2012年のRTBと検索リターゲティングを振り返る

日本ではまだまだながらも米国では本格始動しつつあるRTBや検索リターゲティング等の最新アドテクノロジーの活用。今回は2012年の米国の最新アドテク事情をまとめた記事をサーチエンジンランドから。 — SEO Japan

思い返すと、2012年はリアルタイムビッディング(RTB)と検索リターゲティングにとって非常に重要な1年であった。eマーケッターが先日公開したレポートによると、RTBのディスプレイ広告への支出は、2011年と比べ、98%増加すると推測されるようだ。私を含む、この業界の大勢の人達がこの推測を上回る現象が生じていると考えている。

emarketer RTB spending in US

2012年も残りあとわずかになったため、今年得た教訓をおさらいし、2013年へ私達を導く見解を提供したいと思う。それでは2012年に関する私の認識を幾つか述べさせてもらう:

リアルタイムビッディングはブランドにとって安全な手段

Simpli.fi(ディスプレイ広告プラットフォーム)で、今年、特に規模が多かった10点のキャンペーンを振り返ると、10点のうち9点が全国規模のブランドであった。サイト上で提供されていたこのような大々的なキャンペーンは、Simpli.fiの独自のブランドセーフティスクリーン、そして、第三者の広告認証会社のブランドセーフティスクリーンを通過していた。このようなキャンペーンに対するeffective Cost-Per-Click(eCPC)は、0.46ドルから3.31ドルまで差があった。

明らかにブランドは、ブランドセーフのインベントリの大半をリアルタイムビッディングを介して提供し、そして、オーディエンスを正確に狙う経済的な手段として、リアルタイムビッディングを認めている。RTB広告をブランドが採用するトレンドは、2013年にさらに加速していくと私は考えている。

パフォーマンスマーケッター & ブランドマーケッターにとってサイトの品質は大事

多くのパフォーマンスマーケッターは、当初、非常に低いCPMでオーディエンスにターゲットが絞られたインプレッションを買う戦略として、RTBにアプローチしていた。この戦略は、場合によっては効果が見込めるものの、コストパーアクション(CPA)の目標を達成する上でよりは、適切なインプレッションに高く入札する方が無難である。

優れたCPAキャンペーン(広告スポンサーのCPAのターゲットの50%以下でCPAを提供したキャンペーン)に関してSimpli.fiが実施した調査では、このようなキャンペーンで支払われたCPMは、Simpli.fiのプラットフォームの平均のCPMを90%上回っていたことが分かった。

サイトリターゲティングおよび検索リターゲティングの双方において、Simpli.fiのアルゴリズムが適切なタイミングで、適切なページで、そして、適切なユーザーを見つけた時は、高い額で入札を行い、当該のインプレッションを獲得する価値はある。

固定のオーディエンスセグメントは前RTB時代の名残

RTBは、広告主がそれぞれのインプレッションで個別に入札を行うことが出来る環境を作り、オンライン広告に革命をもたらした。しかし、現在、一部の広告スポンサーは、1つのインプレッションを一回ずつのペースでインベントリを購入しているものの、まとめてオーディエンスのセグメントを買い、曖昧なセグメントに集められたユーザーにつけられた固定の金額を支払っている広告主も大勢いる。

同様に、一部の広告スポンサーは、たとえサイト内の様々なページにアクセスするビジターが、異なる製品に興味を示し、大幅に異なる価値を持っていたとしても、自分のサイトへのビジターを単一のセグメントでターゲットにしている。

さらに困ったことに、わざわざ、時間と資金を投じてこのタイプのセグメントを作り出しており、自分が持つデータの価値を減じている。検索マーケッターなら、それぞれのキーワードの過去のパフォーマンスを把握せずに、一連のキーワードに同じ価格で入札したりしないはずだ。

幸いにも、構造化されていない(あるいは初歩的な)データに対して、ターゲティングのメリットを理解しつつあるディスプレイマーケッター達は、今後も見返りを得られるだろう。

データの新鮮さ(検索リターゲティングの最新性)はキャンペーンのパフォーマンスを大きく改善する

バーティカルによって、そして、キーワードによって差はあるものの、新鮮さはクリックスルー率(CTR)とCPAを高める上で欠かせない要素である。例えば、ここ最近、検索リターゲティングキャンペーンのCTRは、ユーザーがターゲットのキーワード検索してから24時間以内にインプレッションが表示されると、61%高くなることが分かっている。

同じように、検索リターゲティングのキャンペーンをCPAの目標に向けて最適化する際にも新鮮さは鍵を握る。出張のように検討するサイクルが短い製品に対するキャンペーンの場合、通常、新鮮さを短く設定すると効果が高い。

「Chicago hotel」をユーザーが検索した2週間後にリターゲットしたとしても、既に予約を取っている可能性が高い。しかし、「Toyota dealer」で検索した2週間後にユーザーをリターゲットした場合、当該のユーザーの行動に影響を与える機会はまだ残されているだろう。

新鮮さは、手動およびアルゴリズムベースの最適化において、考慮するべき重要なパラメータである。

2012はリアルタイムビッディングにおいて大切な1年であり、また、ディスプレイ広告に関与する検索マーケッターにとっても、重要な1年であった。2013年は、境界線はさらに曖昧になり、分析スキルを活用して、プログラマティックディスプレイの世界に進出する検索マーケッターが増えるのではないだろうか。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Reflections On Real-Time Bidding & Search Retargeting In 2012」を翻訳した内容です。

米国の最新事情が垣間見える記事でした。RTBというと日本でも技術以上に、単純により安くターゲティングされた広告を購入できる手法として注目を浴びている点もあるとは思いますが、今後RTBが普及していく過程で現在の検索マーケティングのようなCPAまで考慮した上でのキャンペーンが行われていくのでしょうか。ウェブメディア運営者にとっては結局広告の安売りになる懸念もありますが、米国の調査では現在のRTBのCPMが2017年には倍になる、という調査報告もありますし、検索連動型広告にしても導入企業が少ない最初の頃は今では考えられない程単価も低かったわけですし、RTBを取り巻くエコシステムがよりネットを盛り上げていくような形で普及していくといいな、と思います。 — SEO Japan [G+]
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