ウェブサイトがある程度のトラフィックをオーガニックな検索クエリから得られるようになったら、検索結果にユーザーが到達してからの行動を調べることで、コンバージョン(問い合わせ、登録、購入、電話等)を改善することが出来るようになるだろう。
グーグルアナリティクスを使って、ターゲットに選ぶキーワードを選び、そして、エントランスページ(ランディングページ)をチェックしてコンバージョンに打撃を与えている問題を確認することが可能だ。
目次
焦点を絞るオーガニックなキーワードを選ぶには
大半のウェブサイトは、ウェブサイトにユーザーをもたらす数多くのキーワードを抱えている。そのため、焦点を絞るキーワードを選択する簡単な手段が欲しいところだ。
グーグルアナリティクスで、幾つか重要な(eコマースではない)コンバージョンの目標を追跡するか、もしくはeコマースを有効にしてトランザクションを追跡するように設定しよう。すると、以下のように、キーワードごとにコンバージョン率を確認することが出来るようになる:
- トラフィック/キーワードのソースを選ぶ
- 3-6ヵ月の間に期日を定める(URLの変更等、ランキングに影響を与える可能性がある変更を数多くサイトに加えた場合、短期間に設定すること)
- 「Show: non-paid」(以下のスクリーンショットを参考)を選択する
- ゴールセットタブかeコマースタブのいずれかを設定する(以下のスクリーンショットを参考)
カラムのタイトルをクリックして(もしくは様々な方法でデータをソートすることが出来るようにスプレッドシートにエクスポートして)、必要に応じてVisit上でソートを行う。
リストにざっと目を通し、コンバージョン率が最低限の確率よりも低いキーワードがあったら精査する。
コンバージョン率が0のキーワードが多数見つかるだろう。フレーズがサイトのコンバージョンのゴールに関連しているかどうかについて判断を下す必要がある。
サイトは、関連度の低い多くのフレーズで上位にランクインしている傾向が見られ、また、コンバージョンを導く可能性は低い。このようなフレーズはスキップし、コンバージョンをもたらすと考えられるキーワードフレーズに焦点を絞ろう。
エントランスページの問題点を確認する
最適化を通じて幾らかコントロールすることが出来るものの、オーガニックのキーワードに対して上位にランクインするウェブページを決め、エントランスページを選ぶのは検索エンジンであるため(ランディングページを決めるPPCとは異なる)、まずは最低限の数の入り口を持つエントランスページに対して、問題があるかどうかを確認するべきである。
- 作成したグーグルアナリティクスのキーワードの表で、詳しく調べてみたいキーワードをクリックする
- 次に下のスクリーンショットに掲載されているドロップダウンセレクターをクリックする
- ランディングページを選択する(下のスクリーンショットを参考):
当該のキーワードに対するエントランスページのリストが提示される(このページでも[non-paid]を再びクリックしなければいけない可能性がある)。
残念ながら、グーグルアナリティクスはこの表のリスティングをリンクに変えてくれないため、リスティング内のURLのセグメントをコピーして、ブラウザのアドレスバーのウェブサイトのアドレスに加えるか、もしくは、次のステップを踏む必要がある。
私は2つのモニターを使ってこの作業を行う。アナリティクスを別のモニター上のブラウザのインスタンスで開いて、次の作業を行う:
- コンテンツ/トップランディングページを選択する
- 以下のスクリーンショットに掲載されているフィルターオプションのセレクターで[containing]を選択する
- キーワードのエントランスページのリスティングでURLを全て、もしくは一部をコピーして、フィルターフィールドに貼りつける(下のスクリーンショットを参考)
- すると当該のURLセグメントを含むエントランスページのリストが生成される
- 精査したいエントランスページをクリックする
精査したいランディングページをクリックすると、コンテンツディーテイルのページが提示される。下のスクリーンショットに掲載されている[visit this page]リンクをクリックすると、ページを閲覧することが出来る。
オーガニックのエントランスページに見られる典型的な問題
オーガニックのエントランスページに見られる典型的な問題を、処理方法に関するアドバイスと共に幾つか挙げていこう。
ナビゲーションのないファイル
