顧客行動への対応から、マーケティングファネルを作る方法

最終更新日:2022/06/23

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一口にマーケティングと言っても、その施策は多種多様であり、ターゲットオーディエンスや検討に至るまでのどの段階にいるか、などによって大きく内容は異なります。投資に見合った効果を得るためにはどのような施策に注力すべきかを判断することが重要となりますが、マーケティングファネルを作成することがその一助となりえます。今回は、マーケティングファネルの作成方法に焦点をあてたCXLの記事を紹介します。

マーケティングとセールスファネルはともに、カスタマージャーニーをマッピングするための、実績のあるフレームワークである。

しかし、新たなテクノロジー、チャネル、インターネットによってもたらされた気晴らしなどにより、カスタマージャーニーは直線的ではなくなり、従来のファネルの関連性は薄れてしまっている。

現在の状況においては、人々を見込み顧客から顧客へと導くために、彼らの行動について深く考える必要があり、ファネル内のどの段階においても、彼らのニーズに適合するマーケティングを提供しなければならない。

この記事で、まさにその方法を学ぶことができるはずだ。マーケティングファネルをコンテンツのモデルとして活用する方法、ユーザーがそのジャーニーにおいて取る行動、彼らのアクションを喚起するもの、などを見ていこう。

マーケティングファネルを、コンテンツ、クリエイティブ、メッセージのモデルとして活用する

マーケティングファネルには多くの種類がある。そして、一般的には、それらはAIDA(Awareness:注意、Interest:興味、Desire:欲求、Action:購買行動)モデルに従っている、という認識がある。


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これをさらにシンプルにし、3つのステージのモデルにすることもできる。

  1. Top of the funnel (TOFU):認知
  2. Middle of the funnel (MOFU):検討
  3. Bottom of the funnel (BOFU):コンバージョン

また、カスタマージャーニーの重要な側面である、ロイヤリティとアドボカシーへと拡張することも可能だ。


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これらの直線的なマーケティング・コンバージョンファネルのモデルは、従来の顧客ライフサイクルに基づいている。

例えば、とある人があなたのビジネスを見つけ、Webサイトを訪問し、フォームを入力し、セールスチームとチャットし、顧客になる、といったものである。

しかし、この仮想の顧客は、「実際のユーザーのシンプルなバージョン」に過ぎない。

より現実的なカスタマージャーニーはさらに複雑であり、購入に至るまで、様々なタッチポイントや障害が存在するのだ。

そのため、経験豊富なマーケターは、顧客が取る可能性のある複数のアクションを考慮した、トルネードファネルを好む。


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あなたのファネルが、上記の画像ほど複雑である必要はない。しかし、直線的なプロセスとして、マーケティングファネルへアプローチしないほうが良いだろう。

その代わり、ファネルの各段階を、心の状態として捉えてみよう。そして、そのジャーニーの各段階で求められるものを反映したコンテンツをもって、顧客をターゲットするようにしよう。

そのためには、顧客とのインタラクションに基づき、アクションをマッピングし、それらのアクションを、マーケティングファネルの各段階に割り当てることが必要だ。

例えば、1番目の人は、「自動化に最適なソーシャルメディアのソフトウェア」、と検索していたとしよう。これは、認知の段階と言える。

このインテントを汲み取り、興味を拡大させるために、製品のデモページへと遷移する広告を出稿する。この段階でのコンバージョンは、1番目の人に該当するユーザーが、あなたのWebサイトへのリンクをクリックすることである。

しかし、2番目の人は、すでにあなたのWebサイトを何回も訪れているかもしれない。こうしたユーザーは、検討段階にいる可能性が高いだろう。彼らはすでにあなたの製品を知っており、自身にとって必要であるかを評価しているのだ。

こうした過去の行動を考えると、製品に焦点をあてたウェビナーを開催し、自社の製品が最適な選択であると伝えることが、彼らに対しての関わりとしては最適だろう。この段階でのコンバージョンは、彼らがウェビナーに参加することである。

アクションをマッピングすることで、見込み顧客が過去に取った行動をもとに、コンテンツを提供することができる。このようにして、あなたの会社との新たな関わりを持つたびに、彼らを購入や再購入へと導くことを目指そう。

ビジネスが成長すると、行動履歴のパターンに基づいて、ファネルの各段階にいるユーザーに向けたコンテンツを作成することができる。最初のインタラクションからクローズに至るまで、顧客が取った行動を測定するようにしよう。そのためには、下記の問いかけが必要だ。

  • どのランディングページを、どのような順番で訪れたか?
  • 彼らをコンバージョンに導いたマーケティング手法はなにか?
  • どのEメールを彼らはクリックしたか?

