SEOとUX(ユーザー体験)の関係:情報アーキテクチャとリンク階層

SEOにおける成功を収めるために、Webサイト全体の品質を上げることは非常に重要です。

しかし、全体の品質が高いWebサイトとは、何をもって決定されるのでしょうか?

様々な解釈が可能と思われますが、総合すると「ユーザーが満足のいく体験を提供するWebサイト」と考えることができるはずです。そして、そうしたサイトは、Webサイトで提供される情報が綿密な考えのもと配置されており、それぞれの情報が有機的に結びついているはずです。

今回は、ユーザーが満足のいく体験を提供するサイトを作り上げるために必要な考えを、「情報アーキテクチャ」と「リンク階層」を軸に説明しているSearch Enjine Journalの記事を紹介します。

ユーザー体験(UX)とは、単純性とデザインという領域に留まるものではなく、「ユーザーがそのサイトをどのように体験したか」についてのものだ。

Webサイトの体験は次の3つに要約される。

  • サイトに到達する
  • コンテンツを探す
  • コンバージョンする。もしくは、ニーズを満たす

自然検索のジャーニーにおいて、ユーザー体験は、検索結果からのランディングに始まり、内部リンクのクリックを経て、関連性のあるコンテンツの発見やコンバージョンに至るといった流れになるだろう。

この流れが、SEOにおいて「サイト上のユーザー体験がいかに大事か」を示している。

自然検索のジャーニーにおいて、SEOとユーザー体験(UX)は、情報アーキテクチャとそのサイト上でコンバージョンへと導くリンクによって結び付けられる。

では、ユーザー体験を浮き彫りにする洞察のために、SEOに関連するデータを活用するにはどうすればよいのだろうか。

まずは、「情報アーキテクチャ(サイトのフレームワーク)」と「リンク階層(サイトの経路、もしくはリンク)」が、個々のニーズに合わせたユーザー体験を構築するために、どのようにして使用されているかを見てみよう。

情報アーキテクチャとは何か

情報アーキテクチャ(Information Architecture : IA)とは、Webサイトのフレームワーク、もしくは構造であり、各コンテンツのホームを提供するものである。

情報アーキテクチャは「そのサイトがどのように構築されているか」「それぞれのページがどのようにグループ分けされているか」といった内容を言及する際に使用される。

「情報アーキテクチャ=URLの構造」ではない。

繰り返しになるが、情報アーキテクチャは、URL内のフォルダーやサブフォルダーの関係と一緒にされるものではない。

もちろん、フォルダーやサブフォルダーによってサポートされるものではあるが、URL基軸のみに限った内容ではないのだ。情報アーキテクチャは、サイト自体の骨格なのである。

※一般的な情報アーキテクチャの例

リンク階層とは何か

情報アーキテクチャは、サイト内のリンク階層を経て、ユーザーに体験される。

リンク階層は、割り当てられたフレームワークやアーキテクチャ内のページ間における、物理的なつながり、もしくはリンクなのである。ユーザーがサイト内を回遊する際に使われる実際の経路である。

リンク階層は意図的に作成された情報アーキテクチャをサポートすべきであり、各情報の要素がつながっていることを確かめるものだ。どのページともつながっていないページは存在しない状態にしよう。

※一般的なリンク階層の例

情報アーキテクチャを「フレームワーク」と捉え、リンク階層を「構成要素」とすれば、サイト内におけるユーザーのタッチポイントを表すマップを作るパズルを完成することができるのだ。

これは非常に素晴らしいことではないだろうか。

検索エンジンのボットに価値を伝えるためのリンクは、我々の情報アーキテクチャをユーザーに体験させることも可能とするのだ。

我々はすでに構成要素とフレームワークを手にしているため、サイト内のコンテンツを最適化するための条件は1つしか残っていない。「ユーザーはサイト内でどのような回遊を期待しているか」という点だ。

コンバージョンとSEOを改善するために情報アーキテクチャとリンクのデザインに配慮する

情報アーキテクチャとリンク階層は上記で定義した。

そして、我々の目標は明確なファネルをデザインすることだ。そのファネルは、ユーザーが直感的にサイトを回遊できるよう、バイヤーズジャーニーに沿って調整されるべきである。

