした。iPhoneでメモした内容を抜粋して紹介します。

最初に書いておくと、タイトルは煽り過ぎ、かつ話もあっちこっちに飛んでいたので逆にメモした後にまとめて書く形でちょうど良い内容でした。

まずはモデレーターが会場にインタビュー。
200人程度はいる会場で、

・PPCだけやっている人 → 10%
・SEOだけやっている人 → 40%
・両方やっている人 → 40%

と言うこと。

パネリストはSEO派とPPC派に分かれてのディスカッション。しかし4人中、3人がSEO派。しかもSEO派の一人がSEOmozのCEOのランド・フィッシュキン、もう一人がグレーゾーンのクローキングサービスで昔から有名なハンドルネーム「ファントマスター」。見た目が髭を伸ばしてグールー的な雰囲気。PPC派はページ・ゼロ・メディアのアンドリュー・グッドマン。世界で最初のGoogle Adwordsの攻略本を書いた人。実はその日本語版をいち早く書いたのが僕です。ネット販売だけでしたが、当時はそこそこ売れました。とは言え、SEOが多数派なのは辛い所。

まずはSEO派の意見。

・シニアマーケッターへのアンケート調査を実施すると、大半の調査でSEOに今後もっと予算をかけていく、と言う結果が出る。
・PPCは、広告で効果測定がやりやすいこともあり、既に多くの企業がある程度やり尽くしてきた。今後、もっとSEOが伸びる。

続いてPPC派の意見。

・実際の検索結果のクリック数で言えばオルガニックの結果の方がクリック数が多いことは認める。ただし、その大半はビジネスにつながらない検索。
・SEOは順位を気にしすぎ。順位自体に意味は無い。
・SEOは運用管理がかなり大変。お金も結果的にかなりかかる。効果測定もしにくい。

軽くジャブを繰り出しあった所で、モデレーターが「スモールビジネスが新規にサイトを作った場合はどっちが良いんだ?」と言うSEO派に不利っぽい手助け発言。新規サイトはイマイチ上位表示されにくい現状がありますし。

しかしメゲナイSEO派。

・SEOでもクリエイティブにコンテンツやキーワードを考えればPPCを使わなくとも色々できる。
・PPCに頼ると永遠にお金がかかる。スモールビジネスの場合は大変。
・ついでにPPCは不正クリックもある。
・同じお金をかけるならクリエイティブになれば絶対SEOが効果的。費用対効果も高い。
・ニッチな分野であればある程、SEOを上手く使えば検索市場を独占できる。

と途中から新規サイトのオーナーのことを考えないPPCへの反論ばかり 汗

なんか壇上のSEO派とPPC派の人は思想レベルで違う気がします。せっかくモデレーターがディベートしやすい設定を用意してくれたのに完全無視な状態。

ここでSEOmozのランド・フィッシュキンがPPC派にいちゃもんを。

「PPCで疑問なのだが、GoogleはPPCのランディングページのドメインをクオリティスコアの評価対象に入れているのか。広告を別ドメインで管理したいこともあるだろう。それはおかしいんじゃないのか?」

SEOは完全にそうなんですが、広告なのに中途半端にSEO的な要素を評価基準に入れるのが気に入らないのでしょうか。良く分からない反論?ですが、ただこれが本当かどうかは結局誰も答えられず。

しかも途中で言い合いになってモデレーターが「ドメインの話題で時間をつぶしたくない」と強制終了 笑

次に効果測定の話題に。モデレーターがまたもPPC擁護発言から。PPCはランディングページも含めて効果測定がしやすい。またランディングページはクオリティスコアがあるが、ある程度自由にデザインできる。SEOはコンバージョンを意識してランディングページを作りたいが、Googleの評価を考えると本当はテキストを詰め込みたいのに対ユーザーのことを考えると自由にできない、など難しい面があると。

SEO派は「それは仕方ない」と一蹴。さらに「PPCでコンバージョンだけを狙って作るページと、SEOでリンクを増やしたり検索エンジンの評価を高めるコンテンツを強化して作るページは少し意味合いが違う」と、またも思想的な話でにごして終わり。。笑

次にQ&Aのコーナーに。

Q:
エージェンシー側からすると、SEOとPPC、どっちが儲かるんだ?

A:
PPCのマージンは元々低い。新規参入も多くこの数年で特に下がった。PPCだけだと儲からない。SEOの方がまだ価格コントロールの余地がある。

。。。日本はSEOの価格も相当下がりましたが、、、汗。PPCはイギリスでもマージンビジネスなんですね。

Q:
PPCとSEOを並行でやっていたクライアントがいるが、SEOの順位がそこそこ上がっていたのでPPCを実験的に辞めたらSEOの順位が上がった。SEOの結果のクリック率が高まったことで、Googleの評価が上がった可能性はあるのか?

A:
同じような話をたまに聞くが、全く逆の話も聞く。検証してみたことがあるが、正直関連性があるかは分からない。(SEOmozのランド氏の発言)

最後に各パネリストが言いたいことを。

・SEOの効果測定がしにくいのは事実。Googleはあれだけ便利な広告効果測定ツールを提供しているのに、SEOに関しては手つかず。もっと広告費を使ってほしいのだろうし、SEOの効果測定をGoogleに期待するのは無理。自分たちでやらないといけない。

。。。SEOmozのランド氏の発言。Googleのこと、余り好きじゃないのかな 笑

・ブラックハットだが、サーチ・サチュレーションと言うテクニックがある。複数サイトを自作自演で作り、特定のキーワードで検索結果を自社で独占。費用対効果は最強。

。。。ファントマスター氏の発言。責任は持てないけど、と一言。日本語に訳すと「検索の飽和状態」と言う感じでしょうか。マイクロサイトを大量に作る作戦ですよね。やりすぎると、微妙なラインですけど。

・SEO派の人は順位やせいぜいクリック数にこだわりすぎ。ユーザーとのコミュニケーションが重要な視点を忘れている。

。。。PPC派の方。さらに続けて、

・PPCをマスターすると、ユーザー心理や行動が分かる。他のオンラインマーケティングを行う際にも非常に役に立つ。

すると、SEO派の人が

・SEOも同じこと。

と、発言。PPC派の人が

・それもそうだね。

と、納得。最後はお互いにフォローしあって結局「PPCでもSEOでもサーチマーケティングは素晴らしい!」と言う素晴らしい見事な落ちで終わりました。

究極の戦争だったかは不明ですが、それなりに面白かったですね。皆、それなりの人なのに好き勝手なことを話すフリーな感じが良いですね。そもそも結論は無い話ですし、両方大事なのは誰も分かってるわけで(ファントマスター氏は不明)。日本でもこういうのがあれば楽しいかもです。SEOだったら出たいな 笑

記事キーワード

  • Facebook
  • X
  • はてなブックマーク
  • pocket
  • LINE
  • URLをコピー
    URLをコピーしました!

編集者情報

  • X
  • Facebook

アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

メディアTOPに戻る

RECRUIT

一緒に働く人が大事な今の時代だからこそ、実力のある会社で力をつけてほしい。
自分を成長させたい人、新しいチャレンジが好きな人は、いつでも歓迎します。