SEOのためのリンク削除による思わぬ結末とは?

公開日:2012/07/11

最終更新日:2024/02/18

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GoogleのSEO対策強化で、これまでのリンク構築手法を根本的に見直す必要に多くのサイトが迫られています。実際にペナルティを受けてしまったサイトの多くはひたすら過去に培ったリンクの削除と再申請の作業に追われていると思いますが、まだペナルティを受けていないサイトであってもこれまでSEOのためのリンク構築を行ってきたサイトであれば(もっといえば何もしていないサイトであっても)、ペナルティを受ける確率は0とはいえません。今回はそんな最近のリンク狂想曲をSEO歴15年以上の米国のSEOエキスパートが語ります。 — SEO Japan

過去十年以上のSEOの歴史で、ここまでリンクに関して皮肉な展開を迎えることはなかった。パニックに陥ったオンラインマーケッター達は180度方向を転換し、数年間をかけて構築してきたリンクを削除するべく奔走している。さらに皮肉なことは、これらのリンクを手に入れるために雇った企業に料金を払い、(今や有害となった)リンクを削除している点である。

Link Removal「でも以前は有害ではなかった」もしくは「競争に勝つためにはやむを得なかった」と主張することも出来るかもしれないが、多くのウェブサイトが抱えている不条理な問題をしっかりと受け止めて、教訓を得るべきである。

そんなことを言う人達は、いずれ埋められ、閉じられることになっていたアルゴリズムの隙間や穴を利用することに焦点を絞らずに、正当なコンテンツ作成戦略およびアウトリーチ戦略に頼っていたら、どれだけ良かったか自分の胸に問いかけてもらいたい。

私は過去15年でリンク戦略のセッションを少なくとも1500回は行ってきた。1年に100回、1週間に2、3回のペースである。この投稿を読んでいる方の多くにとっては、お馴染みの質問だが、「私達より賢いグーグルの博士号取得者達を敵に回したいと本気で望み、そして、永遠に彼らを出し抜くことが出来ると思っているのだろうか?」

私はフランク・アバングネイルが暗躍していた時代のFBIをグーグルが参考していたら、どんなに良かったかと思うことがある。フランク・アバングネイルとは、何年間もの間FBIが追い続けた悪名高い小切手偽造犯である。この人物の人生は、レオナルド・ディカプリオとトム・ハンクスが共演したキャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンで映画化されている。FBIはアバングネイルを逮捕し、その後、詐欺師を捕まえる方法を改善するため、雇ったのだ。同じように、グーグルが数名のブラックハットSEOを採用していたなら、パンダやペンギンを展開する必要はあったのだろうか?

私は博士号取得者でもなければ、ブラックハットSEOでもないが、90年代にアンカーテキストには注意するよう呼び掛けていた。最高クラスの編集されたリンクまたは管理されたリンクを求めているなら、リンクを張る方法を押し付けて、エディターを侮辱するべきではない。リンクを手に入れた事実を喜ぶべきである。リンク構築は今も昔もパブリックリレーションズである。

リンクの削除が答えなのか?

リンクの削除は、明らかな答えのように見えるかもしれない。実際、一部のケースにおいては間違いなく正解である。

既にこのようなサービスを提供している会社もあれば、問題の源となっている可能性のあるリンクを特定する上での質の高いチュートリアルおよび手順を追ったガイドも幾つか作成されている。グーグルで検索すれば、すぐに見つかるはずだ。

しかし、サイトによってはリンクの削除が問題を解決しない可能性があり、時間を無駄につかうだけで終わってしまう場合もある。

予期せぬ結果 – リンク削除スキーム?

コンテンツのみに焦点を絞るのではなく、地雷となっているリンクを削除することに時間とリソースを費やしているだろうか?自分が削除するよりも早いペースで、競合者はリンクを加える行為に走っているだろうか?因みに、価値の高いリンクを削除することを狙って、競合者のサイトに対してリンクの削除要請を送信する新たな妨害作戦をご存知だろうか?

