心理学に学ぶ購買プロセスを最適化する6つの説得技術

サイトの色合いについて心理学に学んだり、究極の交渉術を考えたりしてきたSEO Japanですが、今回はユーザーの購買プロセスを最適化するために必要な「説得の技術」を心理学的に考えてみよう、という中々に興味深い記事をSEO Bookから。 — SEO Japan

説得を最適化する方法は数多くある。

SEO業者は、検索エンジンのアルゴリズムを考慮してサイトを最適化し、ランキングを改善する試みを行う。その結果、トラフィックが増える。他の分野の最適化は、ビジターがページにアクセスした後に効力を発揮する。

その一つが説得の最適化である。

ビジターをページに迎える取り組みを行ったものの、「戻る」をクリックされてしまうようでは、それまでの努力が無駄になる。ビジターにはサイトに留まり、メッセージを読んでもらい、そして、行動を起こしてもらいたいのだ。

説得する方法は多い

アリゾナ州立大学で心理学を教えるロバート・チャルディーニ教授は、一般的な説得の手法の6つのカテゴリを特定している。それは、返報性、一貫性、社会的証明、好み、権威、そして、希少性である。

このような手法を用いて、コンテンツとサイトのデザインを最適化し、ビジターがサイトに留まる確率および理想的な行動を取る確率を高めることが出来る。

ビジターの心理を操っているように見られるかもしれないが、それは、利用方法に左右される。善意で利用するなら、自分の意見を他の人達に訴えかける取り組みの一部になり得る。いずれにせよ、このような手法の存在を知っておくことで、自分達に対して使われた時に容易に見つけ出すことが出来るようになる。

1. 返報性

返報性とは、誰かに何かを与えると、恩を返しをしたくなる心理を意味する。返報性を意識した行動は私達の文化に刷り込まれており、頼みごとをしてもしなくても、もしくは、お互いを知っていてもいなくても起こり得る。

返報性は義務感を生み出す。

製品を確認して、何かしら価値を与えることが出来るかどうか調べてもらいたい。例えば、情報製品のベンダーなら、製品の一部を無償で提供したり、もしくはトライアル期間を延長する手が考えられる。受け取る側は、残りのセクションや製品全体を買うことで、報いるかもしれない。ベンダーが何も与えていないなら、このような行動を取ってもらえる可能性は低い。オーディエンスに何をしてもらうのかよりも、オーディエンスに対して何が出来るのかを考えよう。

譲歩も返報性を利用する方法の一つである。何か小さなことを譲歩すると(ただし分かりやすく)、相手側はもっと大きなことを後ほど譲歩するべきだと感じる可能性がある。

例えば、まずは何か大きな願い事をしてみよう。その願いが断られたら、今度は、前から望んでいた適度な願い事をしよう。2度目のリクエストは、既に譲歩しているため、こちらも譲歩しなければならないと言う感情が生まれ、受け入れてもらえる可能性が高い。

2.約束と一貫性

人は相手に一貫性を求める。

一貫性のない人物は、信頼できない人物、もしくは嘘つきと見られる可能性がある。一貫性があると、難易度は下がる。なぜなら、相手が決定を下す度に評価を繰り返さなくなるためだ。一貫性があるなら、過去の評価、そして、過去の決定を変える必要はない。しかし、行動に変化が生じると、再び評価が行われるようになる。

ウェブサイトにも同じことが言える。

メッセージが矛盾している場所を探してみよう。製品に関するコピーの過ちのような明白なものもあれば、意見のトーンの変化のように目立たないものもある。一貫性のあるトーンおよびデザインを用いて、ページの流れに一貫性を持たせ、また、メッセージの矛盾や脱線を避ける必要がある。

当然ながら例外はある。驚かせようとしているなら、あるいは通常とは違うことをして注目を集めようとしているなら、一貫性に逆行する価値はある。しかし、一貫性に反する行動を取る前に、まずは一貫性を確立する必要がある。

3. 社会的証明

他の人達が価値を認めている証拠がそのサイトには掲載されているだろうか?推薦、レビュー、つながり等が社会的証明に挙げられる。

社会的証明は、既存の信頼関係を活かすことで、手っ取り早く信頼関係を構築する効果がある。サイトで紹介したつながり – 例えば「ニューヨークタイムズでも取り上げられていたように」 – を信頼してもらえるなら、もしくはユーザーが自分の判断よりも大勢の判断を信じるなら、信頼してもらえる可能性は高い。

早く信頼関係を構築する取り組みはオンラインでは非常に重要である。なぜなら、ユーザーは「戻る」をクリックする権利を持っているからだ。そのため、社会的証明は、とても力強い助っ人になり得る。

ただし、怪しいと思われてしまうと瞬く間に信頼関係は崩れる。サイトが提供する社会的証明が有名な人物である場合、オーディエンスが説得に応じる可能性は高い。オーディエンスがよく知り、信頼しているのは誰だろうか?誤って存在感の薄い人の推薦を利用するサイトが一部見受けられる。