コンバージョンの経路は複数存在するだろう。しかし、顧客がコンバージョンした経緯を時系列で調べることで、最短、かつ、最も収益性の高い、共通した経路を見つけることができるはずだ。

このようなデータを保持していない場合は、顧客ペルソナに最適な種類のコンテンツに基づいて、戦略を構築する必要がある。

ファネルの各段階におけるマーケティングは、どのようなものか。

具体的なマーケティング戦術は、あなたが提供しているもの、オーディエンス、タッチポイントなどによって異なる。しかし、あらゆる顧客が、認知、検討、アクション、ロイヤリティ、アドボカシー、というジャーニーを経ているという事実は、マッピング作成の手助けとなっている。

その結果、目標の設定と、あなたのファネルに沿ったコンテンツマーケティングのカレンダーを作成することが、容易となっている。

ファネル内の各段階における典型的な顧客行動と、あなたが採用しうるマーケティング戦略を見ていこう。

1.認知

認知の段階では、人々はソリューションが必要であることは理解しているものの、「なにがソリューションとなるか」については理解していない。多くの場合、次のステップを把握するための答えを探している。

ここでのあなたも目標は、認知度を高め、潜在顧客を特定することだ。そのためには、特に制限なく、教育的で情報に富んだコンテンツを提供する必要がある。

Webサイトのブランディングやコールトゥアクションを除いて、この段階では、人々に自社の製品を強く売り込むことは避けよう。その代わり、顧客となりうる潜在顧客に対し、価値を提供することに注力しよう。

人々があなたを発見する方法の周辺で、戦略を立てるようにしよう。デジタルマーケティングの場合、検索エンジンやソーシャルメディアが代表的な方法と言える。

SEOにより認知度を高める

世界中のトラフィックの90%以上がGoogle経由であり、その支配力は安定している。あなたが誰かに発見されたいのであれば、検索という世界にあなたの居場所を作る必要がある。

ブログ記事、動画、リードマグネットなど、ブレインストーミングや調査によってターゲットとなるキーワードのインテントを理解する。こうしたコンテンツマーケティングを通じて、認知度を高めよう。

Campaign Monitorは、「Eメール リスト コツ」という検索キーワードに関連したインフォグラフィックを作成し、強調スニペットに表示させることで、これを成功させた好例である。

このキーワードで検索する人は、近いうち、Eメールマーケティングのツールの購入を検討しているかもしれない。このキーワードに対応したコンテンツを作成することで、Campaign Monitorは良い第一印象を与える機会を得ることがでた。また、読者に対し、彼らが提供しているものをもっと知ってもらうきっかけを与えることに成功している。

SEOは、ゲスト投稿によって認知度を高めることにも活用できる。

「Eメール リスト コツ」というキーワードで、検索結果の1ページ目には、ジョン・リンカーン氏によって書かれたForbesの記事が表示されている。また、その記事には、彼のデジタルマーケティングエージェンシーへのリンクが記載されている。

ジョン氏は、評判のあるWebサイトに価値のあるコンテンツを提供することで、Eメールマーケティングのアウトソースを検討している、彼にとってのターゲットオーディエンスの心の中に、エキスパートとしてその存在を位置づけることができたのだ。

PPC広告によって認知度を高める

PPC広告によって認知度を向上させるためには、インテントの高いトラフィックに注力し、この戦略を検討段階まで適用することが最善である。

インテントの低いキーワードを狙うことも可能ではあるが、コンバージョンの機会は低くなるだろう(つまり、ファネルを通じてリードを獲得するために、より多くの作業が必要となる)。そのため、より広範囲なキーワードは、ナーチャリングシステムが成熟するまでとっておこう。

インテントの高いキーワードの例を挙げてみよう。

  • ナビゲーショナル(あなたのWebサイト内の特定のページに行きたいというインテント)
  • インフォメーショナル(情報を得たいというインテント)
  • トランザクショナル(購入したいというインテント)

