SEO&アフィリエイトの参入障壁

GoogleのSEO取締り強化によるSEO難易度アップで、以前に比べSEOビジネスに参入する人も少なくなっている最近ですが、外部リンク支援はともかくコンサルティング、インハウスSEO支援等、SEO関連のサービスニーズはまだまだ存在します。今回は特にSEOを活用したアフィリエイトビジネスに関する参入障壁の問題についてトップマーケッターのロス・ハッジスが考えた記事を。 — SEO Japan

通常のビジネスの世界では、参入する際の障壁が実在し、定着している – 実際の店舗を設ける小売業界では、特に参入の壁は高く、これが、貧しい状況を抜け出し、潤沢な企業を目指すことが難しかった原因の一つであった – サプライチェーンにおいて効率を確保するには、長く、大変なプロセスを経る必要があり、また、大きな店舗を建てるため、利益が出るまでに時間がかかった。そんな中、インターネットのデータが新たな富裕層を生み出す一方で、小売および店舗の壁は崩れ始めていった – そして、新しい、崩れかけた参入の壁を活用した人達が、複雑で、かつては非常に競争の厳しかったマーケットに参入し始めたのだ。

アフィリエイトビジネスで成功sた経験があり、ある程度、ウェブサイトをデザインする力があるなら、ふさわしいかどうかは別にして、SEO業界に加わることは出来る。「基本的なアフィリエイト」が競争の激しい業界に風穴を開け、先見の明のある起業家に多額の収益をもたらし、その一方で、動きの遅い物理的な建物を持つ企業は徐々に衰えていった。

時が流れ、アルゴリズムが改善されると、このような安易なアフィリエイトの多くは、効率が悪いため、撤退するか、あるいは、落ちぶれていくかのいずれかの道を辿った – 理由は、利鞘が少ないためマーケティングの予算の多いビジネスには歯が立たない、もしくは、事業開発プロセスが怠惰な、効率が悪いため、コンバートしたビジターの収益が少ないのいずれかであった。

さらに、多くの採算性の高いキーワードのニッチが薄れ、容易に上位にランクインすることが可能であった完全一致のドメインが、ドメイン名の売買業者、あるいは企業の防衛策によって次々に登録され、さらに、SEOの需要および認識が高まるにつれ、ドメインの単価が上がっていった。

その結果、優れたアフィリエイトやSEO業者がマーケットへの参入を断念するようになった。その理由は、A) 手頃な価格の、取得可能な完全一致のドメイン(EMD)が少ないため B) アルゴリズムにより参入が阻まれるため C) ニッチで競争に勝つために必要な純粋なSEOのオーソリティがレベルアップしているためである(この記事の意図において最も重要なのはCの理由)。

参入の壁として存在するリンク構築

インターネットは、確かに優れた企業に対しては、マーケットに「挑戦」しやすい環境を作り出しているものの、時間、そして、確立されたマーケットの状態を考慮すると、 – 少なくとも競争する力を持つかどうかを判断することが出来る優秀なアフィリエイトにとっては – 維持可能なアプローチで参入し、競争する上での難易度は明らかに高まりつつある。

大半のSEOは、キーワード難易度ツール等のツールを使ってキーワードを入力し、すぐに当該の分野で戦うことが出来るかどうかを調べる。「競争の激しさ」の評価は、センスと適性がそれぞれ異なるため、SEOによって異なる。一般的に、SEOは次のような状況を考慮し、評価を行う:

  • 完全一致のドメインが、キーワードの上位を独占している
  • SERPに定着した、知名度のあるブランドのリスティングが複数掲載されている
  • ページオーソリティの高いURLが上位の大半を占めている
  • 上位が.govやその他の圧倒的に強い競合者によって埋められている
  • 高度に最適化されているページが、上位のランキングを独占している
  • 著名なニュースサイト(CNN、フォーブズ等)、教育機関のサイト(.edu)、政府のリソース(.gov等)の「取得不可能」と思われる被リンクを数多く持つプロフィール
  • ローカルの結果ページが、全国的なページ、または、地域が指定されていないページのビジビリティを大幅に制限する

リード生成分野のアフィリエイトや企業にとっては、競合性リサーチは絶対に必要な取り組みであり、このような「検査」によって、長期的に実施するビジネス – つまりROIを高めるランキングの追求および維持 – の開始または中止が決まる。

そのため、この業界で勝負する人達は、長期的に利益をもたらす1位のランキングを1つ(または複数)維持するだけでなく、新たな競合者の登場を食い止めるべく、出来るだけ多くの参入の壁を作らなければならなくなる。