この目標を達成するために、コンテンツとリンクをアップデートする上での判断材料になる項目を下記に記載する。

  1. キーワード
    リンクされるべき、関連性のあるトピックやページを把握するために使用する。
  2. インテント
    リンク先の判断と情報アーキテクチャをデザインする際に、ユーザーのインテントを考慮する。
  3. 行き止まり
    行き止まりは避けよう。コンバージョンファネルの次のステップを明確に作成し、現在のファネルポジションに存在する別のサービスを考慮できるようにし、必要であれば現在のファネルポジションより前の段階に戻る道も提供しよう。
  4. データ
    あなたの想定を確かめるため、また、ファネルを評価するために使用しよう。

1.キーワード戦略は典型的なページ経路を示す

「ユーザーがサイト内のどの場所に行きたがっているか」を把握する術はあるだろうか。

キーワード戦略はこれを把握する上で非常に有益であり、また、キーとなるページの関連性を明確にする効果もある。

キーワード戦略は、最も関連性のあるコンテンツと、最も関連性のある検索クエリを合わせるべきだ。

最も関連性のある検索クエリには、その次に関連性のあるクエリが付随している。そして、これらの関連性のあるクエリにとって、最も関連性のあるコンテンツが存在する。

広大なキーワード戦略を活用する腕前があれば、関連性のあるページのサブセットが作成できるのだ。

重要なポイント

関連性のあるキーワードを整理し、それらを特定のページに割り当てることで、関連性のあるページのサブセットによって作成された情報アーキテクチャを自然に作成することができる。

こうした関連性のあるページにリンクを設置することで、直感的で包括的な体験をユーザーに提供することができるだろう。

2.コンバージョンファネルを設計するためにユーザーインテントを活用する

次に考慮すべきは、ユーザーインテントだ。

関連性のある各コンテンツは、それぞれ、ユーザーの検索体験における異なったインテントやゴールを提供している。ファネルの上位にいるユーザーも、下位にいるユーザーも対象となる(それぞれのコンテンツが多岐にわたるユーザーインテントに対応していないのであれば、ユーザーインテントの活用はあなたにとって、コンテンツ作成における重要な材料となるだろう)。

リンク階層は、ユーザーがコンバージョンファネルの各段階を回遊できる経路を含むべきだ。こうすることで、ファネル内でしばしば発生する混乱を減らすことができる(ユーザーが「次にどのページを見るべきか」を悩まなくて済むようになる)。

コンバージョンに至るまでのユーザーの経路は、一直線であるとは限らない。そのため、コンバージョンファネルの異なるポイントへリンクをすることは、ユーザーのつまづきを軽減できるのだ。

重要なポイント

ターゲットオーディエンスの異なるインテントに対応することで、自然にユーザーをファネル内の次のステップに進めさせることができ、ユーザージャーニーをスムーズにすることができるだろう。これは、ファネル内の上位にいる場合も、下位にいる場合も当てはまる。

情報アーキテクチャはリンク階層をサポートすべきであり、コンテンツとインテントを一致させることで、ユーザーをコンバージョンファネルの次のステージに促すことができるのだ。

3.サイトからの離脱を防ぐ。ユーザー体験をユーザーの期待と一致させ、孤立した体験を避ける

Webサイトの戦略とも一致する例を挙げてみよう。

あなたはバハマまでのフライトを予約した。バハマまで到達するには、マイアミ経由での経路しかない。最初のフライトはうまくいき、マイアミに到着することができた。サングラスを片手に、水着を身に着け、サンダルだって履いている。バハマの日差しを浴びる準備はばっちりだ。

しかし、マイアミからバハマまでのフライトが無いことを知り、あなたは立ち尽くしてしまう。結局は空港を去り、ふわりとした帽子を手に持ちながら、舟に乗ることにした。

この例では、あなたの目的はバハマに行くことだ。しかし、あなたが選んだ経路は、あなたが期待したものではなく、目的地までの明確な経路を提供してくれなかった。そのため、競合相手(船)を選ぶことにした。

この例をWebサイトに当てはめてみよう。

ユーザーがサイト内のリンクとページを簡単に回遊できなければ、例えコンテンツがどれほど素晴らしくとも、例え多くのキーワードで上位表示されていたとしても、ユーザーは彼らが期待していたとおりのことをそのWebサイトで経験することはできない。

ユーザーは、進むことも戻ることもできず、そのページに立ち尽くしてしまう。自身が求めるページと違うページに迷い込み、彼らにとって有益なコンテンツがあるにもかかわらず、そのコンテンツを発見することはできなくなってしまう。

こうした体験を与えてしまうと、サイトからの離脱が発生してしまうだろう。

重要なポイント

サイト内でユーザーが動けない状態は避けるべきだ。あらゆるページの経路をレビューし、行き止まりや孤立したページが、ファネル内のどのポイントにおいても発生していないことを確認しよう。

4.エンゲージメントに関わる指標はユーザーの満足度を示す

ユーザーのエンゲージメントに関わる指標を理解することで、最適化の施策をさらに進めることが可能だ。

分析データを活用し、ユーザーがあなたのサイトとどのように関わっているかを把握しよう。

  • ユーザーはどこへ向かうのか?
  • どのように到達したのか?
  • どのポイントで離脱したのか?
  • 特別なKPIを達成したのはどの経路か?