この段階で使用されるコピーは、あなたの提供するものによって大きく異なる。しかし、行動を引き起こす言葉を考えるべきだ。具体例を下記に挙げよう。

  • 訪問する
  • 試してみる
  • 詳細を見る

また、プラットフォームを意識することも重要だ。人々は問題の解決策を探すためにGoogleを使用するため、トラフィックをあなたのソリューションへ導くことが可能だ。

例えば、Act-Onの広告は、「マーケティング オートメーション ソフトウェア」というキーワードで表示される。そして、「ツアーに参加する」へと訪問者を導くのだ。

このCTAには、「受賞歴のあるプラットフォーム」、「簡単に使える」、「競争力のある価格」など、ユーザーにとっての「クリックをする理由」が添えられている。

この広告は、ブランド認知向上のための戦術として、見る価値のあるツールであると訴えることに成功している。また、メリットを列挙することで、検討段階にいるユーザーにも訴求することができている。

リンクをクリックすると、製品の魅力的なメリットを列挙した動画ツアーのサインアップ画面へと遷移する。

広告がクリックされるたびに費用が発生するため、見込み顧客がをファネルの奥へと迅速に誘導することは、理にかなっていると言える。

その一方、ソーシャルメディアは、閲覧向けのチャネルである。それゆえ、顧客ペルソナに基づき、広告をターゲティングし、注目を集めることをメインとすべきだ。

例えば、True Grit Texture Supplyの広告は、Procreate、Illustrator、Photoshopを使用している、または、興味のあるユーザーをターゲットにしている。

動画を使うことで、注目を集めやすくなる。無料サンプルのオファーや「限定コンテンツ」などは、もっと知りたいと読者に思わせるためのきっかけとなりうる。これは、ブランド認知の向上と検討段階にいるユーザーへの訴求としても効果的である。

ソーシャルメディアを活用し、認知度を向上させる

ソーシャルメディア上で認知度を挙げるためには、あなたのオーディエンスがいる場所に、姿を表すことが重要だ。Statistaによると、FacebookはB2BにもB2Cにも強く、LinkedinはB2Bに強く、InstagramにはB2Cに強い、ということだ。


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続いて、どの種類のコンテンツが最も高いエンゲージメントを示すのかを見てみよう。Linkedinによると、動画はエンゲージメントが5倍も高く、画像は2倍以上のコメントを獲得する、とのことだ。

ビジュアルメディアは、FacebookとInstagramにおいても、エンゲージメントが最も優れている。


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これはTwitterでも同様であり、GIF付きのツイートは、GIFがないツイートと比較し、55%もエンゲージメントが多い

エンゲージメントに注力することは重要である。エンゲージメントは、ソーシャルプラットフォームがアルゴリズム的にフィードをキュレーションするために使われる通貨なのである。いいね、コメント、シェア数が多ければ多いほど、あなたのブランドはより多くの人の目に映るのである。

2.検討

現在は、複数の製品のタッチポイントに容易にアクセスすることができるため、見込み顧客は複数のソリューションを調査し、購入を決断する前に、その選択肢を入念に品定めする。

そのため、あなたの目標は、高いインテントを十分に活用し、自身を最適な選択肢として位置づけることである。

これは、競合他社と差別化ができるコンテンツの作成が必要であることを意味している。具体例を挙げてみよう。

  • レビューや体験談
  • 複数の顧客属性に対する、ナラティブなケーススタディ
  • 製品や顧客に焦点をあてたウェビナー
  • ホワイトペーパーや業界レポート

こうしたコンテンツを顧客に寄り添った方法で作成するためには、パーソナライズが重要である。

パーソナライズの活用

検討段階においては、Webサイトへの訪問者やリストにサインアップした見込み顧客など、以前の段階では手に入らなかったデータを持つことができる。

見込み顧客の過去のインタラクションを活用し、コンバージョンに至らなかったユーザーにリターゲティング広告を実行することができる。

また、過去の履歴データを活用し、パーソナライズされたメールを送信することも可能だ。Campaign Monitorの調査によると、セグメント化されたメールやパーソナライズされたメールは、収益が760%も増加するとのことだ。加えて、通常のCTAと比較し、パーソナライズされたメールのCTAはコンバージョンが202%も高いとのことだ。

Dysonはパーソナライズされたメールを活用し、購入にいたらなかったユーザーをターゲットにしている。


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Dysonは希少性を活用し、ユーザーに再訪問を促している。そのメッセージは、「このプロモーションが適用されている買い物かごは保存されています。しかし、このプロモーションは期間が限定されています。ご注文を完了するためには、このリンクをクリックしてください」というものである。