競合者は、獲得することが難しい正当に管理された.eduの25本の被リンクを学術部門の司書から獲得しているだろうか?それでも心配する必要はない。競合者のふりをして、リンクを削除してもらうよう頼めばいいのだ。 おまけに数百ドルを渡しておこう。数回しか効果は見込めないかもしれないが、それでも実際にコンテンツを作って、リンクを獲得するよりも簡単である。

皮肉に聞こえたかもしれない。私も出来れば冗談で済ませたかった。リンクについてトゲのある言い方をして申し訳ない。しかし、リンクを獲得するために取る行動を見ると、そして、今となってはリンクを削除するために取る行動を見ると、つい皮肉を言いたくなるのだ。

シンプルに考えよう

リンクを削除する戦略について私がアドバイスを送るとするなら、そして、リンクの量が少ないと仮定するなら、必要以上に難しいことをせず、次の基準を設けることから始める。 まず、ダニー・サリバン氏が綴ったGoogleのペンギンアップデートから回復するためのアドバイス(日本語)に目を通し、次の2つの作業を実施してもらいたい。

オフサイトのリンク

過去に自分自身(もしくは業者)が実施した有料のアンカーテキストのリンクを特定しており、今でもサイトの関係者を見つけることが出来るなら、連絡を取ろう。ただし、リンクの削除を要請するわけではない。no-followにしてもらうのだ(それでもクリックトラフィックの価値は提示されるはずであり、これこそが、グーグルが求めているものである)。

サイトがno-followの要請に従ってくれない場合は、完全に削除してもらおう。削除にも応じてくれない場合は、努力を記録にまとめて、次のリンクの対処に進んでもらいたい。

オンサイトのリンク

オンサイトのリンクの最適化がランキングの主な要因であり、リンクの効果が消えてしまっているなら、ランキングを取り戻すことが出来るかどうかを特定するのは難しい。取り戻すことが出来る場合は、自分のコンテンツにリンクを張る仕組みを変えるプロセスから始めるのが一番手っ取り早い。

全てのリンクにキーワードを含めなければいけないわけではなく、「ここをクリックする」と言うアンカーテキストを使う行為が、大勢の人達が言うように、初心者のウェブマスターである証拠だと考える必要はない。自分のサイトのリンクプロフィールは、サイトにリンクを張ってくるサイトと同じように自然に見えなければいけない。今までアンカーテキストリンクの購入を大幅に実施してきた場合は尚更である。

特定の割合を探している人には、グーグルが今まで一度もペナルティーを与えるか与えないかの境界線を明言したことがない点を知ってもらいたい。その場合は、サイトのSEOのシグナルを一度に少しずつ調節し、効果があるかどうかを確かめるしか方法はない。グーグルが「過剰なSEO」を明確に定義するツールを作るまでは、経験を基に勘に頼るしかない。

それだけだ。

現時点ではこれが最善策だと私は感じている。つまり、現段階では、変化する要素や意図せぬ結果が数多く発生し、自分ではどうすることも出来ないことが多いのだ。

リンクを張る行為を止めさせることも、競合者の妨害行為を阻止することも出来ない。また、全ての劣悪なリンクを探し出して削除することも、自分で配置しているなら場合は別として、そもそも、どのリンクの質が低いのか確信を持つことも出来ないはずである。さらに言えば、業者は消え去り(日本語)、もしくは、eメールの返信を止めているため、リンクを削除することが出来るかどうかも分からないのだ。

ウェブで起きていることをコントロールする力を持っている人はいない。現実には、絶対に削除可能なリンクは、自分で完全にコントロールしているリンクのみである。また、外部リンクと内部リンクにおいて、当該のリンクがどちらなのか明確に理解しているはずである。従って、まずはこの問題を解決し、スキームから手を引き、そして、リンクを張る価値のあるサイトを構築していってもらいたい。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「The Unintended Consequences Of Link Removal」を翻訳した内容です。

極めてまっとうな意見とアドバイスでございました。「競合のふりをして競合に張られている正当なリンクを削除してもらう」は新しいですが。。。汗 ナチュラルリンク構築を目的としたSEO手法はますます必要とされていくと思いますし、これまでのようなあからさまな「SEOのためだけのリンク&リンクページ」は時間と共に消えさる運命とは思います。

同時に加減の問題ながらSEOのためのリンク、SEOによるナチュラルに見えるリンク構築も続いていくとは思いますが、、、ユーザーに役に立つコンテンツなのか、参考になるリンクなのか、という辺りが最終的にはポイントになってくるのでしょうか。なんだかんだでこのリンク狂想曲、当面は続きそうな気がする私でした。– SEO Japan [G+]

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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