PPCは短期的なコンセプトである – すぐにトラフィックを集め、ROIを計測する。SEOは長期的な視点で行われるものの、経済の原理に基づいて緻密に構成されているわけではない。そのため、1位を獲得し、焦点を変える必要がある。SEOは、このような「参入の壁」の基礎をベースにしている場合、1位を獲得するだけでなく、今後10年あるいは20年間に渡って上位を独占することが可能になる

マーケットの寡占を巡る戦い

競合者の参入を確実に防ぐ方法はない。しかし、先見の明のあるSEO業者が、競争を激化させないために当該のマーケットの状況を整えることは可能である。

1. 完全一致ドメインを防御策として購入する – 多くの「ブランド」は防衛策として魅力的な完全一致のドメインを取得する取り組みを実施している。コストは嵩むが、競合者から実質的なアドバンテージを奪うことで、ランキングを長期間に渡って固定させ、また、参入を試みる競合者の存在をハッキリさせて、注意する必要があるレベルに達した際に調整することが出来るようになる。さらに、多くに会社は十分な武器(完全一致ドメイン)を携えて参入することが出来なくなるため、参入を思い留まらせる効果も見込める。

2. 参入する競合者のドメインを推測する優れたアフィリエイトプログラム – リード生成の分野では、事業開発を行って、利鞘を増やしたり、独自のテクノロジーを入手する前に、すぐにプログラムを収益化することが、最善のアフィリエイトの戦略だと見なされている。 当該の分野で最も優れたアフィリエイトプログラムを確立することで、所謂「氷山の観測所」を用意し、競合するドメインの侵入やリードの量等を容易に観察し、必要に応じて調整することが可能になる。同じように、当該の分野で唯一アフィリエイトプログラムを運営しているものの、既存の利益を蝕まれる可能性があるなら(あるいは2次的な機会を見つけられてしまう可能性があるなら)、長期的な競合者を完全に封鎖する方針が望まれる。

3. バーティカルの競争を誇張する – 多くのキーワードは、競争する/勝つために、40-50のドメインオーソリティ(DA)があれば十分である。しかし、障壁を偽造する、そして、不要な障壁を作る効果があるため、必要な資金に対して、以前は損益ゼロ、または、若干利鞘が少ないロングテールのキーワードを追求する価値はあると言える。二次的なキーワードをつり上げ、ドメインのメトリクスを誇張することで、競合者候補に競争を思い留まらせる状況が生まれる可能性がある。

4. 被リンクプロフィールにゲーム理論を利用する – 多くのバーティカルでは、競争するためには「あるタイプのリンク」が必要だと言う条件が存在するように見える。多くのサイトが、共有、いいね!、リンクを推奨しているが – 現実は必ずしもそうとは限らない。また、この条件付けは、ゲーム理論および「集団思考」の類の効率をベースとしており、マーケットは同分野のプレイヤーのリンク構築の取り組みを真似して、スタイルおよび適性において、任意のリンク構築プロフィールが生まれる。これは、大半のバーティカルに「特定の厄介者」が欠けている理由の一つであり、大半のプレイヤーが、スタイルまたは類似点において、厄介者以上に厄介か、あるいは、「うまくいく取り組み」に関して、同じような効果を得ているかのいずれかである。これは、共通点を確立する集団の考えにおけるゲーム理論にも当てはまる – つまり、「自分のリンクプロフィールがブラックハットなら、競合者もブラックハットなリンクプロフィールを持っているため、全滅する。そのため、結局誰もお咎めを受けずに済むはずだ」と言う考えである。

場合によっては、必要以上に多くの時間をハイレベルなドメインオーソリティのリンクの構築/促進にかけて、弱点を“隠す”ことで、競合者に偽りの印象を与える行為は、プロフィールの本来の「清潔度」を惑わせる効果があるなら、実施する価値はある。だからこそ私は以前有料リンクを買うことが出来るように良質なコンテンツを構築するべきだと主張したのだ – 「強靭なリンクPR班」が、競合者を退け、さらには、10%の良質な外観をはがして、90%の悪質な中身を暴く取り組みには執着しない、サイトを評価するエンジニアも欺くことが出来る。

5. 複数のドメインでSERPをコントロール – 共通の取り組みを行うものの、ブランドに関してお互いの存在を明かさないタイプの“無印”のドメインが有効に働くことがある。 こうすることで、1つのキーワードを独占し、さらに検索の意図に関する有益なデータ(複数のリスティングを閲覧するユーザーのデータ)を得られる。

また、競争上の絞り込みが行われると言う考えも説得力がある – ある会社が価値の高いキーワードに対して、1位と2位、または3位をコントロールしている場合、4位または5位のサイトがランクを押し上げるために費やす資金は、やがて底をつく。

