マーケティング・ファンネルをSEOに活用する方法

ファンネルといえばガンダムを思い出す人も多そうですが、本来の意味は「じょうご(漏斗)」、集客から申し込みまでのコンバージョンプロセスを考える時に常とう手段で使われるメタファーですね。その過程で様々なチャンネルや手法が利用されるわけですが、今回はマーケティング全般に幅を拡げた上でユーザーとの関係性をファンネルに落とし込み、かつSEOに焦点を当て、その価値と活用法を探ってみようという大人な記事を。 — SEO Japan

今月のコラムでは、コンテンツマーケティング戦略について探っていく — SEOに関連しているためだ。多くの企業が、マーケティングファンネルの購入の部分に必要以上に焦点を当てているが、これは間違いである。

PPCでは現金が配置を買う

SEOを取り上げる前に、まずは、対照的なアプローチとして、PPCを見ていく。有料検索の世界では、検索エンジンのオーディエンスにアクセスする権利を借りていることになる。つまり、ブランディングが目的ではないなら、コンバージョンとROIが最も優先される。そのため、購入する意思が高いキーワードから始めるのが妥当な方針だと言えるだろう。販売目的のキーワードをシリンダーの全ての段階に展開したら、セールスファンネルを上に移動し、欲望にマッチするキーワードを狙って、入札を始めるプロセスに移る。

限界まで入札を行ったら、信頼に密接に関わる検索クエリを購入する。このPPCのキーワードの選出プロセスは、マーケティングファンネルの一番上 — 認知 — にたどり着くまで継続する。セールスファンネルから着手し、上に向かって進むのは、ファンネルの下のセクションを初めに限界まで活用しない状態では、ROIの低いキーワードに入札するしか、選択肢がなくなってしまうためである。

潤沢な予算を持っていると仮定しても、購入向け、そして、キャンペーンやランディングページを最適化するためのキーワードには、限りがあるはずだ。そのため、 いずれ、支出を減らし、また、セールスに出来るだけ大勢のユーザーを向かわせることを目指したマーケティングファンネルの高い位置でのキャンペーンに歯止めを掛けなければならなくなる。現金が配置を買うため、PPCの場合はこの戦略が功を奏する。

Marketing Funnel

様々なマーケティングファンネルやセールスファンネルが考案されており、その中には非常に複雑なものもある。

上から、認知、信頼、欲望、セールス、顧客のサポート、維持 & アップセル

SEOにおいてはオーソリティが必要

自然な検索においては、現金でビジビリティを買うことは出来ない。その代り、オーソリティと関連性が貨幣の役割を果たす。オーソリティは、リンク、そして、ソーシャルメディアでのシェアから得られる。ここで注意してもらいたい点がある — 有料検索では現金とキーワードを結びつけることが出来るものの、リンクとキーワードの間には相互的な関係はほとんど存在しない。事実、最もコンバートする自然のキーワードは、リンクの価値がもっとも低い可能性がある。

最高のPPCのキーワードに対して、ページのコンテンツをSEOするほど、容易ではない。オーソリティが欠ける状態では、コンテンツは上位にランク付けしてもらえない。

オーソリティを理解する

自然検索では、– ページとドメイン — の2つのタイプのオーソリティが存在する。ページのオーソリティは、文書に向けられたリンクの本数から得られる。オーソリティの要素を幾つか挙げていく:

  • 文書に向けられた内部リンクの本数
  • サイトのウェブの構造における、文書の配置
  • 文書に向けられた外部のリンクの本数
  • 文書にリンクを張るドメインの数
  • 文書にリンクを張るページそれぞれのオーソリティの量(外部リンクの本数で割る)

ドメインのオーソリティ、または、サイトワイドのオーソリティは、ページのオーソリティの総計である。同じように、このタイプのオーソリティにおいて重要な要素を挙げていく:

  • ウェブサイトが持つ全てのページオーソリティの合計
  • 外部からのリンクを受けているページの合計
  • ウェブサイトが新たにリンクを受け、人気が高くなっている点を証明する、新鮮さや速さ等のトレンド

ソーシャルメディアのリンクおよびブランドの言及の回数もオーソリティの構築に貢献する。コンバージョンの量、そして、メッセーンジャーの影響力が特に重要だと見られているが、インパクトに関して詳しいことは分かっていない。

要するに、オーソリティの大半は、外部から得られる。だからこそ、SEOのプロセスにおいて、リンク構築が重要視されているのだ。

リンクに値するコンテンツ vs コンバージョンの高いコンテンツ

オーソリティとリンクの価値を理解したら、リンクに値するコンテンツについて検討し、SEOの最適化戦略を立案する工程に移る。

eショッピングサイトでは、コンバージョンの高いページは、リンクに値しないと言う不都合な事実が存在する。例えば、ビリヤードの機器を販売しており、ボール、キュー、備品、そして、台が多数掲載されたカタログを持っていると仮定しよう。各製品のページをそのキーワードで上位にランクインさせることは重要だが、大量の被リンクが集まる可能性は低い。

