2012年、大手企業がRTBを本格活用を始めた記念すべき年

2012年も残り少なくなってまいりました。そろそろ2012年のまとめ記事が大量に飛び交ってくる時期ですが、まず第一弾は何故か?アドテク分野から。インターネット広告業界界隈で最も注目されている技術の一つがRTB(Real Time Bidding)といわれるリアルタイムの(ディスプレイ)広告入札の仕組み。米国でも本格的な導入は来年以降と思われますが、2012年は多くの大手企業・有名ブランドがRTBの採用を開始し、来年以降のRTB市場の成長を期待させる、記念すべき1年となったようです。 — SEO Japan

リアルタイムビッディングは、今年、全国規模のブランドおよびプレミアムパブリッシャーが利用に乗り出し、大きな存在感を示していたが、今後の数年間においても右肩上がりの成長を期待する声が多い。

マーケットの情報を提供するIDCは、2011年の世界全体のRTBベースの支出は14億ドルであり、今後、59.2%の年間成長率で増加を続け、2016年には139億ドルに達すると10月に予測していた。アメリカでは2011年のRTBへの支出は11億ドルであり、年間53%のペースで成長し、2016年には89億ドルに伸びると推測されている。また、IDCは米国内では2016年のディスプレイ広告の支出の27%をRTBが占めると見当をつけている。

リサーチ会社のパークスアソシエイツは、RTBによるディスプレイ広告のシェアの獲得において、IDCよりもさらに積極的な予測を行っており、2017年にはRTBがディスプレイ広告の50%を締めると指摘している。また、パークスアソシエイツ社は、2017年には北米で70億ドルがRTBに投じられるようになると予測している。

アドエクスチェンジャーとのインタビューで、パークスアソシエイツでリサーチアナリストを務めるヘザー・ウェイ氏は「RTBの採用率には、様々な不確定要素が存在する」と述べていた。 しかし、「RTBは、ディスプレイ広告のオンラインバイイングの新しいメソッドになる」ともウェイ氏は述べていた。

プライシングはどうなるのだろうか?フォレスターによると、2012年、RTB広告のCPMは平均で3.17ドルであった。しかし、RTBに進出するプレミアムパブリッシャーおよびバイヤーが増加しているため、価格およびCPMも上がると推測される。そのため、パークスアソシエイツの推測と比べると、ディスプレイ広告全体におけるRTBのシェアは少ないものの稼ぎ出す金額が多い、IDCが推測したような現象が発生する可能性があるのだ。

デジタルメディアバイイング予測 2012-2017」の中で、フォレスターはRTBのCPMが2012年の3.17ドルから2017年には6.64ドルに高まると報告している。,また、フォレスターは、広告支出全体の30%がプログラマティックのエクスチェンジベースの取引になると推測している。

「フォレスターは、今後もCPMは上がっていくと予測している。これはパブリッシャーにとっては好材料と言える」とフォレスターのインタラクティブマーケティング部門の主任アナリストを務めるジョアンナ・オコネル氏は指摘している。さらにオコネル氏は、「少なくともRTBを試すパブリッシャーは増加する。プレミアムのバイヤーとプレミアムのセラーが長期間に渡って存在しない状況では、健康的なシステムとは言い難い」と続けている。

デジタルマーケティングリサーチを行うeマーケッター社によると、RTBは2015年にはディスプレイ広告の25%を占めるレベルまで成長するようだ。また、eマーケッターは、2012年、RTBのデジタルディスプレイ広告への支出は19億5000万ドルに達し、2015年には57億8000万ドルに到達すると見込んでいる。この中には、様々なデバイスに対応するすべてのディスプレイの形式が含まれている。

「リアルタイムバイイングは、メディアの予算を1セントも無駄にすることが出来ない不況時に登場した。しかし、配分した予算を超える有効性および効率が実証されているため、ディスプレイの予算を豊富に持つスポンサーでさえRTBを利用して、ディスプレイ広告バイイングの一部に充てている」と、レポート“リアルタイムビッディング: 支出予測と今後の成長を占う要因”の中で、eマーケッターのアナリスト、ローレン・フィッシャー氏は綴っている。

「一部では、RTBが2015年の世界の広告収益全体の50%を占めると言う楽観的な推測が行われているもの、私達は4分の1が妥当だと予測している」と2012年8月に行われたインタビューでEコンサルタンシー社の主任リサーチアナリストを務めるモニカ・サヴァト氏は指摘していた。同社は“リアルタイムビッディングのバイヤー向けガイド”を今年の8月にリリースしていた。「メディアのバイヤーおよびセラーは、今も実験的な段階に留まっており、広い範囲で浸透するのは2、3年後になる」と同氏は述べている。

しかし、RTBに関心を寄せるプレミアムのバイヤーは増えつつある。カセレメディアの売り手側のインデックスプラットフォームによると、2012年の第2四半期では、RTBを利用する広告スポンサーの57%はメジャーな全国規模のブランドであったようだ。また、RTBのインプレッションは今年の第1四半期から2四半期にかけて28%増加している。

「現在、ケロッグ等の大きなブランドのマーケッター達が、プログラムベースのバイイングメソッドの利用について堂々と話しをしており、その他のブランドのマーケッター達が安心できる環境が作られている」とフォレスターのオコネル氏はインタビューで語っていた。

事実、ルビコンのデータによると、第3四半期でRTBの支出額が多かった10社の広告主は全て有名なブランドであった。トップ 5には、AT & T、トヨタ、スプリントネクステル、アメリカンエキスプレス、そして、サウスウエスト航空が名を連ねている。

その上、RTBを採用するプレミアムパブリッシャーが増加している。メディアバイイングプラットフォームのアコーダントメディア曰く、2012年第3四半期におけるRTB広告インベトリの量は、1年前の同時期と比べると、88%増加し、2012年第2四半期から29%しているようだ。

「長期的に見ると、10年後には、全てのディスプレイ広告の約半分をRTBが占めるようになるだろう」とIDCのデジタルメディア & エンターテイメント部門のバイスプレジデントを務めるカルステン・ワイデ氏は述べた。ワイデ氏は続けて「しかし、最終的には、上位の重要なアカウントに対する特別な取り組みおよびセールスを除き、ほぼすべての支出がRTBを経由するようになるのではないだろうか」と指摘している。


この記事は、AdExchangerに掲載された「2012 Review: RTB Gained Ground Thanks to Major Brand Participation」を翻訳した内容です。

2017年にはディスプレイ広告の34%がRTBになるという予測記事を以前紹介しましたが、50%にまで増えるという予測もあるとは知りませんでした。既にトヨタ、AT&T、ソフトバンクの買収で日本でも有名になったスプリントネクステル、アメリカンエキスプレス、ソーシャルメディア活用でも有名なサウスウエスト航空など超大手企業がそれなりのRTBを使い始めている現状を考えても、今後ますます成長していくことは確実なようです。

IDCのアナリストによれば「特別な取り組みおよびセールスを除き、ほぼすべての支出がRTBを経由するようになるのではないだろうか」ということですが、まだまだ進化の過程にあるインターネット広告、プラットフォームを握るプレイヤー間の覇権争いも今後さらに激しく行われていきそうです。 — SEO Japan [G+]

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