Dysonは、契約を結ぶためには、依頼するだけでは不十分であることを理解している。そのため、保証や無料のおまけなど、感情的なインセンティブを提供するあらゆるものを加えて、説得力のある理由に仕立て上げているのだ。

reMarkableは、パーソナライズをさらに別の方法で活用している。ソーシャルプルーフを活用し、自社の製品が実際の顧客にとって、どのような違いをもたらすのかを示しているのだ。


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reMarkableは、見込み顧客の購買意欲を高めるために、顧客の影響を借りているのである。また、実際の画像、名前、リンクなどを活用し、信頼性を高めることにも成功している。

オフサイトでの露出を考える

この段階にいる見込み顧客は、レビューやおすすめなどを通じて、あなたのビジネスの全体像をつかもうとしている。

そのため、満足した顧客がGoogle My BusinessTrustPilotにレビューを残してくれるように促すことを、あなたの戦略の一部に含めるべきだ。

また、ソーシャルリスニングを行い、あなたの存在をモニタリングし、オーディエンスと関わりを持つことで、ブランドセンチメントを高いレベルに保とう。

例えば、Hootsuiteは、顧客からの質問にTwitterで丁寧に対応するチームを設けている。

45%の人がソーシャルメディアを使用し、製品を調査している。Hootsuiteがこのように顧客と関わることで、彼らの顧客サービスにポジティブな印象を与えることに成功している。

そして、54%の人が、質問や不満にソーシャルメディアでカスタマーサービスが対応してくれた場合、そのブランドに対してより好意的に思うようになると回答している。つまり、こうした活動が、顧客を獲得するか、失うかの分岐点となる可能性があるのだ。

3.コンバージョン

これまでの段階におけるマーケティングファネル戦略は、見込み顧客をこの時点まで導くよう、設計されている。ここでの目標は、見込み顧客をお金を支払ってくれる顧客にすることである。

リターゲティングやEメールマーケティングのような、検討段階の戦術は、見込み顧客に対して行動を喚起するために使われる。

しかし、ここでの第一優先は、購入の障壁となるものを取り除くことと、インセンティブを提供することにある。

コンバージョンへの抵抗を除去する

コンバージョンを高めるためには、人々が購入を完結することを、可能な限り容易にすることが重要だ。そのためには、コンバージョン率の最適化(CRO: Conversion Rate Optimization)が求められる。

あなたが販売するものや取引のプロセスによって異なるが、A/Bテスト、ユーザーテスト、目標測定など、長期に渡る施策となる可能性がある。

データとリソースが十分にあれば、コンバージョン率を高めるために、人々が購入をためらう箇所を特定し、テストを行うことができる。

例えば、チェックアウトプロセスに多くのステップがある場合は、それらを合理化しよう。送料が高すぎる場合は、他の手段を検討してみよう。

データやリソースが十分にない場合は、ユーザー体験に違いを生む、重要な原則に注力しよう。Common Thread Collectiveのアーロン・オレンドーフ氏によると、下記が該当するとのことだ。

  1. スピード(ページの読み込み速度を高める)
  2. 単一性(1ページごと、もしくは、コンテンツごとに目的を1つだけもたせる)
  3. シンプルさ(訪問者を混乱させないよう、気を散らしてしまうものを取り除く)
  4. 明確性(メリットをアピールしてリードする、わかり易い言葉を使う、専門用語は避ける)
  5. 特定(単一のターゲット市場に向けたページを設計する)
  6. 注目(大見出しと小見出しにキーワードを含め、オーディエンスに直接語りかける)
  7. 要望(「私にとってのメリットは?」に対する答えを、コピー文、ソーシャルプルーフ、ヒーロー画像などに含める)
  8. 恐れ(希少性とPAS(problem:課題、agitation:扇動、solution:解決)方式を活用する)
  9. 信頼性(きれいなデザイン、明確な問い合わせ先、ソーシャルプルーフ)

購入を促すためにインセンティブを提供する

インセンティブには、取引の価値を高めたり、決断に至っていない見込み客を誘導するような提案が含まれる。コストやリスクの低減、付加価値などが該当する。

Cozy Earthの場合、見込み客が直面する課題の1つは、価格である。

竹製の寝具や衣類は、コットンやポリエステルなどの製品よりも高額である。そこで、彼らは「心配のない保証」を提供することで読者に安心感を与え、この問題を回避している。