反対に、適切に球を打つ方法等、ベーシックなhow to記事から、トーナメントに向けて、テーブルのサイズを変えていく方法等の上級者向けの情報を含む、記事、そして、参考になる資料が多数提供されたブログをウェブサイトで運営していると仮定する。面白い記事は、多数のリンク、そして、ソーシャルシェアを獲得することが出来るかもしれないが、多数の製品の販売につながる確率は低い。セールスページを上位にランクインさせたいため、ブログの記事をコンバージョンの高いキーワードに対して最適化したくはないはずだ。

次にソフトウェアのスタートアップ会社を例にとって考えてみる。毎年、大規模な製品を1点リリース、または、アップグレードして、オーソリティの高いニュースメディアのリンクを獲得している。それは良い傾向だが、その他の364日間はどんな調子だろうか?このスタートアップが、検索エンジンが見返りを与える、新たなリンクとソーシャルシェアを継続的に獲得するには、どうすればいいのだろうか?

コンバージョン率が最も高いのは製品ページであり、一方、最も多くのリンクが寄せられるのは、製品やサービスを買うかどうかは別として、ビジターが読みたい、参考にしたい記事や参考になる情報である。そして、マーケティングファンネルで、リンク構築のポテンシャルが最も高いのは、ファンネルの最上階に位置する認知レベルである。

SEOがインバウンドマーケティングになる

カタログページの最適化だけ、あるいは、優れたガイドや指南書の作成だけでは不十分であり、ウェブサイト全体のコンテンツと宣伝の双方に取り掛かる必要がある。

マーケティングファンネルの各階層に対して、次の質問に答えていってもらいたい

  • どのキーワードがフィットするか?
  • どのようなタイプのコンテンツをビジターは期待しているのか?
  • どのコンテンツをビジターに見てもらいたいのか?
  • どの検索の意図をビジターは満たしたいのか?(ナビゲーショナル、インフォメーショナル、コマーシャル、トランザクショナル、エンターテイメント)
  • マーケティングファンネルをどのように下ってもらうのか?
  • コンテンツを宣伝することは可能か?どのように宣伝するのか?

次に、各レベルに対するコンテンツ計画を、続いて、獲得および維持計画を策定していく。以下に例を挙げる:

ビジターを「認知」から「信頼」に移ってもらう

  • 参考になる情報、業界のニュース、そして、製品のニュースを通して、ビリヤードの愛好家を集める。
  • テキストの記事、動画、オンラインセミナーを提供する。
  • ホームページとソーシャルメディアのアカウントでコンテンツを宣伝する。
  • リンクの獲得を目指した価値の高いコンテンツに関して、影響力の高い友人にeメールで報告する。
  • eメール経由でブログに購読してもらう、または、限定の勉強になるコンテンツ、そして、特売情報を掲載する週刊のニュースレターに登録してもらって、名前とeメールアドレスを獲得する。
  • ファンネル全体に取り組む。

Marketing Funnel

各レベルに対するコンテンツ計画を作り、その後、SEOを行う。

リンク構築と外部への宣伝を組み合わせるのは、難しい。だからと言って、諦めてもらいたくない。また、SEOに特化したコンテンツの作成も中止してもらいたくない。マーケティングファンネルの全てのレベルで良質なコンテンツを用意し、ビジターを認知から購入に向けて、進んでもらう必要がある。この中には、記事、ガイド、ケーススタディ、ホワイトペーパー、動画、オンラインセミナー、スライドショー等が含まれる。

ドメインのオーソリティのおかげで、リンクがなくても、高いランキングを獲得することが出来る可能性がある。ドメインのオーソリティが確立されていくと、作成し、キーワードを意識して最適化したページは、上位にランクインし、さらに、トラフィックを獲得するようになるかもしれない。時間はかかるかもしれないが、その努力に値する見返りを得られることが出来る。

また、カスタマーサポートを無視するべきではない。充実したヘルプのセクションは、自然なトラフィックの源として貢献する効果が見込める。顧客に参加する機会を与えてもらいたい。投げ掛けられた質問に対する答えをブログで提供したり、コンテストに参加させたり、あるいは、褒美として、参加者限定のコンテンツを用意したりする等、手を打つべきである。そして、リンクを顧客のソーシャルメディアのアカウントで容易にリンクをシェアすることが可能な環境を作って、顧客をファンに変えるべきである。

繰り返すが、まずは良質なオンラインマーケティングプログラムを策定し、次にSEOに取り掛かる必要がある。キーワードのリサーチによって、具体的な記事やページに関するヒントを得られたら、マーケティングに真摯に取り組みつつ、いち早くこのようなコンテンツを配信していく必要がある。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「How To Use The Marketing Funnel For SEO & Inbound Marketing」を翻訳した内容です。

簡潔ながら、中々に「わかった」記事だったと思います。この種のマーケティングファンネルは最近流行のインバウンドマーケティング的発想の根本に位置するものとも思いますが、その中でSEOを単なる検索エンジンでの上位表示手法として捉えるか、またはSEOをより深く理解し、その検索視点の発想を様々な局面で活かせるかどうかで、インバウンドマーケティングの成果も大きく変わってくるんだろうな、、、としみじみ感じた内容でした。 — SEO Japan [G+]
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