その結果、やがて会社や事業は資金繰りに困る、または、諦めて、リンク構築を中止する現象が起きる。これは理想的なマーケットの状況であり、是非とも実現するべきである。また、この状況は先程申し上げた「参入の壁」のコンセプトとも一致する。参入を完全に阻止するほど理想的ではないものの、独占的なSEOの取り組みによって、競合者が3位や4位で“満足”するなら、高く評価することが出来る。これはランキングの動きがなく、収益に納得が出来ない場合に起きることが多い。特に1位または2位を狙う長期的且つ大変な努力が必要される状況で、よく発生する – なぜなら、ご存知のように、利益の大半は1位から得られるからだ。

SEOのマーケットの状況を利用する

SEO業者としての強みの一つは、単純にSEOを心得ているだけでなく、業界の仕組みを理解している点である。ウェブには無数のサイトが存在する – しかし、インハウスのSEO担当者、または、SEOに予算が割り当てることが出来るサイトは多くはない。そのため、多くのサイトはエージェンシーやコンサルタントを活用し、リンク構築を代わりに実施させている。このプロセスを介して、相当数のサイトが停滞するか、または、勢いを失う。その結果、ROIに期待していた企業はストレスを抱えることになる。すると、SEO業者を「悪徳業者」扱いする会社、そして、単純に継続的に投資するには成果が不十分だと判断する会社も現れる。

「怪しげなサービス」を提供するSEOサービスは稀であり – 契約の打ち切りで得をする業者は存在しない。大抵の場合、SEOサービスのプロバイダーがマーケットの状態をただ単に勘違いしたか、もしくは、変化を起こすことに失敗し、クライアントの期待に応えられなかっただけである。また、全て競合者が猛スピードでリンク構築を行うバーティカルに足を踏み入れている可能性もある – つまり上位へのランキングが非常に困難であり、思うように成果が上がらないだけなのかもしれない。その結果、サービスを購入するかどうかを決定する人物は、最終的に「停止と再開」を繰り返すことになる – 要するに、短期間でリンク構築を諦め、その他のコンサルタントに依頼するか、もしくは、SEOを社内で雇うルートを辿る。この非活動的な期間が、SEO業者およびクライアントにとって、最大の価値をもたらすのだ。

つまり、理論的には、SEOの地位だけでなく、上位の地位も固めて、基礎を確立し、付け入るすきを与えない状況を作り出すことが出来る。 「簡単に得られるメリット」、そして、マーケットの活力を取り除くことがSEOの目的である。この活力こそが、企業に自信を与え、予算を投じる決断を下させるのだ。投入される予算が増えると、ランキングが下がらないとしても、資金を失うことになる。収益からコストを差し引いた残りが「利益」となり、収益を維持するために、リンク構築を続けることでコストが膨らむなら、利益は減ってしまう。

1位を獲得して、利益を得ることが目的なのではない。目的は、競合者との競争を止めて、以前の状況を出来るだけ長く存続させることである。

1位を越えて

この記事のテーマを考慮し、最後に時間の経過とともにSEOの見返りを増やし、倍増させる理想的なシナリオを、フローチャートとして説明する。このフローチャートの最後に、理想的なマーケットの状況が導かれるだろう。

大半のマーケットのキーワードでランク #1を得る

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重要なキーワードで1位を獲得し & 競争の激しいキーワードで1位を狙う取り組みを止める

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重要なキーワードで1位を獲得し、競争の激しいキーワードで1位を狙う取り組みを止めて & マーケットへの参入を遅らせる

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重要なキーワードで1位を獲得し、競争の激しいキーワードで1位を狙う取り組みを止めて & マーケットへの参入を止めさせる

完璧にこのフローチャートを実現するのは不可能に近い – 強力で莫大な資金を持つ企業、そして、バーティカルを不適切に評価する企業は、私達がどんなに努力しても参入してくる。また、グーグルによって、検索可能な製品に対するマーケットの独占がほぼ不可能な環境が作り出されている。しかし、競合者に対するポジティブなマーケットの地位を損なう取り組みに十分に資金を投じることで、健康的で採算性の高いトップの地位を出来るだけ長く維持し – より魅力的な取り組みに焦点を絞ることが出来るようになるだろう。


この記事は、Ross Hudgensに掲載された「SEO As A Barrier To Entry」を翻訳した内容です。

SEOというよりは、SEOを武器にアフィリエイトやサイト運営をしている人に色々実感&共感することの多い記事だったのではないでしょうか。ドメイン関連の話が多かったのは英語圏ならではですが、アイデアとしてはヒントになる点が多い内容だったと思います。 — SEO Japan [G+]
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