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また、顧客は購入を決断する前に、無料でサンプル品を体験することができる。さらに、10年間の保証を提供しており、送料と返品も無料にしている。

このように、新しいシーツを買う際、より多くの金額を払うというリスクをうまく取り除いているのである。

Masterclassは別の方法を実践している。「1つ買えば、1つ無料」や「1つ買えば、ギフトを進呈」といったインセンティブを提供しているのだ。

その結果、顧客は自分が支払う金額に対して、より多くのものを得ることができる。また、期間を限定することにより希少性を高め、顧客の決断を促すのである。

インセンティブの提供を検討する際のベストプラクティスを挙げよう。

  • インセンティブはシンプルなものにする:ガイドラインをわかりやすいものにし、顧客が獲得できることが理解できるインセンティブにする。こうすることで、そのインセンティブへの参加意欲が高まり、信頼性も増す。
  • 顧客に響くインセンティブを把握する:顧客が何を好み、何を試したいのかを、彼らに質問する。高額な商品の場合は割引が有効かもしれないが、日用品には無料の特典が有効かもしれない。
  • 終了日を意識させる:希少性を活かし、行動を喚起する。
  • ゲーミフィケーションの活用:課題を与えることで達成感が生まれ、良い行動が強化される

4.ロイヤリティ

顧客を迎える準備ができた以上、あなたのマーケティングの目標は、ロイヤリティを高め、再購入を確保することだ。パーソナライズされたEメールマーケティングを続けることは、1つの方法となる。

さらに、目標を達成するための方法を2つ紹介しよう。

1.カスタマーサービスを優先する

90%の顧客が、カスタマーサービスはそのブランドに対するロイヤリティを考える際、重要な要素であると答えている。さらに、満足した顧客は、あなたの評判を広めてくれることだろう。


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カスタマーサービスは、問題が起きてからの対応と、問題が起きる前からの対応の、2つが含まれる。

問題が起きてからの対応は、Eメール、電話、ライブチャット、ソーシャルメディア(TwitterでのHootsuiteのように)などで、迅速にサポートを提供することだ。これを実現するために、顧客があなたに連絡を取ることができる方法を、明確にWebサイトに記載しよう。

HubSpotは、サブスクリプションのレベルに応じて、顧客がどのような種類のサポートを受けられるかを、明示している。

また、顧客が必要なヘルプを簡単に発見できるリンクも用意しており、サポート用のチームも備えている。

さらに、HubSpotは、顧客が目的を達成できるよう、チャットボットを用いたサポートも提供している。

問題が起きる前からの対応は、顧客が尋ねるであろう質問に対する答えを提供することである。

あなたの製品が複雑であればあるほど、顧客はトラブルを抱える可能性が高くなる。顧客が基本的な課題を解決できるよう、ガイド記事、トラブルシューティング、FAQコンテンツなどを作成することで、マーケティングはこれに対応することができる。

Monday.comは、ユーザーが製品から最高の体験を得られるようサポートしている企業の好例である。彼らのカスタマーサポートのページには、ナレッジベース、動画のチュートリアル、解決策、コミュニティフォーラムなどを備えている。

こうしたコンテンツを用意することで、サポートチームの負担を軽減し、カスタマーサービスがより複雑な顧客の課題に対応できるようになる。

適切な種類の問題に対応したコンテンツを作成するためには、ソーシャルメディアやフォーラムで、自社製品や類似の製品についてどのような質問が尋ねられているかを調べてみよう。

さらに、セールスチームやカスタマーサービスチームのメンバーからデータを収集しても良い。顧客はどのような課題を抱えているのか?どのような問題に対し、顧客は最もサポートを必要としているのか?

2.顧客への還元のための、ロイヤリティプログラムの設立

顧客に報酬を与えることで、再度自社の顧客となってもらうことは、ビジネスにとって最善の行動の1つである。

ロイヤリティプログラムは、製品の再購入を促すための方法である。コンバージョンの際のインセンティブと同様、オファーを提供することで顧客を惹きつける。

Amazonは、ロイヤリティプログラムを効果的に活用していることで有名な企業の1つである。月々の定額料金を払うことで、プライム会員は製品の翌日配送が無料になり、ストリーミングサービスへのアクセスも許可され、プライムデーセールスのような限定特典が受けられるのだ。

これらの特典が顧客から愛されていることは、調査によって明らかになっている。


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Starbucksは、購入ごとに顧客にポイントを付与することで、ロイヤリティを管理している。ポイントは、フードやドリンクと交換できる。