コンテンツのフレーム(最近は少なくなったが)、リンクが貼られていない“ページ”、もしくはポップアップウィンドウのコンテンツが検索エンジンにインデックスされ、サイトのナビゲーションがない状態で表示されていることがよくある。つまり、検索エンジンのユーザーがファイルやページを閲覧するために検索結果をクリックすると、辿りついたページにはウェブサイトのその他の場所へ向かう分かりやすいナビゲーションが用意されていない状態である。
フレーム化されたページの場合(いまだにこの問題を抱えているなら)、フレームのシステムとして本当に開発する必要があるのかどうかを判断し、その必要がないなら作り直すべきである。また、フレームページのロードを正確に行うためのジャバスクリプトの解決策も幾つかある。ジャバスクリプトを多用してフレームが正しく読み込まれるように工夫しよう。
ポップアップウィンドウの利用をやめるか、もしくはポップアップウィンドウのコンテンツをフォルダーに含めて、robots.txtファイルで当該のフォルダーを無効にすることを考慮してもらいたい。数か月後にどのエントランスページが返されているのか確認しよう。
いまだに生きている過去のウェブページ
多くのウェブマスターが過去のウェブページをサイトに残してしまう。すると、引き続き検索エンジンにインデックスされてしまう。ウェブサイトの過去のバージョンがサイトのフォルダーに移動されているものの、検索エンジンが見つけて、インデックスしているケースを私は何度も見たことがある。このような古いページが、重要なキーワードで上位にランクインされていることもある。
残念ながら、過去のウェブページのナビゲーションリンクやイメージは壊れ、情報は古いことが多い。その他にも問題が多数見受けられる。そのため、しばらくの間は、301リダイレクトを過去のページからベストなページに張り、当該のキーワードのトラフィックを獲得することを私は勧める。その後、現行のウェブサイトでキーワードに対してページを最適化するのだ。
File not found
様々な理由で[404 file not found]のエラーメッセージが表示される。特定のキーワードに対して、なぜこの問題が発生しているのかを特定し、解決する必要のある問題があるかどうかを判断する。場合によっては、[File not found]のエラーメッセージは検索結果から返されているかもしれない。これは、ウェブページが削除されたか、移動されたかして検索エンジンがリスティングから昔のURLをまだ削除していないために発生する。
301を当該のURLに対して現行サイトの最高のページに設定しよう。その後、数週間または数ヶ月以内に当該のキーワードに対してどのエントランスページが返されているのか確認すること。
キーワードフレーズに対する最高のエントランスページを見極める
エントランスページに上述したような問題が見られないなら、当該の検索クエリにとって、ビジターがサイトに入るページとして最適かどうかを考慮する。コンバージョン率が低いと言う理由で、キーワードフレーズに対するエントランスページを精査していると言う事実こそが最高のエントランスページではない点を示唆している可能性がある。
クライアントのサイトの例を紹介する。クライアントは料理器具をeコマースサイトで販売している。また、特定の料理のトピックに関する本を出版しており、サイトで販売している。人々は本の名前で検索を行っている。
しかし、この書籍の名前で最もランキングの高いエントランスページは、この本のレシピを無料で掲載するためのページであった。このページでは、書籍を購入することが可能なページへの容易なナビゲーションが提供されていないだけでなく、本を購入することが出来る点すらまったく触れられていなかった。
そこで私達は次のようなアドバイスを送った:
- 分かりやすい“コール・トゥ・アクション”をこのページに一つ、または複数掲載して、ビジターに本を買うことが出来るページに向かってもらう。
- 本のページを最適化して、レシピのページよりも上位にランクインするように試み、そして、必要に応じて、レシピページを非最適化する。注記: このページがその他のフレーズで上位にランクインしなくても問題ない場合、メタロボッツタグを使って、検索エンジンにインデックスさせない手もある。詳しくはメタロボッツタグの基本を参考にしよう。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「How To Increase Conversions For Organic Keywords」を翻訳した内容です。