エンゲージメントに関わる指標は、SEOに関連する指標の中でも、おそらく最も強力なツールの1つだ。

こうしたデータは、「ターゲットユーザーがどう経由したか」「共感してくれたか」「あなたが提供した経験に対しユーザーがどの程度満足しているか」などを示してくれる。

エンゲージメントに関わる指標が答えてくれる質問を下記に記載しよう。

【ユーザーのクリック経路】

  • ユーザーがサイト上で選択する自然なフローは何か?
  • 離脱と入り口のポイントはどこか?
  • 行き止まりはあるか?
  • ユーザーがサイト内で困惑してしまう特定のセクションはあるか?

【直帰率】

  • クリック数が多いページの直帰率が高い理由はなにか?
  • その場所で提供されている経験は、ユーザーが期待した経験に沿っているか?
  • そのコンテンツはユーザーの共感を得ているか?
  • サイトのより深くまで到達できる経路は用意されているか?
  • 理論的に正しい次のステップへの明らかな経路は用意されているか?

※直帰率が低く、クリック数が少ないページは、直帰率が高く、クリック数が多いページよりも価値があることをお忘れなく

【滞在時間】

  • 平均滞在時間は、そのコンテンツの種類にとって、納得できる時間であるか?
  • 滞在時間が長いページにはあり、滞在時間が短いページにはない特徴はあるか?

【1訪問あたりのページ数】

  • 過去に訪れたページにも訪れているか?
  • 1訪問あたりのページ数が高いページが持つ特徴、構造、属性は何か?

【クリック率】

  • タイトルは理にかなっているか?
  • インテントが期待を満たしているか?
  • メタディスクリプションの内容はページの内容を正確に反映しているか?

ときに、ユーザーはあなたが予期していたものと違う行動を取ることがある。しかし、それは問題ない。

こうした各指標を元に、ユーザー体験を改善していけば良い。それには、サイト構造(リンク先)の調整、キーワード戦略の内容、コンテンツの追加などが含まれるだろう。

重要なポイント

あなたの戦略の確認と改善のために分析データを活用しよう。可能な限り最高な経験をユーザーに提供できているだろうか。

下記の2点に注意しよう。

  • その場所で価値を提供する、最も関連性のあるコンテンツは何か?
  • ユーザーのニーズを満たすため、そのページをどのように最適化すればよいか?

結論:ユーザーのサイト上での体験を活用し、より良いユーザー体験を構築しよう

正しい体験を正しいタイミングで提供することは、ユーザーを導き、コンバージョンさせるための重要なポイントだ。

キーワードとインテント、インテントとコンテンツ、コンテンツと経路を一致させ、クリックルートを整備してユーザーを助けよう。

あなたが構築した情報アーキテクチャが、孤立したページを発生することなく、関連性のあるコンテンツ同士の経路を備えたものにしよう。また、こうした経路は、よく最適化されたリンク階層によって実現される。

ユーザー体験の目的は、あなたのユーザーに対し、可能な限り最高の経験を提供することだ。

優れた情報アーキテクチャはリンク階層を構築し、コンバージョンファネルの最適化を果たしながら、サイト上のユーザーの自然な行動をサポートする。

ユーザーのニーズを理解することに努め、検索結果から到達したユーザーが期待する経験を提供し、サイト上の行動をサポートすることができれば、個々のユーザーに合わせたポジティブな体験を作成できるだろう。

この記事は、Search Engine Journalに掲載された「SEO UX Play: Information Architecture & Linking Hierarchy」を翻訳した内容です。

記事内にもあるとおり、「正しい体験を正しいタイミングで提供すること」は非常に重要であり、カスタマージャーニーのどの段階にいるユーザーにも良い体験を提供できる状態が求められます。

また、「その情報を得たユーザーが次にどのような情報を求めるか」といった点も考慮され、直感的に次の情報に導くことができれば理想ですね。

言うは易し、であると思いますが、記事内にあるとおり、データを見ながらトライアンドエラーを繰り返し、少しでも理想に近づけるべく施策を進めていきましょう。

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