Starbucksのアプリでの支払いを促すことで、購買意欲を高めることに成功している。また、これにより、顧客の情報を収集することができ、パーソナライズされたオファーやコミュニケーションなどに活用することができる。

他では体験できないものを顧客に提供することで、顧客に還元できる方法を考えてみよう。

5.アドボカシー

ファネルの最下部におけるマーケティングの目標は、ロイヤリティカスタマーとリードジェネレーターにすることである。

これには、口コミの活用が重要となる。

93%の消費者が、家族や友人からの推薦を信用している。あなたの製品やサービスについて話してもらう理由を与えることで、この力を活用しよう。

推薦を促すためのリファラルプログラムの作成

優れたマーケティング、製品、カスタマーサービスが揃っていれば、顧客は自然とあなたの会社を他社に推薦するだろう。

リファラルプログラムは、あなたを推薦することに対して顧客に報酬を与えることで、安定したリードをもたらしてくれるだろう。

Evernoteは、報酬をゲーム化することで、顧客が同社の製品を勧めることを促している。


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顧客が友人を招待するたびに、プレミアム会員になるために使用できるポイントを付与している。これは、顧客が製品の紹介を継続する理由となるはずだ。

また、紹介された友人は、プレミアム会員に登録することで、その友達を支援することができる。Win-Winの関係である。

ポイントは使用していないが、FreeAgentは、顧客に対してお金を節約する機会を提供している。

紹介コードを使用してFreeAgentに登録した人は、10%オフのサービスを受けることができ、その割引率は最大で100%となる。

報酬が積み重なると、顧客は新しいコンタクトを提供するようになる。FreeAgentのモデルは、その人が顧客で有り続ける限り継続するため、解約の防止にもなる。

リファラルプログラムをうまく活用するためには、下記の要素が重要となる。


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継続して改善するために、顧客にフィードバックを求める

あなたの会社の将来について顧客に関わってもらうことで、顧客はあなたの会社を重要だと感じ、あなたが顧客を気にかけていることが伝わる。また、製品やマーケティングの改善に繋がり、より良い体験を提供できるようになるだろう。

フィードバックを得るにはいくつかの方法がある。

  • 顧客へのアンケート
  • 営業電話
  • カスタマーサービスからの電話

例えば、Tompkins Trust Companyは、Webサイト内の「サービスを評価する」というページにて、フィードバックを得ている。このページでは、顧客は自身の体験を評価でき、購入や推薦を行う可能性を記載できる。

Aeroは、フィードバックの引き換えに何らかの報酬を提供することで、サービスの形成に協力してくれるよう、顧客に依頼している。


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ここでは、これまで顧客が断ってきた行動を促すようなインセンティブを提供することが重要である。

アンケートの回答が少ない場合は、Aeroのリード文に倣い、回答と引き換えに報酬を提供することを検討してみよう。

マーケティングファネルの成功を計測し、注力すべき箇所を特定する

マーケティングファネルのパフォーマンスと、どの段階に注力すべきかを理解するためには、顧客のアクションを観察する必要がある。

これは、各指標とユーザー行動を追跡することで、可能となる。

測定すべきマーケティングファネルの4つのKPI

1.顧客獲得単価(CPA:Cost per acquisition)

キャンペーンに費やしたコストをコンバージョン数で割ることで、ペイドマーケティングやEメールマーケティングを分析する。

特定のチャネルやキャンペーンで新規顧客を獲得するために費やした費用 ÷ 同じチャネルやキャンペーンで獲得した新規顧客の数 = CPA

または、

メディア費用の総計 ÷ メディア経由で獲得した新規顧客の数 = CPA

となる。

2.顧客生涯価値(LTV:Lifetime value)

顧客のリテンションの価値を測定しよう。

解約率:特定の期間で支払いを停止した顧客の数(例:200人の定期購読者がおり、昨年の解約人数が10人であった場合、解約率は5%)

1人あたりの平均収益(ARPU:Average revenue per user):現在のすべてのアカウントの平均収益(例:100人の定期購読者がおり、その内の50人が$50を支払っており、別の50人が$100を支払っている場合、1人あたりの平均収益は$75)

そして、顧客生涯価値は下記のように計算できる。

1人あたりの平均収益 × 顧客生涯 = 顧客生涯価値

3.コンバージョン率

コンバージョン率は、総合的に算出することができる(つまり、売上数)。しかし、事実に基づいた判断を下すためには、ファネルの各段階におけるマイクロコンバージョンに分解すべきだ。