4. 好み

誰もが自分の好きな人と仕事をしたいはずだ。

良くも悪くも魅力的な人達は説得力がある。受け手が前向きな特徴を当てはめようとするためだ。身体的に魅力的な男性や女性のモデルは広告業界にとって欠かせない。これは基本である。また、高度なレベルでは、受けては自分と同じような人の言動に反応する。魅力は、類似に基づいているのだ。

ウェブマーケティングにおいては、「好感度」のレベルはオーディエンスに左右される。流行りの洋服を売るサイトは憧れが中心的な役割を担う – 実際のオーディエンスとは似ていなくても、オーディエンスが憧れる魅力的な特徴を提示している。テクノロジーによるソリューションを販売しているサイトは、共感と親近感に力を入れるべきだろう。重いテーマのサイトは知性をクローズアップするのではないだろうか。これは、好きなってもらうために、オーディエンスをそのまま、あるいは、オーディエンスが持つイメージを反映する手法である。

好みの別の領域として、つながりが挙げられる。ビジターが好きな団体や人物に自分を関連付ける手段を考えてもらいたい。一般的に用いられているのは、チャリティ、セレブ、または業界のイベントとの提携である。

5. 権威

権威のある人物に反応する人は多い。

「適切な振る舞い」は権威に左右される。例えばSEO業界での「ホワイトハット/ブラックハット」の位置づけは、権威のある人物、この場合は検索エンジンと検索エンジンの代表者によって決まる。

ウェブサイトでは、シンボル、資格、そして、つながり等を使って、権威を表すことが出来るものの、過去と比べると、現在は権威を軽視する傾向が見られる。オーディエンスは権威の主張を疑って、主張の証拠を提示せよと要求し、与えられた情報が信頼に値する場合、関係の構築を望むようになるだろう。

そのウェブサイトには、主張の証言や証拠が用意されているだろうか?

6. 希少性

私達は豊富なものを過小評価し、希少なものを過大評価する癖がある。

この手法に関しては、とりわけ詐欺の世界で、人為的に希少な状態を作るあからさまな手法が存在する。希少性をアピールするため、場所/製品が~個しか残っていないことを主張するマーケッターを皆さんも見たことがあるはずだ。これは衝動的な行動を期待した手法である。

チャルディーニ氏は、希少性について次のように指摘している:

「心理的な反応の論理により、人々は自由の欠如に反応し、自由をさらに求める。特定の製品やサービスを手に入れる自由もその一つである。動機を与える要因として、心理的な反応は人生のほとんどの場面に存在する。なかでも顕著に現れるのが魔の2歳児(第一反抗期)と10代である。 この期間では、個性が芽生え、抑制、個人の権利、そして、自由等の問題が気になり始める。そのため、この2つの期間を迎えると、人々は制限に特に敏感になる。」

通常は、今までは希少ではなかったものが希少になった時に最も引き付けられ、次に他の人が同じリソースを欲しがっている時に魅力を感じる。ウェブサイトにおいては、この2つのコンセプトを組み合わせることが出来る。期限が近づき、供給が追いつかない状態である。当然ながら、これは社会的証明の形式でもある。

まとめ

カリスママーケッターのセス・ゴーディン氏は、かつて「マーケッターは嘘つきだ」と語ったことがある。

マーケティングには操作およびストーリーテリングの要素が存在する。ウェブマーケティングの大きな失敗例の中に、この要素が関わっていることは疑いようもない。しかし、優れたマーケティングに中にも存在する。また、毎日の生活の中で、場合によっては、知らないうちにこのような手法を誰もが用いている。

ウェブサイトでこういったアイデアを組み合わせるとプラスに働く可能性がある。競合者を今回紹介した6つのカテゴリで評価してみよう。うまく活用しているだろうか?過剰に利用しているだろうか?その後、自分のサイトを調べ、実験を行い、変化を記録しよう。

説得の取り組みを少し強化すると、既に手に入れたトラフィックの価値を活用する上で大きな効果が見込める可能性がある。


この記事は、SEO Bookに掲載された「Persuasion Optimization」を翻訳した内容です。

いきなり「返報性」という専門用語で重たそうな記事だな、、、と思いましたが意外とそうでもなく、読み物としても面白く、勉強にも参考にもなる内容でした。どれも普通に納得できるものでしたが、気になるのはやっぱり最初の「返報性」ですかね。これが例えばネットサービスで、どのように適応できるのか、という点は気になります。例えば無償で何かを提供して、その後に有償サービスへの登録をお願いする、といったギブ・アンド・テイク的手法がわかりやすいのでしょうか。デパートで試食したものを、つい店員に押されて(気兼ねして?)買ってしまう心理は日本人らしくてわからなくもないですが、ネットの場合は対面効果がないですし。。。さり気ない仕掛けや卓越したライティング能力が求められそうです。 — SEO Japan [G+]

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