例えば、

  • TOFU:MQL(Marketing Qualified Leads)にコンバートした訪問者数
  • MOFU:サインアップ、もしくは、会員になったMQLの数
  • BOFU:サインアップ、もしくは、会員から顧客になった人の数

4.チャネルごとのコンバージョン率

マーケティング目標に関わる、各チャネル(例:ソーシャルメディア、Eメール、ペイド広告、SEO、など)の成功度合いを測定する。

「成功」が何を意味するのかを理解するために、各チャネルに明確なコンバージョンの目標があることを確認しよう。

例えば、SEOでは、検索結果に表示された自社のWebサイトへのリンクのクリック数がコンバージョンとして考えられる。Eメールでは、受信者からの返信や、Webサイトへのリンクのクリック数などが、コンバージョンとして考えられる。

ヒートマップとスクリーンレコーディングでユーザー行動を測定する

ユーザーの行動を測定することで、数字の背後にあるストーリーを知ることができる。ユーザーがあなたのWebサイトをどのように利用しているかを理解することで、マーケティングをより良いものに調整でき、より完璧なファネルを構築することができる。

ヒートマップは、あなたのWebサイトをユーザーがどのように回遊し、利用しているかを明らかにしてくれる。ヒートマップを活用することで、ランディングページのどの箇所が機能しており、どういった変更を加えればコンバージョンが最適化されるか、などを知ることができる。


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ヒーロマップを活用し、下記の項目を測定してみよう。

  • エンゲージメント(ユーザーが、ブログ記事やランディングページなどと、どのように関わっているか)
  • アクション(どのボタンやリンクを訪問者はクリックしたか)
  • アテンション(どの見出し、画像、フォームが、最も注目を集めているか)

これらを測定することで、コンテンツを配置する最適な場所、最適な使い方、訪問者の気を紛らわしてしまう箇所などを理解することができる。

ヒートマップに加え、HotjarLogRocketなどのスクリーンレコーディングのソフトウェアを使用し、実際のユーザーがWebサイトやアプリとどのように関わっているかを見ることができる(例:スクロールの仕方、クリックしたリンク、回遊方法、など)。


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こうした情報をもとに、顧客の目線に立ち、コンテンツをどのように発見し、消費しているかを把握しよう。

より重要なことは、顧客体験に悪影響を与えるパターンを探し出すことだ。

破損した画像、ページスピードの遅さ、混乱させたり誤解を生んだりするコピー文などの障壁がフラストレーションを招き、コンバージョンをせずにWebサイトを去ってしまう要因となる。

これらの定性データを、ファネルの各段階におけるマーケティングキャンペーンのKPIから得られる定量データと組み合わせることで、顧客行動の全体像を把握することが可能となる。これは、マーケティング活動のどの箇所にあなたが集中すべきかを理解することに役立つだろう。

結論

顧客行動に基づいてマーケティングファネルを作成するためには、顧客の目線に立つことが重要である。認知からコンバージョン、そして、アドボカシーに至るまで、彼らのジャーニーの各段階における心理状態を考えてみよう。

従来のマーケティングファネルを活用しながら、トルネードファネルをコンテンツ作成に反映させ、あらゆるタッチポイントにおける最適な方法で、顧客との接点を持とう。可能であれば、既存のデータを活用し、どの戦術が各段階で最も機能しているのかを理解し、経路をマッピングすることでその間にあるギャップを埋めよう。

最も重要なことは、あらゆる行動を追跡し、測定することである。顧客行動は常に予測できるとは限らない。しかし、パフォーマンスの各指標は、信頼できる指針となりうるのだ。

マーケティングファネルの各段階ごとに最適な施策をあてていく、という内容でした。的確な分析と、分析結果に基づいた施策の実行が肝となりますが、各段階での成否を判断するための効果測定もおろそかにしてはいけません。なかなかやることが多い印象ではありますが、見切り発車をしてしまうと、期待に見合った効果を得られないことも容易に想像でき、それだけは避けたいところです。理想的な結果を得るためには、多少遠回りに見えるかもしれませんが、しっかりとした計画が重要となることを改めて考えさせられました。

この記事は、CXLに掲載された「How to Create a Marketing Funnel by Responding to Customer Behavior」を翻訳した内容です。
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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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